JPH062804B2 - 人工大理石用樹脂組成物 - Google Patents

人工大理石用樹脂組成物

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JPH062804B2
JPH062804B2 JP18557488A JP18557488A JPH062804B2 JP H062804 B2 JPH062804 B2 JP H062804B2 JP 18557488 A JP18557488 A JP 18557488A JP 18557488 A JP18557488 A JP 18557488A JP H062804 B2 JPH062804 B2 JP H062804B2
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epoxy resin
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伸彦 湯川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、洗面台、浴槽等の住宅機器や装飾品等に好適
に用いられる大理石調外観の硬化物を与え且つ優れた成
形を有する樹脂組成物に関するものである。
(従来の技術) 従来より不飽和ポリエステル樹脂やアクリルシラップ等
のラジカル重合性樹脂に各種の充填剤を混合し成形硬化
することにより、大理石調の外観を有する物品を製造す
ることが行われている。
しかし、これら重合性樹脂に充填剤を配合した組成物
は、硬化時にその体積が減少するため、平板状以外の三
次元形状物を成形した場合に割れやクラックが生じ易
く、また離型が困難になる等の問題点を有していた。
一方、硬化時の収縮を低減する方法として、ラジカル重
合性樹脂に熱可塑性樹脂を予め混合した樹脂組成物を使
用し、硬化時に熱可塑性樹脂を相分離あるいは発泡させ
て低収縮化する手法は既に公知である。しかしながら、
この方法で重合性樹脂を低収縮化した場合は、得られた
硬化物の外観が不透明に白濁し、透明感を有する大理石
調の風合が損なわれ、また耐汚染性が悪くなるという問
題点を有していた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、このような問題点を解消するものである。
したがって、本発明の目的は、透明感を有する大理石調
外観の物品が得られ且つ複雑な三次元形状物を成形する
際にも硬化時に割れやクラックの生じない成形性にすぐ
れた樹脂組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明者らは、このような問題点を解決するために種々
検討した結果、特定の組成においてラジカル重合による
硬化とエポキシ基の開環による重合とを併用することに
より所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明に至
ったものである。
すなわち、本発明は、ラジカル重合性単量体(A)、該単
量体(A)に溶解もしくは分散する熱可塑性樹脂(B)、エポ
キシ樹脂(C)、多官能カルボン酸及び/またはその無水
物(D)および無機質充填剤(E)からなり、それら成分の配
合割合がラジカル重合性単量体(A)100重量部に対し
て熱可塑性樹脂(B)5〜75重量部、エポキシ樹脂(C)1
0〜100重量部および無機質充填剤(E)100〜10
00重量部の範囲で且つエポキシ樹脂(C)1当量に対し
て多官能カルボン酸及び/またはその無水物(D)0.5〜4.
0当量(但し酸無水物基は2官能と考える。)の範囲で
ある人工大理石用樹脂組成物に関するものである。
本発明に用いられるラジカル重合性単量体(A)とは、常
温で液状の単官能ラジカル重合性単量体または単官能ラ
ジカル重合性単量体と多官能(メタノアクリレートとの
混合物である。
単官能ラジカル重合性単量体としては、例えば(メタ)
アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン等の芳香族ビニル化合物等を挙げることができ
る。
また、多官能(メタ)アクリレートとは、一分子中に2
個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物をい
い、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセ
リントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。
ラジカル重合性単量体(A)における単官能ラジカル重合
性単量体と多官能(メタ)アクリレートとの混合割合
は、単官能ラジカル重合性単量体100重量部に対し、
多官能(メタ)アクリレート0〜400重量部の範囲で
あることが望ましい。多官能(メタ)アクリレートが4
00重量部を越える多量とした場合は、得られる樹脂組
成物の硬化時の収縮が大きくなりがちで、硬化物に割れ
やクラックを生じ易くなり望ましくない。中でも、ラジ
カル重合性単量体(A)として、単官能ラジカル重合性単
量体100重量部に多官能(メタ)アクリレートを5〜
80重量部の割合で混合したものを使用すれば、得られ
る樹脂組成物の硬化時の硬度上昇が早く、脱型に至るま
での時間を短縮することができるので望ましい。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(B)とは、ラジカル重
合性単量体(A)に溶解もしくは分散する熱可塑性樹脂で
あり、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、スチレン−酢酸ビニル系ポリマー、ポリ酢酸ビニ
ル、飽和ポリエステル、ポリブタンジエンやイソプレン
