JPS6350524A - 防汚性ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

防汚性ポリエステル繊維の製造法

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JPS6350524A
JPS6350524A JP19291386A JP19291386A JPS6350524A JP S6350524 A JPS6350524 A JP S6350524A JP 19291386 A JP19291386 A JP 19291386A JP 19291386 A JP19291386 A JP 19291386A JP S6350524 A JPS6350524 A JP S6350524A
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glycol
polyoxyalkylene glycol
fibers
slit
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鈴木 東義
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、防汚性ポリエステル繊維の製造法、更に詳細
には、特に洗濯時における再汚染性が改良された防汚性
ポリエステル繊維の製造法に関するものである。
〔従来技術〕
従来より、ポリエステル繊維は寸法安定性が良く、強く
、また皺になり難い等多くの優れた特性を存しているが
ゆえに多くの分野に利用されている。しかしながら、か
かる優秀な特性をもつポリエステル繊維も、ポリエステ
ルのもつ疎水性のために綿等の親水性繊維に比較して油
性汚れが付着し易く、除去し難く、また洗濯中に汚れが
再付着し易い等の問題がある。
この再汚染性はポリエステル繊維が実用化されて以来、
常に提起された問題であり、この問題を解消するために
多くの方法が提案されている。
例えば、ポリオキシエチレングリコールとポリエステル
樹脂の共重合物の溶液若しくは分散液中でポリエステル
成形物を浸漬処理する方法(特公昭47−2512号公
報参照)、ポリオキシエチレングリコールのジメタクリ
レート等の親水性ビニル化合物をパッド若しくはスプレ
ー後蒸熱処理する方法(特公昭51−2559号公報参
照)又は酸素を含む気体の低温プラズマ処理による方法
(“Po1yIller”1978年8月号904〜9
12頁)等が知られている。
しかじな力fら、これらの方法はいずれもポリエステル
繊維製品の仕上げ加工として提案されたものであって、
操作が煩雑であるとか、特殊な設備が要るとか、又は加
工の再現性に乏しい等加工面での問題があり、更に肌着
、白衣等の洗濯頻度の多い衣類等は洗濯回数を重ねるに
従って初期の効果が除々になくなるという問題があり、
従来より、洗濯を繰り返しても防汚性を保持する(洗濯
による黒ずみのない)ポリエステル繊維の出現が強く望
まれていた。
一方、ポリエステル繊維の5染化のためにポリオキシエ
チレングリコールを共重合することが知られている。そ
こで、−ポリエステル繊維中にポリオキシエチレングリ
コールを共重合してポリマー自体を親水化し、油による
汚れを防止せんと試みたところ、充分なレベルの防汚性
を得るには、共重合量を10重量%を囲える量、好まし
くは20重量%以上にする必要があることを知った。し
かしながら、このように多量のポリオキシエチレングリ
コールを共重合すると、得られる繊維の力学的特性が損
なわれ、収縮率が高くなり、耐光堅牢性も悪化し、実用
に供し得ず、特にリネンサプライ用の綿混には到底使用
できなかった。また、耐光堅牢性を保持するために、ポ
リオキシエチレングリコールの共重合量を10重量%以
下、特に5重量%以下にしたのでは充分な防汚性が得ら
れなかった。
〔発明の目的〕
本発明者は、特に洗濯による黒ずみが改良され、耐久性
のある防汚性に優れたポリエステル繊維を提供せんとす
るものである。
〔発明の構成〕
本発明者らは、上記の目的を達成せんとして、鋭意検討
し、特に親水性の基の繊維内分布をコントロールするこ
とによって、優れた防汚性を発揮することを見出した。
即ち、親水性ポリマーであるポリオキシエチレングリコ
ールの共重合方法について鋭意検討を重ねた結果、片末
端封鎖ポリオキシエチレングリコールを主鎖の末端に共
重合した改質ポリエステルを特定の紡糸孔より吐出し、
且つ高速で引き取って得たポリエステル繊維は、主鎖末
端に共重合したポリオキシエチレングリコールが特異的
