JPH043448B2 - - Google Patents

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JPH043448B2
JPH043448B2 JP61192913A JP19291386A JPH043448B2 JP H043448 B2 JPH043448 B2 JP H043448B2 JP 61192913 A JP61192913 A JP 61192913A JP 19291386 A JP19291386 A JP 19291386A JP H043448 B2 JPH043448 B2 JP H043448B2
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glycol
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、防汚性ポリエステル繊維の製造法、
更に詳細には、特に洗濯時における再汚染性が改
良された防汚性ポリエステル繊維の製造法に関す
るものである。 〔従来技術〕 従来より、ポリエステル繊維は寸法安定性が良
く、強く、また皺になり難い等多くの優れた特性
を有しているがゆえに多くの分野に利用されてい
る。しかしながら、かかる優秀な特性をもつポリ
エステル繊維も、ポリエステルのもつ疎水性のた
めに綿等の親水性繊維に比較して油性汚れが付着
し易く、除去し難く、また洗濯中に汚れが再付着
し易い等の問題がある。 この再汚染性はポリエステル繊維が実用化され
て以来、常に提起された問題であり、この問題を
解消するために多くの方法が提案されている。 例えば、ポリオキシエチレングリコールとポリ
エステル樹脂の共重合物の溶液若しくは分散液中
でポリエステル成形物を浸漬処理する方法(特公
昭47−2512号公報参照)、ポリオキシエチレング
リコールのジメタクリレート等の親水性ビニル化
合物をパツド若しくはスプレー後蒸熱処理する方
法(特公昭51−2559号公報参照)又は酸素を含む
気体の低温プラズマ処理による方法(‘
Polymer'1978年8月号904〜912頁)等が知られ
ている。しかしながら、これらの方法はいずれも
ポリエステル繊維製品の仕上げ加工として提案さ
れたものであつて、操作が煩雑であるとか、特殊
な設備が要るとか、又は加工の再現性に乏しい等
加工面での問題があり、更に肌着、白衣等の洗濯
頻度の多い衣類等は洗濯回数を重ねるに従つて初
期の効果が除々になくなるという問題があり、従
来より、洗濯を繰り返しても防汚性を保持する
(洗濯による黒ずみのない)ポリエステル繊維の
出現が強く望まれていた。 一方、ポリエステル繊維の易染化のためにポリ
オキシエチレングリコールを共重合することが知
られている。そこで、ポリエステル繊維中にポリ
オキシエチレングリコールを共重合してポリマー
自体を親水化し、油による汚れを防止せんと試み
たところ、充分なレベルの防汚性を得るには、共
重合量を10重量%を超える量、好ましくは20重量
%以上にする必要があることを知つた。しかしな
がら、このように多量のポリオキシエチレングリ
コールを共重合すると、得られる繊維の力学的特
性が損なわれ、収縮率が高くなり、耐光堅牢性も
悪化し、実用に供し得ず、特にリネンサプライ用
の綿混には到底使用できなかつた。また、耐光堅
牢性を保持するために、ポリオキシエチレングリ
コールの共重合量を10重量%以下、特に5重量%
以下にしたのでは充分な防汚性が得られなかつ
た。 〔発明の目的〕 本発明者は、特に洗濯による黒ずみが改良さ
れ、耐久性のある防汚性に優れたポリエステル繊
維を提供せんとするものである。 〔発明の構成〕 本発明者らは、上記の目的を達成せんとして、
鋭意検討し、特に親水性の基の繊維内分布をコン
トロールすることによつて、優れた防汚性を発揮
することを見出した。即ち、親水性ポリマーであ
るポリオキシエチレングリコールの共重合方法に
ついて鋭意検討を重ねた結果、片末端封鎖ポリオ
キシエチレングリコールを主鎖の末端に共重合し
た改質ポリエステルを特定の紡糸孔より吐出し、
且つ高速で引き取つて得たポリエステル繊維は、
主鎖末端に共重合したポリオキシエチレングリコ
ールが特異的に作用するためか、両末端未封鎖の
ポリオキシエチレングリコールをポリエステル主
鎖中に共重合したポリエステルや、両末端封鎖し
たポリオキシエチレングリコールやポリエステル
に不溶性のポリオキシエチレングリコールをポリ
エステル中に混合したポリエステルよりなる繊維
に比較して、格段に改善された防汚性糸及びその
洗濯耐久性を呈することを知つた。本発明は、か
かる知見に基づいて更に検討を重ねた結果完成し
たものである。 即ち、本発明はアルキレンテレフタレートを主
たる構成単位とするポリエステルの末端の少なく
とも一部に、下記一般式(1) R1O(R2O)n ……(1) (式中、R1は活性水素を有しない一価の有機基、
R2はアルキレン基、nは20〜140の整数である)
