JPH0434333Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、室内の空気調和に用いる空気調和機
に関する。

従来の技術 近年、空気調和機は家庭用から業務用まで幅広
く使用されるようになり、諸性能の中で特に静粛
性が重視される傾向にある。

以下図面を参照しながら、上述した従来の空気
調和機の一例としてカセツト型エアコンを例に説
明する。

第４図，第５図は従来のカセツト型エアコンの
構造を示すものである。図において、１はカセツ
ト型エアコン主体であり、２は断熱構造の箱体で
ある。３は前記箱体２内の上部に配設した遠心式
送風機であり、モータ４、インペラ５、オリフイ
ス６より構成されている。７は遠心送風機３の周
囲に設けた熱交換器であり、ドレンパン８と箱体
２によりはさまれている。

９は前記箱体２の下部に設けた矩形の蓋体であ
り、その各辺部には吹出口１０が設けてあり、中
央部には着脱式の吸込グリル１１が設けてある。

以上のように構成されたカセツト型エアコンに
ついて、以下その動作を説明する。

まず、吸込グリル１１より吸込まれた空気は、
オリフイス６を介してインペラ４内に導入され、
インペラ４の作用で動圧と静圧を付加されインペ
ラ４外へ吐出される。

インペラ４から吐出された空気は熱交換器７を
通過する際に熱交換器７内の冷媒と熱交換し、温
度変化する。温度変化した空気は箱体２内の風格
を介して蓋体９の各辺部に設けた吐出口１０より
室内へ吐出された空気調和する。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような構成では、吸込グ
リル１１から吸込まれた空気がオリフイス６に流
入する際の速度分布は、周囲の風路形状の影響を
受けるため、不均一な速度分布となる。

このため、インペラ４に流入する空気も速度分
布が不均一なものとなる。そこで、インペラ４内
の各翼部（図示せず）で発生する圧力分布も不均
一となり、特にインペラの翼枚数ｚにインペラの
回転数を掛けた周波数で発生する圧力脈動は振巾
が大きくなると共に波形が正弦波からひずんだ波
形となる。その結果、この圧力脈動による騒音
は、図５に示すように、ｎ×ｚの周波数とその高
調波成分が発生したものとなり聴感上非常に聞き
づらい異状音となるという問題点を有していた。

本考案は、上記問題点に鑑み、前記遠心式送風
機３で発生する騒音のうち、インペラ５の翼枚数
に回転数ｎを掛けた周波数に発生する回転騒音及
びその高周波成分を、オリフイス６と吸込グリル
１１との間の通風抵抗を増すことなく減音した空
気調和機を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本考案の空気調
和機は、箱体内上部に遠心式送風機とその周囲に
熱交換器を配設し、前記箱体下面に矩形の蓋体を
設け、前記蓋体の辺部に吹出口を設けると共に中
央部に吸込グリルを設け、かつ前記遠心送風機と
前記蓋体の吸込グリルとの間に略矩形のチヤンバ
を設け、さらに前記チヤンバ内にチヤンバの各側
壁に略平行して仕切板を設け、前記各仕切板の一
端を前記チヤンバの側壁に連結させた構成を備え
たものである。

作 用 本考案は、上記した構成によつて、遠心式送風
機のオリフイスと吸込グリルとの間の風路内に、
サイドブランチ型消音器を構成することになり、
このサイドブランチ型消音器の作用で、遠心式送
風機で発生する翼枚数に回転数を掛けた周波数の
回転騒音及びその高調波成分を減音するものであ
る。

実施例 以下、本考案の一実施例の空気調和機につい
て、実施例と同様にカセツト型エアコンでの実施
例を、図面を参照しながら説明する。尚、実施例
と同一部分については重複をさけるため、同一の
番号を付けて説明を省略する。

第１図〜第３図は、本考案の一実施例における
カセツト型エアコンの構造を示すものである。図
において、１２は、遠心式送風機３とグリル１１
との間に設けた略矩形のチヤンバであり、チヤン
バ１２内には、チヤンバの各側壁１２′に略平行
して仕切板１３が設けてある。前記仕切板１３は
その一端と前記チヤンバ１２に連結してあり、他
の一端は側壁１２′とは連結していない。又、前
記仕切板の長さｌは、 ｌ＝Ｃ／4nz Ｃ：音速 ｎ：インペラ５の回転数 ｚ：インペラ５の翼枚数 としてある。ここで、仕切板１３は、チヤンバ１
２の側壁部に長さｌ＝Ｃ／4nzの一端開口の筒１４ を形成する。