に作用するためか、両末端未封鎖のポリオキシエチレン
グリコールをポリエステル主鎖中に共重合したポリエス
テルや、両末端封鎖したポリオキシエチレングリコール
やポリエステルに不溶性のポリオキシエチレングリコー
ルをポリエステル中に混合したポリエステルよりなる繊
維に比較して、格段に改善された防汚性及びその洗濯耐
久性を呈することを知った。本発明は、かかる知見に基
づいて更に検討を重ねた結果完成したものである。
叩ち、本発明はアルキレンテレフタレートを主たる構成
単位とするポリエステルの末端の少なくとも一部に、下
記一般式(1) %式%() (式中、Rは活性水素を有しない一価の有機基、R2は
アルキレン基、nは20〜140の整数である)で表さ
れるポリオキシアルキレングリコール成分を0.5〜1
0M量%共重合した改質ポリエステルの溶融物を、1以
上のスリットで構成され且つ該スリットの長辺の長さく
a)と短辺の長さく′b)との比(a)/山)が10以
上である吐出孔より吐出し、紡糸ドラフト300以上で
且つ紡糸引取速度4000m /分以上で溶融紡糸する
ことを特徴とする防汚性ポリエステル繊維の製造法であ
る。
本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる酸
成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、即ち
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ペンタメチレングリコール及びヘ
キサメチレングリコールから選ばれた少なくとも一種の
グリコールをを主たるグリコール成分とするポリエステ
ルを対象とする。かかるポリエステルは、その酸成分で
あるテレフタル酸の一部を他の二官能性カルボン酸で置
き換えてもよい。このような他のカルボン酸としては例
えばイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
、ナスタリンジカルポン酸、ジフェニルジカルボン酸、
ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−オキシエトキシ
安息香酸、p−オキシ安息香酸の如き二官能性芳香族カ
ルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、蓚酸の如き二官能
性脂肪族カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸の如き二官能性脂環族カルボン酸等をあげることが
できる。また、ポリエステルのグリコール成分の一部を
他のグリコール成分で置き換えてもよく、かかるグリコ
ール成分としては、主成分以外の上記グリコール及び他
のジオール化合物例えばシクロヘキサン−1,4−ジメ
タツール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA
いとスフエノールSの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジ
オール化合物、両末端が未封鎖のポリオキシアルキレン
グリコール等があげられる。
かかるポリエステルは任意の方法によって製造すること
ができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートについ
て説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを
直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの
如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレング
リコールとをエステル交換反応させるか、又はテレフタ
ル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかして、テレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体
を生成させる第1段の反応、次いでかかる生成物を減圧
下顎熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第
2段の反応とによって容易に製造される。
本発明においては上記ポリエステルのポリマー鎖の少な
くとも一部の末端に、下記一般式(1)%式%(11 で表される片末端を封鎖したポリオキシアルキレングリ
