JPH028762Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はワイヤドツト方式の印字ヘツドを備え
たプリンタに係り、特に、印字ヘツドをキヤリツ
ジに対し簡単で且つ確実に取付けることができる
ようにしたプリンタに関する。

〔従来技術〕

最近のプリンタではワイヤドツト方式の印字ヘ
ツドが使用されている。第１図は従来のワイヤド
ツト方式の印字ヘツドを半断面図によつて示した
ものである。その構造は、円盤状のケース１内に
複数の電磁石２とこれに吸着される片持ち式のア
ーマチユア３が設けられている。この電磁石２と
アーマチユア３はケース１内にて放射状に配列さ
れているものである。また、ケース１と一体のワ
イヤホルダ１ａ内には一対のプラスチツク製のガ
イド板５ａと５ｂが設けられており、この両ガイ
ド板５ａと５ｂによつて、ドツト印字用のワイヤ
４が摺動自在に保持されている。また、ワイヤホ
ルダ１ａの先端には耐摩耗性の高いガイド板６が
設けられており、各ワイヤ４の先部は縦一列に配
列されてこのガイド板６に支持されている。ま
た、各ワイヤ４の基部には当接子７が固設され
て、この当接子７によつてアーマチユア３の端部
に連結されている。ワイヤ４の基部周囲にはコイ
ルスプリング８が外装されており、このコイルス
プリング８によつてアーマチユア３が電磁石２か
ら離れる方向へ付勢されている。

この印字ヘツドの電磁石のうちの１つあるいは
複数に通電すると、アーマチユア３がコイルスプ
リング８に抗して吸着され、そのアーマチユア３
に連結されているワイヤ４の先端がワイヤホルダ
１ａの先部から突出し、インクリボンを介して記
録用紙に打刻される。そして、印字ヘツドを搭載
しているキヤリツジの動きとこのワイヤ４の突出
動作の組み合わせによつて所定の印字動作が行な
われるものである。

〔従来の問題点〕

ところが、上記従来の印字ヘツドでは、ワイヤ
４が曲げて収納され、且つこの各ワイヤ４の先端
がワイヤホルダ１ａの先端にて揃えられているた
め、ワイヤホルダ１ａが長くなつている。そし
て、この印字ヘツドをキヤリツジ１０に搭載する
場合には、ワイヤホルダ１ａの部分が固定される
か、あるいはワイヤホルダ１ａの近くに設けられ
る支持フレーム９が固定されるようになつてい
る。

このようにワイヤホルダ１ａあるいは支持フレ
ーム９によつてキヤリツジ１０に固定している
と、印字ヘツドのケース１本体側（第１図の右半
部）の重量が大きいため、支持が不安定になる。
また、ワイヤ４をプラテンに対してインパクトし
た際に、その反力が印字ヘツドに作用するが、第
１図の支持構造ではこの反力により印字ヘツドが
傾くなど不安定な姿勢になる欠点がある。よつ
て、印字品質も低下することになる。

〔本考案の目的〕

本考案は上記従来の問題点に着目してなされた
ものであり、印字ヘツドがキヤリツジに対し安定
してしかも簡単に取付けられるようにしたプリン
タを提供することを目的としている。

〔本考案の構成〕

本考案によるプリンタは、電磁石や打刻用ワイ
ヤなどが収納されている印字ヘツドのガイド体の
背面側、すなわちワイヤの突出側と逆の側をキヤ
リツジに対して凹凸嵌合させ、これにより印字ヘ
ツドを簡単で且つ安定姿勢にて取付けたものであ
る。