で表されるポリオキシアルキレングリコール成分
を0.5〜10重量%共重合した改質ポリエステルの
溶融物を、1以上のスリツトで構成され且つ該ス
リツトの長辺の長さaと短辺の長さbとの比a/
bが10以上である吐出孔より吐出し、紡糸ドラフ
ト300以上で且つ紡糸引取速度4000m/分以上で
溶融紡糸することを特徴とする防汚性ポリエステ
ル繊維の製造法である。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレング
リコール、即ちエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ペン
タメチレングリコール及びヘキサメチレングリコ
ールから選ばれた少なくとも一種のグリコールを
を主たるグリコール成分とするポリエステルを対
象とする。かかるポリエステルは、その酸成分で
あるテレフタル酸の一部を他の二官能性カルボン
酸で置き換えてもよい。このような他のカルボン
酸としては例えばイソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、
ジフエニルジカルボン酸、ジフエノキシエタンジ
カルボン酸、β−オキシエトキシ安息香酸、p−
オキシ安息香酸の如き二官能性芳香族カルボン
酸、セバシン酸、アジピン酸、蓚酸の如き二官能
性脂肪族カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸の如き二官能性脂環族カルボン酸等を
あげることができる。また、ポリエステルのグリ
コール成分の一部を他のグリコール成分で置き換
えてもよく、かかるグリコール成分としては、主
成分以外の上記グリコール及び他のジオール化合
物例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール、ビスフエノール
A、ビスフエノールSの如き脂肪族、脂環族、芳
香族のジオール化合物、両末端が末封鎖のポリオ
キシアルキレングリコール等があげられる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて製造
することができる。例えば、ポリエチレンテレフ
タレートについて説明すれば、テレフタル酸とエ
チレングリコールとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の
低級アルキルエステルとエチレングリコールとを
エステル交換反応させるか、又はテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかして、テレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低
重合体を生成させる第1段の反応、次いでかかる
生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで
重縮合反応させる第2段の反応とによつて容易に
製造される。 本発明においては上記ポリエステルのポリマー
鎖の少なくとも一部の末端に、下記一般式(1) R1O(R2O)n ……(1) で表される片末端を封鎖したポリオキシアルキレ
ングリコールが共重合されていることが必要であ
る。 この式中、R1は活性水素を有しない一価の有
機基であり、特に炭化水素基が好ましく、なかで
もアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又
はアルキルアリール基が好ましい。R2はアルキ
レン基であり、通常炭素数2〜4のアルキレン基
が好ましい。具体的にはエチレン基、ブロピレン
基、テトラメチレン基が例示される。また、2種
以上の混合、例えばエチレン基とプロピレン基と
を持つた共重合体であつてもよい。また、nは平
均重合度を示し、20〜140の範囲である。nが20
未満のポリオキシアルキレングリコールを共重合
させようとするとき、充分な防汚性を得るには、
高い共重合率が必要になり、このような場合ポリ
エステルの末端が封鎖されるためにポリエステル
自体の重合度を充分に上げることが出来ず、ひい
ては得られる繊維の力学特性を確保出来ない。一
方、nが140より大きい場合には、ポリオキシア
ルキレングリコールとポリエステルとの反応が充
分に進まず、結局はポリオキシアルキレングリコ
ールがポリエステルに混合したと同一の結果とな
り、高い防汚性は得られない。特に、好ましい平
均重合度は30〜80の極く限られた領域に存在す
る。 かかる片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコ
ールの好ましい具体例としては、ポリオキシエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシ
エチレングリコールモノフエニルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコールモノオクチルフエニル
エーテル、ポリオキシエチレングリコールモノノ
ニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレングリ
コールモノセチルエーテル、ポリオキシプロピレ
ングリコールモノフエニルエーテル、ポリオキシ
プロピレングリコールモノノニルフエニルエーテ
ル、ポリオキシテトラメチレングリコールモノメ
チルエーテル、ポリオキシエチレングリコール/
ポリオキシプロピレングリコール共重合体のモノ
メチルエーテル等及びこれらのエステル形成性誘
導体を上げることができる。 上記の片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコ
ールをポリエステル鎖の末端に共重合するには、
前述したポリエステルの合成が完成する以前の任
意の段階、例えば第1段の反応開始前、反応中、
反応終了後、第2段の反応中などの任意の段階で
添加し、添加後に製造反応を完結すればよい。 この際の使用量は、あまり少ないと最終的に得
られるポリエステル繊維の防汚性能及びその洗濯
耐久性が不充分になり、逆にあまり多いと重縮合
反応の過程においてポリエステルの重合度があま
り低いレベルで頭打ちになるため、最終的に得ら
れるポリエステル繊維の強度等の糸物性が悪化す
るようになる。また、ポリオキシアルキレングリ
コールを多量に含むようになると、得られる繊維
の耐光性が悪化するので、共重合量は可及的に少
量にすることが好ましい。本発明にあつては、ポ
リオキシアルキレングリコールの共重合量は、ポ
リエステルに対し0.5〜10重量%の範囲にすべき
であり、なかでも2〜8重量%の範囲が好まし
い。このように、本発明ではポリオキシアルキレ
ングリコールの共重合量を少量に抑制できるた
め、得られる繊維は充分な耐光性をも保持するこ
とができる。 なお、必要に応じて安定剤、艶消剤、酸化防止
剤、難燃剤、帯電防止剤、螢光増白剤、触媒、着
色防止剤、耐熱剤、着色剤、無機粒子等を併用し
てもよい。特に、ポリオキシアルキレングリコー
ルは溶融紡糸条件下のような高温に放置される
と、容易に酸化されて重合度低下や着色といつた
問題を発生し易いため、酸化防止剤や螢光増白剤
等の併用は好ましい場合が多い。更に、本発明に
おける改質ポリエステルにイオン性帯電防止剤を
併用すれば、制電性に優れた繊維を得ることもで
き、その利用分野はさらに拡大する。 このようにして得られた改質ポリエステルの重
合度は、充分な繊維特性を発揮するため、極限粘
度で0.58以上が好ましく、0.6以上が特に好まし
い。 本発明にあつては、上記改質ポリエステルを特
定の条件の下で溶融紡糸するものであり、ここで
使用する紡糸口金の吐出孔は、偏平なスリツト又
は2以上の偏平なスリツトにより構成され、特に
スリツトの長辺の長さaと短辺の長さbとの比
a/bが10以上、好ましくは20以上、更に好まし
くは25以上である。この比a/bが10に達しない
吐出孔を用いたのでは、吐出糸条の急冷が充分で
なく、他の紡糸条件を満足しても、得られる繊維
は充分な防汚性及びその耐久性が得られ難くな
る。 かかる吐出孔の例を示したものが第1図、第3
図、第5図、第7図及び第9図であり、それぞれ
の吐出孔を用いて得られる繊維の断面を示しもの
が第2図、第4図、第8図及び第10図である。
図中aがスリツトの長辺の長さを、bが短辺の長
さを示し、複雑な構成をもつ吐出孔のa/bは a/b=oi=1 ai/bi で表す。例えば第3図のa/bは a/b=(a1/b2)+(a2/b2)+(a3/b3) +(a4/b4)+(a5/b5) となる。 かかる吐出孔より吐出された吐出糸は、ドラフ
ト300以上、好ましくは1000以上で且つ引取速度
4000m/分以上、好ましくは4500m/分以上で引
き取られる。ドラフトが300に達しないとき、又
は引取速度が4000m/分に達しないときは、吐出
時又は吐出後における吐出糸の急冷、大変形にと
もなう配向結晶化が充分に生ぜず、充分な防汚性
及びその耐久性が得られ難い。 このようにして得られた防汚性ポリエステル繊
維に、更に熱処理を施して充分に結晶化させるこ
とが有効である。例えばポリエチレンテレフタレ
ートの場合、その結晶化は160℃を超える温度で
始まり、175℃を超えると顕著になる。従つて、
上記熱処理は175℃以上の温度で施すのが好まし
く、特に190℃以上の温度で施すのが好ましい。
この熱処理は糸条又は布帛の状態で施すことがで
き、布帛に対する熱処理はアイロンによる皺のば
しのための加熱と同時に行うこともできる。糸条
の場合延伸ローラや熱プレートの上で175℃以上
の温度、更には190℃以上の温度で充分に時間を
かけて熱処理するのが好ましい。更に上記熱処理
を定長または弛緩の状態で行うのが好ましい。 このようにして得られる防汚性ポリエステル繊
維は、その表面に親水性樹脂皮膜を固着せしめる
ことが容易であり、こうすることによつて防汚性
能を更に高めることができる。ここで使用する親
水性樹脂としては、親水性を呈する皮膜が形成で
