JPH04331456A - 渦電流式減速装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主として大型車両の摩擦
ブレーキを補助する渦電流式減速装置、特に軸方向寸法
を短縮できる渦電流式減速装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】特願平１−２１８４９８号に係る渦電流
式減速装置は、制動ドラムの内部へ突出する固定枠に、
周方向等間隔に多数の永久磁石を結合する磁石支持環を
アクチユエータにより軸方向移動可能に支持してなり、
磁石支持環は制動ドラムの内部へ突出して永久磁石が制
動ドラムの内周面へ磁界を及ぼす制動位置と、制動ドラ
ムから引退して永久磁石が制動ドラムの内周面へ磁界を
及ぼさない非制動位置とに切り換えられる。

【０００３】上述の渦電流式減速装置は固定枠の軸方向
寸法が長く、例えば車体床下の変速機の出力回転軸と推
進軸との連結部の狭い取付空間に、減速装置を駐車ブレ
ーキと一緒に配設するには種々の困難がある。また、永
久磁石を大きくし制動能力を大きくするために、例えば
永久磁石の周方向寸法を大きくすると、永久磁石相互の
周方向の隙間が縮小され、磁気漏れ量が増加するので、
制限を受ける。そこで、永久磁石の軸方向寸法を長くす
ると、固定枠だけでなく、磁石支持環を駆動するアクチ
ユエータもストロークの長いものが必要になるなど、変
更する部品が多く、重量やコストの点からも好ましくな
い。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は全体
の軸方向寸法を縮小するために、磁石支持環を制動ドラ
ムの内部へ収容したままで、制動ドラムが磁界を横切る
制動状態と磁界を横切らない非制動状態とに切換え可能
にした渦電流式減速装置を提供することにある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明の構成は回転軸に結合した制動ドラムの内
部へ筒形の固定枠を配設し、固定枠に回転可能に支持し
た磁石支持環に、制動ドラムの内周面に対向する極性が
交互に異なるよう多数の永久磁石を周方向等間隔に支持
し、固定枠に磁石支持環を固定したものである。

【０００６】

【作用】制動ドラムの内周面に磁界を及ぼす磁石支持環
は、固定枠に回転可能に支持される。非制動時、制動ド
ラムが回転すると、磁気誘導作用により磁石支持環も自
由に回転するので、制動ドラムは制動力を受けない。

【０００７】制動時、摩擦ブレーキまたは噛合クラツチ
により磁石支持環を固定すると、回転する制動ドラムが
磁石支持環からの磁界を横切ることになり、制動ドラム
に渦電流が流れ、制動ドラムが制動力を受ける。

【０００８】

【発明の実施例】図１は本発明による渦電流式減速装置
が車両用変速機の後端部に配設される実施例を示す側面
断面図である。変速機２の後端壁に軸受３により支持し
た出力回転軸４に、取付フランジ７がスプライン嵌合さ
れ、かつナツト５により締結される。取付フランジ７に
公知の駐車ブレーキの制動ドラム１６の端壁と減速装置
の制動ドラム１３の端壁１０とが重ね合され、ボルト８
とナツト９により締結される。回転軸４と公知の推進軸
とを連結するための自在継手のヨーク６が、取付フラン
ジ７に嵌合され、かつ図示してないボルトにより結合さ
れる。制動ドラム１３は外周壁に周方向等間隔に多数の
冷却フイン１２を備えられる。

【０００９】制動ドラム１３の内周面と制動ドラム１６
の外周面との間の空部に、筒形の固定枠１７が配置され
、固定枠１７に多数の永久磁石２６を周方向等間隔に支
持する磁石支持環２０が、軸受１８により回転可能に支
持される。このため、変速機２の後端壁に取付板１４を
介して、補強リブ１５ａを有する円形の枠板１５が固定
され、枠板１５に筒形の固定枠１７が固定される。

