JPH0451357B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスプリングチヤージ方式印字ヘツドに
関する。

ドツトインパクト式プリンタに用いられている
従来のスプリングチヤージ方式印字ヘツドは、他
の方式の印字ヘツドに比べて構造が簡単で且つ印
字の高速化が可能であるという利点を有する。

第１図は従来のスプリングチヤージ方式印字ヘ
ツドを示す斜視図である。同図の部分断面部に示
すように、円筒状の永久磁石８の上面には強磁性
金属ヨーク１０が固着されており、その上部には
複数個の扇形のスプリング板１４の端部がそれぞ
れ所定箇所に固着されている。更にその上部には
強磁性金属のヨーク１２が固着されている。永久
磁石８の下面には、強磁性金属からなる底付き円
筒状のヨーク２が固着されている。ヨーク２の底
部に一体に設けた複数個コア４の上端は、各スプ
リング板１４の上面に固着された強磁性金属のア
ーマチユア１６の下方において、それぞれスプリ
ング板１４の下面と所定の間隔を保つている。各
アーマチユア１６の先端部にはドツトを印字する
ためのワイヤ１８が取付けられている。各コア４
の周囲にはコイル６が装着されている。スプリン
グ板１４と、これに固着されているアーマチユア
１６およびワイヤ１８と、その下方のコア４およ
びコイル６とが、それぞれ１つのドツトを印字す
るためのユニツトを構成している。各印字ユニツ
トでは、永久磁石８から生ずる磁束が、ヨーク
２、コア４、アーマチユア１６ならびにヨーク１
０および１２を含む磁気回路内に集中している。
コイル６に電流が供給されていないないときは、
この磁気回路を通る磁束によりアーマチユア１６
がコア４に吸引され、これに応じてスプリング板
１４が屈曲しコア４に吸着して無印字時の位置に
ある。印字時には、コア４を通る磁束を打消す方
向を電流コイル６に供給する。これに応じてアー
マチユア１６に作用して吸引力が無くなるから、
屈曲していたスプリング板１４が真直な状態に復
帰し、これに伴なつてワイヤ１８が運動して印字
動作を行なう。印字動作終了時には、コイル６へ
電流供給を止めることにより、スプリング板１４
が再び屈曲して無印字時の位置に復帰する。以上
に説明したような従来のスプリングチヤージ方式
印字ヘツドでは、動作時にスプリング板１４が折
れたり印字されたドツトに濃淡むらを生ずる不具
合を生じ易く、更に製作時に多大な工数を必要と
する。すなわち、スプリング板１４にはアーマチ
ユア１６を溶接し固着させてあるが、その溶接箇
所は溶接加工後に硬化するため印字動作時に折れ
易い。またその硬化の度合が各スプリング板１４
ごとに異なるので、印字動作時における弾性応力
の大きさも各スプリング板ごとに異なり印字ドツ
トごとの濃淡むらを生ずる。更に製作時には、ス
プリング板１４にアーマチユア１６を溶接し、ス
プリング板１４の端部をヨーク１０および１２間
に取付けてねじ止めあるいは溶接するという工程
が必要であり、多大な組立工数を要する。また前
記の磁気回路において、アーマチユア１６および
ヨーク１２間に介在する空隙の寸法にばらつきが
あると、その空隙の磁気抵抗の大きさがばらつき
印字ドツトの濃淡むらを生ずるので、空隙寸法を
所定値に精度良くあわせる必要があり、そのため
に製作工数が増大する。上記の問題点の中のスプ
リング板１４が折れる点を改善するために、スプ
リング板１４およびアーマチユア１６を一体化し
て強磁性体で形成したスプリングチヤージ方式印
字ヘツドがある。この場合には、スプリング板１
４の作用をする箇所の弾性応力を所望値にすると
板厚が薄くなり、その箇所の磁気抵抗を小さくし
て効率が良い動作を得るためには幅を広くして断
面積を大きくせねばならず、各印字ユニツトの寸
法が大きくなる。

以上に説明したごとく従来のスプリングチヤー
ジ方式印字ヘツドは、スプリング折れなどの不具
合を生じ易く、多大な製作工数を要し、また寸法
が大形化するという欠点を有する。

発明の目的は、上記の接点を除去し従来よりも
製作工数が少なくてすみスプリング折れなどの不
具合を発生せず且つ小形なスプリングチヤージ方
式印字ヘツドを提供することにある。

