JPH04345812A - 異形注型品の成形方法 - Google Patents

異形注型品の成形方法

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JPH04345812A
JPH04345812A JP14786791A JP14786791A JPH04345812A JP H04345812 A JPH04345812 A JP H04345812A JP 14786791 A JP14786791 A JP 14786791A JP 14786791 A JP14786791 A JP 14786791A JP H04345812 A JPH04345812 A JP H04345812A
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mold
molding
weight
apron
curable liquid
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Application number
JP14786791A
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Satoshi Bando
坂東 智
Osamu Nozawa
野沢 修
Shingo Furusawa
真吾 古澤
Koji Arakawa
荒川 興二
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異形注型品の成形方法
に係わり、特にカウンタートップなどの袖部を有するプ
ラチックス成形品の注型成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】プラスチッ
クスの注型成形は、それに用いる装置やその操作が簡単
であり、またこの方法により得られる成形品は美しい外
観と優れた特性を有することが知られている。特に無機
粉末を充填した注型成形品は、人工大理石としてキッチ
ン天板や各種カウンタートップ、洗面化粧台、シャワー
トレー、防水パン、床材、壁材、間仕切り板などに使用
されている。
【0003】注型成形は製品の形状からふたつに大別す
ることができる。ひとつはアクリルキャスト板やアクリ
ル人工大理石平板のような単純な平板の注型成形であり
、他のひとつは複雑な形状品の注型成形、すなわち一般
に異形注型と呼ばれているものである。異形注型の中で
も特に、流し台や浴槽、前垂を有する天板などのように
、基本的には平板状の基板とその周囲の一部または全部
に付随した袖部とからなる形状のものは需要が多く、そ
の生産は工業的にも重要である。しかしこのような形状
のものを平板と同じように注型成形すると、袖とその近
辺に艶がなく平滑性を欠いた部分、すなわち“ひけ”と
呼ばれる欠陥が生ずる。ひけは、注型成形品が硬化の途
中で型表面から離れて型面の転写が十分に行われないた
めに生ずるものであり、そうでない部分と表面性、すな
わち光沢や平滑性などの外観が異なり製品表面の欠陥と
なるものである。ひけを惹起する硬化途中の離型は、硬
化収縮によって生じるもので、アクリル樹脂や不飽和ポ
リエステル、特に重合硬化収縮の大きいアクリル樹脂の
注型成形で顕著であって、問題である。
【0004】ひけを防止する方法は、いろいろと提案さ
れており、平板では型の移動だけでひけを防止すること
ができ、例えば2枚の硝子板の間に柔らかいガスケット
を鋏込んだ型を用い、硬化収縮に応じて硝子板が注型品
との接着力で、ガスケットを押し潰しながら互いに接近
して、硬化収縮を吸収する方法が採用されている。一方
異形品の場合は、単純な型の移動だけではひけを防止す
ることは困難であり、種々の工夫がなされている。その
主なものとしては、■型のパーティングラインにピスト
ンとシリンダーの関係のような嵌合機構を設けた特殊な
型を用いて硬化収縮を補償する方法(Modern  
Plastics  International、1
979年(11月)、20頁)、■型の使用面を構成す
る部分のみを先に加熱して非使用面よりも早く硬化させ
て、ひけを非使用面に集中する方法(Plastics
  Design  &  Processing、第
15巻、1975年(11月)、19〜21頁)、■非
使用面を構成する型面に離型フィルムを張着して加圧下
に硬化し、ひけを非使用面に集中する方法(特公平2−
12732号公報)などを挙げることができる。しかし
、■の方法では嵌合機構を具えた特殊な型を必要とする
こと、また型の一方向の移動のみでは移動方向に平行な
面のひけを防止できないこと、■の方法では使用面型の
みを加熱する特殊な装置が必要なこと、■の方法では加
圧装置と加圧に耐える強固な型を必要とし、また非使用
面型全面にフィルムを張着する操作は複雑な形状の型で
は繁雑で困難であること、などの欠点を有している。さ
らにこれらの方法を用いても、ひけを完全に防止するこ