【００１０】磁石支持環２０はドラム２４ａと内筒２４
と端壁２１を一体に備える断面逆Ｔ字形の枠と、非磁性
体からなる外筒２３と端壁２２を備えた断面逆Ｌ字形の
枠とを多数のボルトにより結合して、断面長方形の内空
部を形成される。外筒２３に周方向等間隔に多数の長方
形の開口が設けられ、この開口に強磁性板２５が嵌合さ
れる。磁石支持環２０の内空部に強磁性体からなる筒体
２７が収容され、筒体２７と強磁性板２５との間に、強
磁性板２５と同形の永久磁石２６が制動ドラム１３の内
周面に対する極性が周方向に交互に異なるように結合さ
れる（図２を参照）。好ましくは、筒体２７と永久磁石
２６と強磁性板２５とは、磁石支持環２０を合成樹脂か
ら成形する際に一体に結合するか、磁石支持環２０をア
ルミニウム合金などから鋳造する際に鋳込まれる。

【００１１】磁石支持環２０を回転可能の状態と回転不
能の状態に切り換える手段、換言すれば磁石支持環２０
を固定する手段として摩擦ブレーキが備えられる。すな
わち、ドラム２４ａに制動帯２８を掛け回してバンドブ
レーキ３０が構成される。制動帯２８の外側は、固定枠
１７と一体で断面逆Ｌ字形をなすカバー１７ａで覆われ
る。

【００１２】図３に示すように、制動帯２８の基端は支
板３６を介して、カバー１７ａに固定したピン３５に係
止される。制動帯２８の先端に筒体３１が結合され、筒
体３１に結合したナツト３２に、カバー１７ａに固定し
た電動機３４により回転されるねじ軸３３が螺合される
。

【００１３】次に、本発明による渦電流式減速装置の作
動について説明する。非制動時、制動帯２８は緩んだ状
態にある。車両の走行中は回転軸４と一緒に制動ドラム
１３が回転すると、磁石支持環２０の永久磁石２６と導
体からなる制動ドラム１３との間の磁気誘導作用により
、磁石支持環２０は制動ドラム１３に引きずられて回転
し、制動ドラム１３は何ら制動力を受けない。

【００１４】制動時、電動機３４によりねじ軸３３を回
転して制動帯２８を緊締し、ドラム２４ａに強く摩擦係
合させると、磁石支持環２０が固定枠１７に固定される
。この時、磁石支持環２０の周壁に配設された多数の永
久磁石２６が制動ドラム１３の内周面に及ぼす磁界を、
回転する制動ドラム１３が横切る時、図２に鎖線で示す
磁気回路が形成され、制動ドラム１３の内部に渦電流が
流れ、制動ドラム１３が制動力を受ける。

【００１５】なお、上述の実施例において、バンドブレ
ーキ３０の制動帯２８は、電動機３４により駆動される
ドラムで直接巻き取るか、流体圧アクチユエータで引つ
張るか、手動の操作レバーで緊締するようにしてもよい
。

【００１６】図４に示す実施例は、磁石支持環２０を固
定する摩擦ブレーキとして、ドラムブレーキ３８を用い
る。磁石支持環２０の端壁２１にドラム２１ａを一体に
形成する。公知の円弧状のリムの外周面にライニング４
０を結合してなる１対のブレーキシユー３９の一端を、
固定枠１７に拡開可能に支持する。１対のブレーキシユ
ー３９の他端の間に介装したアクチユエータ４２へ、油
圧源から圧油を管４１を経て供給すると、１対のブレー
キシユー３９がばねの力に抗して拡開され、回転するド
ラム２１ａの内周面へ摩擦係合される。したがつて、磁
石支持環２０が固定され、磁石支持環２０の永久磁石２
６が制動ドラム１３に制動力を及ぼす。摩擦ブレーキと
して、磁石支持環２０の端壁２１へ摩擦パツドを流体圧
アクチユエータにより押し付けるデイスクブレーキを用
いるようにしてもよい。

【００１７】図５に示す実施例は、磁石支持環２０を固
定する手段として、同期噛合クラツチ４４を用いる。磁
石支持環２０の端壁２１にドツグ歯４９と円錐軸部５０
を形成し、円錐軸部５０に円錐穴を有しかつ相対回転を
制限される同期リング４８を外挿する一方、固定枠１７
にクラツチスリーブ４７を軸方向摺動可能にスプライン
嵌合する。固定枠１７のカバー１７ａに固定されかつ戻
しばねを内蔵するアクチユエータ４５へ加圧流体を供給
すると、クラツチスリーブ４７が右方へ押され、クラツ
チスリーブ４７が同期リング４８に噛み合うと同時に、
同期リング４８が押されて円錐軸部５０へ摩擦係合され
る。さらに、クラツチスリーブ４７が右方へ押されると
、同期リング４８とドツグ歯４９の歯の並びが整列され
て、クラツチスリーブ４７がドツグ歯４９に噛み合う。 したがつて、磁石支持環２０が固定され、磁石支持環２
０の永久磁石２６が制動ドラム１３に制動力を及ぼす。

