JPH04331231A - 溶融成形用ポリイミド共重合体およびその製造方法 - Google Patents

溶融成形用ポリイミド共重合体およびその製造方法

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JPH04331231A
JPH04331231A JP3123782A JP12378291A JPH04331231A JP H04331231 A JPH04331231 A JP H04331231A JP 3123782 A JP3123782 A JP 3123782A JP 12378291 A JP12378291 A JP 12378291A JP H04331231 A JPH04331231 A JP H04331231A
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polyimide
diamine
tetracarboxylic dianhydride
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dianhydride
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正司 玉井
Masahiro Ota
正博 太田
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融成形用ポリイミド
に関する。更に詳しくは、成形加工性に優れたポリイミ
ドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラカルボン酸二無水物とジアミンの
反応によって得られるポリイミドは、耐熱性が極めて高
く、その上、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、
電気絶縁性などにも優れている。ポリイミドはこのよう
な好ましい性能を有するため、従来から、電気・電子機
器、宇宙航空用機器、輸送機器などの分野で使用されて
おり、今後、益々、耐熱性が要求される分野に広く用い
られることが期待されている機能性樹脂である。このよ
うな利用分野の拡大に伴い、要求される性能と適用方法
が多様化し、これらの要求に適合するような、優れた特
性を示すポリイミドが種々開発されている。
【0003】しかしながら、これらのポリイミドには、
耐熱性に優れていても明瞭なガラス転移温度を有しない
ものがあり、成形材料として用いる場合には、焼結成形
などの手法を用いて加工しなければならないとか、また
、あるポリイミドでは、加工性は優れていてもハロゲン
化炭化水素等の溶剤に可溶で、耐溶剤性の面において問
題点があるとか、すでに開発されたポリイミドはその性
能に一長一短を有するものであった。従来から知られて
いるポリイミドは、共通して成形加工性に難点があった
。すなわち、これらのポリイミドは熱硬化性樹脂である
ため、成形加工が容易な溶融成形法を適用することが困
難で、焼結成形のような特殊な成形加工法を採用せねば
ならなかった。
【0004】例えば、ピロメリット酸二無水物と 4,
4’ −ジアミノジフェニルエーテルとから得られる下
記式(1)
【化11】 で表わされる様な基本骨格からなるポリイミドは、明瞭
なガラス転移温度を有さず耐熱性に優れているものの、
成形材料として用いる場合に加工が難しく、焼結成形な
どの手法を用いて加工しなければならないことが広く知
られている。
【0005】また、ピロメリット酸二無水物と 1,4
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンとから得られ
るポリイミドは、古くから知られているが(SU−18
8,005)、 450℃においても全く溶融流動せず
、溶融流動成形性の低いものであった。さらに、 3,
3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物と 1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼンとから得られるポリイミドは、US−4,855
,391やEP−283,853等に開示されているが
、その溶融流動性、射出成形性等についての開示は全く
なされていない。従って、ポリイミドの優れた性能を活
かした分野、特に先端的技術分野でポリイミドの利用を
拡張するには、ポリイミドの特有の優れた各種性能を維
持したままで、溶融成形加工可能な特殊構造のポリイミ
ドを見出すことが極めて重要である。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポ
リイミドが本来有する優れた耐熱性に加え、優れた成形
加工性を有し、耐薬品性が良好でしかも透明性の優れた
ポリイミドを提供することである。本発明者らは、この
目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリマーの分子末端
が、無水フタル酸から誘導される二価の芳香族基で封止
され、一般式(2)
【化12】 (式中、Xは
【化13】 または
【化14】 の4価の基を示し、nは1または2の整数である)で表
される繰り返し構造単位から実質的になる溶融成形用ポ
リイミド、
【0008】また、無水フタル酸から誘導される二価の
芳香族基で封止され、式(3)で表される繰り返し構造
単位および/または式(4)で表される繰り返し構造単
位と式(5)で表される繰り返し構造単位および/また
は式(6)で表される繰り返し構造単位との実質的に2
種以上の繰り返し構造単位が混合して構成された溶融成
形用ポリイミドである。
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【0009】さらに、本発明は、ジアミンとテトラカル
ボン酸二無水物を反応させ、得られたポリアミド酸を熱
的または化学的にイミド化するポリイミドの製造方法に
於いて、(イ)ジアミンとして、一般式(7)
【化19
】 (式中、nは1または2の整数である)で表されるジア
ミン、すなわち、式(8)および(9)
【化20】
【化21】 で示されるジアミンを単独または混合して使用し、(ロ
)テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4
’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物また
は4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二
無水物を使用し、(ハ)さらに、反応を無水フタル酸の