とは難しい場合も多いのが実情であった。
【0005】したがって、本発明の目的は、簡便かつ安
価にひけを防止し得る異形注型品の成形方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決すべく異形注型品の成形に用いる型構造に注目
し鋭意検討した結果、成形品の使用面を構成する部分の
型を分割することによりひけを防止できることを見出し
、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明によれば上記目的は、硬
化性液体を型内で硬化させて、平板状の基板部とその周
辺の一部または全部に付随する袖部とからなる形状のプ
ラスチックス成形品を成形するに際し、型の成形品の使
用面を構成する部分が、該成形品の袖部の使用面の少な
くとも一部を構成する部分と、該成形品の使用面の残り
の部分を構成する部分との2個以上に分割された構造の
型を使用することによって達成される。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明に用いられる硬化性液体とは、付加
重合、開環重合や架橋結合の導入などによって硬化する
液体を意味し、充填材を含有していても差し支えない。 前記硬化する液体としては、アクリル酸、メタクリル酸
、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−
メチルスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、アク
リルアミド、メタクリルアミドなどのα,β−エチレン
性不飽和単量体、不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキ
シ樹脂、ポリウレタンを与える液状混合物、液状ゴム、
液状シリコンゴム、液状フェノール樹脂などを例示する
ことができるが、これらに限定されるものではない。硬
化する液体は、不都合がない限り2種類以上混合して用
いることも可能である。したがって、単独では液体でな
いものでも混合によって全体が液体となっているもの、
重合体を溶解含有したシラップ、およびこれらに充填材
を混合したものなども本発明の硬化性液体に含まれる。 これらの硬化性液体は硬化時に流動性を有しており、例
えば常温では流動性を有しないものであっても、型内で
硬化する時に加熱などによって流動性を有していれば、
本発明の硬化性液体に含まれる。流動性の目安はB型回
転粘度計で測定した粘度が1000ポイズ以下の状態と
することができる。また硬化する液体には充填材を添加
して使用することも可能であるが、その場合の液体状態
は、充填材を充填したスラリーの流動性で判定される。
【0010】本発明に使用する充填材としては、硬化す
る液体に不溶でその硬化を妨害しないものであれば特に
制限はなく、一般的には無機粉末が使用される。充填材
の具体例としては、例えば水酸化アルミニウム、酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、アルミ
ン酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム
、シリカ、タルク、クレー、硝子、木、竹などの粉末を
挙げることができる。充填材は2種類以上併用すること
も可能である。充填材の粒子径は、通常0.1〜100
μm 、好ましくは0.5〜50μm 、より好ましく
は1〜30μm である。粒子径が100μm を越え
ると、プラスチックス成形品に不明瞭で微細な斑点が現
われて、美観を損ねる場合があり、また粒子径が0.1
μm 未満であると、高価になることおよび充填量が制
限されること、などの不都合を生じる場合がある。また
充填材の添加量は、プラスチックス成形品に要求される
性能によって定まるものであるが、通常は硬化性液体の
総量を基準にして20〜80重量%、好ましくは40〜
70重量%である。
【0011】硬化性液体の硬化方法については特に制限
はなく、硬化性液体それぞれに適した任意の方法を採用
することができる。そのような方法の例として、ラジカ
ル重合開始剤による方法、加熱による方法、紫外線や放
射線の照射による方法、加硫剤による方法などを挙げる
ことができる。
【0012】本発明の異形注型品は、平板状の基板部と
その周辺の一部または全部に付随する袖部からなる形状
を有するプラスチックス成形品である。ここでいう袖部
とは通常前垂または折下げなどと呼ばれているもので、
基板の周辺部を非使用面側に折り曲げたような構造の部
分を指す。折り曲げ角度については特に制限はないが、
通常は30〜120度であって、90度近辺が最も一般
的である。折り曲げ部の曲率半径については特に制限は
ないが、製品の使い易さ、強度という点から、使用面、
非使用面ともに1〜30mmが適当である。また袖部は
必ずしも平面である必要はなく、曲面であってもかまわ
ない。このような例として一定または変化する曲率で非
