JPH04339525A - 金属板の圧印・剪断加工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、展性を有する金属板に
精密圧印加工（コイニング）を行い、続けて所定形状に
打抜き加工を行うための圧印・剪断加工方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から行われてきた精密剪断加工法と
して、予め打抜き又は穴明けされた剪断切口面を、再度
打抜き工具で縁を削り取り、平滑な切削面を得るシェー
ビング法と、板押えと逆押えとで板を押え、板押え面上
の三角突起により板を拘束し、静水圧効果により亀裂を
防ぐ精密打抜き（ファインブランキング）法が広く行わ
れてきた。また、メダル、バッヂなど金属板表面に精細
な溝を加工するには、プレスにて所望形状の溝加工を行
う圧印法と、エッチングにより溝加工を行うエッチング
法とがある。プレスによる場合では、１回目のプレスで
は目的の溝深さまで成形できず、プレス加工後の加工硬
化した材料を焼鈍により軟化させ、再度プレス加工を行
う。このサイクルを数回繰返した後にプレスで打抜き加
工が行われる。また、エッチングにより溝加工を行う場
合は「マスキング」、「エッチング」、「マスキング除
去」の各工程を行っている。さらに、特開平２−１５１
３２１号公報には、振動を付加して圧印加工と打抜き加
工とを連続して行う加工法が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これらの方法のうち、
シェービング法は「だれ」の少ない比較的高精度の切口
面が得られるが、複数の工程を要するし、自動化が困難
である。ファインブランキング法では破断面をほぼ無く
することはできるが、「だれ」の発生は防止できない。 一方、圧印法として行われるプレス成形では、１回のプ
レスでは目的の溝深さまで成形できず、プレス加工後の
加工硬化した材料を焼鈍により軟化させ、再度プレス加
工を行う必要がある。このサイクルを数回繰返した後に
、最終的に打抜き加工が行われる。この場合、各プレス
工程毎に高度の位置決め技術が必要であり、現状では熟
練工による技術に頼っており、自動化されにくい。また
、エッチングによる場合は、工数と時間がかかるうえ、
打抜き工程は別工程となる。また金、銀などの貴金属材
料の加工ではエッチング処理した金属の再生にコストが
かかるので問題が多く、採用されていない。また、特開
平２−１５１３２１号の加工法では、金属板の材料は上
下パンチと上下ダイの面圧のため、材料が金型の外側へ
逃げる傾向が強く、圧印した溝の形状は得られるが所定
の厚さ方向の寸法が小さくなるという問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、図１に示すよ
うに展性を有する金属板Ｗを、５〜２００ｋｇ／ｍｍ２
　の面圧で、先端に所定形状の成形溝２８，２８′が形
成された一対のパンチ６，１０、及び先端に環状板押さ
え突起７，７′が形成され、パンチ６，１０を取囲んで
設けられた一対のダイ３，４とで拘束し、次いでこの状
態で少くとも一方のパンチから金属板Ｗの厚さ方向に０
．５〜１００Ｈｚの振動を与えて金属板Ｗの表面に圧印
加工を行い、さらにこの振動を与えながらパンチ６，１
０とダイ３，４とを金属板の厚さ方向に相対移動させて
打抜き加工を行う方法であって、連続して圧印と打抜き
の両方の加工を行うものである。

【０００５】

【作用】金属板Ｗが一対のダイ又はパンチにより厚さ方
向に強く押圧された場合、金属材料にはダイ又はパンチ
の中央から外方に向う横方向の流れが生じ、そのため圧
印加工された部分の板厚が減小する。これに対して本発
明では、圧印加工される部分の周囲を環状板押さえ突起
７，７′で押圧しているため、金属板の表面に喰い込ん
だ突起により金属材料の横方向への流れが阻止され、圧
印加工された部分の板厚の減小が防止される。

