JPH04337079A - 鉄心加工性に優れた低温焼付けの方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法 - Google Patents

鉄心加工性に優れた低温焼付けの方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法

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JPH04337079A
JPH04337079A JP3110535A JP11053591A JPH04337079A JP H04337079 A JPH04337079 A JP H04337079A JP 3110535 A JP3110535 A JP 3110535A JP 11053591 A JP11053591 A JP 11053591A JP H04337079 A JPH04337079 A JP H04337079A
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Osamu Tanaka
収 田中
Nobunori Fujii
宣憲 藤井
Kikuji Hirose
広瀬 喜久司
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄心加工性及び磁気特性
の優れた低温焼付け方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に方向性電磁鋼板はSi を例えば
2〜4%含有する珪素鋼スラブを熱間圧延し、焼鈍した
後1回或いは中間焼鈍を挟む2回以上の冷延をして最終
板厚とし、ついで脱炭焼鈍し、鋼板表面にSiO2主体
の酸化膜を形成後、 MgOを主成分とする焼鈍分離剤
を塗布し、仕上焼鈍を施してゴス方位を持つ2次再結晶
を発達させ、さらにS,N等の不純物を除去すると共に
フィオルステライト(Mg2SiO4) 主体のグラス
被膜を形成し、ついで絶縁被膜用コーティング剤を塗布
し、焼付け処理を行って製品とされる。
【0003】また、鉄損をより改善することを目的とし
て、仕上焼鈍後あるいは前に、方向性電磁鋼板の表面に
微細な線状歪みを間隔を於いて付与し、磁区細分化する
ことが行われている(特開昭53−137016号公報
、特開昭56−51522号公報)。前記の線状歪みが
絶縁被膜形成後になされた場合、被膜が局所的に損傷す
る事があるため、防錆、絶縁の目的で再度絶縁被膜用コ
ーティング剤を塗布し、線状歪による鉄損改善効果が消
失しない程度の低温度で焼付け処理される。
【0004】ところで、方向性電磁鋼板は主としてトラ
ンス、電気機器の鉄心材料として用いられるが、鉄心製
造の際には所定幅にスリット、剪断或いは打ち抜き加工
した材料を連続的に巻き加工したり、積層して巻鉄心や
積鉄心として使用される。巻鉄心の場合には巻加工、圧
縮成型、歪取り焼鈍をへてレーシングと呼ばれる巻線作
業の後ケースに入れてトランスとされる。積鉄心の場合
には主に手作業により鉄心を組立て、巻線作業を行って
トランスとされる。
【0005】上記製造においては、例えば巻き鉄心の場
合には被膜の潤滑性が良く、巻加工、成型作業が円滑に
行え、且つ成型後の鋼板端面やラップ部に凹凸を生ぜず
、形状が優れている事が重要である。積鉄心の場合絶縁
性等の被膜特性のほかに需要家での加工段階でのコイル
表面の絶縁被膜が搬送ロール等の負荷荷重下での接触や
剪断時に剥離や発粉しない強度を有することが要求され
る。
【0006】特に従来の方向性電磁鋼板の絶縁被膜剤と
しては被膜張力、絶縁性、耐蝕性等の問題からコロイダ
ルシリカ〜リン酸塩〜クロム酸塩系或いはリン酸塩単独
系の絶縁コーティングが主として使用されている。この
被膜成分のクロム化合物、リン化合物のトランス加工工
程での発粉や被膜剥離による作業環境への影響を回避す
るため、被膜特性を改善することによって絶縁被膜の発
粉、剥離を防止すべく絶縁被膜形成用コーティング剤の
開発や被膜形成法の開発が望まれている。
