JPH0433607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、パーツフイーダにより組立自動機へ
供給されて押釦スイツチに組み込まれるゴム接点
に関する。

〔従来の技術〕

ゴム接点を組み込んだ押釦スイツチは、第５図
に示すように、固定接点２を設けた絶縁基板１
と、この絶縁基板１上に載置されて内部天井に可
動接点４を固設したゴム接点３と、このゴム接点
３を収納する絶縁ケース５と、ゴム接点３上に搭
載されて昇降自在なステム６と、このステム６に
嵌合したキートツプ７とによつて主に構成されて
いる。そして、操作者が手指にてキートツプ７を
押圧すると、ステム６を介してゴム接点３の可動
接点４が下降し、この可動接点４が固定接点２に
接触してスイツチオン状態となる。また、かかる
押圧力を除去すると、弾性変形していたゴム接点
３を自らの復帰力によりステム６を押し上げるの
で、可動接点４が固定接点２から離間してスイツ
チオフ状態に戻る。

第６図および第７図は、この種のゴム接点３の
従来例を示す底面斜視図および断面図である。こ
れらの図に示すゴム接点３はゴム材料によつて、
下端面に複数個の切溝８ａを有するドーム状の支
持壁８と、この支持壁８の頭部に環状に立設され
た押圧部９とを一体に形成し、支持壁８の内部天
井に導電材料からなる可動接点４を固設して構成
されている。そして、押圧部９が下方へ押圧され
ると、支持壁８の押圧部９近傍が下方に撓んで可
動接点４が下降し、また、かかる押圧力が除去さ
れると、支持壁８は自らの弾性で元のドーム形状
に戻るので、それに伴い可動接点４も初期位置ま
で自動復帰する。

ところで、このようなゴム接点３を組み込む際
には、パーツフイーダ面上に多数のゴム接点３を
整列させた後、これを組立自動機に順次供給して
いくことによつて、押釦スイツチへの組込みが自
動的に行われる。そして組立自動機へ供給される
前の段階で、これまでは、押圧部９に外力が作用
してゴム接点３がパーツフイーダ面に吸着されて
しまうという事故が発生していたが、上記従来例
の場合、支持壁８の下端面に予め空気流通用の切
溝８ａが設けてあるので、パーツフイーダ面上で
該支持壁８に覆われた空間が密閉されることはな
く、ゴム接点３のパーツフイーダ面への吸着は防
止されている。

なお、ゴム接点３は環状の押圧部９に包囲され
た空間Ａの下方に可動接点４が位置しているの
で、このゴム接点３を組み込んだ押釦スイツチの
前記キートツプ７を押圧操作すると、可動接点４
が前記固定接点２に接触してスイツチがオンした
後も、押圧部９には若干のオーバーストロークが
許容されており、接触の信頼性が確保されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記した従来のゴム接点３は、
パーツフイーダ面上で２個のゴム接点３が第８図
に示す状態で重なり合つたり、あるいは２個以上
のゴム接点３が第９図に示す状態で重なり合つた
とき、ゴム接点３どうしが吸着しあつて分離しな
くなり、組立自動機へ供給できなくなる虞れがあ
つた。すなわち、第８図に示す如くゴム接点３の
環状の押圧部９どうしが重なり合つて圧接力が作
用すると、各押圧部９に包囲されている空間Ａが
低圧状態で密閉されることから、大気圧に押され
て両ゴム接点３どうしが一体化されてしまい、ま
た、第９図に示す如く複数のゴム接点３が同じ向
きに重なり合つて圧接力が作用すると、重なり合
うゴム接点３の間に形成される空間Ｂが低圧状態
で密閉されることから、同じく大気圧の影響でゴ
ム接点どうしが一体化されてしまう。そして、こ
のように互いに吸着しあつたままのゴム接点３は
組立自動機へ供給することができないので、供給
効率が悪くなり、生産性を低下させる要因となつ
ていた。

本考案は叙上の点に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、組立自動機への供給が常
に円滑に行えるゴム接点を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、ドーム
状に形成されて弾性変形する支持壁と、該支持壁
の頭部に環状に立設された押圧部と、上記支持壁
の内部天井に固設された可動接点とを備えたゴム
接点において、上記押圧部の上面に切欠を設ける
とともに、上記支持壁の内壁面に、内方へ向けて
突出する突起を設ける構成とした。