コールが共重合されていることが必要である。
この式中、R1は活性水素を有しない一価の有機基であ
り、特に炭化水素基が好ましく、なかでもアルキル基、
シクロアルキル基、了り−ル基又はアルキルアリール基
が好ましい、R″はアルキレン基であり、通常炭素数2
〜4のアルキレン基が好ましい。具体的にはエチレン基
、プロピレン基、テトラメチレン基が例示される。また
、2種以上の混合、例えばエチレン基とプロピレジ基と
ヲ持った共重合体であってもよい。また、nは平均重合
度を示し、20〜140の範囲である。nが20未満の
ポリオキシアルキレングリコールを共重合させようとす
るとき、充分な防汚性を得るには、高い共重合率が必要
になり、このような場合ポリエステルの末端が封鎖され
るためにポリエステル自体の重合度を充分に上げること
が出来ず、ひいては得られる繊維の力学特性を確保出来
ない。一方、nが140より大きい場合には、ポリオキ
シアルキレングリコールとポリエステルとの反応が充分
に進まず、結局はポリオキシアルキレングリコールがポ
リエステルに混合したと同一の結果となり、高い防汚性
は得られない。特に、好ましい平均重合度は30〜80
の極く限られた領域に存在する。
かかる片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコールの好
ましい具体例としては、ポリオキシエチルシングリコー
ルモノメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコール
モノフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコール
モノオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレング
リコールモノノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レングリコールモノセチルエーテル、ポリオキシプロピ
レングリコールモノフェニルエーテル、ポリオキシプロ
ピレングリコールモノノニルフェニルエーテル、ポリオ
キシテトラメチレングリコール七ツメチルエーテル、ポ
リオキシエチレングリコール/ポリオキシプロピレング
リコール共重合体のモノメチルエーテル等及びこれらの
エステル形成性誘導体を上げることができる。
上記の片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコールをポ
リエステル鎖の末端に共重合するには、前述したポリエ
ステルの合成が完成する以前の任意の段階、例えば第1
段の反応開始前、反応中、反応終了後、第2段の反応中
などの任意の段階で添加し、添加後に製造反応を完結す
ればよい。
この際の使用量は、あまり少ないと最終的に得られるポ
リエステル繊維の防汚性能及びその洗濯耐久性が不充分
になり、逆にあまり多いと重縮合反応の過程においてポ
リエステルの重合度があまり低いレベルで頭打ちになる
ため、最終的に得られるポリエステル繊維の強度等の糸
物性が悪化するようになる。また、ポリオキシアルキレ
ングリコールを多量に含むようになると、得られる繊維
の耐光性が悪化するので、共重合量は可及的に少量にす
ることが好ましい。本発明にあっては、ポリオキシアル
キレングリコールの共重合量は、ポリエステルに対し0
.5〜10重量%の範囲にすべきであり、なかでも2〜
8重量%の範囲が好ましい。。
このように、本発明ではポリオキシアルキレングリコー
ルの共重合量を少量に抑制できるため、得られる繊維は
充分な耐光性をも保持することができる。
なお、必要に応じて安定剤、艶消剤、酸化防止剤、難燃
剤、帯電防止剤、螢光増白剤、触媒、着色防止剤、耐熱
剤、着色剤、無機粒子等を併用してもよい。特に、ポリ
オキシアルキレングリコールは溶融紡糸条件下のような
高温に放置されると、容易に酸化されて重合度低下や着
色といった問題を発生し易いため、酸化防止剤や螢光増
白剤等の併用は好ましい場合が多い、更に、本発明にお
ける改質ポリエステルにイオン性帯電防止剤を併用すれ
ば、制電性に優れた繊維を得ることもでき、その利用分
野はさらに拡大する。
このようにして得られた改質ポリエステルの重合度は、
充分な繊維特性を発揮するため、極限粘度で0.58以
上が好ましく、0.6以上が特に好ましい。
本発明にあっては、上記改質ポリエステルを特定の条件
の下で溶融紡糸するものであり、ここで使用する紡糸口
金の吐出孔は、偏平なスリット又は2以上の偏平なスリ