【0007】絶縁コーティングの改良によって被膜の性
状を改良する手段としては、例えば特開昭61−477
3号公報にはコーティング剤としてAl, M等の第1
リン酸塩に粒子径8nm以下の超微粒子コロイダルシリ
カとクロム酸、クロム酸塩の1種或いは2種以上を配合
した混合液を仕上焼鈍後の鋼板に塗布し、焼付け処理す
ることによって絶縁被膜のすべり性を改善する技術が開
示されている。
【0008】これらの絶縁被膜の改善によって方向性電
磁鋼板の鉄損、磁気歪み、絶縁特性と共に被膜の潤滑性
が改良され、その結果、鉄心加工時の作業性や被膜の発
粉、剥離現象を改善する効果が得られている。しかし、
製品にレーザー等で線状歪みを付与し、低鉄損化し、低
温度で再度絶縁被膜の焼付け処理を行う低鉄損方向性電
磁鋼板に於ては、線状歪みによる鉄損改善効果の保持の
ため焼付け処理は 500℃以下のような低温度で行わ
なければならず、そのため、前述の従来の絶縁コーティ
ング成分では被膜形成十分に完了していないため、絶縁
被膜の強度(硬度)が十分ではない。
【0009】この結果、後の加工工程で絶縁被膜に傷が
生じ易く、発粉や剥離現象により作業環境汚染の問題を
生じたり、表面疵による特性劣化等の問題を生じる。こ
のため、本発明のように超低鉄損化された方向性電磁鋼
板においては、製作されるトランスに於て十分に特性を
発揮させるための一つの手段として、絶縁被膜の向上に
よる鉄心加工性を一層の向上を図ることが重要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は方向性電磁鋼
板にレーザー等によって線状歪を付与して鉄損を低下さ
せた鋼板に於て、歪付与の前又は後に、或いは前後両方
で方向性電磁鋼板に絶縁被膜を形成するにあたり、滑り
性が良く、鉄心加工性に優れ、かつ発粉、剥離等のない
絶縁被膜を形成する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)珪素鋼スラブを熱間圧延し、そのまま或いは熱延
板焼鈍を施した後、1回或は中間焼鈍を挟む2回以上の
冷間圧延を施して最終板厚とし、次いで脱炭焼鈍し、焼
鈍分離剤を塗布し、巻き取ってストリップコイルとした
後、仕上げ焼鈍を施し、次いで絶縁被膜形成用コーティ
ング剤を塗布し、焼付け処理した方向性電磁鋼板の表面
に光学的、機械的、科学的或いは熱的手段によって線状
歪みを付与し、再度絶縁被膜形成用コーティング剤を塗
布し 500℃以下の低温域で焼付け処理して絶縁被膜
を形成する方法において、前記最終的になされる絶縁被
膜形成のためのコーティング剤として、CrO3 10
 重量部に対し、H3PO4 30〜60重量部、Mg
O, CaO及びAl2O3 の1種又は2種以上を6
〜16重量部、H3BO3, Na2SiO3の一方又
は双方を0.5〜5.0重量部ならびにFe, Ca,
 Ba, Zn, Al,Ni, Sn, Cu, C
r, Cd, Nb, Mn, Mo, Si, Ti
, W, Bi, Sr, V又はSbからなる酸化物
、炭化物、窒化物、硫化物、硼化物、水酸化物、珪酸塩
、炭酸塩、硼酸塩、硫酸塩、硝酸塩又は塩化物のコロイ
ド溶液として、その粒子径が80〜500nm の溶液
の1種又は2種以上を固形分として1〜10重量部配合
した処理剤を塗布し、焼付け処理することを特徴とする
鉄心加工性に優れた低温焼き付けの方向性電磁鋼板絶縁
被膜形成方法であり、又、(2)珪素鋼スラブを熱間圧
延し、そのまま或いは熱延板焼鈍を施した後、1回或は
中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚と
し、次いで脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布し、巻き取っ
てストリップコイルとした後、仕上げ焼鈍を施し、次い
で絶縁被膜形成用コーティング剤を塗布し、焼付け処理
した方向性電磁鋼板の表面に光学的、機械的、科学的或
いは熱的手段によって線状歪みを付与し、再度絶縁被膜
形成用コーティング剤を塗布し、 500℃以下の低温