存在下に行ない、かつ無水フタル酸の量が式(8)およ
び/または(9)で表されるジアミン1モル当り、 0
.001〜1.0 モルの割合で反応させて得られるこ
とを特徴とする成形加工性の良好なポリイミドおよびそ
の製造方法に関する。
【0010】更に、本発明は、ジアミンとテトラカルボ
ン酸二無水物を反応させ、得られたポリアミド酸を熱的
または化学的にイミド化するポリイミドの製造方法に於
いて、(イ)ジアミンとして、4,4’− ジアミノジ
フェニルエーテルおよび3,4’− ジアミノジフェニ
ルエーテルを単独または混合して使用し、(ロ)テトラ
カルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物および/また
は4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二
無水物をピロメリット酸二無水物と混合して使用し、(
ハ)さらに、反応を無水フタル酸の存在下に行ない、か
つ無水フタル酸の量がジアミン1モル当り、 0.00
1〜1.0 モルの割合で反応させて得られることを特
徴とする成形加工性の良好なポリイミドおよびその製造
方法である。
【0011】本発明のポリイミドは、優れた耐熱性、耐
薬品性を有しており、しかも透明性良好であり、熱可塑
性であるため加工性に優れ、溶融成形可能なポリイミド
であり、宇宙・航空機用基材、電気・電子部品用基材と
して、さらには耐熱性接着剤として極めて有用なポリイ
ミドである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のポリイミドは、
ポリマーの分子末端が式(10)
【化22】 の無水フタル酸から誘導される二価の芳香族基で封止さ
れ、一般式(2)
【化23】 (式中、Xは
【化24】 または
【化25】 の4価の基を示し、nは1または2の整数である)で表
される繰り返し構造単位から実質的になるポリイミドで
ある。
【0013】具体的には、
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】 等のいずれかの繰り返し構造単位のポリイミドである。
【0014】また、本発明の他のポリイミドは一般式(
10)
【化40】 で表される無水フタル酸から誘導される二価の芳香族基
で封止され、
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】 の式(3)で表される繰り返し構造単位および/または
式(4)で表される繰り返し構造単位と式(5)で表さ
れる繰り返し構造単位および/または式(6)で表され
る繰り返し構造単位との実質的に2種以上の繰り返し構
造単位が混合して構成されたポリイミドである(以下、
このポリイミドをコポリイミドと言う)。
【0015】このような本発明のポリイミドは、テトラ
カルボン酸二無水物を、無水フタル酸存在下に、ジアミ
ンと反応させ、得られるポリマー末端が無水フタル酸か
ら誘導される基で封止されたポリアミド酸を熱的または
化学的にイミド化して製造できる。
【0016】本発明で使用されるジアミンとしては、式
(8)
【化45】 で表わされるジアミノジフェニルエーテル類、すなわち
、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−
ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテルまたは3,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、あるいは式(9)
【化46】 で表されるビス(アミノフェノキシ)ベンゼン類、すな
わち、 1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、 1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1
,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等があげ
られる。特にコポリイミドの製造には、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテルおよび3,4’− ジアミノジ
フェニルエーテルが単独または混合して使用される。
【0017】また、テトラカルボン酸二無水物成分とし
ては、式(11)または(12)
【化47】
【化48】 の表わされる3,3’,4,4’−ジフェニルエーテル
カルボン酸二無水物または4,4’−ビス(p− フェ
ニレンジオキシ) ジフタル酸二無水物が用いられ、特
にコポリイミドの製造においては、これらのテトラカル
ボン酸二無水物は式(13)の
【化49】 ピロメリット酸二無水物との共存下に反応させる。
【0018】なお、本発明のポリイミドは前記のジアミ
ンを原料として用いるポリイミドであるが、このポリイ
ミドの良好な物性を損なわない範囲内で他のジアミンを
混合して使用することもできる。混合して使用できるジ
アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、o
−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−
アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビ
ス(3−アミノフェニル)エーテル、(3−アミノフェ
ニル)(4−アミノフェニル)エーテル、ビス(3−ア
ミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(
4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフ
ェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スル
ホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニ
ル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホ
キシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−
アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビ
ス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミ
ノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン
