JPH0434038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はワイヤードツトプリンタにおけるド
ツトワイヤーガイド装置に係り、更に詳述すれば
金属製のピンを印刷用紙にカーボンリボンを介し
て打ちつけることによりモザイク状の画素（ドツ
ト）で文字や図形を表現するワイヤードツトプリ
ンタにおけるドツトワイヤーガイド装置の改良に
関するものである。

［従来の技術］ 周知のように通常のプリンタがその印字機構部
に多数の活字を有して、所要の活字を選択して印
字を行なつているのに比し、全文字に共通のドツ
ト印字機構により文字種の選択を文字パターン発
生用の電子回路で行なうドツトマトリツクスワイ
ヤープリンタが実用化されている。

第３図は従来の構成のワイヤードツトプリンタ
の構成を示す断面図で、ケース１内に、ボビン２
にコイル３を巻いたソレノイド４と、ドツトワイ
ヤ７を取付けたプランジヤ６と、前記ケースに取
付けられたコアー５内に前記プランジヤ６の復帰
を行なうためのスプリング８とがリングコアー９
およびキヤツプ１０と共に収容されて、前記ケー
ス１の両端縁を内側に折曲げることにより、これ
ら各構成物が一体化されているものである。尚コ
アー５の先端には前記ドツトワイヤ７を案内する
ガイド部材１１が取付けらている。

このような構成のワイヤードツトプリンタは、
例えばハウジングに１個あるいは複数個取付けら
れワイヤードツトプリンタとして、コイル３への
通電、停電に伴ない、文字の印刷が行なわれてい
る。

［考案が解決しようとする問題］ しかし、このような構成では、ドツトワイヤ７
と、これをガイドするガイド部材１１との間で生
じる摩擦により、前記ドツトワイヤと接している
ガイド部材の一部が摩損し易く、終いにはドツト
ワイヤ７をガイドする細孔部分が拡大して、ドツ
トワイヤの押出し時にみそすり現象を程し、印字
安定性が悪くなると共に有効操作寿命を実質的に
減少させてしまうと云う欠点があつた。

またこれとは別に多連型ワイヤードツトプリン
タにおいて多数のドツトワイヤーを一枚のニユー
セラミツクス製薄板の多連型ガイドチツプに開け
た多数の連続ガイド孔でガイドするものもある
が、この従来例では寸法精度上上記ガイドチツプ
をワイヤーガイドにインサート成型により一体挿
着することができず、したがつてドツトプリンタ
としての組立が著しく面倒で繁雑を極める上に、
ガイドチツプの取扱いに厳重な注意をしないとす
ぐ割れてしまい使用に堪えなくなり結局コスト高
を招くという多くの欠点があつた。さらにまた実
公昭57−55086号公報のものや特開昭51−58132号
公報・特開昭52−15717号公報等に記載のものも
公知であるが、これらのものは硬質のガイドチツ
プの先端が直接にインクリボンに接触走行する構
造とその作用とのため上記ガイド部の硬い先端部
でインクリボンをカキむしる結果となり、インキ
リボンの寿命を短くしてしまうという第１の問題
点が有る。

さらに各引例のものはガイドチツプ先端にガイ
ド孔が開口しているから印字の際の衝撃によるド
ツトワイヤの微小な弯曲を吸収できず良質鮮明は
印字を実現しづらいという第２の問題点も有る。

さらに各引例のガイドチツプはその取付筒であ
るガイド体に後嵌め接着で取着するものであるか
ら作業性悪く、接着という不安定要素が製造工程
中に入るので、製品の精度のバラツキが多く歩留
り悪く、コスト高になるといつた生産面での大き
な問題点も有る。

［考案の目的］ この考案は上記した欠点を除去することを目的
とするもので、ドツトワイヤとガイド部材の接す
る個所にビーズ状のニユーセラミツクス製のガイ
ド部材を一体成形により挿着し、前記ドツトワイ
ヤをビーズ状のニユーセラミツク製ガイド部材で
ガイドすることにより長期に亘る印字の安定性を
得ると共に組立易くコストの低減を可能にしたワ
イヤードツトプリンタのドツトワイヤーガイド装
置を提供するものである。

［考案の概要］ 上記の目的を達成するためにこの考案のワイヤ
ードツトプリンタのドツトワイヤーガイド装置
は、ワイヤードツトプリンターのヘツド部分に配
置された円筒状のワイヤーガイドの先端近傍に筒
上のニユーセラミツクス製ガイドチツプをインサ
ート成形により一体的に挿着し、ドツトワイヤー
の真のガイドをこのガイドチツプで行なうように
したものである。

