JP2757683B2 - 渦電流式減速装置の風損低減装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は大型車両などの摩擦ブレ
ーキを補助する渦電流式減速装置、特に変速機の出力回
転軸などに結合されて常時回転される制動ドラムの冷却
フインによる風損を低減し、機関の燃費を向上する、渦
電流式減速装置の風損低減装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】特願平１−２１８４９８号公報などに開
示される渦電流式減速装置は、磁石支持環の外周面に多
数の磁石（永久磁石）を周方向等間隔にかつ外端の極性
が周方向に交互に異なるように結合し、回転軸に結合し
た制動ドラムの内部へ突出する固定枠に、磁石支持環を
軸方向移動可能に支持してなり、制動時、アクチユエー
タにより磁石支持環を制動ドラムの内部へ往動すると、
固定枠に配設した強磁性板を介して、磁石支持環の磁石
が制動ドラムの内周面に接近し、回転する制動ドラムが
磁石からの磁界を横切る時、制動ドラムは渦電流に基づ
く制動トルクを発生する。非制動時、磁石支持環を制動
ドラムの内部から引き出すと、磁石は制動ドラムに磁界
を及ぼさなくなり、制動ドラムは制動トルクを発生しな
い。

【０００３】また、特開平１−２３４０４５号公報に開
示される渦電流式減速装置は、磁石支持環をアクチユエ
ータにより軸方向へ往復移動する代りに往復回動し、磁
石支持環の磁石と固定枠に配設した強磁性板との回転位
相を変更すると、磁石支持環の磁石が制動ドラムに磁界
を及ぼす制動位置と、磁石支持環の磁石が制動ドラムに
磁界を及ぼさない非制動位置とに切り換わるようになつ
ている。

【０００４】上述の各渦電流式減速装置では、制動時発
生する渦電流による熱を放散するために、制動ドラムは
外周壁に多数の冷却フインを備えている。しかし、制動
ドラムは非制動時も回転するから、冷却フインの風損は
無視できないものとなる。

【０００５】冷却フインの風損を完全になくするために
は、特開平１−２３４０４５号公報に開示されるよう
に、制動ドラムと回転軸との間にクラツチを設け、非制
動時クラツチを遮断し、制動ドラムを停止することが好
ましいが、クラツチを設けるとなれば、構造が複雑にな
り、形状が大型になり回転体の重量が増加して車両への
搭載が難しくなり、さらに熱に対するクラツチの信頼性
を考慮しなければならないなど新たな問題が生じる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
問題に鑑み、非制動時、制動ドラムの外周壁に設けた冷
却フインの外周側を覆い、冷却フインによる空気の流れ
を抑えることにより、制動ドラムの風損を低減する、構
成が簡単な渦電流式減速装置の風損低減装置を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成は回転軸に結合した導体からなる制動
ドラムの内部に磁性体からなる磁石支持環を往復移動可
能に配設し、前記制動ドラムの内周面に接近し得る多数
の磁石を前記磁石支持環に周方向等間隔に結合し、前記
磁石支持環の磁石が前記制動ドラムの内周面へ及ぼす磁
界により、前記制動ドラムに渦電流に基づく制動トルク
を発生する制動位置と、前記制動ドラムに磁界を及ぼさ
ない非制動位置とに前記磁石支持環の位置を切り換える
ためのアクチユエータを備えた渦電流式減速装置におい
て、前記制動ドラムの外周壁に多数の冷却フインを設
け、前記制動ドラムの外周側に配置した前記回転軸と平
行な複数の軸にカバーを支持し、前記複数の軸を正逆回
転して前記カバーが前記冷却フインの外周側を覆わない
開放位置と前記カバーが前記冷却フインの外周側を覆う
閉鎖位置とに前記カバーの位置を切り換えるためのカバ
ーアクチユエータを設け、前記制動ドラムの温度が所定
値以下の時開き所定値以上の時閉じる常開型の温度スイ
ツチを前記制動ドラムに接近して配設し、前記アクチユ
エータによる制動時リターダスイツチの閉操作と連動し
て閉じるカバースイツチとリレーコイルとを電源に対し
て直列に接続し、前記温度スイツチを前記カバースイツ
チと並列に接続し、前記リレーコイルの励磁時前記カバ
ーの開放位置へ前記カバーアクチユエータを正回転させ
かつ前記リレーコイルの消磁時前記カバーの閉鎖位置へ
前記カバーアクチユエータを逆回転させる切換スイツチ
と前記カバーアクチユエータとを電源に対して直列に接
続したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】非制動時、カバーは筒状になつて制動ドラムの
外周側を覆う。したがつて、常時回転する制動ドラムの
冷却フインにより送られる風量がカバーにより抑えら
れ、かつ空気の流れがカバーにより安定したものになる
ので、風損が低減され、騒音が抑えられる。