ットにより構成され、特にスリットの長辺の長さくa)
と短辺の長さくb)との比fat/(ト))が10以上
、好ましくは20以上、更に好ましくは25以上である
。この比(al / (blが10に達しない吐出孔を
用いたのでは、吐出糸条の急冷が充分でなく、他の紡糸
条件を満足しても、得られる繊維は充分な防汚性及びそ
の耐久性が得られ難くなる。
かかる吐出孔の例を示したものが第1図、第3図、第5
図、第7図及び第9図であり、それぞれの吐出孔を用い
て得られる繊維の断面を示しものが第2図、第4図、第
8図及び第10図である。図中aがスリットの長辺の長
さを、bが短辺の長さを示し、複雑な構成をもつ吐出孔
のa / bはで表す。例えば第3図のa / bは a/b= (at /b2 )+ (a2 /b2 )
+(a3/b3 )+ (a4/b4)+(a5/b、
) となる。
かかる吐出孔より吐出された吐出糸は、ドラフト300
以上、好ましくは1000以上で且つ引取速度4000
m /分以上、好ましくは4500m/分以上で引き取
られる。ドラフトが300に達しないとき、又は引取速
度が4000m /分に達しないときは、吐出時又は吐
出後における吐出糸の急冷、大変形にともなう配向結晶
化が充分に生ぜず、充分な防汚性及びその耐久性が得ら
れ難い。
このようにして得られた防汚性ポリエステル繊維に、更
に熱処理を施して充分に結晶化させることが有効である
。例えばポリエチレンテレフタレートの場合、その結晶
化は160’Cを超える温度で始まり、175℃を超え
ると顕著になる。従って、上記熱処理は175°C以上
の温度で施すのが好ましく、特に190℃以上の温度で
施すのが好ましい。
この熱処理は糸条又は布帛の状態で施すことができ、布
帛に対する熱処理はアイロンによる皺のばしのための加
熱と同時に行うこともできる。糸条の場合延伸ローラや
熱プレートの上で175℃以上の温度、更には190℃
以上の温度で充分に時間をかけて熱処理するのが好まし
い。更に上記熱処理を足長または弥漫の状態で行うのが
好ましい。
このようにして得られる防汚性ポリエステル繊維は、そ
の表面に親水性樹脂皮膜を固着せしめることが容易であ
り、こうすることによって防汚性能を更に高めることが
できる。ここで使用する親水性樹脂としては、親水性を
呈する皮膜が形成できるものであれば特に限定する必要
はないが、前記改質ポリエステル繊維と組み合わせた場
合、防汚性能とその洗濯耐久性を特異的に大きくする効
能を有する点から、ポリエーテル系樹脂からなる皮膜が
特に好ましい。
〔作用〕
このようにして得られた防汚性ポリエステル繊維の防汚
性が従来の素材に比較して優れた水準にある理由は、そ
の全容が解明されていないが、次のようなメカニズムに
因ると推定される。
ポリエステルは親油性であることはよく知られている(
疎水性)。そのために油性の汚れに対しては親和力を発
揮し、繊維内に吸着し易く、洗濯(叩ち水により汚れを
落とす)しても油性成分は繊維外に押出されず、汚れ更
には黒ずみとなって繊維内に残留することとなる。とこ
ろで油性汚れは繊維に対して均一に吸着されるのではな
い。例えばポリエステルの結晶部分は、その分子間距離
が履く、コンパクトであるがために散大の結晶格子の間
に油性成分が浸入することはありえない。
一方、非晶部分や結晶ミセル間のすき間部分では、ポリ
エステルの分子の密度は低く、ポリエステルの親油性と
あいまって容易に油性成分は繊維間に浸入することが出
来る。従って、油性成分の繊維内への浸入を防止するに
は、これら非晶部分や結晶ミセルのすき間をいかに効率
よく親水化することにあると考えるにいたった。
そこで親水性成分であるポリオキシアルキレングリコー
ルのポリエステルへの存在状態について検討を重ねた。
まず、その両末端を活性水素を有しない基で封鎖したポ
リオキシアルキレングリコールをポリエステルに混合し
たところ、その防汚効果が確認された。ところが着用、
洗濯を繰り返すうちにその性能は急激に悪化してしまい
、耐久性の上で問題があることが判明した。そのメカニ
ズムを明らかにするために、洗浄水、更には高圧沸騰水
中でポリオキシエチレングリコールの分析を行ったとこ
ろ、容易にポリオキシアルキレングリコールが水によっ
て抽出されてしまうことが判明した。−万両末端に活性
水素を有する基を持つポリオキシエチレングリコールを
ポリエステルの中に配合したところ容易に共重合がおこ
り、防汚性に劣っていた。防汚性に劣る理由は、ポリオ
キシアルキレングリコールがポリエステル中に完全に共
重合されたため、ポリオキシアルキレングリコールを効
