JPH04343792A - 複合粒子の製造方法 - Google Patents

複合粒子の製造方法

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JPH04343792A
JPH04343792A JP11452491A JP11452491A JPH04343792A JP H04343792 A JPH04343792 A JP H04343792A JP 11452491 A JP11452491 A JP 11452491A JP 11452491 A JP11452491 A JP 11452491A JP H04343792 A JPH04343792 A JP H04343792A
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cationic
paper
particles
polymeric substance
urea
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JP11452491A
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Haruki Tsutsumi
堤 春樹
Mitsuhiro Maehama
前浜 充宏
Tsugio Matsubara
次男 松原
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合粒子の製造方法に関
する。更に詳しくは、尿素ホルムアルデヒド系ポリマー
及び/または尿素ホルムアルデヒド系ポリマー粒子と、
カチオン性高分子物質或いはカチオン性共重合性高分子
物質を結合して得られる会合体を紙に用いて、高い歩留
率を有し、紙の白色度、不透明度、印刷後不透明度等を
改良することを目的とした填料、即ち、複合粒子の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、例えば、新聞用紙、書籍用紙、各種
雑誌用紙等印刷を必須とする印刷用の紙に於いては、白
色度や印刷後不透明度、或いは、印刷後の不透明度等が
重要であることはよく知られている。紙の原料であるパ
ルプは、もともと着色しており、例えこれを漂白しても
、抄紙により出来た紙はかなり白色度が低い。製紙工業
に於いては、一旦世の中に出回った紙を回収し、その紙
(いわゆる故紙)を再び叩解し、バージンパルプに混入
して抄紙することが一般的に行われている。また填料と
しては、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、白土、
カオリン、ホワイトカーボン等の各種填料が一般的に用
いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合は、特に出来
上がった紙の白色度が劣っている。故紙は、殆どが印刷
されており、又汚れているため白色度低下の原因となる
。もちろん、故紙をアルカリや界面活性剤で脱墨するこ
とにより、できるだけ紙を白くして使用するのが一般的
ではあるが、それでも、故紙が混入すると紙の白色度は
格段に低下する。また紙が黄色味を帯びていると、見た
目には、ハンター反射率計で実際に測定した値以上に、
白色度が劣って感じられる。特に新聞紙のように、白色
度が50%前後の紙は黄色味がかっており、できるだけ
これを改良しようとする試みがなされている。また白紙
不透明度については、印刷用の紙の場合特に問題となる
。白紙不透明度の低い紙は、印刷して重ねた場合、裏側
の紙が透けて見えるため、極めて具合が悪い白色度と、
白紙不透明度を向上させる為に、従来より行われている
方法は種々の填料を紙に含有させる方法である。填料と
しては、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、白土、
カオリン、ホワイトカーボン等の各種填料が一般的に用
いられる。例えば、特開昭59−26595には、炭酸
カルシウムの表面を改質することにより紙中の歩留を向
上させ、もって前記の性質を向上させる方法が開示され
ている。又、近年、高い光学的物性を示す有機系填料を
、本研究者らが提案してきた。しかし、これら、無機系
填料、或いは、有機系填料は、紙の原料であるパルプに
対して、化学的定着機能を持たず、すべて、物理的定着
に依存するため、歩留率が低く、効率が悪いのが現状で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、水中に分散するパ