【０００９】制動時、リターダスイツチを閉操作する
と、アクチユエータにより磁石支持環が制動位置へ往動
される。同時にカバースイツチが閉じ、カバーアクチユ
エータがカバーを支持する軸を正回転させ、カバーが制
動ドラムの外周側を開放するので、冷却フインによる風
量が増大し、制動ドラムの熱放射を妨げない。制動ドラ
ムの温度が所定値よりも高くなると、温度スイツチが閉
じ、リターダスイツチを開いた後も引続き、カバーを開
放位置に保持するように働く。

【００１０】制動解除時、リターダスイツチを開くと、
アクチユエータにより磁石支持環が非制動位置へ復動さ
れる。制動ドラムの温度が所定値よりも低くなると、温
度スイツチが開き、カバーアクチユエータがカバーを支
持する軸を逆回転させ、カバーが制動ドラムの外周側を
閉鎖する。

【００１１】

【実施例】図１は本発明に係る風損低減装置を備えた渦
電流式減速装置の側面断面図である。渦電流式減速装置
は例えば車両用変速機の後端部に配設されるものであ
り、変速機の出力回転軸１に結合される制動ドラム７
と、断面長方形の内空部を有する筒状の固定枠１０と、
固定枠１０の内空部にあつて制動ドラム７の内部へ突出
可能の磁石支持環１４とからなる。変速機の出力回転軸
１の端部に取付フランジ２がスプライン嵌合され、かつ
外れないようにナツト１ａにより締結される。取付フラ
ンジ２に、周知の駐車ブレーキの制動ドラム３と、減速
装置の制動ドラム７のボス部５とが重ね合され、複数の
ボルト４とナツトにより結合される。

【００１２】ボス部５に周方向等間隔かつ径外方へ延び
る多数のスポーク６が結合される。スポーク６の外端部
に、導体である制動ドラム７の端縁部が結合される。制
動ドラム７は外周面に、周方向等間隔に並ぶ多数の冷却
フイン８を備えられる。

【００１３】固定枠１０の端壁に、複数（好ましくは３
個）の流体圧アクチユエータＡが周方向等間隔に支持さ
れる。アクチユエータＡはシリンダ１６に嵌合したピス
トン１７から延びるロツド１８の端部に磁石支持環１４
を結合される。固定枠１０は磁性体からなる断面Ｃ字形
をなす環状の枠部分１０ａと、非磁性体からなる断面逆
Ｌ字形をなす環状の枠部分１０ｂとを多数のボルトによ
り結合して構成され、制動ドラム７の内部へ突出する枠
部分１０ｂの外筒に設けた多数の開口に、各磁石１４ａ
に対応する強磁性板（ポールピース）１５が結合され
る。

【００１４】磁性体からなる磁石支持環１４は、固定枠
１０の断面長方形の内空部に軸方向移動可能に支持され
る。具体的には、磁石支持環１４は枠部分１０ａの内筒
に移動可能かつ回動不能に外嵌される。磁石支持環１４
の外周面に、周方向等間隔にかつ極性が周方向に１つず
つ（２つずつでもよい）交互に異なるよう多数の磁石１
４ａが結合される。

【００１５】本発明によれば、非制動時の風損を低減す
るために、制動ドラム７の外周の冷却フイン８を覆う筒
形のカバー２４が、回転軸１と平行な複数の軸２３に沿
つて移動可能に支持される。軸２３は固定枠１０の外周
壁に支持される。すなわち、固定枠１０にボルト２１に
より複数のブラケツト２０が周方向等間隔に固定され、
各ブラケツト２０の端部に軸２３が支持される。固定枠
１０に、制動ドラム７の温度を検出する温度センサ、好
ましくは温度スイツチ９が支持され、感温部９ａは制動
ドラム７の内側へ突出される。

【００１６】図２に示すように、カバー２４は端部に備
えた支持片２４ａを、軸２３に外挿される。軸２３の少
なくとも１つは、ブラケツト２０に支持したカバーアク
チユエータとしての電動機２２に連結されたねじ軸とし
て構成され、かつ支持片２４ａに螺合される。カバー２
４は通常は図１に鎖線で示す閉鎖位置にあつて、電動機
２２を正回転すると、軸２３に沿つて実線で示す開放位
置へ移動し、制動ドラム７の外周側を開放する。