、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジア
ミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔
4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、 
1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル
〕エタン、 1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エタン、 1,2−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、 1,2−ビス〔
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、 2
,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパン、 2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、 2,2−ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、 2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,
1,3,3,3 −ヘキサフルオロプロパン、 2,2
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1
,1,1,3,3,3 −ヘキサフルオロプロパン、1
,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、 1,
3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、 1,4
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、 1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(
3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、 1,4−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン
、 1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベン
ゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノ
フェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4
’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕
ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミ
ノ−α, α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾ
フェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α, 
α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホ
ン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノ
キシ}フェニル〕スルホン、 1,4−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)−α, α−ジメチルベンジル〕
ベンゼン、 1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げら
れ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる
【0019】また本発明で用いられる式(10)で示さ
れる無水フタル酸の一部をポリイミドの良好な物性を損
わない範囲で、他のジカルボン酸無水物で代替して用い
ることは何ら差し支えない。一部代替して用いることの
できるジカルボン酸無水物としては、 2,3−ベンゾ
フェノンジカルボン酸無水物、 3,4−ベンゾフェノ
ンジカルボン酸無水物、 2,3−ジカルボキシフェニ
ルフェニルエーテル無水物、 3,4−ジカルボキシフ
ェニルフェニルエーテル無水物、 2,3−ビフェニル
ジカルボン酸無水物、 3,4−ビフェニルジカルボン
酸無水物、 2,3−ジカルボキシフェニルフェニルス
ルホン無水物、 3,4−ジカルボキシフェニルフェニ
ルスルホン無水物、 2,3−ジカルボキシフェニルフ
ェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニ
ルフェニルスルフィド無水物、 1,2−ナフタレンジ
カルボン酸無水物、 2,3−ナフタレンジカルボン酸
無水物、 1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、 
1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、 2,3−
アントラセンジカルボン酸無水物、 1,9−アントラ
センジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0020】本発明において用いられる式(10)で表
される無水フタル酸の量は、使用するジアミン化合物の
合計量1モル当り、0.001 〜 1.0モルの割合
である。 0.001モル未満では、高温成形時の粘度
が上昇し、成形加工性の低下の原因となる。また、 1
.0モルを越えると機械的特性が低下する。好ましい使
用量は0.01〜 0.5モルの割合である。
【0021】また、本発明のコポリイミドを製造するに
際して、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’
 −ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物の使
用量は、3,3’,4,4’ −ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物1モル当り、ピロメリット酸二
無水物を0.05〜 1.0モルの割合であり、より好
ましくは、 0.1〜 0.5モルの割合である。0.