使用面側へ曲がり込んでいるもの、あるいは液状に屈折
しているものなどが挙げられる。基板から袖への折り線
は直線である必要はなく、曲線であってもかまわない。 このような例として円テーブルの周囲の折り下げのよう
なもの、あるいは洗面化粧台のシンク部分などが挙げら
れるが、シンクのように基板部に対して折り線が凹状に
なったものよりも、折り線が直線または丸テーブルのよ
うな凸状の場合の方が、ひけが生じ易いので、本発明は
後者の場合により有効である。また袖部は基板部と同じ
厚みである必要はなく、袖部自体も均一の厚みである必
要はない。
【0013】本発明の基板部の平板状とは、略々平板状
であるということであり、補強などの目的でリブあるい
はボス、排水などの目的で溝あるいは段差のようなもの
があってもかまわない。また基板部は洗面化粧台の天板
や浴槽の周囲の平坦部のように、中心部を欠いたドーナ
ツ状のものであってもかまわない。要するに袖部の取り
付け部が略々平板状になっていればよいのである。
【0014】本発明に用いる型は、型の使用面を構成す
る部分において、袖部の少なくとも一部を構成する部分
が他の部分から分離した構造のものであれば、製品形状
、成形方法などに応じて、任意の構造のものを使用する
ことができる。使用面の袖部が全く分離されていない構
造の型を用いて注型成形すると、袖部を中心にひけが生
じるが、本発明の構成になる袖部の少なくとも一部が分
離した型を用いると、その部分のひけの発生が抑えられ
ることがわかり、本発明をなすに至ったのである。本発
明において型は、使用面の袖部を構成する部分の全てが
分割されている必要はなく、その目的からも明らかなよ
うに、袖部のひけの生じやすい部分のみが、基板部構成
部分から分離されていればよい。また分割された袖部構
成部分は、必ずしも一体である必要はなく、二個以上に
分割されていてもよい。ほぼ平板状で、使用面と非使用
面が明確に区別された成形品の場合は、製品の使用面を
構成する部分と、非使用面を構成する部分とからなる型
をガスケットを介して向合わせて組立てて使用するのが
一般的であるが、使用面型と非使用面型は、必ずしも分
割されている必要はなく、場合によっては本発明で規定
する構造を満足している限りにおいて、使用面型と非使
用面型が連続したものを使用することも可能である。 また非使用面型の全部または一部に、離型フィルムを張
って用いることも可能である。
【0015】分割された型と型の結合方法に関しては特
に制限はないが、型の端部にフランジを設けガスケット
を介して接続するのが簡便である。ガスケットで接続す
ると、ガスケットに接した部分の表面は、平滑性を欠い
た汚い面になるが、予めその部分の肉厚を若干厚くなる
ように設定しておいて、後加工で切除すれば問題はない
。異形品特にカウンター類の場合、基板部から袖部への
折り線部分は、水返しや溝その他様々な形状のデザイン
が要求されるところであり、それらの一つ一つに対して
高価な使用面型を備えることは、経済的にも問題である
が、本発明の方法によればこの部分はガスケットに接す
る部分になるので、肉厚に成形して好みの形状に切削加
工すれば、一種類の型でどのような形状にも対処できる
というメリットもある。また前垂の厚さ、形状について
も種々のデザインが要求されているが、本発明の方法に
よれば前垂の厚さはガスケットの太さで、形状は前垂使
用面型のみを取替えるだけで、簡便安価に対応すること
ができる。
【0016】本発明に係る異形注型品の成形方法を実施
する型の配置の一例を示す斜視図を図1に、ガスケット
をセットして組み立てた図1の型の断面図を2に示す。
【0017】上記型に使用される材質は特に制限はなく
、金属、硝子、セラミックス、樹脂など通常型材料とし
て知られるものを用いることができる。
【0018】本発明は、異形注型品の成形法、すなわち
平板状の基板部とその周辺の一部または全部に付随する
袖部とからなる形状のプラスチックス成形品の注型成形
方法に関するものであり、成形品全体がこのような構造
のものの場合は勿論、成形品の一部にこのような構造を
有するものについても、その構造部分について適用され
るものである。
【0019】以上のように、本発明の異形注型品は、型
の成形品の使用面を構成する部分が該成形品の袖部の使
用面の少なくとも一部と、該成形品の使用面の残りの部
分を構成する部分との2個以上に分割された構造の型を
使用することにより、型内で硬化性液体を硬化させて成
形することができ、特に異形注型品がカウンタートップ
の場合には、型のカウンタートップの使用面を構成する
部分が、前垂部を構成する部分と残りの部分を構成する
部分とに2分割されている構造の型を使用することによ
り、型内で硬化性液体を硬化させて成形することができ
る。硬化性液体を重合硬化する方法は特に制限はなく、
例えばラジカル重合開始剤の存在下または不存在下に加
熱する方法、ラジカル重合開始剤と促進剤よりなるレド
ックス系による方法などが用いられる。
【0020】本発明の成形品には、必要に応じて洗顔料