系ポリマー等を挙げることができる。中でも、ポリスチ
レンおよび/またはポリメチルメタクリレートを使用し
た場合は、透明性の高い良好な外観を有する硬化物が得
られるので好ましい。
熱可塑性樹脂(B)の使用量は、硬化時に発泡あるいは層
分離して外観が不透明に白濁しない範囲で使用すること
が必要であり、使用する熱可塑性樹脂(B)とラジカル重
合性単量体(A)との相溶性を考慮して定められ、ラジカ
ル重合性単量体(A)100重量部に対して5〜75重量
部の範囲で用いる。熱可塑性樹脂(B)の使用量が5重量
部未満の少量では、得られる樹脂組成物の硬化時の収縮
が大きくなりがちで、硬化物に割れやクラックを生じ易
くなり望ましくない。逆に75重量部を越える多量とし
た場合は、硬化物の外観が不透明に白濁して大理石調の
物品が得られず、また硬化物の耐熱性が低下しがちであ
り望ましくない。
本発明に用いられるエポキシ樹脂(C)は、一分子中に2
個以上のエポキシ基を有する分子量150以上の化合物
であり、例えばビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビス
フェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、環式脂肪族系エポキシ樹脂等を挙げることができ、
これらのエポキシ樹脂を単独あるいは2つ以上を混合し
て用いることができる。
また、このようなエポキシ樹脂(C)に、n−ブチルグリ
シジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンモノエポキ
サイド等の反応性稀釈剤を併用することも可能である。
エポキシ樹脂(C)の使用量は、ラジカル重合性単量体(A)
100重量部に対して10〜100重量部の範囲であ
る。エポキシ樹脂(C)の使用量が10重量部未満の少量
では、得られる樹脂組成物の硬化時の収縮が大きくなり
がちで望ましくない。逆に100重量部を越える多量と
した場合は、樹脂組成物を硬化時の硬度上昇が遅く、硬
化物を脱型するに至るまでの時間が長くなりがちで望ま
しくない。
本発明に用いられる多官能カルボン酸及び/またはその
無水物(D)(以下、単にカルボン酸化合物(D)という。)
とは、一分子中に2個以上のカルボン酸を有する化合物
及び/またはその無水物であり、エポキシ樹脂(C)の硬
化剤として作用するものである。このようなカルボン酸
化合物(D)としては、例えばマレイン酸、フタル酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル
酸、アジピン酸等の酸及びその無水物を挙げることがで
き、またポリ(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含
有ポリマーを採用することもできる。
カルボン酸化合物(D)の使用量は、エポキシ樹脂(C)1当
量に対して0.5〜4.0当量(但し酸無水物基は2官能と考
える。)の範囲である。カルボン酸化合物(D)の使用量
が0.5当量未満の少量である場合は、最終的に得られる
硬化物にクラックや割れが発生しやすく、また耐熱性等
の物性が損なわれがちであり、望ましくない。逆に4.0
当量を越える多量とした場合は、硬化物の耐水性や耐候
性が低下するので望ましくない。
なお、使用する熱可塑性樹脂(B)がエポキシ樹脂(C)と反
応する2個以上のカルボキシル基を有しているものであ
る場合は、これらのカルボキシル基含有熱可塑性樹脂の
当量もカルボン酸化合物(D)の当量として合算する必要
がある。
また、エポキシ樹脂(C)とカルボン酸化合物(D)の反応を
促進する目的で、少量の三級アミン、ホウ酸エステル、
ルイス酸有機金属化合物等の促進剤を添加することも可
能である。
本発明に用いられる無機質充填剤(E)は、一般に充填剤
として従来より当業界で用いられている無機質の粉体で
あり、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリ
カ、アルミナ、石英、ケイ酸カルシウムや、水酸化アル
ミニウム・水酸化マグネシウム・水酸化カルシウムなど
の金属酸化物の水和物等を挙げることができる。
これらの無機質充填剤(E)の中でも、金属酸化物の水和
物を用いた場合は、難燃性で透明性のある美麗な大理石
調硬化物が得られ易く望ましい。
無機質充填剤(E)の使用量は、ラジカル重合性単量体(A)
100重量部に対して100〜1000重量部の範囲であ
る。無機質充填剤(E)の使用量が100重量部未満の少
量では、硬化物の耐熱性が低下し、また大理石調の重厚
な質感が得られない。逆に1000重量部を越えると多
量とした場合は、樹脂組成物が高粘性となり成形硬化時
の作業性に問題が生じるので望ましくない。
本発明の樹脂組成物を得るに際して、これら成分の混合
順序は特に制限なく、例えばラジカル重合性単量体(A)
に熱可塑性樹脂(B)、エポキシ樹脂(C)およびカルボン酸
化合物(D)を添加して得た混合液に、強力攪拌下に無機
質充填剤(E)を添加して分散させる方法などがある。
無機質充填剤(E)を分散する際にカップリング剤を用い
ると、成形硬化して得られた硬化物の耐水性が向上する
ので好ましい。このようなカップリング剤の例として
は、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロ
ピルトリ(ドデシルベンゼンスルフォニル)チタネート
等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物を硬化するには、一般にラジカル重
合に用いられる硬化剤が使用できる。このような硬化剤
としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、シクロヘ
キサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキ
サイド等のパーオキサイド類が好適に使用できる。ま
た、促進剤として有機金属の塩類や有機アミン等を併用
することも可能である。
次に、本発明の樹脂組成物を用いて大理石調硬化物を得
る方法を具体的に説明する。例えばラジカル重合性単量
体(A)、熱可塑性樹脂(B)、エポキシ樹脂(C)およびカル
ボン酸化合物(D)からなる混合物に無機質充填剤(E)をよ
く分散して得た本発明の樹脂組成物にラジカル重合用硬
化剤を添加した後、これを型内で50〜80℃の温度に
加温して、ラジカル重合反応により硬化する。その後、
型より取り出して150℃程度に加温して、樹脂組成物
中に含有されるエポキシ樹脂(C)とカルボン酸化合物(D)
を反応せしめることにより、最終的な目的物である大理
石調外観の成形物を得ることができる。この際、ラジカ
ル重合反応が完了した段階ではエポキシ樹脂(C)とカル
ボン酸化合物(D)との反応は十分に進行しておらず、そ
のため硬化物は柔軟性に富む軟質の状態であり、ラジカ
ル重合反応に伴う硬化収縮による割れやクラック等を防
止することができる。また、型より取り出して昇温して
エポキシ樹脂(C)とカルボン酸化合物(D)を反応せしめる
ことにより、良好な物性を有する硬化物を得ることがで
きる。
(発明の効果) 本発明の人工大理石用樹脂組成物は、硬化時の収縮に伴
う割れやクラックの問題を排除することができるので、
複雑な三次元形状物でも容易に成形することができる。
また、硬化時に発泡や層分離を起こさないため、透明感
のある大理石調外観を有し、しかも耐汚染性に優れた硬
化物を得ることができる。
したがって、本発明の樹脂組成物によれば、洗面台・浴
槽等の美観の要求される三次元形状物を効率よく製造す
ることができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。な
お例中の部は重量部である。
実施例 1 スチレン40部およびトリメチロールプロパントリアク
リレート10部の混合液にポリスチレン(昭和電工
(株)製、エスブライトT−2ビーズ)25部を溶解せ
しめた後、ビスフェノールA系エポキシ樹脂(チバガイ
ギー社製、アラルダイトGY−250、エポキシ当量1
85)21部および無水マレイン酸4部を添加して均一
に混合し、その後水酸化アルミニウム(昭和電工(株)
製、ハイジライトH−320)200部を添加混合し
て、本発明の樹脂組成物(1)を得た。
この樹脂組成物(1)にラジカル重合用硬化剤(化薬ヌー
リー社製、カヤエステル0)1部を添加混合し、これを
半球状で厚さ10mmの硬化物が得られる雌雄に分割でき
る型に流し込み、70℃で2時間放置してラジカル重合
せしめた。その後硬化物を取り出したところ、割れやク
ラックは無く、良好な外観を有していた。この硬化物を
150℃の空気浴中に2時間放置してエポキシ樹脂の硬
化反応を行ったところ、半透明の大理石調外観を有する
半球状硬化物が得られた。
実施例 2〜5 第1表に示した各成分を用いる以外は実施例1と同様の
操作を行って、本発明の樹脂組成物(2)〜(5)を得た。
得られた樹脂組成物(2)〜(5)のそれぞれを用いて、実施
例1と同様にしてラジカル重合およびエポキシ樹脂の硬
化反応を行ったところ、いずれも半透明の大理石調外観
を有する半球状硬化物が得られた。また、それぞれの硬
化物の表面を観察したところ、割れやクラックの発生は
全く認められなかった。
比較例 1 第1表に示したようなエポキシ樹脂(C)およびカルボン
酸化合物(D)を配合しない組成で、比較用の樹脂組成物
(1)を得た。
得られた比較用樹脂組成物(1)を用いて、実施例1と同
様にして成形硬化したところ、得られた半球状硬化物の
表面には多数の割れやクラックが発生しており、表面白
化のため不透明な白色硬化物しか得られなかった。
実施例 6 第2表に示した各成分を用いる以外は実施例1と同様の
操作を行って、本発明の樹脂組成物(6)を得た。
得られた樹脂組成物(6)を用いて、実施例1と同様にし
てラジカル重合およびエポキシ樹脂の硬化反応を行った
ところ、半透明の大理石調外観を有する半球状硬化物が
得られた。また、硬化物の表面を観察したところ、割れ
やクラックの発生は全く認められなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル重合性単量体(A)、該単量体(A)に
    溶解もしくは分散する熱可塑性樹脂(B)、エポキシ樹脂
    (C)、多官能カルボン酸及び/またはその無水物(D)およ
    び無機質充填剤(E)からなり、それら成分の配合割合が
    ラジカル重合性単量体(A)100重量部に対して熱可塑
    性樹脂(B)5〜75重量部、エポキシ樹脂(C)10〜10
    0重量部および無機質充填剤(E)100〜1000重量
    部の範囲で且つエポキシ樹脂(C)1当量に対して多官能
    カルボン酸及び/またはその無水物(D)0.5〜4.0当量
    (但し酸無水物基は2官能と考える。)の範囲である人
    工大理石用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂(B)はポリスチレンおよび/
    またはポリメチルメタクリレートである請求項1記載の
    人工大理石用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】無機質充填剤(E)は金属酸化物の水和物で
    ある請求項1記載の人工大理石用樹脂組成物。
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