ルプのゼーダー電位を利用することに着目し、ここに、
尿素ホルムアルデヒド系ポリマー粒子形成過程及び/ま
たは尿素ホルムアルデヒド系ポリマー粒子に、強力なカ
チオン性を有する、カチオン性高分子物質、或いは、カ
チオン性重合性高分子物質を結合させることにより、会
合体粒子に強いカチオン性を付与し、水に分散したパル
プに、物理的定着はもとより、化学的にも定着を可能に
し、歩留率の高い、更に、光学的物性の優れた粒子設計
を計れることを見出し本発明に到達した。即ち本発明は
、尿素アルデヒド系ポリマー粒子形成過程で、カチオン
性高分子物質、及び/またはカチオン性共重合性高分子
物質を結合させて得られる会合体或いは、尿素ホルムア
ルデヒド系ポリマー粒子とカチオン性高分子分物質、及
び/またはカチオン性共重合性高分子物質を結合して得
られる会合体を紙に用いることを特徴とする複合粒子の
製造方法に関する。
【0005】また本発明は、水中で化学定着機能を持た
ない有機系填料粒子に、強力なカチオン性を有する高分
子物質、或いは、共重合性高分子物質を複合化し、水に
分散したパルプに物理的定着はもとより、化学的に定着
を可能にし、紙の光学的物理性を大幅に向上せしめた画
期的なカチオン性複合粒子を提供するものである。以下
に、本発明を具体的に説明する。本発明に用いる尿素ホ
ルムアルデヒド系ポリマー粒子とは、公知の任意の方法
で容易に製造される。例えば、尿素ホルムアルデヒド系
ポリマー粒子は、1工程法、又は2工程法を用いて得ら
れ、そのいずれの方法においても、ポリマー粒子は任意
のモル比の尿素対ホルムアルデヒドを有するように製造
される。更に詳述すれば、2工程法では、先ず、尿素と
ホルムアルデヒドとの水溶性の初期縮合物を形成し、次
に適当な下記触媒の存在下で、且つ高められた温度で、
水溶性の初期縮合物を硬化させることによりポリマー粒
子が形成される。又1工程法による場合は、反応に用い
る全ての成分及び添加物を最初に加え、反応は直接ポリ
マー粒子の形成まで進行する。各々の場合、生成する尿
素ホルムアルデヒドポリマー粒子を中和し、水洗して遊
離ホルムアルデヒドを除去するか、または中和前に尿素
、アンモニア、アンモニウム塩、亜硫酸又亜硫酸塩を添
加反応させて、遊離ホルムアルデヒドを除去して、中和
した後、濾過又は遠心分離により尿素ホルムアルデヒド
ポリマー粒子を回収してケーキ状とするか、もしくはス
プレー乾燥、更に空気乾燥、その他の接触及び対流乾燥
等の常法により乾燥させる。尿素ホルムアルデヒドポリ
マー粒子を、ケーキ状又はこれを水に再分散してスラリ
ー状で使用に供する場合には、ケーキ状にする前に粉砕
を行い、平均粒子径を好ましくは2〜10μmに調整す
る。又、乾燥状態で、尿素ホルムアルデヒドポリマー粒
子を得る場合には、乾燥後に粉砕して、平均粒子径を好
ましくは2〜10μmに調整する。前記の濾過又は遠心
分離によって得られる濾液は、前の工程の原料用に水、
或いは調整水として用いられる。
【0006】本発明に用いられる尿素ホルムアルデヒド
ポリマー粒子の製造に使用できる触媒には、任意の酸性
触媒、例えば、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸、4より小さい
pK値を有する、中程度の酸性の有機酸、例えば、ギ酸
、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、及びクロル酢酸及
び類似物が含まれる。更に、スルハミル酸又は式:RN
H3 SO4 H(式中Rは水素、アルキル基、シクロ
アルキル基、ヒドロキシアラルキル基、アラルキル基或
いはアリール基等である)で表される水溶性硫酸水素ア
ンモニウムも使用できる。水溶性硫酸水素アンモニウム
とは、硫酸水素メチルアンモニウム、硫酸水素エチルア
ンモニウム、硫酸水素ヒドロキシエチルアンモニウム、
硫酸水素ベンジルアンモニウム等である。本発明に用い
る尿素ホルムアルデヒドポリマー粒子の製造において、
好ましい粒径の粒子を形成せしめる目的で、保護コロイ
ド機能を有する、水溶性有機高分子を粒子形成前の、尿
素とホルムアルデヒドとの混合水溶液中に添加すること
が有利である。
【0007】ここで云う、保護コロイド機能を有する水
溶性有機高分子とは、澱粉、ゼラチン、にかわ、トラガ
ントゴム、かんてん及びアラビアゴムのような天然物質
、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシセルロー
スのナトリウム、カリウムの如きアルカリ金属塩、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、β−ヒドロキシエチ
ルセルロース、アルギン酸のアルカリ金属塩、等の天然
物の変性物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、アクリル酸又はメタクリル酸のポリマー及びこれ
らのアルカリ金属塩、マレイン酸とスチレン、ブチレン
との共重合物、あるいはその塩、ビニルビリジンのホモ
ポリマー及び共重合体の塩等である。使用される保護コ
ロイド剤の量は、その種類によるが、一般的には尿素及
びホルムアルデヒド反応成分重量に対して、約0.1〜
10重量%(以下%は全て重量%を意味する)好ましく
は0.5〜5%の範囲である。更に、本発明に用いる尿
素ホルムアルデヒドポリマー粒子の有利な製造について
詳説する。通常、尿素とホルムアルデヒドのモル比が、
1:1〜1:2である尿素とホルムアルデヒドの水溶性
の初期縮合物が、中間原料として用いられ、これは尿素
とホルムアルデヒド及び他の添加剤の合計濃度が約20
〜75%、温度が約30〜100℃、pH値が約5〜9
で、約10分〜4時間反応して得られる。保護コロイド
剤としては、ポリビニルアルコール又はカルボキシメチ
ルセルロースのナトリウム塩が使用され、これは、尿素
とホルムアルデヒドの水溶性初期縮合物の製造中の任意
の時点で添加できる。次の工程として、保護コロイド剤
を含有する初期縮合物が、室温〜約100℃の温度の攪
拌下で、硫酸又はスルファミン酸の溶液をゲル化が発生
するまで添加する。次いで、ペレタイザー或いは、ハン
マーミルにより、粒径を1〜2mmに粗粉砕して後、攪
拌下にて水を加えて、尿素ホルムアルデヒド粒子会合体
の濃度が5〜10%のスラリーとする。引き続きアンモ
ニア水、又は苛性ソーダの如きアルカリの水溶液にて中
和し、これを粉砕機に通して2〜10μmの粒径に粉砕
後、濾過脱水機にて脱水して尿素ホルムアルデヒドポリ
マー粒子のケーキを得る。本発明でいうカチオン性(共
重合性)高分子物質とは、下記一般式(1)(化2)で
表わされ、
【0008】
【化2】
【0009】ここで(式中、R1 はH又はCH3 、
R2 、R3 は炭素数1〜3の低級アルキル、AはN
H又は酸素原子、nは2〜4、XはHCl、H2 SO
4 等の塩、あるいはメチルクロライド、ベンジルクロ
ライド等で4級化された4級アンモニウム塩)であり、
これを重合して得られる高分子物質、或いは、該カチオ
ン性高分子物質に水溶性ビニルモノマーを共重合して得
られる共重合性高分子物質を云う。該カチオン性共重合
性高分子物質を得るには、該カチオン性高分子物質と水
溶性ビニルモノマー、即ち、下記一般式(2)(化3)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 はH又はCH3 、YはH
又は−CH2 OH)で表わされるアクリルアミド及び
その誘導体、及びアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等の如きエチ
レン系不飽和カルボン酸、アクリルニトリル、メタクリ
ロニトリル等の如きエチレン系ニトリル化合物、アクリ
ル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒド
ロキシエチル、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ア
クリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の如き
親水性単量体、ジメチルアミノエチルメタクリレート、
トリメチルエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、トリメチルアミノエチルメタクリレ
ート等の如き陽イオン性ビニル単量体、メチレンビスア
クリルアミド、ジビニルベンゼン等の如き2量体ビニル
モノマーなど、の1種又は2種以上を共重合して得られ
るものであって、それらの中でも特に、該カチオン性高
分子物質と好んで共重合されるモノマー類は、一般式(
2)に示したアクリルアミド及びその誘導体、及び/ま
たはアクリル酸、イタコン酸、アクリルニトリル、等の
単体或いは組合せによる共重合である。勿論、用いられ
る成分はこれらの例示化合物に限定されるものではない
【0012】これらの、カチオン性高分子物質、或いは
、カチオン性共重合性高分子物質を製造するのに用いら
れる触媒は、水系で効果的にラジカルを発生し得る触媒