きるものであれば特に限定する必要はないが、前
記改質ポリエステル繊維と組み合わせた場合、防
汚性能とその洗濯耐久性を特異的に大きくする効
能を有する点から、ポリエーテル系樹脂からなる
皮膜が特に好ましい。 〔作用〕 このようにして得られた防汚性ポリエステル繊
維の防汚性が従来の素材に比較して優れた水準に
ある理由は、その全容が解明されていないが、次
のようなメカニズムに因ると推定される。 ポリエステルは親油性であることはよく知られ
ている(疎水性)。そのための油性の汚れに対し
ては親和力を発揮し、繊維内に吸着し易く、洗濯
(即ち水により汚れを落とす)しても油性成分は
繊維外に押出されず、汚れ更には黒ずみとなつて
繊維内に残留することとなる。ところで油性汚れ
は繊維に対して均一に吸着されるのではない。例
えばポリエステルの結晶部分は、その分子間距離
が短く、コンパクトであるがために数〓の結晶格
子の間に油性成分が浸入することはありえない。 一方、非晶部分や結晶ミセル間のすき間部分で
は、ポリエステルの分子の密度は低く、ポリエス
テルの親油性とあいまつて容易に油性成分は繊維
間に浸入することが出来る。従つて、油性成分の
繊維内への浸入を防止するには、これら非晶部分
や結晶ミセルのすき間をいかに効率よく親水化す
ることにあると考えるにいたつた。 そこで親水性成分であるポリオキシアルキレン
グリコールのポリエステルへの存在状態について
検討を重ねた。まず、その両末端を活性水素を有
しない基で封鎖したポリオキシアルキレングリコ
ールをポリエステルに混合したところ、その防汚
効果が確認された。ところが着用、洗濯を繰り返
すうちにその性能は急激に悪化してしまい、耐久
性の上で問題があることが判明した。そのメカニ
ズムを明らかにするために、洗浄水、更には高圧
沸騰水中でポリオキシエチレングリコールの分析
を行つたところ、容易にポリオキシアルキレング
リコールが水によつて抽出されてしまうことが判
明した。一方両末端に活性水素を有する基を持つ
ポリオキシエチレングリコールをポリエステルの
中に配合したところ容易に共重合がおこり、防汚
性に劣つていた。防汚性に劣る理由は、ポリオキ
シアルキレングリコールがポリエステル中に完全
に共重合されたため、ポリオキシアルキレングリ
コールを効果的に非晶部に集めることが出来ない
ためと推定される。 最近、ブロツクコポリマーやグラフトコポリマ
ーの如くその構成成分を2極にブロツク化したポ
リマーの利用が検討されている。例えば「表面」
第22巻6号297頁(1984)や「工業材料」第33巻
12号46頁に述べられているようにこれらのポリマ
ーを高分子活性剤や、高分子表面改質に応用しよ
うとする研究が盛んに行われるようになつてき
た。親水性のポリオキシアルキレングリコールと
親油性のポリエステルをブロツクで共重合するこ
と、即ち片末端が活性水素を有する基であり、他
方の末端が活性水素を有しない基で封鎖されてい
るポリオキシアルキレングリコール(PAG)と
ポリエステル(PE)とを共重合した場合、PAG
−PE−PAG又はPAG−PEの分子が大量のPEの
中に存在する形となる。PAG分子はPAGで集合
しやすくなるためポリマーにおいてポリオキシア
ルキレングリコールの多い領域とポリエステルの
多い2つの領域に局在化し易いことを示す(高分
子活性剤ミセル構造)。これは次の表に示すポリ
マー特性によつても知ることが出来る。
〔発明の効果〕
本発明の防汚性ポリエステル繊維は、例えば肌
着、白衣等の洗濯頻度の高い衣類となした場合
に、特にその特徴が発揮され、何度洗濯を繰り返
しても防汚性が保持されて、洗濯による黒ずみが
起こらない。このため、本発明の防汚性ポリエス
テル繊維は、リネンサプライ分野において特に有
用である。 更に、本発明の防汚性ポリエステル繊維は必要
に応じて、綿、羊毛等の天然繊維、レーヨン、ア
セテート等の再生繊維及び本発明のポリエステル
繊維以外の合繊との混紡、交編、交織等に使用さ
れる。 〔実施例〕 以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。 実施例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量
%を示す。ポリマーの極限粘度〔η〕は35℃のオ
ルソクロルフエノール溶液で測定した値から求め
た。 実施例のうちの汚染処理、汚染率の求め方は下
記の方法を採用する。 (1) 汚染処理 下記組成の洗濯液を300c.c.をカラーペツト染
色試験機(日本染色機械製)のポツトに入れ、
この中にホルダーにはさんだ10cm×13cmの織物
を浸漬させ、50℃で100分間撹拌処理した。 人工汚れ液 1% ●モーターオイル(Dia Queen Motor Oil M
−2 三菱自動車工業製) 99.335重量% ●B重油 0.634重量% ●カーボンブラツク 0.031重量% を混合したものを使用する。 アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.02% 硫酸ソーダ 0.03% トリポリリン酸ソーダ 0.02% 軽く水洗した後、試料を濾紙の間にはさんで