05モル未満では、耐熱性は向せず、また 1.0モル
を越えると高温成形時における溶融粘度が著しく上昇し
、射出、押し出し成形等が不可能となる。
【0022】本発明のポリイミドの製造方法は、有機溶
媒中で反応を行うのが好ましい。使用する有機溶剤とし
ては、例えば、 N,N−ジメチルホルムアミド、 N
,N−ジメチルアセトアミド、 N,N−ジエチルアセ
トアミド、 N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、 1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、 1
,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)
エーテル、 1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エ
タン、ビス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}エ
ーテル、テトラヒドロフラン、 1,3−ジオキサン、
 1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチル
スルホキシドジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘ
キサメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール
酸、p−クロロフェノール、アニソールなどが挙げられ
る。また、これらの有機溶剤は単独でもまたは2種以上
混合して用いても差し支えない。
【0023】本発明の方法において、有機溶媒に、ジア
ミン、テトラカルボン酸二無水物および無水フタル酸を
添加し、反応させる方法としては、 (イ)ジアミンにテトラカルボン酸二無水物を反応させ
た後に、無水フタル酸を添加して反応を続ける方法。 (ロ)ジアミンに無水フタル酸を加えて反応させた後、
テトラカルボン酸二無水物を添加し、さらに加熱を続け
る方法。 (ハ)ジアミン、テトラカルボン酸二無水物および無水
フタル酸を同時に添加して反応ささせる方法。 など、いずれの添加方法をとっても差し支えない。
【0024】反応温度は通常 250℃以下、好ましく
は50℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧
で十分実施できる。反応時間は溶剤の種類および反応温
度により異なり、通常4〜24時間で充分である。更に
得られたポリアミド酸を 100〜 400℃に加熱し
てイミド化するか、また無水酢酸などのイミド化剤を用
いて化学イミド化することにより、ポリアミド酸に対応
する繰り返し単位を有するポリイミドが得られる。
【0025】また、ジアミン、テトラカルボン酸二無水
物および無水フタル酸を有機溶媒中に懸濁または溶解さ
せた後加熱し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸
の生成と、同時にイミド化を行うことによりポリイミド
を得ることも可能である。すなわち、従来公知の手法を
用いて、フィルム状もしくは粉体状のポリイミドを得る
ことができる。
【0026】このようにして得られたポリイミドはいず
れもイミド結合とエーテル結合のみから構成される芳香
族ポリエーテルイミドであり、ガラス転移温度が150
 〜270℃の範囲の溶融成形可能なポリイミドである
。また、本願のポリイミドは温度 300〜450 ℃
の範囲で剪断速度1000sec−1の時、30,00
0ポイズ以下の溶融粘度に設定することが可能であり、
押出成形や射出成形用材料として使用できる。特に、射
出成形用材料として供する場合、その成形条件はポリイ
ミドの構造や分子量により異なるものの、通常、エンプ
ラ用として使用される成形機を用いて成形温度300〜
450 ℃、射出成形圧力 50 〜2,000kg/
cm2 の範囲で十分成形できるものである。
【0027】また、本発明のポリイミドを溶融成形に供
する場合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑
性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルイミド、変性ポリフェニレンオキシドなどを目的に
応じて適当量を配合することも可能である。また、さら
に通常の樹脂組成物に使用する次のような充填剤などを
、発明の目的を損なわない程度で用いてもよい。すなわ
ち、グラファイト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫化
モリブデン、フッ素樹脂などの耐摩耗性向上剤、ガラス
繊維、カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カ
ーボンウィスカー、アスベスト、金属繊維、セラミック
繊維などの補強材、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウムなどの難燃性向上剤、クレー、マイ
カなどの電気的特性向上剤、アスベスト、シリカ、グラ
ファイトなどの耐トラッキング向上剤、硫酸バリウム、
シリカ、メタケイ酸カルシウムなどの耐酸性向上剤、鉄
粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉などの熱電導度向上
剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、ケイ藻土
、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物
、着色料などである。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により、
更に詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の物
性は以下の様な手法により測定した。 Tg,Tc,Tm;DSC(島津DT−40  シリー
ズ、DSC−41M)により測定。 5%重量減少温度;空気中にてDTG(島津DT−40
シリーズ、DTG−40M)により測定。 溶融粘度;島津高化式フローテスターCFT500A 
により荷重 100kgで測定。
【0029】実施例1 攪拌機、還流冷却器、水分離器および窒素導入管を備え
た容器に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 1
20.0g(0.6モル) 、 3,3’,4,4’−
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物 176
.7g (0.57モル) 、無水フタル酸8.88g
(0.06モル) 、γ−ピコリン 8.4g、m−ク
レゾール1200gを装入し、窒素雰囲気下において攪
拌しながら 145℃まで加熱昇温した。この間約20
ccの水の留出が確認された。さらに 140〜150
 ℃で4時間反応を行った。その後、室温まで冷却し、
約10lのメチルエチルケトンに排出した後、ポリイミ
ド粉を濾別した。このポリイミド粉をメチルエチルケト
ンで洗浄した後、 180℃で24時間減圧乾燥して 
280.3g(収率98.7%)のポリイミド粉を得た
。かくして得られたポリイミド粉の対数粘度は0.52
dl/gであった。なお、対数粘度は、ポリイミド粉0
.50gをp−クロルフェノール/フェノール(重量比
9/1)混合溶媒 100mlに加熱溶解した後、35
℃において測定した値である。このポリイミド粉のガラ
ス転移温度は 245℃であり、空気中での5%重量減
少温度は 550℃であった。  また、このポリイミ
ド粉の赤外吸収スペクトル図を図1に示す。このスペク
トル図では、イミド特性吸収帯である1780cm−1
と1720cm−1付近およびエーテル結合の特性吸収
帯である1240cm−1付近の吸収が顕著に認められ
た。また、得られたポリイミド粉の元素分析値は以下の
通りであった。   このポリイミド粉は、メチレンクロリド、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素溶剤に不溶であった。本実
施例で得られたポリイミド粉末の溶融粘度を高化式フロ
ーテスターを使用し、 100kgの荷重および直径 
0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定した
。400℃における溶融粘度は5600ポイズであった
。ここに得られたストランドは淡黄色の可撓性に富んだ
ものであった。また、本実施例で得られたポリイミドの
成形安定性をフローテスターのシリンダー内滞留時間を
変えて測定した。温度は 400℃、荷重 100kg
で行った。結果を図2に示す。シリンダー内での滞留時
間が長くなっても溶融粘度は殆ど変化せず、熱安定性の
良好なことがわかる。
【0030】比較例1 実施例1と同様な反応装置に、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル 120.0g(0.6モル) 、ピロ
メリット酸二無水物124.26g (0.57モル)
 、無水フタル酸8.88g(0.06モル) 、m−
クレゾール 980gを装入し、実施例1と同様な手法
によりポリイミド粉 229g (収率99.0%)を
得た。このポリイミド粉は明瞭なガラス転移温度を有さ
ず、また 400℃において全く溶融流動しなかった。
【0031】比較例2 実施例1と全く同様に、但し無水フタル酸を使用せずに
ポリイミド粉を得た。ポリイミド粉のガラス転移温度は
 246℃、対数粘度は0.52dl/gであった。実
施例1と同様の方法でフローテスターシリンダー内での
滞留時間を変え、溶融粘度を測定したところ、図2に示
す通り、滞留時間が長くなるに従って溶融粘度が増加し
、実施例1で得られたポリイミドに比べて熱安定性の劣
るものであった。
【0032】実施例2 実施例1と同様の反応装置に、3,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル 120.0g (0.6 モル) 、
 3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカル
ボン酸二無水物 176.7g(0.57 モル)、無
水フタル酸 8.88 g(0.06モル)、γ−ピコ
リン8.4 g、m−クレゾール1200gを装入し、
窒素雰囲気下において攪拌しながら145 ℃まで加熱