【０００６】

【実施例】本発明に使用される装置の第１実施例を図面
により説明する。図３において、機台１に載置された金
型ホルダ２には下ダイ３が固定されている。下ダイ３に
対向して上ダイ４が設けられ、金型ホルダ２に案内され
てダイクランプシリンダ５により昇降可能とされている
。これら下ダイ３及び上ダイ４の先端面には、図１に示
すように断面Ｖ字形の環状板押え突起７，７′が形成さ
れている。上ダイ４を貫通して上パンチ６があり、その
上端に連設されたパンチクランプシリンダ９により昇降
可能である。また、下ダイ３を貫通して下パンチ１０が
立ち上っており、その下端はコ字形の加振フレーム１２
の下辺に取付けられている。そしてこれら上パンチ６と
下パンチ１０の先端面には、所定形状の成形溝２８，２
８′が設けられている。加振フレーム１２は前述の金型
ホルダ２を抱くように配設され、その上辺にはパンチク
ランプシリンダ９が取付けられている。さらに加振フレ
ーム１２は機台１に取付けられたサーボシリンダ１３に
直結されていて、加振フレーム１２を介して下パンチ１
０、パンチクランプシリンダ９、上パンチ６に上下方向
の振動を加えるようにされている。

【０００７】サーボシリンダ１３に供給される圧油を制
御するサーボ弁１４は圧油源およびタンクと接続され、
サーボアンプ１５からの信号によりサーボシリンダ１３
を作動させ振動を加振フレーム１２に加えるようになっ
ている。また、サーボアンプ１５はサーボシリンダ１３
の一端に設けられた変位計１６および変位測定用アンプ
１７の信号を受けてサーボ弁１４に制御信号を送り、さ
らにサーボアンプ１５は関数発生器１１に連結されてい
て振動開始指令を受ける。シーケンサ１８は関数発生器
１１に直結していてこれを作動させると共に、ダイクラ
ンプシリンダ５の切換弁２０およびパンチクランプシリ
ンダ９の切換弁１９に指令を送り、圧油源から圧油を導
いて各シリンダを順次作動させるようにしている。

【０００８】図３の装置により金属板の圧印・剪断加工
を行うには、図１の（イ）に示すように金属板加工物Ｗ
が上，下のダイとパンチの間に入るよう位置決めし、次
いで操作盤（図示せず）によりシーケンサ１８に加工開
始指令を与える。するとダイクランプ用の切換弁２０に
指令が入り、ダイクランプシリンダ５を作動させて上ダ
イ４が下降し、上ダイ４と下ダイ３とで加工物Ｗを拘束
する。次にパンチクランプ用の切換弁１９に指令が入り
、パンチクランプシリンダ９を作動させて上パンチ６が
下降し、上パンチ６と下パンチ１０で加工物Ｗを拘束す
る。この際、ダイの拘束力は金属材料に著しい変形を生
じなく、また、環状板押さえ突起７，７′により金属材
料の逃げがない範囲で出来るだけ高くする。一方、パン
チの拘束力は金属材料の圧印成形加工可能な限り高くす
る。

【０００９】この状態で関数発生器１１により振動開始
指令がサーボアンプ１５を経てサーボ弁１４に与えられ
る。サーボ弁１４はサーボシリンダ１３を作動させ、加
振フレーム１２に所定の振動を与える。加振フレーム１
２が振動すると図１の（ロ）に示すように上，下パンチ
６，１０に振動が加わる。この上，下パンチ６，１０の
振動は同期振動であり、振動によって材料を変形させる
が、拘束面圧と重畳してより高い面圧が材料に繰返し生
じる。これによって圧印がより鮮明になる。これは図２
に示す振動波形のａ，ｂの部分でなされるのであり、こ
のときの振幅と周波数は加工物Ｗの材質、寸法に応じて
適宜定められる。次に関数発生器１１からの打抜き開始
指令がサーボアンプ１５を経てサーボ弁１４に与えられ
ると、サーボシリンダ１３が作動して加振フレーム１２
を振動させながら上，下パンチ６，１０を比較的緩やか
に下降させ、図１の（ハ）に示すように加工物Ｗを打抜
く。このときの振動波形は図２のｃ部分のように示され
る。打抜きが終ると関数発生器１１からの指令により、
図２のｄ部分に示すように加振フレーム１２の降下が停
止し、次いで振動も停止する。次に図２のｅ，ｆ部分に
示すように加振フレーム１２が上昇して原位置に復帰す
る。次いでシーケンサ１８からの指令により上パンチ６
は引上られ、図示しない搬出装置により打抜かれた加工
物Ｗ′は機外に搬出される。搬出が終ると上ダイ４も原
位置に復帰して、本発明方法による圧印・剪断加工の１
サイクルが終了する。