、補強材、酸化防止剤、改質剤、安定剤、紫外線吸収剤
、難燃化剤、離型剤などを加えることも可能である。
【0021】工業的に大量に生産されているプラスチッ
クスの異形注型品としては、不飽和ポリエステル樹脂ま
たはアクリル樹脂に無機粉末を充填した人工大理石製品
がある。前者はゲルコートが施されるのでひけは生じな
いが、後者のアクリル系ではひけが大きな問題になって
いる。このため本発明の成形方法は、アクリル人工大理
石の異形注型品において特に有用である。
【0022】アクリル人工大理石の注型に用いられる硬
化する液体としては、メタクリル酸メチルを主体とする
不飽和単量体が挙げられる。ここでいうメタクリル酸メ
チルを主体とする不飽和単量体とは、メタクリル酸メチ
ル単独、またはメタクリル酸メチル50重量%以上、好
ましくは60重量%以上、より好ましくは75重量%以
上と他の不飽和単量体との混合物である。メタクリル酸
メチルの割合が50重量%未満では、アクリル人工大理
石の耐候性能や高級感が低下するので好ましくない。
【0023】メタクリル酸メチルと併用し得る他の不飽
和単量体は、単独重合し得るものあるいはメタクリル酸
メチルを主体とする不飽和単量体中の他の成分と共重合
し得るものであれば、特に制限はない。そのようなもの
の例としては、1分子中の炭素原子数が2〜18の一価
アルコールまたは一価フェノールとアクリル酸またはメ
タクリル酸とのエステル、1分子中の炭素原子数が2〜
4の二価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸と
のモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビ
ニル、塩化ビニル、弗化ビニリデン、塩化ビニリデン、
エチレン、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、グ
リシジルメタクリレート、などの一官能性不飽和単量体
、アクリル酸および/またはメタクリル酸とエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、テトラメチロールメタ
ン、ジメチロールエタン、トリメチロールエタン、ジメ
チロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アル
コールとの多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリ
ルイソシアヌレートなどの多官能性不飽和単量体などを
あげることとができる。メタクリル酸メチルと併用する
他の不飽和単量体は、2種類以上使用することも可能で
あり、アクリル人工大理石の耐熱性能、耐汚染性能など
を向上させるために、多官能性不飽和単量体を併用する
ことが望ましい。多官能性不飽和単量体としては、上述
のものを使用し得るが、中でもエチレングリコールジメ
タクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレートなどが好適で
ある。
【0024】メタクリル酸メチルを主体とする不飽和単
量体は、充填材を添加してスラリーとした場合に、スラ
リーに粘性を与えて充填材の沈降を防止し、またその流
動性を良好にするために、重合体を溶解含有したシラッ
プとして使用することが望ましい。本発明に好ましく用
いられるシラップとしては、シラップ総量に対する重合
体の割合が2〜50重量%、好ましくは4〜40重量%
、より好ましくは6〜30重量%のものである。シラッ
プの粘度に関してはスラリー特性に支障がない限り特に
制限はなく、通常は0.1〜100ポイズ程度のものが
好適である。シラップに含まれる重合体としては、天然
高分子物質、合成高分子物質、半合成高分子物質など任
意のものを使用することができ、また重合体は2種類以
上併用することも可能であるが、アクリル人工大理石に
は高級感を呈するために透明感が要求されており、その
ためにはシラップに含まれる重合体は、メタクリル酸メ
チルを主体とする不飽和単量体の重合体と透明に相溶す
ることが好ましい。そのような組合わせとしては、重合
体を構成する不飽和単量体の組成とメタクリル酸メチル
を主体とする不飽和単量体の組成が同一または類似した
もののほかに、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂
、塩化ビニル−弗化ビニリデン共重合樹脂、エチレン−
弗化ビニリデ共重合樹脂などをメタクリル酸メチルの組
合わせが好適である。
【0025】本発明に好ましく用いられるシラップの組
成は、耐候性、耐汚染性、耐熱性などの観点より重合体
のモノマー組成も含めてメタクリル酸メチル単位が50
重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましく
は75重量%以上のものであり、また多官能性不飽和単
量体を用いる場合のその使用量は、シラップ総量の0.