昇温した。この間約20ccの水の留水が確認された。 さらに140〜150 ℃で4時間反応を行った。その
後、室温まで冷却し、約10lのメチルエチルケトンに
排出した後、 180℃で24時間減圧乾燥して279
g (収率98.2%) のポリイミド粉を得た。この
ポリイミド粉の対数粘度は0.47dl/gであった。 またポリイミド粉のガラス転移温度は 225℃であり
、空気中での5%重量減少温度は 543℃であった。 このポリイミド粉の赤外吸収スペクトル図を図3に示す
。 このスペクトル図ではイミド特性吸収帯である1780
cm−1と1720cm−1付近およびエーテル結合の
特性吸収帯である1240cm−1付近の吸収が顕著に
認られた。さらにこのポリイミドの溶融粘度を測定した
ところ 370℃において3600ポイズの溶融粘度を
有していた。
【0033】実施例3 実施例1と同様の反応装置に3,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル 120.0g (0.6モル) 、 N
,N−ジメチルアセトアミド  1217gを装入し、
室温で窒素雰囲気下に 3,3’,4,4’−ジフェニ
ルエーテルテトラカルボン酸二無水物 184.1g 
(0.594モル)を溶液温度の上昇に注意しながら分
割して加え、室温で約20時間かきまぜた。その後、無
水フタル酸 1.77 g(0.012モル) を加え
、さらに3時間攪拌をつづけた。かくして得られたポリ
アミド酸の対数粘度は1.17dl/gであった。なお
、ポリアミド酸の対数粘度は N,N−ジメチルアセト
アミドを溶媒とし、 0.5g/100ml溶媒、35
℃で測定した値である。このポリアミド酸溶液の一部を
取りガラス板上にキャストした後、 100℃、 20
0℃および 300℃で各々1時間加熱して厚さ約50
μmのポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィ
ルムの引張り強さは15.3kg/mm2 、引張弾性
率は 344kg/mm2 、引張り伸び率は7.8 
%であった。 (測定方法は ASTM D−822 
に拠る) 。またこのポリイミドフィルムのガラス転移
温度は 235℃であった。(TMA針入法で測定) 
【0034】実施例4 実施例1と同様な反応装置を用い、3,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテルを3,3’−ジアミノジフェニルエ
ーテルに変えた以外は全く同様にしてポリアミド酸溶液
を得た。 かくして得られたポリアミド酸の対数粘度は0.92d
l/gであった。このポリアミド酸溶液を用いて実施例
3と同様な手法により、厚味50μmのポリイミドフィ
ルムを得た。このポリイミドフィルムのガラス転移温度
は 215℃であった。 (TMA 針入法で測定)。 またこのポリイミドフィルムの全光線透過率は86.0
%、ヘイズは0.5%であった。(測定法は  AST
M D−1003 に拠る。以下同様)
【0035】実
施例5 実施例1と同様な反応装置に、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル 120.0g(0.6モル) 、4,
4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物
 231.6g(0.57モル) 、無水フタル酸7.
10g(0.048モル) 、γ−  ピコリン 8.
4g、m−クレゾール1435gを装入し、窒素雰囲気
下において攪拌しながら 145℃まで加熱昇温した。 この間約20ccの水の留出が確認された。さらに 1
40〜150 ℃で4時間反応を行った。その後、室温
まで冷却し、約10lのメチルエチルケトンに排出した
後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイミド粉をメチ
ルエチルケトンで洗浄した後、 180℃で24時間減
圧乾燥して 332.0g (収率98.5%)のポリ
イミド粉を得た。かくして得られたポリイミド粉の対数
粘度は0.69dl/gであった。なお、対数粘度は、
ポリイミド粉0.50gをp−クロルフェノール/フェ
ノール(重量比9/1)混合溶媒 100mlに加熱溶
解した後、35℃において測定した値である。このポリ
イミド粉のガラス転移温度は 228℃であり、空気中
での5%重量減少温度は 548℃であった。また、こ
のポリイミド粉の赤外吸収スペクトル図を図4に示す。   このスペクトル図では、イミド特性吸収帯である1
780cm−1と1720cm−1付近およびエーテル
結合の特性吸収帯である1240cm−1付近の吸収が
顕著に認められた。また、得られたポリイミド粉の元素
分析値は以下の通りであった。   このポリイミド粉は、メチレンクロリド、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素溶剤に不溶であった。本実
施例で得られたポリイミド粉末の溶融粘度を高化式フロ
ーテスターを使用し、 100kgの荷重および直径 
0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定した
。380℃における溶融粘度は8600ポイズであった