本発明の印字ヘツドは、永久磁石と、該永久磁
石に接続して設けた強磁性体の第１および第２の
ヨークと、該第２のヨークに接続する磁心に装着
されコイルと、ガイド孔が設けてあり該ガイド孔
に係合して弾性変形するコイルスプリングを装着
した第１のガイド部材と、一方の端部に印字ワイ
ヤを取付け他方の端部に側方突起を設けてあり該
側方突起の側が前記第１のヨークを介して前記永
久磁石に吸引され前記磁心から生ずる磁束の通過
位置および前記コイルスプリングにより押圧され
る位置を通るように配置された強磁性体のアーマ
チユアと、該アーマチユアの周辺部の位置決めを
するための第２のガイド部材とを有する印字ユニ
ツトを少なくとも１つ備えている。

次の図面を参照して本発明を詳細に説明する。

第２図は本発明の第１の実施例を示す斜視図で
ある。同図の部分断面図に示すごとく、円筒状の
永久磁石８を上面および下面には、それぞれ磁性
金属のヨーク１０および２が固着されており、ヨ
ーク２の底部には複数個のコア４が設けられてい
る。またヨーク２の底部中央には円筒状のプラス
チツクのスプリングガイド５が固着されている。
ヨーク１０の上面の所定箇所にはプラスチツクの
アーマチユアガイド２０が固着されており、スプ
リングガイド５にはこれと一体に上面に突出して
いるアーマチユアガイド２２が形成されている。
アーマチユア１７は一方の端部が両側に突起した
形状の磁性金属棒であり、他方の端部にはドツト
を印字するためのワイヤ１８が取付けられてい
る。アーマチユアガイド２０および２２は、ヨー
ク１０、コア４およびスプリングガイド５の上面
においてアーマチユア１７を配置するための複数
のスペースを形成しており、各スペースにそれぞ
れアーマチユア１７を入れると永久磁石８が生ず
る磁束により吸引されて、突起を設けた端部がヨ
ーク１０にまた中央部がコア４に吸着される。ア
ーマチユア１７のワイヤ１８が取付けてある側の
端部は、スプリングガイド５に設けてある孔の口
を覆つている。この孔の中には予めコイルスプリ
ング１５が挿入し装着されており、下方からアー
マチユア１７を押圧している。各アーマチユア１
７は、これに取付けられているワイヤ１８と、そ
の下方のコア４およびその周囲に装置されている
コイル６、ならびにスプリングガイド５の孔内の
コイルスプリング１５と共に、それぞれ１つのド
ツトを印字するための印字ユニツトを構成してい
る。以上のように構成された印字ヘツドはケース
１に収納され、ケース１上面に設けた穴を通つて
ケース１外部に出ている複数ワイヤ１８はワイヤ
ガイド（図示せず）に導かれて所定位置への印字
動作を行なう。

第３図ａ及びｂは、第２図に示す印字ヘツドに
おける印字ユニツトの動作を説明するための部分
断面図である。同図ａはコイル６に電流が供給さ
れていない場合を示す。この場合にあ、永久磁石
８から生ずる磁束が、ヨーク２、コア４、アーマ
チユア１７およびヨーク１０からなる磁気回路内
に集中して、アーマチユア１７がコア４に吸引さ
れ無印字時の位置にある。同図ｂはコイル６に電
流が供給された場合を示す。この場合には、コア
４を通る磁束を打消す方向の電流をコイル６に供
給する。これに応じてコア４からアーマチユア１
７に作用していた吸引力が消失するから、コイル
スプリング１５の弾性力によりアーマチユア１７
の端部が押上げられてケース１内に設けてある突
起状のストツパ２４の位置まで動き、これに伴な
つてワイヤ１８が印字動作を行なう。印字動作終
了時には、コイル６への電流供給を止めることに
より、アーマチユア１７が再びコア４に吸引され
て無印字時の位置すなわち同図ａに示す位置に復
帰する。

本実施例では、従来の印字ヘツドとは異なり印
字ユニツトの磁気回路内にスプリング板を介在さ
せず、アーマチユア１７がヨーク２およびコア４
と直接に接触して磁気回路を構成しているから、
各部材の寸法を小さくしても磁気回路の磁気抵抗
を所要限度よりも小さくするのが容易である。更
に従来のようなスプリング板とアーマチユアとの
溶接やスプリング板とヨークとの溶接（あるいは
ねじ止め）などの組立工程が不要となり、従つて
溶接時におけるスプリング板の局所的硬化に起因
する動作時の故障が不具合の発生も無くなる。さ
らに、アーマチユア１７の端部に側方突起を設け
てアーマチユアガイド２０でガイドすることによ
り、印字動作時にアーマチユア１７の位置がずれ
るのを防止できる。