〔本考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を第２図以下の図面によ
つて説明する。

第２図は本考案のプリンタに使用される印字ヘ
ツド２０を断面図によつて示したものであり、第
３図は印字ヘツド２０をキヤリツジに取付ける状
態を示した斜視図である。

第２図に示すように、印字ヘツド２０のガイド
本体２１はプラスチツク製であり円盤形状に成形
されている。このガイド本体２１内には複数の電
磁石２２が所定の間隔を開け円周状に配列されて
保持されている。ガイド本体２１の中央部には複
数のガイド穴２１ａが穿設されており、このガイ
ド穴２１ａ内に押圧部材２３が設けられている。
この押圧部材２３はプラスチツクによつて成形さ
れているものであり、その図示下側に突起部２３
ａが形成され、図示上側に押圧面２３ｂが形成さ
れている。そして、この押圧部材２３はガイド穴
２１ａにガイドされて、図示上下方向へ直線的に
摺動自在に保持されている。そして、この押圧部
材２３の前端（図示下端）には打刻用ワイヤ２４
が連結されて、押圧部材２３と一体に動作するよ
うになつている。また押圧部材２３の後端（図示
上端）に形成されている押圧面２３ｂにはアーマ
チユア２５の自由端が対向している。このアーマ
チユア２５は電磁石２２と同数だけ設けられてい
るものであり、その基部はガイド本体２１の後部
に設けられたアーマチユアガイド２６によつて支
持されている。すなわち、このアーマチユアガイ
ド２６の前面周囲部には爪２６ａが突設されてお
り、アーマチユア２５の基部はこの爪２６ａによ
つて支えられている。また、アーマチユアガイド
２６の周部には保持突起２６ｂが一体に形成され
ており、この保持突起２６ｂが各電磁石２２の外
側面に嵌装されるようになつている。さらに、ア
ーマチユアガイド２６の前面周囲部と各アーマチ
ユア２５の基部との間にはゴムリング２７が介装
されており、このゴムリング２７の弾性力によつ
て各アーマチユア２５が前方（図示下方向）へ付
勢されている。

また、ガイド本体２１の前面にはフロントガイ
ド２８が設けられている。このフロントガイド２
８はプラスチツク材料によつてほぼ十文字形状に
成形されているものであり、その中央部は前方へ
盛り上がつて成形され、この中央部に形成された
小径のガイド穴２８ａによつて前記打刻用ワイヤ
２４が直線的に摺動できるよう支持されている。
さらにガイド本体２１とフロントガイド２８との
間には板ばね２９が挟持されている。この板ばね
２９は外周がガイド本体２１と同径の円板形状に
形成されており、その中央部に複数の弾性腕２９
ａが放射状に一体に形成されている。そしてこの
弾性腕２９ａが各押圧部材２３の突起部２３ａに
当接して押圧部材２３をアーマチユア２５の方向
へ付勢している。

また、ガイド本体２１、アーマチユアガイド２
６ならびにフロントガイド２８は固定金具３０に
よつて互いに固定されている。この固定金具３０
は弾性を有する金属板材によつて成形されたもの
である。この固定金具３０の図示下端には爪３０
ａが折曲げ成形されており、フロントガイド２８
の外周部に成形された保持穴２８ｂにこの爪３０
ａが係止され、且つ固定金具３０の図示上端部３
０ｂがアーマチユアガイド２６の背面に掛けら
れ、固定金具３０の弾性によつて各部材が互いに
固定できるようになつている。

また、アーマチユアガイド２６の背面（図示上
面）には取付突部３１が一体に設けられている。
この取付突部３１はアーマチユアガイド２６の背
面の４箇所に均等に配置されており、その図示上
面３１ａは平面に形成され、また外側面３１ｂは
斜面に形成されている。

さらに、第３図に示すように、ガイド本体２１
の側面にはケーブル基板３２が突出している。こ
のケーブル基板３２は各電磁石２２に接続されて
いるものである。このケーブル基板３２はガイド
本体２１から突出してコの字形状を成しており、
その先部には接続電極３２ａが設けられている。

一方、第３図に示すように、印字ヘツド２０を
搭載するキヤリツジ３５はキヤリツジホルダ３６
と一体化されており、このキヤリツジホルダ３６
とキヤリツジ３５はキヤリツジシヤフト３７にガ
イドされて図の左右方向へ移動できるようになつ
ている。またこの移動はパルスモータ（図示せ
ず）に駆動されることによつてなされる。キヤリ
ツジ３５の下面両側には断面Ｖ字形状の支持凹部
３５ａが平行に且つ対向して形成されている。ま
た、支持凹部３５ａの上側にはコネクタ３８が設
けられており、その差込み口３８ａが水平方向に
向けられている。

上記構成による印字ヘツド２０をキヤリツジ３
５に取付けるには、まず印字ヘツド２０の背部に
設けられている各取付突部３１をキヤリツジ３５
の支持凹部３５ａ内へ挿入嵌合させる。同時にケ
ーブル基板３２の先端の接続電極３２ａをコネク
タ３８の差込み口３８ａへ差込む。これにより、
印字ヘツド２０がキヤリツジ３５に固定されると
ともに、印字ヘツド２０内の電磁石２２がケーブ
ル基板３２によつてプリンタの本体回路に接続さ
れる。