【００１７】図３は上述したカバー２４を開閉駆動する
カバーアクチユエータとしての電動機２２の回路図であ
る。図３において、３１はバツテリ電源、４１は主スイ
ツチ、３２は手動またはブレーキペダルに連動して閉じ
るリターダスイツチ、４０はアクチユエータＡの流体圧
回路を切り換える電磁方向切換弁である。電源３１に対
し、リターダスイツチ３２と電磁方向切換弁４０とが直
列に接続され、またリターダスイツチ３２とリレーコイ
ル３９とが直列に接続される。電動機２２を駆動するた
めのリレーコイル３５の通電回路は次のように構成され
る。すなわち、電源３１に対し、リターダスイツチ３２
の閉操作と連動してリレーコイル３９が励磁されると閉
じるカバースイツチ３９ａと、切換スイツチ３５ａ，３
５ｂを切り換えるためのリレーコイル３５とが直列に接
続され、さらに電源３１に対し、前述した制動ドラム７
の温度が所定値を超えると閉じる温度スイツチ９がカバ
ースイツチ３９ａと並列に接続される。

【００１８】カバーアクチユエータとしての電動機２２
を正逆回転させる切換スイツチ３５ａ，３５ｂは、ばね
の力により図３に破線で示す位置へ付勢されるが、リレ
ーコイル３５が励磁されると、実線で示す位置へ切り換
わる。カバー２４の開・閉位置で、切換スイツチ３５ａ
は例えばカバー２４の両端部に配設した押片２４ｂ，２
４ｃにより押し開かれ、電動機２２を停止する。しか
し、電動機２２の軸に設けたカム機構により、リレーコ
イル３５が励磁されると電動機２２が所定量だけ正回転
したところで停止し、リレーコイル３５が消磁されると
電動機２２が所定量だけ逆回転して旧位置で停止する自
動復帰回路に構成してもよい。要するに、カバーアクチ
ユエータとしての電動機２２の電気回路の構成は、アク
チユエータＡによる制動時リターダスイツチ３２の閉操
作と連動して閉じるカバースイツチ３９ａとリレーコイ
ル３５とを電源３１に対して直列に接続し、温度スイツ
チ９をカバースイツチ３９ａと並列に接続し、リレーコ
イル３５の励磁時カバー２４の開放位置へ電動機２２を
正回転させかつリレーコイル３５の消磁時カバー２４の
閉鎖位置へ電動機２２を逆回転させる切換スイツチ３５
ａ，３５ｂと電動機２２とを電源３１に対して直列に接
続したものである。

【００１９】次に、本発明による渦電流式減速装置の風
損低減装置の作動について説明する。制動時、リターダ
スイツチ３２を閉じると、電磁方向切換弁４０が励磁さ
れる。図示してない流体源の加圧流体が電磁方向切換弁
４０、管１６ａを経てアクチユエータＡの左端室へ供給
され、ピストン１７とロツド１８により、磁石支持環１
４が図１に示すように制動ドラム７の内部へ突出され
る。磁石１４ａが強磁性板１５を経て制動ドラム７の内
周面へ磁界を及ぼす。回転する制動ドラム７が磁石１４
ａからの磁界を横切る時、制動ドラム７は渦電流に基づ
く制動トルクを発生する。

【００２０】また、リターダスイツチ３２を閉じると同
時に、リレーコイル３９が励磁されてカバースイツチ３
９ａが閉じ、リレーコイル３５が励磁されて、各切換ス
イツチ３５ａ，３５ｂが実線で示す位置へ切り換わり、
電動機２２が正回転される。軸２３の回転に伴いカバー
２４が図１において右方へ螺動し、制動ドラム７の外周
側が開放される。電動機２２の正回転に伴いカバー２４
が図１に実線で示す開放位置へ到達すると、カバー２４
の押片２４ｂにより切換スイツチ３５ａが開かれ（いず
れの接点にも接しない）、電動機２２が停止する。

【００２１】制動ドラム７は渦電流により加熱され高温
になる。しかし、制動ドラム７は冷却フイン８を備えて
おり、かつカバー２４が引退しているので、制動ドラム
７の冷却フイン８により、空気が制動ドラム７の内外周
面へ誘導され、効果的に冷却される。制動ドラム７の温
度が所定値よりも高くなると、温度スイツチ９が閉じ
る。