余分の汚染液を除いた。次に汚染した試料を家
庭洗濯機の弱条件でマルセル石けんを2g/
含む40℃の温湯中で10分間洗濯した。その後、
風乾した。これらの汚染及び洗濯処理を1サイ
クルとし、このサイクルを8回繰り返した。次
いで下記方法により織物の汚染率を求めた。 (2) 汚染率の求め方 マクベスMS−2020(Instrumental Colour
Systems Limited製)を用い、常法によりCIE
表色計のL*を求め、汚染率を下記により計算
した。汚染率の合格は30以下である。 汚染率(ΔL*)=汚染前のL*−処理後のL* 実施例1〜6及び比較例1〜5 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)及び整色
剤として酢酸コバルト4水塩0.009部(テレフタ
ル酸ジメチルに対して0.007モル%)をエステル
交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて
140℃から220℃まで昇温して生成するメタノール
を系外に留去しながらエステル交換反応させた。
エステル交換反応終了後、安定剤としてリン酸ト
リメチル0.058部(テレフタル酸ジメチルに対し
て0.080モル%)加えた。次いで10分後に三酸化
アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対し
て0.027モル%)を添加し、同時に過剰のエチレ
ングリコールを追出しながら240℃まで昇温した
後重合缶に移した。重合缶に第2表記載のポリオ
キシエチレングリコールを表記載の量添加した
後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧
し、同時に1時間30分かけて240℃から280℃で昇
温した。1mmHG以下の減圧下重合温度280℃ま
で更に2時間重合した時点で酸化防止剤としてイ
ルガノツクス1010(チバガイギー社製)0.4部を真
空下添加し、その後更に30分間重合して極限粘度
〔η〕が略0.63のポリマーを得た。得られたポリ
マーを常法に従つてチツプ化した。 このチツプを常法により乾燥し、第1〜9図に
示した紡糸口金(詳細は第2表に記載)を用いて
ポリマー温度290℃で第2表記載のドラフト及び
引取速度で巻き取り略75d/24fのフイラメント糸
を得た。更に得られた高速紡糸した糸を熱プレー
ト上を走行させ熱セツトした。得られたポリエス
テルフイラメント糸を用いて丸編を行いニツト製
品を得た。更に常法により精練、熱処理した後螢
光染料としてMikawhite ATM(三菱化成製)を
2%owf含む処理浴中で130℃で30分間染色して
螢光染色品を得、前記の汚染処理を行い汚染率を
求めた結果を第2表に示した。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図、第3図、第5図、第7図及び第9図は
本発明で使用する紡糸口金の吐出孔の例を示す図
であり、第2図、第4図、第6図、第8図及び第
10図は第1図、第3図、第5図、第7図及び第
9図の吐出孔より得られた単繊維の断面を示す図
である。図中aはスリツトの長辺の長さを、bは
短辺の長さを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルキレンテレフタレートを主たる構成単位
    とするポリエステルの末端の少なくとも一部に、
    下記一般式(1) R1O(R2O)n ……(1) (式中、R1は活性水素を有しない一価の有機基、
    R2はアルキレン基、nは20〜140の整数である)
    で表されるポリオキシアルキレングリコール成分
    を0.5〜10重量%共重合した改質ポリエステルの
    溶融物を、1以上のスリツトで構成され且つ該ス
    リツトの長辺の長さaと短辺の長さbとの比a/
    bが10以上である吐出孔より吐出し、紡糸ドラフ
    ト300以上で且つ紡糸引取速度4000m/分以上で
    溶融紡糸することを特徴とする防汚性ポリエステ
    ル繊維の製造法。 2 ポリオキシアルキレングリコール成分がポリ
    オキシエチレングリコール成分である特許請求の
    範囲第1項記載の防汚性ポリエステル繊維の製造
    法。 3 ポリエステルがエチレンテレフタレートを主
    たる構造単位とするポリエステルである特許請求
    の範囲第1項又は第2項記載の防汚性ポリエステ
    ル繊維の製造法。
JP19291386A 1986-08-20 1986-08-20 防汚性ポリエステル繊維の製造法 Granted JPS6350524A (ja)

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