なお、第２図の下端に示している符号４１はプ
ラテンであり、その前面に記録用紙４２が支持さ
れている。また、記録用紙４２と印字ヘツド２０
との間にインクリボン４３が介在している。この
プラテン４１と前記キヤリツジシヤフト３７は平
行に配設されているものである。

次に、この印字ヘツド２０による印字動作を説
明する。

第２図では各電磁石２２が非励磁状態である。
電磁石２２に通電すると、その電磁石２２に対向
しているアーマチユア２５が吸着され、押圧部材
２３がこのアーマチユア２５に押されて図の下方
向への直線的に摺動する。そして、この押圧部材
２３と一体のワイヤ２４が曲ることなく直線的に
移動してその先端がフロントガイド２８から突出
し、インクリボン４３を介して記録用紙４２に打
刻され、記録用紙面にワイヤ先端の面積に相当す
るドツトが形成される。また電磁石２２への通電
を止めると、押圧部材２３ならびにアーマチユア
２５は板ばね２９の弾性腕２９ａに押されて図の
上方へ復帰する。印字ヘツド２０を搭載したキヤ
リツジ３５の移動と、通電する電磁石２２の組合
わせにより、記録用紙４２にドツトマトリツクス
構成の文字や記号などの印字が行なわれる。

この印字動作の際、ワイヤ２４によるプラテン
４１に対するインパクトの反力が印字ヘツド２０
に図示上向きに作用する。この反力は印字ヘツド
２０の背面に設けられた取付突部３１からキヤリ
ツジ３５に作用する。しかしながら、この取付突
部３１は４箇所設けられ、しかも各々の上面３１
ａが平面形状になつてキヤリツジ３５の支持凹部
３５ａ内に均一に当たつているので、ワイヤイン
パクトの反力はキヤリツジ３５によつて均一に受
け止められる。よつてこの反力により印字ヘツド
２０が不安定に動いたりすることはなく、安定し
た印字動作が行なわれるようになる。

なお、図の実施例とは逆に、印字ヘツド２０の
背面に凹部を形成し、キヤリツジ３５側に突部を
形成して互いに嵌合させてもよい。

〔本考案の効果〕

以上のように本考案によれば以下に列記する効
果を奏するようになる。

(1) 印字ヘツドの背面をキヤリツジに対して固定
したので、第１図の従来のようにワイヤホルダ
１ａあるいはフレーム９によつて固定した場合
に比べて固定状態が安定する。したがつて、ワ
イヤインパクトの反力により印字ヘツドの姿勢
が乱れることもなく、印字品質の維持を図るこ
とができるようになる。特に、図の実施例のよ
うに、全長の短い形状の印字ヘツドの場合に
は、キヤリツジに対する固定姿勢が安定するよ
うになる。

(2) 印字ヘツドの背面をキヤリツジに対して凹凸
嵌合させているので、印字ヘツドの取付作業が
簡単であり、また印字ヘツドの着脱が容易であ
るので保守が楽である。

(3) 印字ヘツドの背部をキヤリツジに固定してい
るので、キヤリツジシヤフトとプラテンとの間
隔を広くとることができる。よつて、キヤリツ
ジシヤフトとプラテンの両端部を共に支持して
いるサイドフレームが広い面積のものになり、
キヤリツジシヤフトとプラテンの支持が安定す
るようになる。そのため、プリンタ自体の強度
が向上する。また、キヤリツジシヤフトとプラ
テンとの間隔を広くできるので印字用紙の挿入
スペースも十分に確保でき、操作が楽になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプリンタに使用されている印字
ヘツドの半断面側面図、第２図は本考案のプリン
タに使用される印字ヘツドの断面図、第３図は印
字ヘツドのキヤリツジに対する支持構造を示す斜
視図である。 ２０……印字ヘツド、２１，２６，２８……ガ
イド体、２２……電磁石、２３……押圧部材、２
４……打刻用ワイヤ、２５……アーマチユア、３
１……取付突部、３５……キヤリツジ、３５ａ…
…支持凹部、４１……プラテン、４２……印字用
紙、４３……インクリボン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の電磁石ならびにこの電磁石の吸着動作に
   したがつて進退動する打刻用ワイヤがガイド体内
   に備えられている印字ヘツドと、この印字ヘツド
   を搭載してプラテンに沿つて移動するキヤリツジ
   とが設けられているプリンタにおいて、前記印字
   ヘツドのガイド体のワイヤ突出側と逆の背面側
   が、前記キヤリツジに対し凹凸嵌合によつて固定
   されていることを特徴とするプリンタ。