が適当である。即ち過硫酸のカリウム塩、ナトリウム塩
、或いは、アンモニウム塩、過硫化水素の如き過酸化物
のみを用いてラジカル重合を行うか、或いは、前記の如
き過酸化物と、酸性亜硫酸ソーダ、チオ硫酸ソーダの如
き還元剤との併用、即ち、レドックス重合を行うことが
出来、又、重合途中までは前記の過酸化物のみを用いて
ラジカル重合を行い、その後、前記還元剤、又は、トリ
メチルアミン、トリエチルアミンの如きトリアルキルア
ミン類、トリエタノールアミンの如きトリアルカノール
アミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミンの如きジア
ルキルアミン類、ジエタノールアミンの如きジアルカノ
ールアミン類、ブチルアミンの如きモノアルキルアミン
類、モノエタノールアミンの如きモノアルカノールアミ
ン類等を添加して重合を進行させることもできる。これ
らの触媒の中で特に好ましく用いられる触媒としては、
低温でしかも速やかに触媒効果の現れる過硫酸カリウム
、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫化物
が挙げられ、又還元剤として好ましく用いられるものと
しては、酸性亜硫酸ソーダ、チオ硫酸ソーダが挙げられ
る。それらの酸化剤と還元剤との併用、即ち、レドック
スが最も好んで用いられる。それらの1種又は2種以上
を使用してもよく、添加法も一段添加、あるいは多段添
加であってもよい。本発明においては例示した触媒に限
定されるものではない。又、製品の安定性を図るために
PH調整剤が用いられる。PH調整剤としては苛性ソー
ダ、苛性カリ、アンモニア、及び上記のアミン化合物の
如きアルカリ、或いは硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、塩酸の
如き酸を用いることが出来る。これらのPH調整剤の中
で好ましいものとしては、酸では無機酸である塩酸、硫
酸、硝酸等があり、又有機酸である蟻酸、酢酸等がある
。アルカリでは、苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニア等
がある。先に述べた如く、尿素ホルムアルデヒド系ポリ
マー粒子は、1工程法、又は、2工程法を用いて得られ
る。この工程中の任意の場所と時間帯にカチオン性高分
子物質、或いは、カチオン性共重合性高分子物質を投入
する。即ち、尿素ホルムアルデヒド系ポリマー粒子形成
過程、或いは、尿素ホルムアルデヒド系ポリマー粒子に
該カチオン性(共重合性)高分子物質を結合して会合体
を得る。この様にして得られた会合体が、本発明のカチ
オン性複合粒子となる。
【0013】本発明のカチオン性複合粒子は、二次凝集
体を形成するに当たって、高分子物質の付加量によって
粒子形成能が異なりる。従って、本発明のカチオン性複
合粒子の合成において、尿素ホルムアルデヒド系ポリマ
(A)及び/又は尿素ホルムアルデヒド系ポリマー粒子
(B)に対して、カチオン性高分子物質(C)及び/又
はカチオン性共重合性高分子物質(D)の配合割合は、
(A及び/又はB):(C及び/又はD)=99.5〜
70:0.5〜30重量パーセント、好ましくは99〜
80:1〜20重量パーセントが適当である。カチオン
性高分子物質の配合割合が30重量パーセントより多く
なると、カチオン化度は向上するも、粒子形態が不揃い
となり、紙の光学物性、特に白色度が低下する傾向にあ
る。又、0.5重量パーセント以下になると、カチオン
化度が低下し、本発明に達し得ない。
【0014】このようにして得られたカカチオン性複合
粒子は、一般的な有機系、無機系填料と同様な加工方法
(添加方法、添加量等)をとり、しかも歩留率の高い填
料として紙に加工されることによって、紙の白色度や不
透明度、或いは印刷後不透明度等光学的物性の優れた紙
を提供することが可能になった。この様な紙に用いる原
料パルプは、従来製紙工業において使用されているもの
は全て使用することができ、もちろん故紙を叩解したパ
ルプは、単独でも、又通常のバージンパルプと併用して
もよい。又製紙において通常用いられる添加剤等を添加
してもよい。このような添加剤としていは、例えば硫酸
アルミニウム、アルミン酸ソーダ、ポリアクリルアミド
等の歩留り向上剤、ロジン系サイズ、合成サイズ、反応
性サイズ等のサイズ剤、澱粉及びガム系、アクリルアミ
ド系、尿素系、メラミン系、クロルヒドリン系等の紙の
紙力増強剤、エチレンイミン系、ポリアミド系、アクリ
ルアミド系のろすい向上剤、地合向上用粘剤、洗浄剤、