域で焼付け処理して絶縁被膜を形成する方法において、
前記最終的になされる絶縁被膜形成のためのコーティン
グ剤として、CrO3 10 重量部に対し、H3PO
4 30〜60重量部、MgO, CaO及びAl2O
3 の1種又は2種以上を6〜16重量部、H3BO3
, Na2SiO3の一方又は双方を0.5〜5.0重
量部、さらにグリセリン、アジピン酸及びコハク酸のい
ずれか1種又は2種以上を0.5〜5.0重量部ならび
にFe, Ca, Ba, Zn, Al, Ni, 
Sn, Cu, Cr, Cd, Nb, Mn, M
o, Si, Ti, W, Bi, Sr, V又は
Sbからなる酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、硼化物
、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩、硼酸塩、硫酸塩、硝酸塩
又は塩化物のコロイド溶液として、その粒子径が80〜
500nm の溶液の1種又は2種以上を固形分として
1〜10重量部配合した処理剤を塗布し、焼付け処理す
ることを特徴とする鉄心加工性に優れた低温焼き付けの
方向性電磁鋼板絶縁被膜形成方法である。
【0012】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。本発明
者等は鋼板表面にレーザー等により線状歪を間隔を置い
て付与し、また、線状歪付与前後に絶縁被膜形成用コー
ティング剤を施し、低温度で焼付け処理する工程に於け
る前記従来の問題点解決のため検討を行った。この結果
、この様な低温焼き付け被膜においては、従来のリン酸
塩〜コロイダルシリカ〜クロム化合物系コーティング或
いはリン酸塩単独系コーティング剤では被膜形成が十分
に進行せず、被膜の強度、潤滑性が得られないことが分
かった。
【0013】この対策を検討した結果、クロム酸〜Al
, Ca, Mg等の酸化物〜リン酸系組成をベースと
して、グリセリン等の還元剤と粗粒子コロイドを添加し
た組成で、低温焼き付けに拘らず潤滑性が著しく良好で
、硬度が著しく高められる事が判明した。このコーティ
ング剤により、絶縁被膜の潤滑性、耐蝕性、密着性等が
著しく向上し、加工工程で発粉、被膜剥離等による作業
環境問題のない絶縁被膜の形成が出来ることを見出した
【0014】以下、実験データに基き詳細に説明する。 公知の方法で製造した板厚0.23mmの高磁束密度方
向性電磁鋼板の仕上焼鈍後のコイルからサンプルを切り
出し、 850℃×4Hrの歪取り焼鈍を行い、コイル
セットと歪みを除去した。ついで2%H2SO4 で8
0℃×20秒の軽酸洗の後、粒子径10nmの20%コ
ロイダルシリカ100ml 、50%第1リン酸Al 
50ml 、無水クロム酸5gからなる組成のコーティ
ング剤を焼付け後の重量で5.0g/m2 になるよう
に塗布し、N2 雰囲気中で 800℃×20秒の焼付
け処理を行った。ついでレーザー処理により製品板表面
に圧延直交方向に間隔5mmで線状歪み付与処理を行い
、鉄損特性の改善処理を行った。
【0015】この鋼板に表1に示す組成の絶縁コーティ
ング剤を焼付け後の重量で2.5g/m2 になるよう
に塗布し、 380℃×20秒間大気中で低温焼付け処
理を行った。得られた製品板から試料を切り出し図1、
図2に示す方法により絶縁被膜の潤滑性(A法、B法)
を測定した。上記A法(図1)では挟み板1−1,2−
2間に試料2を置き重錘3にて荷重Nを加え、試料2を
引き出す力Aをバネ計り4で測定し、すべり摩擦係数μ
をμ(FF)=A/Nにより求めた。
【0016】また上記B法(図2)では試料2の絶縁被
膜上に一定荷重7を加えた鋼球8を置き、その鋼球を往
復運動させて、鋼球8が絶縁被膜から受ける抵抗値を歪
みゲージ6により連続的に測定した。この測定の場合、
荷重7を 100g、鋼球8の直径を 100mmにし
た。9はレコーダ、10はチャートである。また、別に
切り出した試料により、被膜の耐蝕性、密着性、磁気特
性への影響等についても調査を行った。結果を表3及び
