JPH04338336A - 抗肥満剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、にんにく加工品及び抽
出成分を有効成分とする抗脂肪肥満剤並びに食品に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】にんにくは世界中で広く栽培され、貴重
な食品として種々の形態で用いられている。にんにくの
効果として古来より知られているものには強壮・強精、
抗風邪、抗結核、抗寄生虫、灸、抗痔疾、浴用、化粧作
用などがある。

【０００３】肥満症は多くの場合、脂肪組織特に皮下の
脂肪組織部分に中性脂肪が異常に蓄積し、体重が骨格系
或いは生理機能の限界以上に増加した状態であり、一般
に標準体重の２０％以上増加している。脂肪が蓄積する
皮下脂肪組織は頬部、胸部、大腿部、腹壁である。肥満
の原因としては外因性又は単純性のものが多く、過食と
運動不足にその責が帰せられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】現代の生活様式では過
食の機会が多く、反対に運動の機会が少なく、したがっ
てエネルギーの消費量が少ない。また外因性の肥満であ
っても内因性の因子が関与していると言われている。職
業その他の生態因子によって食欲調節機構が乱れやすい
傾向も外因性肥満症を起こしやすい。一方、肥満症は劣
等感やストレスなどによって悪循環を来すとも言われ、
糖尿病、冠状動脈硬化症、胆石症、脂肪肝、腎臓症など
の疾患を合併症として起こし易い。

【０００５】以上より肥満症を改善することは重要課題
であるが、食欲緩和を目的とする薬剤は習慣性を生ずる
ことがある。甲状腺臓器薬剤は医原性中毒を生ずること
があり、このような薬剤の取り扱いは難しい。スルファ
ミド系及び水銀系利尿薬は腎合併症の恐れがあり、これ
らより見ても従来は有用な医薬品が開発されていないの
が現状である。

【０００６】現代社会は複雑多岐にわたり、個々の人の
生活様式も容易には変更しがたい。本発明の目的はこの
複雑な社会に生まれた食生活や生活形態を大きく変更す
ることなく、健康を得ようとするものである。

【０００７】

【発明が解決するための手段】本発明者はにんにく加工
品及び抽出成分について研究を重ねた結果、これらの物
質に抗肥満作用があることを実証し、本発明を完成した
。

【０００８】

【作　　用】本発明によって得られる効果を以下の実験
例によって説明する。

【０００９】脂質代謝に関する実験例．　　４週令のＳ
Ｄ系雄ラットに対し、下記の実施例によって製造した乾
燥粉末にんにくを０．８％添加した高脂肪食（３０％脂
肪食）をペアーフィーディング（ｐａｉｒ　　ｆｅｅｄ
ｉｎｇ）でコントロール群とともに２８日間投与した。 投与後、血清中トリグリセリド、コレステロール及び遊
離脂肪酸濃度は酵素法で測定し、糞中脂肪酸量はホルヒ
（Ｆｏｌｃｈ）法で測定した。尿中カテコールアミン量
は高速液体クロマトグラフィーによって測定した。結果
は表１及び表２のように実験食投与後の体重はコントロ
ール群に比較してにんにく添加群では有意に低くなった
。また高脂肪食摂取時の血液性状ではにんにく添加群で
遊離脂肪酸濃度及びトリグリセリド濃度に有意な低下が
みられた。さらに、にんにく投与群においては褐色脂肪
組織（ＢＡＴ）の重量が有意に増加した。これは重量の
みならず、外観でも左右対照型にて力強い組織を形作っ
ており、その組織が活発化していることを示した。ロス
ウエル（Ｒｏｔｈｗｅｌ）によるとＢＡＴは体熱産生臓
器であり、これの機能低下は肥満成因になると考えられ
ている。一方、表３及び表４のように尿中ノルエピネフ
リン量は有意に上昇し、尿中クレアチニン量当りのノル
エピネフリン量も有意に高い値を示した。