果的に非晶邪に集めることが出来ないためと推定される
最近、ブロックコポリマーやグラフトコポリマーの如(
その構成成分を2極にブロック化したポリマーの利用が
検討されている。例えば「表面」第22巻6号297頁
(、1984)や「工業材料」第33巻12号46頁に
述べられているようにこれらのポリマーを高分子活性剤
や、高分子表面改質に応用しようとする研究が盛んに行
われるようになってきた。
親水性のポリオキシアルキレングリコールと親油性のポ
リエステルをブロックで共重合すること、叩ち片末端が
活性水素を有する基であり、他方の末端が活性水素を有
しない基で封鎖されているポリオキシアルキレングリ・
コール(P′AG′)とボI)エステル(P E)とを
共重合した場合、PAG−PE−PAG又はPAG−P
Eの分子が大量のPEO中に存在する形となる。PAG
分子はPAGで集合しやすくなるためポリマーにおいて
ポリオキシアルキレングリコールの多い領域とポリエス
テルの多い2つの領域に局在化し易いことを示す(高分
子活性剤ミセル構造)。これは次の表に示すポリマー特
性によっても知ることが出来る。
(本頁、以下余白) 第1表 PET:ポリエチレンテレフタレート PEG:ポリオキシエチレングリコール(本頁、以下余
白) ここでTg及びTmはDSC(示差熱量計)で測定され
たガラス転移点及び溶融温度を示す。tl、阻2のPE
Gを共重合したPETのガラス転移点は63°Cであり
低温において分子運動が可能であり、践3、阻4のポリ
エステルはブレンドのガラス転移点とはことなる。PE
G (分子量2000)が室温で液体状態であることを
合わせて考えてみると、Tgの低さはポリオキシエチレ
ングリコールの共重合によるものと推定される。一方溶
融温度Tmをみてみると磁1のみ247℃と低く、他は
253°Cと高い。特に1th2の片末端のみ活性水素
を有するPEGを共重合したPETは低温で動きやすい
成分とポリエステルとが完全に2つに分離した形で存在
している。即ち高分子活性剤ミセル構造を容易に形成し
ているポリマーといえる。このような片末端が活性水素
を有する基であり、他方の末端が活性水素を有しない基
で封鎖されたポリオキシアルキレングリコールを共重合
した改質ポリエステルを用い、特定な条件の下で溶融紡
糸することによって、従来期待できなかったような高い
耐久性のある防汚性ポリエステル繊維が得られることを
見出し、本発明に到った。ポリエステル成分を結晶ブロ
ックに、ポリオキシアルキレングリコール成分を非晶部
に集めるには、ポリエステル成分の結晶化を促進するの
が有効である。一方、ポリオキシアルキレングリコール
は分子量500〜5000では室温でさえ液体又はワン
1.クス状で、非品性であるため、2つの成分を分離さ
せてミセル構造をつくるには、ポリエステル成分の結晶
化が好ましい。この手段として高速紡糸をすることが1
つの手段であるが、驚くべきことに本発明における改質
ポリマーでは、特定条件下での高速紡糸がさらに有効に
作用することが判明し、改質ポリマーと特定の高速紡糸
の相乗的結果が作用することが判明した。即ち、固有粘
度が同一のポリマーにおいて同一条件下で製糸を行い第
1表の1〜4のポリマーについてその繊維構造を比較し
たところ、本発明におけるポリマー即ち片末端のみ活性
水素を有するPEG (ポリオキシエチレングリコール
)を共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)
を用いた繊維は、構造的には、結晶化度が高く、結晶サ
イズも大きく、また配向度を示す複屈折率Δn及び比重
はかえって小さな値となり、これらから大きな完成度の
高いPETの結晶と、かなり乱れた非晶部に大きく分か
れた構造になっていることが判る。
そこ、で、このように高分子活性剤ミセル構造をとり易
いポリマーを用いて、紡糸中に結晶化が充分発生するよ
うな条件、即ち紡糸口金下でポリマーに対して急冷が働
き、繊維内で温度分布が発生し、一部ポリマーが溶融し
ているにも拘わらず、一部では配向結晶化が生じると考
えられる条件をとればよいことに着目し、本発明に到達
したものである。本発明におけるように特定の条件下で
高速紡糸した場合、紡糸途中において結晶化が始まり、
その結晶化は高温でおこり、分子の可動性が高いため、
ポリエステルの分子同士が充分に会合して結晶化がおこ
ると共に、他の成分叩ちポリオキシアルキレングリコー
ル成分を非晶部へ排出するようになる。このため、結晶
サイズは大幅に大きくなり、非晶部の配向度は大幅に低