図3、図4に示す。図3は絶縁被膜の焼付け温度と被膜
の耐蝕性(吸湿性)を示す図であるが、図中の☆は本発
明例10の絶縁被膜成分用コーティング剤を塗布、焼付
けした材料、★は比較例13のコーティング剤を塗布・
焼付けした材料を大気中、 250〜600 ℃の温度
で焼付けした後耐蝕性レベルを調査した結果を表わして
いる。
【0017】また、図4は図2(B法)の方法で得られ
た本発明例5,10と比較例13のチャートを示す。表
面抵抗値が高い程、潤滑性は劣化する。以上の結果より
見て、本発明の様に微粒子のコロイダルシリカを主成分
に使用しない絶縁コーティング剤においては、被膜特性
が優れ、かつ潤滑性等の著しい向上が見られ、粗粒子の
コロイドの併用による著しい改善効果が得られた。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】次に、本発明の絶縁被膜の形成方法につい
て述べる。本発明における絶縁被膜形成用塗布剤は、ク
ロム酸10重量部に対し、リン酸30〜60重量部、A
l, Ca, Mgの酸化物の1種又は2種以上6〜1
6重量部、必要に応じてグリセリン、コハク酸、アジピ
ン酸の1種又は2種以上、及び/又は粒子径80〜50
0nm のFe, Ca, Ba, Zn, Al, 
Ni, Sn, Cu, Cr, Cd, Nb, M
n, Mo, Si, Ti, W,Bi, Sr, 
V, Sb等からなるコロイドを固形分として1〜10
重量部からなる組成を有する。
【0021】CrO3は被膜を緻密化し、硬さをもたら
すためと、フリーリン酸及びリン酸塩との反応により、
リン酸、リン酸塩の吸湿性を押さえるために重要である
。クロム酸は多すぎるとフリーのクロム酸のためにベタ
ツキが生じたり、被膜の緻密性を損なう。逆に少なすぎ
るとフリーのリン酸が被膜焼付け後に残存するため吸湿
して、ベタツキや錆を発生する。
【0022】Al, Ca, Mgの酸化物はリン酸、
クロム酸と反応して安定な化合物を形成する。これによ
り被膜を緻密化し、絶縁性、被膜張力を向上し、密着性
の良い被膜を形成する。CrO3 10 重量部に対し
6重量部より少ないとフリーのCr が増加しベタツキ
発生の領域が広がる。 又、絶縁性、耐蝕性等の被膜特性が劣化する。一方、1
6重量部より多い場合、酸化物の不溶解分が生じて、外
観、密着性を損なうため好ましくない。
【0023】リン酸は他の成分と反応してリン酸化合物
を形成し、被膜を緻密なガラス被膜にする作用が強く、
潤滑性、被膜張力等に大きい影響力を持つ。クロム酸1
0重量部に対し、30重量部未満では潤滑性の向上効果
が弱く、Al 等の酸化物の不溶解分が生じて被膜特性
を損なう。逆に、60g以上の添加では、フリーのリン
酸分の増加により、吸湿性によるベタツキ等の問題を生
じる。本発明の様に低温焼付け被膜においては、クロム
酸、Al,Ca, Mg等の酸化物、リン酸の配合割合
はこのように厳密に制御される。
【0024】H3BO3 及び/又はNa2SiO3 
はクロム酸10重量部に対し、0.5〜5.0重量部の
割合で添加される。これらの添加は被膜のガラス化、緻
密化に有効で、同時に焼付け被膜形成温度を低下するの
にも効果的である。添加量がクロム酸10重量部に対し
0.5重量部以下ではこのようなガラス化作用が弱く、
添加量5.0重量部超では被膜の硬さが低下したり、N
a2SiO3 の場合、ベタツキ現象が生じるため好ま
しくない。
【0025】必要に応じて配合されるグリセリン、アジ
ピン酸、コハク酸は被膜焼付け温度の低温化に有効であ
る。本発明の様にレーザー等による線状歪みを付与して
磁区制御して鉄損を改善する工程に於いては、線状歪み
の保持のためには焼付け温度は 500℃以下の低温度
で行うことが重要である。グリセリン等の還元剤はCr
O3 10 重量部に対し0.5〜5.0gの範囲で添
加される。0.5重量部より少ないとこの効果が少ない
。一方、5.0重量部より多いと溶液の安定性が低下す
るため好ましくない。 又、この場合、有機成分の増加により焼付け時に圧縮応
力が生じるため磁性劣化の問題も生じる。