【００１０】

【表１】

【００１１】

【表２】

【００１２】

【表３】

【００１３】

【表４】

【００１４】以上より高脂肪食摂取ラットに対するにん
にくの投与は末梢の交感神経活動を惹起させ、ノルエピ
ネフリンの分泌を増加し、ＢＡＴを刺激して活発化し、
その結果として脂質代謝を亢進させたことによって脂肪
の消費量に差が出てきたものと推察された。なお、下記
の実施例１によるにんにく乾燥粉末中にはアリイン、ア
リシン、アホーエン、スコルヂニン、ジアリルジスルフ
ィド、グルタミン酸含有ペプチド、その他これらの物質
の同族体や誘導体などかなり多数の物質を検知した。別
の実施例で得たにんにく抽出物や処理物では、上記各物
質はさらに濃縮されており、これらについても脂質代謝
は亢進された。

【００１５】

【実施例１】脱皮、水洗、スライスし、比較的低温にて
乾燥し、粉砕、篩別して、乾燥粉末であるにんにく加工
品を得た。本品の急性毒性試験はマウスでＬＤ５０＝４
０ｇ／Ｋｇ以上であった。

【００１６】

【実施例２】脱皮、水洗、酵素を熱失活させたにんにく
に３０％程度のエタノールを加え、抽出する。ろ過抽出
液を減圧濃縮し、さらに乾燥することによりにんにく抽
出成分よりなる抽出物を得た。本品の急性毒性試験はマ
ウスでＬＤ５０＝４０ｇ／ｋｇ以上であった。

【００１７】

【実施例３】にんにくを酵素失活させ、水又は希エタノ
ールで抽出した物について、活性炭などによる吸着と脱
着、さらに陰イオン又は陽イオン交換樹脂によるイオン
交換クロマトグラフィーを行い、減圧濃縮して、にんに
く抽出成分よりなる処理物を得た。本品の急性毒性試験
はマウスでＬＤ５０＝４０ｇ／ｋｇ以上であった。

【００１８】上記実験例で得たにんにく加工品、にんに
く抽出物、にんにく処理品のそれぞれに燐酸カルシウム
、澱粉、乳糖、ステアリン酸マグネシウムなどを加えて
、均一に混合後、乾燥、打錠して、錠剤とするか、又は
澱粉、乳糖などを加えて、均一とし、常法にしたがって
顆粒散剤として、服用することができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によって、にんにく加工品や抽出
成分に脂質代謝の薬理作用が発見され、副作用がなく、
有効な抗脂肪肥満剤を製造することができる。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】褐色脂肪組織の重量増加を示すグラフである。 縦軸はＢＡＴ重量（ｇ）を示す。

【図２】褐色脂肪組織の重量増加を示すグラフである。 縦軸はＢＡＴ／体重（％）を示す。

【図３】褐色脂肪組織の重量増加を示すグラフである。 縦軸はＢＡＴ重量（ｇ）を示す。

【図４】褐色脂肪組織の重量増加を示すグラフである。 縦軸はＢＡＴ／体重（％）を示す。

【図５】血清トリグリセリド濃度低下を示すグラフであ
る。縦軸はトリグリセリド濃度（ｍｇ／ｄｌ）を示す。

【図６】血清遊離脂肪酸濃度低下を示すグラフである。 縦軸は遊離脂肪酸濃度（ｍｇ／ｄｌ）を示す。

【符号の説明】

＊　　Ｐ＜０．０５ ＊＊　　Ｐ＜０．０１

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　　　下記の製造方法によって得た、に
   んにく加工品及び抽出成分を有効成分とすることを特徴
   とする抗脂肪肥満剤。 （１）　　にんにくを脱皮、水洗し、スライスして乾燥
   し、粉砕、篩別する方法によるにんにく加工品。 （２）　　にんにくを酵素失活したのち、水又は希エタ
   ノールで抽出し、濃縮する方法によるにんにく抽出成分
   。 （３）　　にんにくを酵素失活したのち、水又は希エタ
   ノールで抽出し、吸脱着、イオン交換クロマトグラフィ
   ーを行う方法によるにんにく抽出成分。