JPH0435027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はレーザ光を被加工物に集光するための
集光レンズを備えたレーザ加工用の加工ヘツドを
固定する装置に関するものである。

（従来の技術） レーザ発振装置より導びかれたレーザ光を加工
点に集光するための加工用集光レンズ（以下レン
ズと呼ぶ）１を備えたレーザ加工用の加工ヘツド
は第３図に示す如くレンズ１を挿着したレンズマ
ウント２を内装したレンズアダプター３及び加工
用補助ガスの取入口４ａを備えたリング４、加工
用ノズル５を取り付けるスリーブ６により構成さ
れており、各々の部品はボルト７，８，９により
結合されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらレーザ加工に於いて、被加工物の
材質、板厚、精度、加工速度等種々の最適な加工
条件に応じてレンズ１を焦点距離の最適なものに
取り変えると共に、スリーブ６及びノズル５等も
交換する必要がある。この様な場合はレンズ１を
装着したレンズマウント２をレンズアダプター３
より取り外す必要があるが、従来例のごとき構成
に於いては、ボルト９を外した後、ノズル５を装
着したスリーブ６とスリーブホルダー１０を外
し、その後レンズ１を装着したレンズマウント２
をレンズアダプター３より取り外すという幾多の
プロセスを経る必要がある。

またレンズ１を取り付ける際には前述した工程
とは逆の工程によりレンズ１を内装したレンズマ
ウント２をレンズアダプター３に螺合させる。こ
の時レンズマウント２とレンズアダプター３に設
けられたねじ部の加工精度のばらつきにより、レ
ンズマウント２は若干ラジアル方向へその位置が
ずれる可能性がある。従つてレンズ１を交換した
後には、レンズ１により集光されたレーザビーム
が必ずノズル５の細穴５ａの中心を通過している
ことを確認する必要がある。この作業を怠るとエ
ネルギー密度の高いレーザビームがノズル５に照
射され、ノズル５を溶融させる可能性がある。従
つてレンズ１を交換した後は細心の注意を払つて
レーザビームがノズル５の細穴５ａの中心を通過
する様に調整ネジ１１を回動させてノズル５を装
着したスリーブ６を移動させる必要がある。

この様にレンズ１を交換する場合に於いてはそ
の取り付け、取り外しはもちろん、交換後の確認
に於いて熟練した技術者と多大な時間を必要と
し、レーザ加工装置の稼動率を低下させるという
問題点があつた。

本考案は、レーザ加工用のレンズの交換を必要
とする多目的用途に用いられるレーザ加工機のレ
ンズ交換及び点検を容易にするレーザ加工ヘツド
を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） すなわち本考案は本体側に取付けられる筒状の
ホルダーと、集光用のレンズを収容する加工ヘツ
ドの一端部に形成され一端部が前記ホルダーの内
周面に沿つて嵌め込まれる筒状部と、前記ホルダ
ーに組付けられ頂点部側で前記ホルダーに嵌め込
まれた加工ヘツドの筒状部を締め付けて固定する
カムとを具備してなる構成に特徴を有する。

（作用） ホルダー内に加工ヘツドの筒状部を嵌め込むと
きにはカムの頂点部を外側に向けておき、嵌め込
み終了後にカムを回転させて頂点部を内側に向け
てゆく。このときカムの回転角が一定値を越える
とセルフロツク状態になり、加工ヘツドが固定さ
れる。

（実施例） 本考案の構成を第１図及び第２図により説明す
る。レンズ１を内装したレンズマウント２はレン
ズアダプター３にねじ部３ａにより装着されてい
る。レンズマウント２、リング４及びノズル５を
装着したスリーブ６をボルト８，９により取り付
けられたレンズアダプター３の一端は筒状部とし
て筒状ホルダー１２の内周面１２ａに嵌合する様
に製作され、もつて加工ヘツドを形成している。
一方ホルダー１２にはレンズアダプター３を中心
方向に締めつける一組の偏心部１３ａを有したカ
ム１３が回動自在に装着されている。１４はカム
１３が抜け出すのを防止するためのリングであ
り、止めネジ１５によりホルダー１２に固定され
ている。

上述した構成の作用について以下に説明する。

加工用レンズ１を内装したレンズマウント２及
びノズル５を装着したスリーブ６を取り付けたレ
ンズアダプター３の一端をホルダー１２の内周面
１２ａに沿わせて挿入した後、一部に偏心を有し
たカム１３を回動させると偏心部１３ａがレンズ
アダプター３に当接を開始する。ここで更にカム
１３を回動させると当接量が増大し、カム１３を
一定角度以上回動させるとセルフロツク作用を生
じ、レンズアダプター３を強固に固定する。一
方、レンズアダプター３を取り外すにはカム１３
を反対方向に回動させれば良い。従つてレンズア
ダプター３は迅速に交換することができる。以上
の方法で固定した加工ヘツドを長時間にわたつて
使用した結果では標準的な条件のもとで使用され
るレーザ加工機に於いて、緩みを生じることなく
十分使用可能であるとの結果を得ている。また本
発明の加工ヘツドの交換に際しての使用時間の実
施例に比して約1/5と非常に短くなつている。

本考案の一実施例によれば、以上述べたよう
に、頻繁に点検、交換する必要のある加工用レン
ズ１の取り付け、取り外しに、レンズアダプター
３と嵌合する内周面１２ａの両側に設けられた、
一部に偏心部１３ａを有するカム１３を回動させ
ることにより、レンズアダプター３を固定でき
る。従つて多数のボルトを締めることなく固定す
ることが可能となり、迅速に交換を完了すること
ができる。

尚、上述した実施例においてはレンズアダプタ
ーを締め付けるカムが２個しかないが、これを円
周方向に３ケ所以上等配に設けたり、またこれら
のカムを連動させて動かす様にすることももちろ
ん可能である。

［考案の効果］ 本考案は以上述べたように、頻繁に交換する必
要のあるレーザ加工用のレンズの取り付け、取り
外しに於いて、レンズを保持するレンズアダプタ
ーを強固にしかも迅速に固定することが可能とな
り、レンズの交換、点検等による機械の停止時間
を短くすることができるため、機械の稼動率を上
げることができるという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部断面図、第
２図は第１図の−断面図、第３図は従来の実
施例を示す断面図である。 １……集光レンズ、２……レンズマウント、３
……レンズアダプター、５……ノズル、６……ス
リーブ、１２……ホルダー、１３……カム、１４
……リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体側に取付けられる筒状のホルダーと、集光
   用のレンズを有し、一端部が前記ホルダーの内周
   面に沿つて嵌め込まれるレンズアダプタと、前記
   ホルダーに組付けられ前記ホルダーに嵌め込まれ
   た前記レンズアダプタを締め付けて固定するカム
   とを具備してなることを特徴とするレーザ加工ヘ
   ツドの固定装置。