【0026】粗粒子のコロイド溶液の添加は粒子径80
〜500nm 、添加量はクロム酸10重量部に対し、
固形分として1.0〜10重量部である。粗粒子コロイ
ドは、その粒子の球面形状によって被膜に微細な球面突
起を形成する。 この形状効果及び粒子によって被膜の潤滑性と硬さを向
上し、鉄心加工性を向上する。粗粒子のコロイドの粒子
径は80〜500nmである。粒子径が80nmより小
さいと潤滑性の改善効果が小さい。粒子径 500nm
以上だと本発明のように塗布量の比較的少ないコーティ
ングの場合には、占積率を劣化させたり、コーティング
溶液の安定性(コロイド粒子の沈降性)の問題がある。 最も好ましいのは 100〜300nm の粒径である
【0027】粗粒子のコロイドの添加量は、クロム酸化
物10重量部当たり固形分換算で1.0〜10.0重量
部である。1.0重量部より少ないと潤滑性等の改善効
果が小さい。10重量部より多いと、粒子径が大きいと
きと同様に占積率の低下をもたらすため好ましくない。 これらの組成からなる絶縁コーティング剤は水溶液とさ
れてコーティングロール等によって鋼板に塗布され、焼
付け処理される。この際の乾燥条件は鋼板温度500℃
以下で焼付け処理される。この場合の雰囲気条件はN2
 等の雰囲気ガス中或いは大気中等のいずれでも構わな
い。
【0028】焼付け温度は 500℃以下である。 5
00℃より高いとレーザー等による線状歪みによる鉄損
改善効果が歪みの解放により減少する。好ましくは 2
50〜450 ℃である。これらの乾燥・焼付け条件の
最適点はコーティング組成により変化する。以下、実施
例について述べる。
【0029】
【実施例】重量%でC; 0.078%、Si ;3.
30%、Mn ; 0.065%、S; 0.024%
、Al; 0.030%、残部が鉄および不可避の不純
物からなる珪素鋼スラブを公知の方法で熱延、焼鈍、冷
延して最終板厚0.23mmとした。次いでN2 +H
2 湿潤雰囲気中で脱炭焼鈍した後、焼鈍分離剤を塗布
し、1200℃×20Hrの仕上焼鈍を行い、グラス皮
膜を形成した。次いで余剰の MgOを水洗で除去し、
軽酸洗の後、粒子径10mmの20%コロイダルシリカ
 100ml、50%第1リン酸Al 55ml, C
rO3 6 gからなる公知の絶縁皮膜形成用コーティ
ング剤を焼付処理後の重量で4.0g/m2 になるよ
うに塗布し、 810℃×20秒、N2 中で焼付処理
を行った。その後レーザー照射により、鋼板の圧延直交
方向に5mm間隔で線状歪を付与し、鉄損改善処理を行
った。
【0030】次いで表3に示す組成の絶縁皮膜用コーテ
ィング剤を焼付後の皮膜重量で2.0g/m2 になる
ように塗布し、 380℃で30秒間、大気中で焼付け
処理を行った。この鋼板からサンプルを切出し、皮膜特
性の調査を行った。結果を表4に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】表4よりわかるように、本発明の方法によ
ると被膜特性が優れているとともに潤滑性、耐蝕性等が
著るしく向上している。
【0034】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば方向性電磁
鋼板の表面に被膜を低温焼付けで形成するにもかゝわら
ず、鉄心加工性が著しく良好で、耐蝕性及び潤滑性の優
れた皮膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料の絶縁被膜の潤滑性を測定する方法(A法
)を示す図である。
【図2】試料の絶縁被膜の潤滑性を測定する方法(B法
)を示す図である。
【図3】本発明と比較例の焼付け温度と耐蝕性レベルの
関係を示す図である。
【図4】本発明例と比較例8の表面抵抗値を示す図であ
る。
【符号の説明】
1−1…板 1−2…板 2…試料 3…重錘 4…バネ計り 5…台 6…歪ゲージ 7…荷重 8…鋼球 9…レコーダ 10…チャート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  珪素鋼スラブを熱間圧延し、そのまま
