JPH043382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はマグネトロンに関する。

(ロ) 従来の技術 第６図は実公昭58−41717号公報に見られる従
来例のマグネトロンを示す側面部分断面図であ
る。１はマグネトロン本体、２は該マグネトロン
本体の一端より突出して設けられた出力アンテ
ナ、３はマグネトロン本体１の他端より突出して
設けられた陰極ステム、４，４はマグネトロン本
体１の両側において出力アンテナ２及び陰極ステ
ム３を貫通せしめて配された環状の永久磁石、
５，６は該永久磁石の間で磁気回路を形成する
夫々コ字状の第１及び第２ヨーク、７，７は第１
及び第２ヨーク５，６の側壁の重畳された部分に
螺着されたねじであり、よつて第１及び第２ヨー
ク５，６はマグネトロン本体１及び永久磁石４，
４を包囲するように枠状に配設されている。８，
８は永久磁石４，４と第１及び第２ヨーク５，６
との間に介在せしめられたシム板であり、その端
部には永久磁石４，４の外表面に近接する遮蔽板
９，９が一体に折曲形成されており、永久磁石
４，４の周辺を通る冷却風を有効に利用し得る構
成となされている。１０，１０はマグネトロン本
体１の外周に圧入固着された複数の冷却フイン、
１１は陰極ステム３の端部を包囲するシールドケ
ースである。

(ハ) 考案が解決しょうとする問題点 ところで、上述の如く構成されたマグネトロン
では、第１及び第２ヨーク５，６を固着するため
のねじ７，７を必要とし、また遮蔽板９，９も別
部品から成つている。従つて、部品点数の増加を
招いており、当然コストの増加も生じている。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、マグネトロン本体と、該本体の両端
に配設された一対の磁石と、該両磁石を連結して
磁気回路を構成する枠状ヨークとを備えたマグネ
トロンにおいて、上記ヨークは２つのコ字状部材
から成り、一方の部材の側面に略三角形又は台形
状の孔を形成すると共に、他方の部材の側面には
上記孔に係合する舌片を形成し、上記孔に上記舌
片を挿入折曲するにより、係止固定されたことを
特徴とする。

更に、上記舌片は上記磁石に近接すべく折曲さ
れたことを特徴とする。

(ホ) 作用 本考案によれば、２つのコ字状部材より成るヨ
ークを係止固定する孔が略三角形又は台形状であ
るため、孔の斜辺部と舌片の斜辺部でくさび効果
が生じ、２つのコ字状部材はより強く引き寄せら
れ、強く密着して係止固定されることになる。

(ヘ) 実施例 第１図及び第２図は本考案の一実施例の異なる
側面を示す側面図であり、第１図は本実施例の完
成前の状態を示している。なお、こられ図におい
て、第６図と同一部分には同一番号を付してい
る。

２０，２０は第１ヨーク５の側面に穿設された
ほぼ直角三角形状の孔、２１，２１は第２ヨーク
６の側面に孔２０，２０と対向して形成されたほ
ぼ直角三角形状の舌片である。そして、孔２０，
２０の斜辺部２０ａ，２０ａと舌片２１，２１の
斜辺部２１ａ，２１ａとは対向し、更に孔２０，
２０の斜辺部２０ａ，２０ａの角度に比して舌片
２１，２１の斜辺部２１ａ，２１ａの角度は浅く
形成されている。

而して第２図に示すように舌片２１，２１が孔
２０，２０を貫通すべく折曲されることにより、
第１ヨーク５及び第２ヨーク６は固定される。こ
こで、孔２０，２０の斜辺部２０ａ，２０ａと舌
片２１，２１の斜辺部２１ａ，２１ａとによるく
さび効果によつて舌片２１，２１が大きく折曲さ
れる程第１ヨーク５及び第２ヨーク６は強く密着
して固定される。

また、本実施例では折曲された舌片２１，２１
は、永久磁石４の外表面に近接しており、従つて
従来例（第６図）の遮蔽板の働きをする。第３図
から第５図は本案の他の実施例を示す一部断面し
た側面図、要部分解斜視図、要部拡大斜視図であ
る。

以下この実施例を説明すると第１ヨーク５の側
面に逆三角形状の孔２０，２０を穿設し、一方第
２ヨーク６に設けられた舌片２１，２１は上下方
向に設けられた一対のスリツト２２，２２によつ
て楔状に形成される。そして第１ヨーク５の側面
を第２ヨーク６の側面の内方に重合し、舌片２
１，２１を内方に折曲して孔２０，２０に係合さ
せるのである。この実施例では孔２０，２０が逆
三角形状であり、舌片２１，２１が楔状であるの
でこれを係合した際、夫々の傾斜面、即ち孔２
０，２０の内周面と舌片２１，２１の外周面が逆
傾斜面となり相互にかみ合うことになつてより強
固に固定することができるものである。

又多少の寸法の誤差が生じても夫々の傾斜面の
かみ合いにより吸収できる等の効果を奏する。

(ト) 考案の効果 本考案によれば、ヨークを構成する部材をねじ
等の別部品を使用することなく、固定することが
でき、部品点数の削減を図ることができる。ま
た、本考案の特徴である舌片を永久磁石に近接せ
しめると、従来の遮蔽板の働きも兼用することが
でき、更に部品点数を削減し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例の異なる
状態を示す異なる側の側面図、第３図は本考案の
他の実施例を示す一部断面した側面図、第４図は
同じく要部分解斜視図、第５図は同じく要部拡大
斜視図、第６図は従来例を示す側面図である。 １……マグネトロン本体、４，４……永久磁
石、５……第１ヨーク、６……第２ヨーク、２
０，２０……孔、２１，２１……舌片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) マグネトロン本体と、該本体に配設された一
   対の磁石と、該両磁石を連結して磁気回路を構
   成する枠状ヨークとを備えたマグネトロンにお
   いて、上記ヨークは２つのコ字状部材から成
   り、一方の部材の側面に略三角形又は台形状の
   孔を形成すると共に、他方の部材の側面には上
   記孔に係合する舌片を形成し、上記孔に上記舌
   片を挿入折曲することにより、係止固定された
   ことを特徴とするマグネトロン。 (2) 上記舌片は上記磁石に近接すべく折曲された
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のマグネトロン。