1〜25重量%、好ましくは2〜10重量%である。
【0026】シラップの製造方法には特に制限はなく、
上記重合体をメタクリル酸メチルを主体とする不飽和単
量体に溶解する方法などで製造することができるが、メ
タクリル酸メチルを主体とする不飽和単量体の一部を重
合して、残りの不飽和単量体に溶解する方法、メタクリ
ル酸メチルを主体とする不飽和単量体を部分重合する方
法、メタクリル酸メチルを主体とする不飽和単量体の一
部を部分重合して、残りの不飽和単量体に溶解する方法
などで、容易に製造することができる。
【0027】アクリル人工大理石に使用する充填材とし
ては、前述のものが使用可能であるが、アクリル人工大
理石の高級感、耐汚染性能、加工性能などの観点から水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカが、と
りわけ水酸化アルミニウムが好ましく用いられる。
【0028】本発明においてスラリーを得る方法には特
に制限はなく、シラップに充填材を加えて撹拌するなど
、任意の方法で製造することができる。
【0029】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限される
ものではない。 実施例1 図3に示すような奥行き約600mmで、厚さ15mm
、高さ80mmのバックガードと高さ60mmの前垂を
有するキッチンカウンターを注型成形するために、厚さ
3mmの不錆鋼板を用い、幅600mmの平板の両側に
互いに反対方向に90度折り曲げた高さ約100mmの
折曲げを有するZ字型の非使用面型(1)、幅580m
mの平板の両側に互いに同じ側に90度折曲げた高さ約
85mmと約50mmの折曲げを有するコの字型の使用
面型(2)、および幅約165mmの平板状の前垂使用
面型(3)を用意した。 これらの注型成形品に接する側の面は鏡面クロム鍍金を
施した。これらの型を図1に示すように配置し、発泡ポ
リエチレン製のガスケットを介してクランプで固定し、
図2の断面図に示すような型を組立てた。なお使用面型
の高さ50mmのフランジ部分と非使用面型の前垂部分
は、同一平面になるようにし、また天板部の厚さは15
mm、前垂は20mmになるようにガスケットの厚さを
調節した。組立てた型は成形品の使用面側が下面になる
ようにし、前垂部を僅かに持上げて基板部が10度程度
傾斜した状態に設置した。
【0030】メタクリル樹脂(パラビーズHR、(株)
クラレ製)6.8重量部を、メタクリル酸メチル31.