    或いは熱延板焼鈍を施した後、1回或いは中間焼鈍を挟
    む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚とし、次いで脱
    炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布し、巻き取ってストリップ
    コイルとした後、仕上げ焼鈍を施し、次いで絶縁被膜形
    成用コーティング剤を塗布し、焼付け処理した方向性電
    磁鋼板表面に、光学的、機械的、化学的或は熱的等の条
    件で線状歪みを付与し、その後再度絶縁コーティング剤
    を塗布し 500℃以下の低温域で焼付け処理して絶縁
    被膜を形成する方法に於て、前記最終的になされる絶縁
    被膜形成のための絶縁コーティング剤として、CrO3
     10 重量部に対し、H3PO4 30〜60重量部
    、MgO, CaO、及びAl2O3 の1種又は2種
    以上を6〜16重量部、H3BO3 及びNa2SiO
    3 の1方又は双方を0.5〜5.0重量部ならびにF
    e, Ca, Ba, Zn, Al, Ni, Sn
    , Cu, Cr, Cd, Nb, Mn, Mo,
     Si, Ti, W, Bi, Sr, V又はSb
    からなる酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、硼化物、水
    酸化物、珪酸塩、炭酸塩、硼酸塩、硫酸塩、硝酸塩又は
    塩化物のコロイド溶液として、その粒子径が80〜50
    0nm の溶液の1種又は2種以上を固形分として1〜
    10重量部配合した処理剤を塗布し、焼付け処理するこ
    とを特徴とする鉄心加工性に優れた低温焼付けの方向性
    電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。
  2. 【請求項2】  珪素鋼スラブを熱間圧延し、そのまま
    或いは熱延板焼鈍を施した後、1回或いは中間焼鈍を挟
    む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚とし、次いで脱
    炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布し、巻き取ってストリップ
    コイルとした後、仕上げ焼鈍を施し、次いで絶縁被膜形
    成用コーティング剤を塗布し、焼付け処理した方向性電
    磁鋼板表面に、光学的、機械的、化学的或は熱的等の条
    件で線状歪みを付与し、その後再度絶縁コーティング剤
    を塗布し 500℃以下の低温域で焼付け処理して絶縁
    被膜を形成する方法に於て、前記最終的になされる絶縁
    被膜形成のための絶縁コーティング剤として、CrO3
     10 重量部に対し、H3PO4 30〜60重量部
    、MgO, CaO、及びAl2O3 の1種又は2種
    以上を6〜16重量部、H3BO3 及びNa2SiO
    3 の1方又は双方を0.5〜5.0重量部、さらにグ
    リセリン、アジピン酸及びコハク酸のいずれか1種又は
    2種以上を0.5〜5.0重量部ならびにFe, Ca
    , Ba,Zn, Al, Ni, Sn, Cu, 
    Cr, Cd, Nb, Mn, Mo, Si, T
    i, W, Bi, Sr, V又はSbからなる酸化
    物、炭化物、窒化物、硫化物、硼化物、水酸化物、珪酸
    塩、炭酸塩、硼酸塩、硫酸塩、硝酸塩又は塩化物のコロ
    イド溶液として、その粒子径が80〜500nmの溶液
    の1種又は2種以上を固形分として1〜10重量部配合
    した処理剤を塗布し、焼付け処理することを特徴とする
    鉄心加工性に優れた低温焼付けの方向性電磁鋼板の絶縁
    被膜形成方法。
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