第４図は本発明の第２の実施例を示す上面図で
ある。同図の部分破断部に示すように、第２図に
おけるアーマチユアガイド２０および２２とスプ
リングガイド５とを全て一体化したガイド２８を
用いており、アーマチユア１７を配置する部分の
所定箇所にコイルスプリング１５（図示せず）を
挿入するための孔３０が設けられている。一体化
されたガイド２８の使用により、印字ヘツドの製
作工数を軽減することができる。

第５図は本発明の第３の実施例を示す部分斜視
図である。第４図におけるガイド２８と同様な一
体化したガイド３２の所定スペースに配置したア
ーマチユア１７の外方と辺と、ケース１との間に
ゴムのストツパ３４が設けられている。ストツパ
３４はヨーク１０およびケース１に固着されてお
り、アーマチユア１７の外周辺と接触しこれを支
持して印字動作時にアーマチユア１７が破線矢印
Ａの方向にずれ動くのを防止する。ストツパ３４
はアーマチユア１７の動作に応じて弾性変形する
から、印字動作を妨げることなくアーマチユア１
７のずれを防止する。

以上の説明から明らかなように、本発明には、
磁気回路とスプリングとを分離した構造にするこ
とにより、従来よりも小形で、組立てが容易であ
り且つ故障や不具合の発生頻度が少ないスプリン
グチヤージ方式印字ヘツドを実現できるという効
果があり、特に、多数の印字ユニツトを収容する
場合に適用してその効果が著しい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスプリングチヤージ方式印字ヘ
ツドを示す斜視図、第２図および第３図ａ，ｂは
それぞれ本発明の第１の実施例を示す斜視図およ
び部分断面図、第４図は本発明の第２の実施例を
示す上面図、第５図は本発明の第３の実施例を示
す部分斜視図である。 １……ケース、２，１０，２１……ヨーク、４
……コア、５，２５……スプリングガイド、６…
…コイル、８……永久磁石、１５……コイルスプ
リング、１７……アーマチユア、１８……ワイ
ヤ、２０，２２……アーマチユアガイド、２４…
…ストツパ、２８，３２……ガイド、３４……ス
トツパ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中空円筒形状を有する永久磁石と、この永久
   磁石の上面に接続された、中空円筒形状を有する
   第１のヨークと、略円盤形状を有し、前記永久磁
   石の下面に接続された第２のヨークと、この第２
   のヨークに立設された複数のコアと、この複数の
   コアのそれぞれに設けられた複数のコイルと、前
   記複数のコアと同数の、一端部の上面に印字ワイ
   ヤが立設され、他端部下面が前記第１のヨーク上
   面に搭載されたアーマチユアと、この複数のアー
   マチユアのそれぞれに対応して設けられ、対応す
   るアーマチユアに対して印字方向への力を印加す
   る複数のばねとを有し、前記複数のコイルのうち
   所望のコイルに対する電流の導通遮断により、対
   応する前記複数のアーマチユアの印字制御を行な
   うスプリングチヤージ方式印字ヘツドにおいて、 前記第２のヨークに接続され、前記第２のヨー
   クの中心軸を中心軸とする円筒形状を有し、前記
   複数のアーマチユアの前記一端部の下面に対応す
   る位置に、前記複数のばねを支持、収容する複数
   のガイド孔を有するスプリングガイドと、 前記複数のアーマチユアの前記他端部を、前記
   複数のアーマチユアが前記他端部を略中心軸と
   し、所定量印字方向へ回転可能に側方から支持す
   る第１のアーマチユアガイドと、 前記スプリングガイドの上面に設けられ、前記
   アーマチユアの前記一端部を、前記印字方向へ回
   転可能に側方から支持する第２のアーマチユアガ
   イドとを有することを特徴とするスピリングチヤ
   ージ方式印字ヘツド。 ２ 前記第１と第２のアーマチユアガイドおよび
   前記スプリングガイドを一体化形成したことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のスプリング
   チヤージ方式印字ヘツド。