くなり、ポリエステルとポリオキシアルキレングリコー
ルとが分離した形で繊維が形成される。
これに対し両末端未封鎖のポリオキシアルキレングリコ
ールを用いるとポリエステルの主鎖中に共重合されるた
め、構成成分を2極化できず、そのため少量のポリオキ
シアルキレングリコールでは、充分な量の親水部分を非
晶部に集められず、充分な防汚性が得られない。
このように前記改質ポリエステルを用い且つ特定条件下
で高速紡糸することによってポリエステル結晶−ポリオ
キシアルキレングリコール非晶と繊維の中でポリマーの
相分離、即ちミセル構造を効率よく形成することが出来
る。従って、油性の汚れ成分がポリエステル繊維に浸入
しようとするとき非晶部分に存在する親水性のポリオキ
シアルキレングリコール成分によってその浸入をはばま
れ、水による洗濯によって容易に繊維から離れるという
メカニズムが働く。この繊維構造を持っているため親水
性成分が繊維に付着、更に非晶部や結晶ミセル間隙に浸
入してきた場合には、お互いの親和力のため、逆に離脱
しにくくなる。ポリエステル繊維に用いられる後加工防
汚剤は一般的には、親水性ポリマー乃至その部分を多量
に含むポリマーであるため、本発明の防汚性ポリエステ
ル繊維に防汚加工を施すとその相互作用のために相乗的
に防汚レベルが向上するなど本発明の有効性が非常に高
いことが判明した。
〔発明の効果〕
本発明の防汚性ポリエステル繊維は、例えば肌着、白衣
等の洗濯頻度の高い衣類となした場合に、特にその特徴
が発揮され、何度洗濯を繰り返しても防汚性が保持され
て、洗濯による黒ずみが起こらない。このため、本発明
の防汚性ポリエステル繊維は、リネンサプライ分野にお
いて特に有用である。
更に、本発明の防汚性ポリエステル繊維は必要に応じて
、綿、羊毛等の天然繊維、レーヨン、アセテート等の再
生繊維及び本発明のポリエステル繊維以外の合繊との混
紡、交編、交織等に使用される。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。
実施例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す
。ポリマーの極限粘度〔η〕は羽℃のオルソクロルフェ
ノール溶液で測定した値から求めた。
実施例のうちの汚染処理、汚染率の求め方は下記の方法
を採用する。
(1)汚染処理 下記組成の洗濯液300 ccをカラーペット染色試験
機(日本染色機械型)のボア)に入れ、この中にホルダ
ーにはさんだ10an×13crnの織物を浸漬させ、
50℃で100分間攪拌処理した。
人工汚れ液             1 %・モータ
ーオイル(Dia   99.335重量%Queen
 Motor Oil  M−2三菱自動車工業製) ・BM油         0.634重量%・カーボ
ンブラック    0.031 重量%を混合したもの
を使用する。
アルキルベンゼンスルホン酸ソータ0.02%硫酸ソー
ダ            0.03%トリポリリン酸
ソーダ        0.02%軽く水洗した後、試
料を濾紙の間にはさんで余分の汚染液を除いた。次に汚
染した試料を家庭洗濯機の弱条件でマルセル石けんを2
g/l含む40℃の温湯中で10分間洗濯した。その後
、風乾した。
これらの汚染及び洗濯処理を1サイクルとし、このサイ
クルを8回繰り返した。次いで下記方法により織物の汚
染率を求めた。
(2)  汚染率の求め方 マクベスM S −2020(Instrumenta
l ColourSystems Lim1ted製)
を用い、常法によりCIE表色表色上*を求め、汚染率
を下記により計算した。汚染率の合格は30以下である
汚染率(ΔL*)=汚染前のL*−処理後のL*実施例
1〜6及び比較例1〜5 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール6
0部、酢酸カルシウム1水塩0,06部(テレフタル酸
ジメチルに対して0.066モル%)及び整色剤として
酢酸コバルト4水塩0.009部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して0.007モル%)をエステル交換缶に仕込
み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて140°Cから22
0℃まで昇温しで生成するメタノールを系外に留去しな
がらエステル交換反応させた。
エステル交換反応終了後、安定剤としてリン酸トリメチ
ル0.058i (テレフタル酸ジメチルに対して0.