湿潤剤、ピッチコントロール剤等のパルプスラリーへの
添加を普通に行うことが可能である。このようにして調
整されたパルプスラリーは、長網抄紙機、円網抄紙機或
いはツインワイヤー抄紙機などのワイヤー上で紙に形成
される。通常、さらにプレスロールにより脱水してドラ
イヤーで乾燥して最後にカレンダー処理して紙製品を得
る。本発明のカチオン性複合粒子を、紙の填料として用
いることにより、従来から用いられてきた一般的な無機
填料や、有機填料に比較して、物理的定着のみならず、
化学的定着を可能にした画期的な填料であるため、歩留
り効率が極めて高く、印刷を必須とする紙の、白色度や
白紙不透明度、或いは印刷後の不透明度等の光学的物性
が著しく向上した。
【0015】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するために
実施例、合成例、比較例を挙げて説明するが、本発明は
これらの例によって制限されるものではない。尚、%、
部は特記しない限り、重量%、重量部である。
【0016】合成例1 37重量%(以下%は全て重量%とする)ホルムアルデ
ヒド水溶液38.4部、尿素18.9部、カルボキシメ
チルセルロース0.7部、水42.0部を混合し、20
%苛性ソーダ溶液でpHを7.0±0.5に調整しつつ
、70度で2時間反応させ、初期縮合物を得た。この初
期縮合物100部と3.0%硫酸溶液100重量部を速
やかに均一に混合した後、60分放置して固体化を得た
。この固体化を1〜2mm粒子サイズに細断し、100
部の水を加えてスラリー状とし、20%苛性ソーダでp
H7.0に中和し、更に粉砕機で粉砕し、濾過、水洗、
脱水して白色の尿素ホルムアルデヒドポリマー粒子のケ
ーキ状物を得た。このケーキの一部を105℃の熱風乾
燥機で2時間乾燥し、尿素ホルムアルデヒドポリマー粒
子の濃度を測定したところ、21.2%であった。 このケーキに更に水を加えて攪拌し、5.0%の尿素ホ
ルムアルデヒドポリマー粒子水分散液を調整した。尿素
ホルムアルデヒドポリマー粒子の一次平均粒径は電子顕
微鏡によれば、0.3マイクロメートルであり、二次凝
集体平均粒径はコールターカウンターの測定によれば、
5マイクロメートルであった。又、このものをペンケム
のゼータメータを用いて測定したところ、−27mVで
あった。これをサンプル[A]とする。
【0017】合成例2 初期縮合物に添加する水の中に、Redoxによりあら
かじめ重合しておいたN−メタクリロイルオキシエチル
−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロラ
イド(以下P−DMBqと記す)(三菱レイヨン製・商
品名DML)のポリマー化した物2.0部を分散し、得
られた複合粒子の一次粒子の平均粒径は、電子顕微鏡の
測定結果0.3マイクロメートルであり、二次凝集体の
平均粒径は7マイクロメートルであり、ゼータ電位が+
5.0mVであった以外は全て、合成例1の量比及び方
法に乗っ取って、合成を行った。これをサンプル[B]
とする。
【0018】合成例3 初期縮合物に添加する水の中に、P−DMBq10.0
部を分散し、得られた複合粒子の一次粒子の平均粒径は
、電子顕微鏡の測定結果0.02マイクロメートルであ
り、二次凝集体の平均粒径は6マイクロメートルであり
、ゼータ電位が+28.5mVであった以外は全て、合
成例1の量比及び方法に乗っ取って合成を行った。これ
をサンプル[C]とする。
【0019】合成例4 初期縮合物に添加する水の中に、P−DMBq20.0
部を分散し、得られた複合粒子の一次粒子の平均粒径は
、電子顕微鏡の測定結果0.15マイクロメートルであ
り、二次凝集体の平均粒径は5マイクロメートルであり
、ゼータ電位が+28.6mVであった以外は全て、合
成例1の量比及び方法に乗っ取って合成を行った。これ
をサンプル[D]とする。
【0020】合成例5 初期縮合物に添加する水の中に、P−DMBq40.0
部を分散し、得られた複合粒子の一次粒子の平均粒径は
、電子顕微鏡の測定結果0.21マイクロメートルで、
割に粒子が不揃いとなり、泡立ちが目立った。二次凝集
体の平均粒径は6マイクロメートルであり、ゼータ電位
が+20.0mVであった以外は全て、合成例1の量比
及び方法に乗っ取って合成を行った。これをサンプル[
E]とする。
【0021】合成例6 初期縮合物に添加する水の中に、予めアクリルアミドと
N−メタクリロイルオキシエチル−N,Nジメチル−N
−ベンジルアンモニウムクロライドを等モルでRedo
x重合した物(以下P−AMDMBqと記す)を25.