以上のように構成されたカセツト型エアコンに
ついて以下その動作を説明する。

まず、吸込グリル１１より吸込まれた空気はチ
ヤンバ１２を介してオリフイス６よりインペラ５
内に導入され、インペラ５の作用で動圧と静圧を
付加されインペラ４外へ吐出される。インペラ５
から吐出された空気は熱交換器７を通過する際に
熱交換器７内の冷媒と熱交換し、温度変化する。
温度変化した空気は箱体２内の風路を介して蓋体
９の各辺部に設けた吐出口１０より室内へ吐出さ
れ空気調和する。この際、従来例と同じように、
遠心送風機３内では送風機騒音が発生し、オリフ
イス６からチヤンバ１２を介して吸込グリル１１
から室内へ放射伝達する。しかし、チヤンバ１２
内の側壁部には、一端開口筒１４が形成されてお
り、前記一端開口筒１４は、サイドブランチ型消
音器として作用する。このサイドブランチ型消音
器の遮断周波数ｆは、 ｆ＝１／４×ｍ／ｌ ｌ：消音器の長さ ｍ：１，２，３ にて決定されるから、前記一端開口筒の遮断周波
数は、 ｆ＝mnz となり、遠心式送風機３の送風騒音のうち羽根枚
数と回転数を掛けた周波数に発生する回転騒音と
その高調波成分の周波数と一致する。すなわち、
遠心式送風機３で発生した送風騒音は、チヤンバ
１２を通過する際に一端開口筒１４のサイドブラ
ンチ型消音器としての作用で、回転騒音とその高
調波成分を減衰された後、吸込グリル１１より室
内に放射伝達される。その結果、送風騒音は異常
音のない聞きやすい音質となる。又、一端開口筒
１４を形成する仕切板は、チヤンバ１２の側壁１
２′に略平行しているから、吸込グリル１１から
オリフイス６までの気流を乱すことがなく、通風
抵抗を増すおそれはない。

考案の効果 以上のように本考案は、箱体内上部に遠心送風
機とその周囲に熱交換器を配設し、前記箱体下面
に矩形の蓋体を設け、前記蓋体の辺部に吹出口を
設けると共に中央部に吸込グリルを設け、かつ前
記遠心送風機と前記蓋体の吸込グリルとの間に略
矩形のチヤンバを設け、さらに前記チヤンバ内に
チヤンバの各側壁に略平行して仕切板を設け、前
記各仕切板の一端を前記チヤンバの側壁に連結さ
せた空気調和機であるから、チヤンバ内に設けた
仕切板により形成されるサイドブランチ型消音器
の作用で、吸込グリルから遠心送風機のオリフイ
スに到るまでの通風抵抗を増すことなく送風騒音
の中の回転騒音とその高調波成分を低減し、送風
騒音の聴感特性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における空気調和機
の断面図、第２図は第１図の平面図、第３図は第
１図のＡ−Ａ断面図、第４図は従来の空気調和機
の断面図、第５図は第４図の平面図、第６図は騒
音の周波数特性図である。 ２……箱体、３……遠心式送風機、６……オリ
フイス、７……熱交換器、９……蓋体、１０……
吹出口、１１……吸込グリル、１２……チヤン
バ、１２′……側壁、１３……仕切板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱体内上部に遠心式送風機とその周囲に熱交換
   器を配設し、前記箱体下面に矩形の蓋体を設け、
   前記蓋体の辺部に吹出口を設けると共に中央部に
   吸込グリルを設け、かつ前記遠心送風機と前記蓋
   体の吸込グリルとの間には略矩形のチヤンバを設
   け、さらに前記チヤンバ内にチヤンバの各側壁に
   略平行して仕切板を設け、前記各仕切板の一端を
   前記チヤンバの側壁に連結させた空気調和機。