080モル%)加えた。次いで10分後に二酸化アンチ
モン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対して0.0
27モル%)を添加し、同時に過剰のエチレングリコー
ルを追出しながら240°Cまで昇温した後重合缶に移
した。重合缶に第2表記載のポリオキシエチレングリコ
ールを表記載の量添加した後、1時間かけて760mm
Hgから1 mm)Igまで減圧し、同時に1時間30
分かけて240℃から280°Cで昇温した。)mmt
(G以下の減圧下重合温度280℃まで更に2時間重合
した時点で酸化防止剤としてイルガノックス1010 
(チバガイギー社製)0.4部を真空下添加し、その後
更に30分間重合して極限粘度〔η。
〕が略0.63のポリマーを得た。得られたポリマーを
常法に従ってチップ化した。
このチップを常法により乾燥し、第1〜9図に示した紡
糸口金(詳細は第2表に記載)を用いてポリマー温度2
90℃で第2表記載のドラフト及び引取速度で巻き取り
略75d /24fのフィラメント糸を得た。更に得ら
れた高速紡糸した糸を熱プレート上を走行させ熱セント
した。得られたポリエステルフィラメント糸を用いて丸
編を行いニット製品を得た。更に常法により精練、熱処
理した後螢光染料としてMikawhite ATN 
 (三菱化成製)を2%owf含む処理浴中で130°
Cで30分間染色して螢光染色品を得、前記の汚染処理
を行い汚染率を求めた結果を第2表に示した。
(本頁、以下余白)
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図、第5図、第7図及び第9図は本発明で
使用する紡糸口金の吐出孔の例を示す図であり、第2図
、第4図、第6図、第8図及び第10図は第1図、第3
図、第5図、第7図及び第9図の吐出孔より得られた単
繊維の断面を示す図である。図中aはスリットの長辺の
長さを、bは短辺の長さを示す。 第1図   第2図 第5図    第6図 第7図 第9図 第8図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アルキレンテレフタレートを主たる構成単位とす
    るポリエステルの末端の少なくとも一部に、下記一般式
    (1) R^1O(R^2O)n・・・(1) (式中、R^1は活性水素を有しない一価の有機基、R
    ^2はアルキレン基、nは20〜140の整数である)
    で表されるポリオキシアルキレングリコール成分を0.
    5〜10重量%共重合した改質ポリエステルの溶融物を
    、1以上のスリットで構成され且つ該スリットの長辺の
    長さ(a)と短辺の長さ(b)との比(a)/(b)が
    10以上である吐出孔より吐出し、紡糸ドラフト300
    以上で且つ紡糸引取速度4000m/分以上で溶融紡糸
    することを特徴とする防汚性ポリエステル繊維の製造法
  2. (2)ポリオキシアルキレングリコール成分がポリオキ
    シエチレングリコール成分である特許請求の範囲第1項
    記載の防汚性ポリエステル繊維の製造法。
  3. (3)ポリエステルがエチレンテレフタレートを主たる
    構造単位とするポリエステルである特許請求の範囲第1
    項又は第2項記載の防汚性ポリエステル繊維の製造法。
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