0部を分散し、得られた複合粒子の一次粒子の平均径は
、電子顕微鏡の測定結果0.2マイクロメートルであり
、二次凝集体の平均粒径は、7.2マイクロメートルで
あり、ゼータ電位が+17.5mVであった以外は全て
、合成例1の量比及び方法に乗っ取って合成を行った。 これをサンプル[F]とする。
【0022】合成例7 初期縮合物に添加する水の中に、合成例6で用いたP−
AMDMBq40.0部を分散し、得られた縮合粒子の
一次粒子の平均粒径は、電子顕微鏡の測定結果0.25
マイクロメートルであり、二次凝集体の平均粒径は7.
05マイクロメートルであり、ゼータ電位が+15.2
mVであった。このものは一次粒子が割に不揃いであり
、泡立ちが目立った以外は全て、合成例1の量比及び方
法に乗っ取って合成を行った。これをサンプル[G]と
する。
【0023】実施例1 N.BKP30部、TMP30部、RGP40部が配合
された叩解度(CSF)330mlの1%スラリー20
00部に、Al2(So4) 3・18H2 Oの換算
で20%の硫酸アルミニウム水溶液2部を添加し2分間
攪拌を行う。次いで、予め5.0%の濃度に調整してお
いた合成例2で得たサンプル[B]を固形分で対パルプ
5部、10部、15部を加えて5分間攪拌して調整スラ
リーを得る。次いでTAPPI角形シートマシン(15
0メッシュ)にて坪量80g/m2 になるように抄紙
し、プレス脱水を行って得た湿紙を、表面温度110℃
のドラムドライヤーで乾燥を行った後、線圧40kg/
cmで2回カレンダーを通過させ、湿度60%、温度2
0℃の恒湿恒温室にて24時間のシーズニングを行って
加工紙を得た。この加工紙を対パルプ添加5部、10部
、15部の順に、加工紙B−1、B−2、B−3とする
【0024】実施例2〜4 合成例3、4、6で得たサンプル[C]、[D]、[F
]を固形分で対パルプ5部、10部、15部を加えた以
外は、全て実施例1の方法に乗っ取り、加工紙C−1、
C−2、C−3、及びD−1、D−2、D−3、F−1
、F−2、F−3を得た。
【0025】比較例1 合成例1で得たサンプル[A]を、固形分で対パルプ5
部、10部、15部を加えた以外は、全て実施例1の方
法に乗っ取り、加工紙A−1、A−2、A−3を得た。 このものはP−DMBq、P−AMDMBqの未添加の
物である。 比較例2、3 合成例5、7で得たサンプル[E]、[G]を固形分で
対パルプ5部、10部、15部を加えた以外は、すべて
実施例1の方法に乗っ取り、加工紙E−1、E−2、E
−3及びG−1、G−2、G−3を得た。このものはP
−DMBq、P−AMDMBqが特許請求の範囲を越え
た量、添加されたものである。
【0026】実施例5 叩解度(CSF)200mlの更紙パルプ1%スラリー
2000部に、Al2(So4) 3・18H2 Oの
換算で20%の硫酸アルミニウム水溶液2部を添加し、
2分間攪拌を行う、次いで、予め5.0%の濃度に調整
しておいた合成例2で得たサンプル[B]を固形分で対
パルプ1部、2部、4部を加えて5分間攪拌して調整ス
ラリーを得る。次いで、TAPPI角型シートマシン(
150メッシュ)にて、坪量50g/m2 になるよう
に抄紙しプレス脱水を行って得た湿紙を、表面温度11
0℃のドラムドライヤーで乾燥を行った後、湿度65%
、温度20℃の恒湿恒温室にて24時間のシーズニング
を行って加工紙を得た。この加工紙を対パルプ添加1部
、2部、4部の順に加工紙B−4、B−5、B−6とす
る。
【0027】実施例6〜8 合成例3、4、6で得たサンプル[C]、[D]、[F
]を固形分で対パルプ1部、2部、4部を加えた以外は
、全て実施例3の方法に乗っ取り、加工紙C−4、C−
5、C−6及びD−4、D−5、D−6、F−4、F−
5、F−6を得た。
【0028】比較例4 合成例1で得たサンプル[A]を固形分で対パルプ1部
、2部、4部を加えた以外は全て実施例3の方法に乗っ
取り、加工紙A−4、A−5、A−6を得た。このもの
はP−DMBq、P−AMDMBqの未添加の物である
【0029】比較例5、6 合成例5、7で得たサンプル[E]、[G]を固形分で
対パルプ1部、2部、4部を加えた以外は、全て実施例
5の方法に乗っ取り、加工紙E−4、E−5、E−6、
G−4、G−5、G−6を得た。このものはP−DMB
q、P−AMDMBqが特許請求の範囲を越えた量、添
加された物である。以上、実施例1〜4、比較例1〜3
で得た加工紙についての物性結果を表−1に記す。及び