。ここに得られたストランドは淡黄色の可撓性に富んだ
ものであった。また、本実施例で得られたポリイミドの
成形安定性をフローテスターのシリンダー内滞留時間を
変えて測定した。温度は 380℃、荷重 100kg
で行った。シリンダー内での滞留時間が長くなっても溶
融粘度は殆ど変化せず、熱安定性の良好であった。
【0036】比較例3 実施例5と全く同様に、但し無水フタル酸を使用せずに
ポリイミド粉を得た。このポリイミド粉のガラス転移温
度は 229℃、対数粘度は0.69dl/gであった
。実施例5と同様な方法でフローテスターシリンダー内
での滞留時間を変え、溶融粘度を測定したところ、滞留
時間が長くなるに従って溶融粘度が増加し、実施例5で
得られたポリイミドに比べて熱安定性の劣るものであっ
た。
【0037】実施例6 実施例1と同様な反応装置に、3,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル 120.0g (0.6 モル) 、
 ,4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸
二無水物 231.6g(0.576モル) 、無水フ
タル酸 7.10 g (0.048 モル) 、γ−
ピコリン8.4 g、m−クレゾール  1435gを
装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら145 ℃
まで加熱昇温した。 この間約20ccの水の留水が確認された。さらに 1
40〜150℃で4時間反応を行った。その後、室温ま
で冷却し、約10lのメチルエチルケトンに排出した後
、 180℃で24時間減圧乾燥して333g (収率
98%) のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の
対数粘度は0.61dl/gであった。またポリイミド
粉のガラス転移温度は 208℃であり、空気中での5
%重量減少温度は 545℃であった。また、得られた
ポリイミド粉の元素分析値は以下の通りであった。   このポリイミド粉の溶融粘度を測定したところ、3
70 ℃において3900ポイズであった。ここに得ら
れたストランドは淡黄色の可撓性に富んだ強靭なもので
あった。
【0038】実施例7 実施例1と同様な反応装置を用い、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテルを3,3’−ジアミノジフェニルエ
ーテルに変えた以外は実施例5と全く同様にしてポリイ
ミド粉を得た。得られたポリイミド粉の対数粘度は0.
57dl/gであった。このポリイミド粉のガラス転移
温度は 196℃であり、空気中での5%重量減少温度
は 539℃であった。 また、得られたポリイミド粉の元素分析値は以下の通り
であった。   このポリイミド粉の溶融粘度を測定したところ35
0 ℃において4100ポイズであった。ここに得られ
たストランドは無色透明の可撓性に富んだ強靭なもので
あった。
【0039】実施例8 実施例1と同様な反応装置に3,3’−ジアミノジフェ
ニルエーテル 120g (0.6モル) 、 N,N
−ジメチルアセトアミド1076 gを装入し、室温で
窒素雰囲気下に4,4’−(p−フェニレンジオキシ)
ジフタル酸二無水物 238.8g (0.594 モ
ル) を溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、
室温で約20時間かきまぜた。その後、無水フタル酸 
1.77 g(0.012モル) を加え、さらに3時
間攪拌をつづけた。かくして得られたポリアミド酸の対
数粘度は0.98dl/gであった。なお、ポリアミド
酸の対数粘度は N,N−ジメチルアセトアミドを溶媒
とし、 0.5g/100 ml溶媒、35℃で測定し
た値である。このポリアミド酸溶液の一部を取りガラス
板上にキャストした後、 100℃、 200℃および
 300℃で各々1時間加熱して厚さ約50μmのポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの全光
線透過率は87.5%、ヘイズは 0.5%であった。 (測定法は ASTM D−1003に拠る。以下同様
【0040】実施例9 実施例1と同様の反応装置に、 1,4−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン146.0(0.5モル) 
、 3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物147.25g(0.475モル) 
、無水フタル酸7.40g(0.05 モル)、γ−ピ
コリン 7.0g、m−クレゾール1170gを装入し
、窒素雰囲気下において攪拌しながら 145℃まで加
熱昇温した。この間約18ccの水の留出が確認された
。さらに 140〜150 ℃で4時間反応を行った。 その後、室温まで冷却し、約10lのメチルエチルケト
ンに排出した後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイ
ミド粉をメチルエチルケトンで洗浄した後、 180℃
で24時間減圧乾燥して 279.3g (収率98.
