JPH0434702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案はチヨコレートを基体として、その周
面にメレンゲの装飾を施した菓子に関するもので
ある。

〈従来の技術〉 現在、チヨコレートはバレンタインデー等で見
られるように各種装飾されたものが存在する。こ
のチヨコレートはミキシング、レフアイニング、
コンチング、テンパリング及びモールデイング等
の周知の方法により製造され、その種類も“板チ
ヨコ”、“シエルチヨコ”、“チヨコボール”又は
“ホローチヨコ”と称されるものがある。そして
このチヨコレートの特性は、なによりも栄養価が
高く、チヨコレートの脂肪分であるココアバター
は人体よりやや低い融点であるために口腔内で簡
単に溶け、デオブロミンの穏やかな興奮作用によ
つてさわやかな感じを与える。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、かかる従来のチヨコレートは、
その物理的特性と成形型によつてすべて同一形状
に作られるところからデザインが一定の枠に固定
化されたものに限定され、風味や香味も香料等を
変更する外には舌ざわり等に変化は見られず、嗜
好性及びデザイン性にも限界があつた。

この考案はかかる従来の問題点に着目してなさ
れたものであり、チヨコレートの基体上に、香料
などを添加した装飾物を施こすことにより、デザ
イン性にすぐれ、しかも珍しい風味や香味を具現
できる装飾菓子を提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案にかかる装飾菓子は、中実のチヨコレ
ートを基体とし、この基体上に、メレンゲの装飾
物を接合することにより、全体として動物や物品
の形をあしらう構成にしたものである。

ここにいう、動物や物品の形としての限定と
は、単にチヨコレートとメレンゲを菓子食品とし
て組み合せたものを除く意味であつて、上記考案
の構成にも明らかな如く、１以上の中実のチヨコ
レートを基体とし、この基体の外部メレンゲで装
飾することにより、全体として交換価値のある完
成品又は部品としての製品であつて半製品や完成
品の部分などを含まない。

〈作用〉 この考案は、チヨコレート上にメレンゲを接合
させて、動物や物品等の形をあしらつた形状の装
飾菓子を形成し、これによつて、メレンゲ自体に
付与した風味、香味をチヨコレート自体の風味や
舌触りに付加して、風味や香味をさらに新しく
し、これにデザイン性および嗜好性をも向上させ
て消費者の購買意欲を旺盛にさせる。

〈考案の実施例〉 以下に、この考案の一実施例を図について説明
する。

第１図は装飾菓子の外観を示す斜視図であり、
全体として、サルの姿を模した形態をなし、１は
略球状の頭部、２は頭部１を載せた化粧台部で、
これが装飾物として略平板状に成形されている。
また、頭部１において、３は上部正面に突設した
装飾物としての顔部であり、この上にさらに眼部
４、鼻部５が突設されている。６は上部側面に突
設した装飾物としての耳部、７は着色料で描いた
口部である。８は顔部１と化粧台部２との間、つ
まりサルの首に対応する部分に接合した装飾物と
してのタイ部である。

一方、上記頭部１は、第２図に示すように、チ
ヨコレートにより、サルの頭の形をあしらつた球
状の中実でなる基体１１からなり、これが適当な
硬さと、弾力性を有、チヨコレート色に着色され
ている方が、他にホワイトその他の色であつても
よい。

一方、この基体１１の正面にはメレンゲよりな
るピンク色の顔部３が接合され、この顔部３上に
メレンゲよりなる黒色の眼部４および鼻部５が突
設されている。一方、口部は黒色等の適当な着色
料を用いて描かれている。また、化粧台部２とタ
イ部８も、ピンク色のメレンゲによりそれぞれ作
られ、上記基体１１に対し手作業または自動機械
作業によつて接合される。

ここでチヨコレートはカカオマス、ココアバタ
ー、粉糖などの主原料をテンパリング等の従来の
製造技術で作られたものをいい、また、メレンゲ
は卵白を泡立てて、砂糖、香料および着色料を点
火して作られたものをいう。

なお、上記の眼部４や鼻部５はメレンゲの接合
によらず、別途着色料により描いて表出すように
することもできる。

上記の装飾菓子を製造するには、頭部１、化粧
台部２、顔部３、眼部４、鼻部５、タイ部８はそ
れぞれ独自に成形した後、手作業や機械の助けに
よつて基体１１に接合することにより、第１図に
示すようなサルの姿をあしらつた菓子が大量に作
られる。

かかる装飾菓子は、チヨコレートの特徴である
舌触りおよび香味を基調とするものであるが、ま
ずこれを口中に投入することで、メレンゲからな
る顔部３などに唾液が迅速に浸潤し、メレンゲに
混入した香料や糖原料が溶けて口中に拡散して
種々の香味を味わうことができ、続いて、口中で
上記チヨコレートを噛んだり、舌で転がすことに
より、独特の舌触りでこれが溶け出し、これに混
入されている香料等による香味が再び口中を拡散
し、上記メレンゲと共に２重の味覚を楽しむこと
ができる。

なお、上記実施例は、サルの姿を形どつたもの
について述べたが、その他の動物や物品の形をあ
しらつた菓子にも適用できることは言うまでもな
い。また、チヨコレート自体は熱に溶け易いの
で、その基体１１の周囲に糖衣を施すことによ
り、特に夏場等に保形性を十分とすることがで
き、必要に応じて光沢や着色あるいは特異な風味
を付与することも可能になる。

〈考案の効果〉 以上説明してきたように、この考案によれば、
チヨコレートを基体として、これにメレンゲから
なる香味を持つた装飾物を接合するように構成し
たので、デザイン性、趣味性がすぐれ、消費者の
購買意欲を高めることができるとともに、チヨコ
レート自体がもたない風味や香味を具現し、嗜好
性を高めることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる菓子の斜視図、第２
図は同じく縦断面図である。 ２，３，４，５，６，８……メレンゲ（装飾
物）、１１……チヨコレート（基体）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 中実のチヨコレートを基体とし、この基体上
   にメレンゲの装飾物を接合することにより、全
   体として動物や物品の形をあしらつたことを特
   徴とする菓子。 ２ 基体が複数個からなることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の菓子。 ３ 基体には、これの周面に糖衣が設けられてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の菓子。 ４ 糖衣が着色されていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第３項記載の菓子。 ５ 装飾物が着色されていることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の菓子。