実施例5〜8、比較例4〜6で得た加工紙についての物
性結果を表−2に記す。
【0030】〔試験法〕各種測定及び算出方法は下記の
要領に従って行った。 ■  ゼータ電位 ・ペンケムのゼータメータ。 ■  填料定着率 ・キェルダール窒素分析法に準じて測定した。 ■  白紙不透明度 ・JIS−P−8138に準じて測定した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明のカチオン性複合粒子は、マイナ
スに帯電する粒子の表面をカチオン化したことに大きな
特徴が生じるのであるが、比較例2、3、5、6から分
かる通り、一次粒子が不均一であったり、抄紙系に於い
て発泡が大きかったりすると、カチオン化した粒子であ
っても、表−1、表−2に示した、紙中歩留率や白紙不
透明度が低下し、理想的な物性を示さない。又、当然な
がら、比較例1、4のマイナス粒子は、一次粒径は均一
であり、発泡もないのであるが、やはり歩留率や物性が
低い。実施例に示した如く、本発明のカチオン化複合粒
子に於いて、カチオン化物質の種類及び添加比率が紙に
対する歩留率、及び光学物性で、極めて有効であること
が明白である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  尿素アルデヒド系ポリマー粒子形成過
    程で、カチオン性高分子物質、及び/またはカチオン性
    共重合性高分子物質を結合させて得られる会合体、或い
    は、尿素ホルムアルデヒド系ポリマー粒子とカチオン性
    高分子物質、及び/またはカチオン性共重合性高分子物
    質を結合して得られる会合体を紙に用いることを特徴と
    する複合粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】  カチオン性高分子物質が、一般式(1
    )(化1)で表わされ 【化1】 ここで(式中、R1 はHまたはCH3 、R2 、R
    3 は炭素数1〜3の低級アルキル、AはNHまたは酸
    素原子、nは2〜4、Xはメチルクロライド、ベンジル
    クロライド等で4級化された4級アンモニウム塩)であ
    り、これを重合して得られる高分子物質である請求項1
    記載の複合粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】  カチオン性共重合性高分子物質が、請
    求項2に記載した一般式(1)で表されるカチオン性高
    分子物質と水溶性ビニルモノマーとの共重合体である請
    求項1記載の複合粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】  尿素ホルムアルデヒド系ポリマー(A
    )及び/又は尿素ホルムアルデヒド系ポリマー粒子(B
    )に対する、カチオン性高分子物質(C)及び/又はカ
    チオン性共重合性高分子物質(D)の配合割合が、(A
    及び/又はB):(C及び/又はD)=99.5〜70
    :0.5〜30重量パーセントである請求項1記載の複
    合粒子の製造方法。
JP11452491A 1991-05-20 1991-05-20 複合粒子の製造方法 Pending JPH04343792A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016102288A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 シェラー テクノチェル ゲー エム ベー ハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトSchoeller Technocell GmbH & Co. KG 高い被覆力を有する紙

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JP2016102288A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 シェラー テクノチェル ゲー エム ベー ハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトSchoeller Technocell GmbH & Co. KG 高い被覆力を有する紙

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