〔作用〕

すなわち、本考案は、複数のゴム接点の押圧部
どうしが重なり合つても、該押圧部に設けた切欠
を介して空気の流通が確保されるので、各押圧部
に包囲された空間が密閉されず、また、複数のゴ
ム接点が同じ向きに重なり合つても、支持壁の内
壁面に突起が設けてあるので、重なり合うゴム接
点の間の空間が密閉される虞れがなくなる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図に基づいて説明す
る。

第１図は本考案の一実施例に係るゴム接点の底
面斜視図、第２図はその上面斜視図で、第６図お
よび第７図と対応する部分には同一符号が付して
ある。

第１図、第２図に示すゴム接点３は、環状の押
圧部９の複数個所に切溝９ａが設けてある点と、
ドーム状の支持壁８の内壁面に１個の突起８ｂが
設けてある点が、前記従来例と異なつている。す
なわち、ゴム材料によつて支持壁８と押圧部９と
を一体に形成する際に、支持壁８の内壁面には内
方へ突出する舌状の突起８ｂを設けておき、押圧
部９の上端面にはその内周面および外周面に臨出
する切溝９ａを設けておく。また、支持壁８の下
端面には従来例と同様の切溝８ａを設けておく。
その他、特に説明しない部分の構成は従来例と同
等である。

さて、上記したゴム接点３は組立自動機へ供給
するためにパーツフイーダ面上で整列されるが、
このとき、例えば第３図に示すように２個のゴム
接点３の押圧部９どうしが重なり合つたとして
も、環状の各押圧部９に包囲された空間Ａは切溝
９ａを介して外部との空気の流通が確保されるの
で密閉されず、よつて大気圧に押されて両ゴム接
点３が一体化されてしまうという不測の事態発生
しない。また、第４図に示すように複数のゴム接
点３が同じ向きに重なり合つたとしても、支持壁
８の内壁面に舌状の突起８ｂが設けてあるので、
重なり合うゴム接点３の間の空間Ｂが密閉される
ことはなく、かつ重なり方も不安定になるため、
ゴム接点３どうしが一体化されてしまう心配はな
い。なお、支持壁８の下端面に設けた切溝８ａ
は、ゴム接点３がパーツフイーダ面に吸着するの
を防止する働きをする。

このように、切溝９ａや突起８ｂを設けること
によつて、パーツフイーダ面上におけるゴム接点
３どうしの一体化が防止され、また切溝８ａによ
つてパーツフイーダ面へのゴム接点３の吸着が防
止されるので、組立自動機への供給を常に円滑に
行うことができる。

なお、ゴム接点３の支持壁８の内壁面に形成す
る突起８ｂの位置は、他のゴム接点３に重ねたと
きにその外壁面に当接する位置であれば任意に選
択することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、環状の
押圧部に設けた切欠とドーム状の支持壁の内壁面
に設けた突起とによつて、パーツフイーダ面上に
おけるゴム接点どうしの一体化が防止されるの
で、組立自動機へのゴム接点の供給を常に円滑に
行うことができ、生産性の向上に寄与するところ
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例に係
り、第１図はゴム接点の底面斜視図、第２図はそ
の上面斜視図、第３図は押圧部の切欠の機能を示
す説明図、第４図は支持壁の突起の機能を示す説
明図、第５図はゴム接点を組み込んだ押釦スイツ
チの断面図、第６図および第７図は従来例に係
り、第６図はゴム接点の底面斜視図、第７図はそ
の断面図、第８図は押圧部どうしが重なり合つた
ゴム接点を示す説明図、第９図は同じ向きに重な
り合つたゴム接点を示す説明図である。 ３……ゴム接点、４……可動接点、８……支持
壁、８ｂ……突起、９……押圧部、９ａ……切溝
（切欠）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドーム状に形成されて弾性変形する支持壁と、
   該支持壁の頭部に環状に立設された押圧部と、上
   記支持壁の内部天井に固設された可動接点とを備
   えたゴム接点において、上記押圧部の上面に切欠
   を設けるとともに、上記支持壁の内壁面に、内方
   へ向けて突出する突起を設けたことを特徴とする
   ゴム接点。