2重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレ
ート2重量部に溶解した。得られたシラップにステアリ
ン酸0.02重量部および水酸化アルミニウム粉末(ハ
イジライトH310、昭和電工(株)製)60重量部を
加えて撹拌し、さらにこれに温度25℃以下で2,2′
−アゾビス(4−メトキシ−2,3−ジメチルバレロニ
トリル)0.02重量部および2,2−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ブタン0.05重量部を加えて撹拌溶解
した。ついで撹拌下に脱泡し、得られたスラリーを上述
の型へ前垂部から注入した。これをそのままの状態で、
熱風炉を用いて60℃に4時間、ついで120℃に2時
間加熱して重合硬化した。得られた注型成形品にはひけ
はなく、クロム鍍金鏡面を転写した美しい光沢面を呈し
ていた。端部を所定の寸法にトリミングし、前垂取付け
部のガスケット跡の肉厚部分を半円筒状に切削して、サ
ンドペーパーおよび金属研磨剤で研磨し、前垂取付け部
分に丸く盛上がった水返しを有して、全面が光沢面であ
るアクリル人工大理石キッチンカウンターを得た。 比較例1 使用面の前垂部分とその他の部分が一体になったZ字型
の使用面型を用いること以外は実施例1と同じ方法によ
って、アクリル人工大理石キッチンカウンターを得た。 得られたキッチンカウンターの前垂およびその取付け部
分の近辺には、ひけが生じていた。 実施例2 無水マレイン酸6モル、無水フタル酸4モル、ジエチレ
ングリコール3モル、およびエチレングリコール7.5
モルの割合からなる混合物より、定法によって不飽和ア
ルキッドを合成し、このもの16重量部をスチレン24
重量部に溶解した。これへナフテン酸コバルト(Co6
%)0.2重量部、メチルエチルケトンパーオキサイド
(55%)0.2重量部および水酸化アルミニウム粉末
(ハイジライトH−310、昭和電工(株)製)60重
量部を混合し、実施例1と同じ型へ注入した。これを2
5℃に静置して硬化させて、キッチンカウンターを得た
。得られたキッチンカウンターには、ひけは生じていな
かった。 比較例2 比較例1と同じ型を用いること以外は、実施例2と同じ
操作によってキッチンカウンターを得た。得られたキッ
チンカウンターの前垂およびその取付け部分の近辺には
、ひけが生じていた。
【0031】
【発明の効果】平板状の基板部とその周辺の一部または
全部に袖部が付随するプラスチックス異形注型品は、プ
ラスチックス材料の硬化収縮によって、袖部の取付け部
を中心にひけが生成するために、安定に生産し難いとい
う欠点があった。これに対して本発明では、使用面構成
部分が、ひけが発生する袖部分と、残りの部分に分割さ
れた型を使用するので、袖部使用面型が束縛されず、プ
ラスチックス材料の硬化収縮に追随して自由に移動でき
るので、ひけの発生を防止できるという、工業生産上大
きなメリットを有している。
【0032】さらに本発明の方法では、袖の取付け部分
の使用面に現われる型の連結跡を厚めに成形した後、さ
まざまなデザインが要求されているこの部分に水返し、
溝などを後加工できるので一型で様々なデザイン要求に
対応することができるというメリットも併せ有している
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る異形注型品の成形方法を実施す
る型の配置の一例を示す斜視図である。
【図2】ガスケットをセットして組み立てた図1の型の
A−A′方向の断面図である。
【図3】本発明の異形注型品の一実施態様であるキッチ
ンカウンターの使用面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
1    Z字型の非使用面型 2    コの字型の使用面型 3    前垂使用面型 4    ガスケット 5    バックガード部のガスケット6    バッ
クガード 7    前垂 8    水返し

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  硬化性液体を型内で硬化させて、平板
    状の基板部とその周辺の一部または全部に付随する袖部
    とからなる形状のプラスチックス成形品を成形するに際
    し、型の成形品の使用面を構成する部分が、該成形品の
    袖部の使用面の少なくとも一部を構成する部分と、該成
    形品の使用面の残りの部分を構成する部分との2個以上
    に分割された構造の型を使用することを特徴とする異形
    注型品の成形方法。
  2. 【請求項2】  異形注型品が、前垂を有するカウンタ
    ートップであり、かつ型のカウンタートップの使用面を
    構成する部分が、前垂部を構成する部分と残りの部分を
    構成する部分とに2分割されていることを特徴とする請
    求項1記載の成形方法。
  3. 【請求項3】  硬化性液体が、メタクリル酸メチル単
    位を主体とするシラップ20〜80重量%および充填材
    80〜20重量%からなるスラリーである請求項1又は
    2記載の成形方法。
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