【００２２】制動を解除する時、リターダスイツチ３２
を開くと、電磁方向切換弁４０が消磁され、アクチユエ
ータＡの流体圧回路が切り換わり、磁石支持環１４が制
動ドラム７から引退し、磁石１４ａは制動ドラム７の内
周面へ磁界を及ぼさなくなる。同時に、リレーコイル３
９が消磁されてカバースイツチ３９ａが開くが、制動ド
ラム７の温度が所定値よりも高くなつている時は、温度
スイツチ９が閉じているので、カバー２４は開かれたま
まである。制動ドラム７の温度が所定値よりも低くなる
と、温度スイツチ９が開き、リレーコイル３５が消磁さ
れ、各切換スイツチ３５ａ，３５ｂが破線で示す位置へ
切り換わり、電動機２２が逆回転する。カバー２４が図
１に鎖線で示す閉鎖位置へ戻ると、押片２４ｃにより切
換スイツチ３５ａが開かれ、電動機２２が停止する。

【００２３】非制動時、つまり制動ドラム７の温度が所
定値よりも低くなつている時、カバー２４は図１に鎖線
で示す閉鎖位置にあり、冷却フイン８の外周側を覆つて
いるので、カバー２４の内部を通過する風量が抑えら
れ、カバー２４を吹き抜ける空気の乱れが抑えられるの
で、制動ドラム７と冷却フイン８の回転に伴う風損が低
減され、騒音も低減される。

【００２４】図４に示す風損低減装置では、カバー２４
に代わる多数の板状のカバー２５がボス部２５ａを結合
する軸２３ａにより、ブラケツト２０に回動可能に支持
される。各ボス部２５ａはピン２７，２８とリンク２６
により、互いに連動連結される。軸２３ａの１つがブラ
ケツト２０に支持した電動機２２の軸に連結される。カ
バーアクチユエータとしての電動機２２の正逆回動によ
り、カバー２５は図４に実線で示す閉鎖位置と鎖線で示
す開放位置とに切り換わる。

【００２５】なお、上述の各実施例において、カバー２
４，２５を開閉する各軸２３，２３ａを歯車、ベルトな
どにより互いに連動連結すれば、各軸を単一の電動機で
駆動できる。カバー２４，２５を開閉する各軸２３，２
３ａは電動機に代りに、流体圧アクチユエータにより駆
動することもでき、流体圧回路を制御する電磁方向切換
弁は、上述した電動機の電気回路により制御できる。

【００２６】上述の実施例では、磁石支持環をアクチユ
エータにより制動ドラムに対し突出・引退し、制動位置
と非制動位置とに切り換える形式の渦電流式減速装置に
ついて述べたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、磁石支持環が強磁性板を備える非磁性体からなる筒
状の固定枠を挟んで制動ドラムに対向し、磁石支持環の
固定枠に対する回転位相をアクチユエータにより非制動
位置と制動位置に切り換える形式の渦電流式減速装置
（特願平１−２１８４９８号公報参照）にも適用できる
ことは説明するまでもない。

【００２７】

【発明の効果】本発明は上述のように、回転軸に結合し
た導体からなる制動ドラムの内部に磁性体からなる磁石
支持環を往復移動可能に配設し、前記制動ドラムの内周
面に接近し得る多数の磁石を前記磁石支持環に周方向等
間隔に結合し、前記磁石支持環の磁石が前記制動ドラム
の内周面へ及ぼす磁界により、前記制動ドラムに渦電流
に基づく制動トルクを発生する制動位置と、前記制動ド
ラムに磁界を及ぼさない非制動位置とに前記磁石支持環
の位置を切り換えるためのアクチユエータを備えた渦電
流式減速装置において、前記制動ドラムの外周壁に多数
の冷却フインを設け、前記制動ドラムの外周側に配置し
た前記回転軸と平行な複数の軸にカバーを支持し、前記
複数の軸を正逆回転して前記カバーが前記冷却フインの
外周側を覆わない開放位置と前記カバーが前記冷却フイ
ンの外周側を覆う閉鎖位置とに前記カバーの位置を切り
換えるためのカバーアクチユエータを設け、前記制動ド
ラムの温度が所定値以下の時開き所定値以上の時閉じる
常開型の温度スイツチを前記制動ドラムに接近して配設
し、前記アクチユエータによる制動時リターダスイツチ
の閉操作と連動して閉じるカバースイツチとリレーコイ
ルとを電源に対して直列に接続し、前記温度スイツチを
前記カバースイツチと並列に接続し、前記リレーコイル
の励磁時前記カバーの開放位置へ前記カバーアクチユエ
ータを正回転させかつ前記リレーコイルの消磁時前記カ
バーの閉鎖位置へ前記カバーアクチユエータを逆回転さ
せる切換スイツチと前記カバーアクチユエータとを電源
に対して直列に接続したものであるから、次のような効
果が得られる。