【００１０】図４に示すものは、サーボ弁の代りに偏心
カムを用いた第２実施例の装置である。偏心カム２３は
偏心カムベース２６に載置されたモータ２２の出力軸２
７に取付けられている。また偏心カムベース２６はコン
トローラ２１の指令によって作動する切換弁２４を経て
、圧油が打抜きシリンダ２５に送られて昇降する。従っ
て偏心カムベース２６の上昇時に偏心カムの回転に伴っ
て生ずる振動が、加振フレーム１２を振動させて打抜き
加工を行うものである。拘束方法や加振方法は上述の実
施例とほぼ同様なので詳細説明は省略する。但し、図２
のａ部分の振動波形は零である。

【００１１】図５には、本発明に使用される装置の第３
実施例で加振フレームを用いないものを示す。この場合
、金型ホルダは日の字状の機枠３１と一体になっており
、下ダイ３は機枠の中段に載置され、これと対向する上
ダイ４は機枠の上段に取付けられたダイクランプシリン
ダ５により昇降可能である。また、上ダイ４を貫通する
上パンチ６はサーボシリンダ１３に直結されており、こ
れに対して下パンチ１０は下ダイ４を貫通して、その下
端で昇降シリンダ２９に結合されている。なお、油圧回
路及び制御装置は図示を省略している。

【００１２】図５に示す装置により金属板Ｗの圧印・剪
断加工を行うときにも、前述の実施例とほぼ同様に図１
の（イ），（ロ），（ハ）に示す順序で加工が行われる
。ただし、この場合は図１の（ロ）及び（ハ）に示す上
，下パンチの振動が同期振動ではなく、上パンチ６から
のみ与えられる。このため加工物Ｗに対する圧印・剪断
の効果は前述の実施例ほど著るしくはならないが、目的
により十分に使用可能である。なお、図５の装置は加振
フレームを省略しているので構造簡単で軽量に構成でき
る。

【００１３】以上述べた各実施例の装置を用いて、本発
明による圧印・剪断加工の実験を行った。図６に示した
のはこの実験により製作された加工物であり、（イ）は
メダル、（ロ）は動圧形スラスト軸受のパッドである。

【００１４】

【発明の効果】本発明は、振動を付加して金属板の圧印
加工と打抜き加工とを連続して行う加工方法であり、従
来のプレスと焼鈍を繰返す方法あるいはエッチング加工
など複雑な工程と比べて大幅に工程を短縮することがで
きる。また、本発明では圧印加工される部分の金属材料
の横方向の流れを阻止して加工するため、圧印部分の板
厚が減小せず寸法精度が保持できるので精密圧印加工の
自動化に有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による加工方法の説明図

【図２】本発明
におけるパンチの動きと振動波形とを示す図

【図３】本発明に使用される装置の第１実施例の概略説
明図

【図４】本発明に使用される装置の第２実施例の概略説
明図

【図５】本発明に使用される装置の第３実施例の概略説
明図

【図６】本発明によって加工された製品の例を示す図

【符号の説明】

３　　　　下ダイ ４　　　　上ダイ ６　　　　上パンチ ７，７′　　　　環状板押え突起 １０　　　　下パンチ ２８，２８′　　　　成形溝 Ｗ　　　　金属板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　展性を有する金属板を、先端に所定形
   状の成形溝が形成された一対のパンチ、及び先端に環状
   板押さえ突起が形成され前記パンチを取囲んで設けられ
   た一対のダイとで面圧５〜２００ｋｇ／ｍｍ２　で拘束
   し、次いでこの状態で少くとも一方のパンチから金属板
   の厚さ方向に０．５〜１００Ｈｚの振動を与えて金属板
   表面に圧印加工を行い、さらに前記振動を与えながら前
   記パンチと前記ダイとを金属板の厚さ方向に相対移動さ
   せて剪断加工を行うことを特徴とする金属板の圧印・剪
   断加工方法。