【００１８】図６に示す実施例は、磁石支持環２０を固
定する手段として、ラチエツト型の噛合クラツチ５１を
用いる。磁石支持環２０の端壁２１に図４に示すような
ドラム２１ａを形成し、ドラム２１ａの内周面に爪歯２
１ｂを形成する。一方、固定枠１７のカバー１７ａ（図
４を参照）に周方向等間隔に並設した多数の支軸５３に
、爪片５２を回動可能に支持する。支軸５３に巻装した
ばね５４の一端を固定枠１７に、他端を爪片５２にそれ
ぞれ係止する。爪片５２はばね５４により反時計方向へ
回転付勢されるが、図６の右側の爪片５２に詳しく示す
ように、電磁アクチユエータ５７の電磁コイルを励磁す
ると、円弧状に湾曲するプランジヤ５６が吸引され、ピ
ン５５によりプランジヤ５６と連結された爪片５２が、
ばね５４の力に抗して時計方向へ回動されて爪歯２１ｂ
に係合する。この時、制動ドラム１３により矢印ｘ方向
へ連れ回されていた磁石支持環２０が固定枠１７に固定
され、磁石支持環２０の永久磁石２６が制動ドラム１３
に制動力を及ぼす。

【００１９】

【発明の効果】本発明は上述のように、回転軸に結合し
た制動ドラムの内部へ筒形の固定枠を配設し、固定枠に
回転可能に支持した磁石支持環に、制動ドラムの内周面
に対向する極性が交互に異なるよう多数の永久磁石を周
方向等間隔に支持し、固定枠に磁石支持環を固定する摩
擦ブレーキまたは噛合クラツチを備えたものであり、非
制動と制動の切換えが永久磁石の軸方向移動によらず、
磁石支持環の遊転と固定により達せられるので、磁石支
持環は制動ドラムの内部に収容された状態になり、全体
の軸方向寸法が従来例に比べて大幅に短縮され、車両へ
の搭載が容易になる。

【００２０】従来例に比べて車両の取付空間に余裕がで
き、それだけ永久磁石を長くすることにより制動力を増
大でき、また磁石支持環の固定手段を変更しないでも仕
様（制動力）の異なる製品を製造でき、コスト、重量な
どの点で有利である。

【００２１】磁石支持環の回動数を加減すれば、制動ド
ラムに及ぼす磁界の強さが変化し、走行条件に応じて制
動力を制御できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る渦電流式減速装置の側面断面図で
ある。

【図２】同装置の制動状態を示す正面断面図である。

【図３】同装置における磁石支持環を固定する手段とし
ての摩擦ブレーキの取付状態を示す正面断面図である。

【図４】他の摩擦ブレーキを備えた渦電流式減速装置の
側面断面図である。

【図５】磁石支持環を固定する手段として噛合クラツチ
を備えた渦電流式減速装置の側面断面図である。

【図６】磁石支持環を固定する手段として他の噛合クラ
ツチを備えた渦電流式減速装置の正面断面図である。

【符号の説明】

４：回転軸　　１３：制動ドラム　　１７：固定枠　　
２０：磁石支持環　　２６：永久磁石　　３０，３８：
摩擦ブレーキ　　４４，５１：噛合クラツチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸に結合した制動ドラムの内部へ筒形
   の固定枠を配設し、固定枠に回転可能に支持した磁石支
   持環に、制動ドラムの内周面に対向する極性が交互に異
   なるよう多数の永久磁石を周方向等間隔に支持し、固定
   枠に磁石支持環を固定する摩擦ブレーキを備えたことを
   特徴とする、渦電流式減速装置。
2. 【請求項２】回転軸に結合した制動ドラムの内部へ筒形
   の固定枠を配設し、固定枠に回転可能に支持した磁石支
   持環に、制動ドラムの内周面に対向する極性が交互に異
   なるよう多数の永久磁石を周方向等間隔に支持し、固定
   枠に磁石支持枠を固定する噛合クラツチを備えたことを
   特徴とする、渦電流式減速装置。