【００２８】非制動時、カバーは制動ドラムの冷却フイ
ンの外周側を覆うので、カバーの内部を通過する風量が
抑えられ、かつカバーを吹き抜ける空気の乱れが抑えら
れる結果、制動ドラムと冷却フインの回転に伴う風損が
低減され、機関の燃費が節減され、騒音も低減される。

【００２９】制動ドラムの温度が所定値を超えると閉じ
る温度スイツチがカバースイツチと並列に接続されてい
るので、制動解除後も制動ドラムの温度が所定値以下に
ならなければカバーが閉じることはないので制動ドラム
の冷却効果は損われず、しかも制動ドラムと冷却フイン
の回転に伴う風損は最小限に抑えられる。

【００３０】構造が複雑で高価なクラツチを制動ドラム
と回転軸との間に設ける必要がないので、装置の大型
化、重量増加、信頼性の低下などを回避でき、安価に提
供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る風損低減装置を備えた渦電流式減
速装置の側面断面図である。

【図２】同風損低減装置の要部を示す正面図である。

【図３】カバーアクチユエータを駆動する通電回路を示
す回路図である。

【図４】風損低減装置の変更実施例を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１：回転軸 ７：制動ドラム ８：冷却フイン ９：温
度スイツチ １０：固定枠 １４：磁石支持環 １４
ａ：磁石 ２２：カバーアクチユエータとしての電動機
２３，２３ａ：軸 ２４，２５：カバー ３１：電源
３２：リターダスイツチ ３５：リレーコイル ３５
ａ，３５ｂ：切換スイツチ ３９ａ：カバースイツチ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸に結合した導体からなる制動ドラム
   の内部に磁性体からなる磁石支持環を往復移動可能に配
   設し、前記制動ドラムの内周面に接近し得る多数の磁石
   を前記磁石支持環に周方向等間隔に結合し、前記磁石支
   持環の磁石が前記制動ドラムの内周面へ及ぼす磁界によ
   り、前記制動ドラムに渦電流に基づく制動トルクを発生
   する制動位置と、前記制動ドラムに磁界を及ぼさない非
   制動位置とに前記磁石支持環の位置を切り換えるための
   アクチユエータを備えた渦電流式減速装置において、前
   記制動ドラムの外周壁に多数の冷却フインを設け、前記
   制動ドラムの外周側に配置した前記回転軸と平行な複数
   の軸にカバーを支持し、前記複数の軸を正逆回転して前
   記カバーが前記冷却フインの外周側を覆わない開放位置
   と前記カバーが前記冷却フインの外周側を覆う閉鎖位置
   とに前記カバーの位置を切り換えるためのカバーアクチ
   ユエータを設け、前記制動ドラムの温度が所定値以下の
   時開き所定値以上の時閉じる常開型の温度スイツチを前
   記制動ドラムに接近して配設し、前記アクチユエータに
   よる制動時リターダスイツチの閉操作と連動して閉じる
   カバースイツチとリレーコイルとを電源に対して直列に
   接続し、前記温度スイツチを前記カバースイツチと並列
   に接続し、前記リレーコイルの励磁時前記カバーの開放
   位置へ前記カバーアクチユエータを正回転させかつ前記
   リレーコイルの消磁時前記カバーの閉鎖位置へ前記カバ
   ーアクチユエータを逆回転させる切換スイツチと前記カ
   バーアクチユエータとを電源に対して直列に接続したこ
   とを特徴とする、渦電流式減速装置の風損低減装置。
2. 【請求項２】前記カバーは筒状のものであり、前記回転
   軸と平行な複数の軸はねじ軸であり、前記回転軸と平行
   な複数の軸の正回転により、前記カバーが前記冷却フイ
   ンの外周側を開放する、請求項１に記載の渦電流式減速
   装置の風損低減装置。
3. 【請求項３】前記カバーは前記回転軸と平行な複数の軸
   に結合した板状のものであり、前記回転軸と平行な複数
   の軸の正回転により、前記カバーが前記冷却フインの外
   周側を開放する、請求項１に記載の渦電流式減速装置の
   風損低減装置。