［考案の実施例の構成］ 第１図および第２図ａ，ｂはいずれもこの考案
を用いたワイヤードツトプリンタヘツドの構成を
示すもので、鉄等の磁性材料で作られたケース２
１内にはボビン２２にコイル２３を巻回したソレ
ノイド２４と、前記ボビン２２の一端にあつてコ
アーポール２５をボビン２２内に挿入したコアー
２６と、前記コアー２６の中心を貫通する大小と
径差の異なる貫通孔２７内に挿着されているドツ
トワイヤ２８と、前記ボビン２２内にあつて前記
ドツトワイヤの端部と直接結合し前記コアーポー
ル２５の端面に開孔した前記貫通孔２７内にスプ
リング２９と共に一端側を挿入したプランジヤコ
ア３０と、前記プランジヤコア３０とカシめ結合
し周面にボビン２２の内周面との接着面積を小さ
くするための長さ方向の細溝３１を形成したプラ
ンジヤスリーブ３２とで形成されたプランジヤ３
３と、前記ボビン２２の他端側に嵌着し弾性プレ
ート３４とエンドプレート３５およびスプリング
３６とを装着するキヤツプ３７と、コアー２６の
端部に挿着されドツトワイヤ２８より大径の貫通
孔３９を設けたワイヤーガイド３８と、前記ワイ
ヤーガイドの端部にドツトワイヤ２８の直径より
も若干大径の貫通孔４１を明け、真のワイヤーガ
イドを行なうために一体成形により挿着されたニ
ユーセラミツク製のガイドチツプ４０とで構成さ
れている。尚図中４２はコイル端子である。

［考案の作用］ この考案によるワイヤードツトプリンタヘツド
は以上の如く構成されており、ソレノイド２４の
励磁によりプランジヤ３３がコアーポール２５に
開孔している貫通孔２７内に配設されているスプ
リング２９の弾性に抗して前記コアーポール２５
内に瞬間的に移動し、ドツトワイヤ２８の先端を
印刷用紙（図示していない）に衝突させてモザイ
ク状の画素（ドツト）を印字する。次にソレノイ
ド２４の励磁を解くとプランジヤ３３はスプリン
グ２９により再び励磁前の位置に押返される。こ
の押返しの際、プランジヤ３３の端面はスプリン
グ３６でコアー２６側に圧送されボビン２２の端
面に圧接されている弾性プレート３４に衝突する
ことで、弾性プレート３４、スプリングの弾性
と、エンドプレート３５の重量とで衝撃を吸収し
て緩和し、バウンドによつて生じる２重打印を防
止する。

また、印字時はコイル２３への通電が断続する
ことによりドツトワイヤ２８が往復動し、ワイヤ
先端自体カーボンリボンを介して印刷用紙へ衝突
し、ワイヤガイド３８に一体成形により挿着され
ているニユーセラミツクス製ガイドチツプ４０に
接触するが、ドツトワイヤ２８に対するガイドチ
ツプ４０の接触摩擦は極小であるから長時間に亘
る使用においても摩耗が少ないためドツトワイヤ
の押出し時にみそすり現象を呈しにくいため印字
の安定性が極めて良好となると共に耐久寿命が著
く長くなる。

［考案の効果］ この考案は前述の構成となしたので、前記従来
技術およびこれらの集合体では達成できない格別
な効果、すなわちこの考案のものは硬質のガイド
チツプ４０の先端の外周面を軟質のワイヤーガイ
ドの先部分で包囲したのでガイドチツプ自体がリ
ボンに接触しないで走行する構造とその作用との
ため上記ガイドチツプ４０の硬い先端部でインク
リボンをカキむしることがなく、インキリボンの
寿命を延ばせるという第１の効果がある。

さらに本考案のものはガイドチツプ先端に一段
下がつた凹部すなわちザグリ部を設けてインクリ
ボンとの間にスキマを形成できるようにしたので
印字の際の衝撃によるドツトワイヤの微小な弯曲
を上記ザグリ部で吸収でき、良質鮮明な印字を実
現できるという第２の効果も有る。

さらに本考案のガイドチツプ４０はその取付筒
であるワイヤガイド３８にインサートにより一体
埋込み成形してあるから作業性良く、前記各従来
技術のものに必要であつた接着という不安定要素
が製造工程中に全く入らないので、製品精度のバ
ラツキが極小で歩留り良くコスト安になるといつ
た生産面での大きな効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図ａ，ｂはこの考案の一実施
例を示すもので、第１図はワイヤードツトプリン
タヘツドの分解斜視図、第２図ａは組立完成品の
断面図、第２図ｂは第２図ａと状態を異にした断
面図、第３図は従来のワイヤードツトプリンタの
断面図である。 ２１……ケース、２３……コイル、２４……ソ
レノイド、２６……コアー、２８……ドツトワイ
ヤ、３３……プランジヤ、３４，３５……プレー
ト、３６……スプリング、３７……キヤツプ、３
８……ワイヤーガイド、４０……ガイドチツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. セラミツクス製のワイヤーガイドチツプでワイ
   ヤードツトプリンタにおけるドツトワイヤーをガ
   イドするものにおいて、ワイヤードツトプリンタ
   ーのヘツド部分に配置したアセタール樹脂などの
   滑性を有しかつ比較的軟質の素材で作つた円筒状
   のワイヤーガイド３８の先端近傍に外端面にザグ
   リ部を形成した筒状のニユーセラミツクス製ガイ
   ドチツプ４０をインサート成形により一体的に埋
   込み挿着し、ドツトワイヤーの真のガイドを前記
   ガイドチツプで行なうことを特徴とするワイヤー
   ドツトプリンタにおけるドツトワイヤーガイド装
   置。