8%)のポリイミド粉を得た。かくして得られたポリイ
ミド粉の対数粘度は0.50dl/gであった。なお、
対数粘度は、ポリイミド粉0.50gをp−クロルフェ
ノール/フェノール(重量比9/1)混合溶媒 100
mlに加熱溶解した後、35℃において測定した値であ
る。このポリイミド粉のガラス転移温度 (Tg) は
 222℃であり、結晶化温度 (Tc) は 324
℃、結晶溶解温度 (Tm) は 428℃であった。   また、空気中での5%重量減少温度は 535℃で
あった。このポリイミド粉の赤外吸収スペクトル図を図
5 に示す。このスペクトル図では、イミド特性吸収帯
である1780cm−1と1720cm−1付近および
エーテル結合の特性吸収帯である1240cm−1付近
の吸収が顕著に認められた。また、得られたポリイミド
粉の元素分析値は以下の通りであった。 このポリイミド粉は、メチレンクロリド、クロロホルム
等のハロゲン化炭化水素溶剤に不溶であった。本実施例
で得られたポリイミド粉末の溶融粘度を高化式フローテ
スターを使用し、 100kgの荷重および直径 0.
1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定した。4
50℃における溶融粘度は9000ポイズであった。こ
こに得られたストランドは淡黄色の可撓性に富んだもの
であった。
【0041】比較例4 実施例1と同様な反応装置に、 1,4−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン146.0g(0.5モル)
、ピロメリット酸二無水物103.55g(0.475
モル) 、無水フタル酸 7.4g (0.05モル)
 、γ−ピコリン7.0 g、m−クレゾール1000
gを装入し、実施例9と同様な手法によりポリイミド粉
 237.0g (収率99.2%)を得た。このポリ
イミド粉は明瞭なガラス転移温度を有さず、また 45
0℃において全く溶融流動しなかった。
【0042】実施例10 実施例9と同様な反応装置において、実施例9における
 1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを 
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンに変え
た以下は、実施例9と全く同様な手法によりポリイミド
粉 278.5g (収率98.5%)を得た。かくし
て得られたポリイミド粉の対数粘度は0.50dl/g
であった。  またこのポリイミド粉のTgは 205
℃であり、空気中での5%重量減少温度は 540℃で
あった。このポリイミド粉の赤外吸収スペクトル図を図
6に示す。このスペクトル図ではイミド特性吸収帯であ
る1780cm−1と1720cm−1付近およびエー
テル結合の特性吸収帯である1240cm−1付近の吸
収が顕著に認められた。また、得られたポリイミド粉の
元素分析値は以下の通りであった。   本実施例で得られたポリイミド粉の溶融粘度を高化
式フローテスターを使用し、 370℃で測定したとこ
ろ、1900ポイズであった。ここに得られたストラン
ドは淡黄色の可撓性に富んだものであった。本実施例で
得られたポリイミド粉を用いて 370℃においてフロ
ーテスターシリンダー内での滞留時間を変え、溶融粘度
を測定したところ、溶融粘度の増加はほとんど観測され
なかった。
【0043】比較例5 実施例10と全く同様に、但し無水フタル酸を使用せず
にポリイミド粉を得た。このポリイミド粉のガラス転移
温度は 204℃であり、対数粘度は0.50dl/g
であった。実施例10と同様な方法でフローテスターシ
リンダー内での滞留時間を変え、溶融粘度を測定したと
ころ、滞留時間が長くなるに従って溶融粘度が増加し、
実施例10で得られたポリイミドに比較して熱安定性の
劣るものであった。
【0044】実施例11 実施例1と同様の反応装置に、 1,4−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン146.0g (0.5 モ
ル) 、 3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物 148.8g(0.486 
モル) 、無水フタル酸5.92g (0.04モル)
 、γ−ピコリン7g、m−クレゾール1200gを装
入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら 145℃ま
で加熱昇温した。この間約 18cc の水の留水が確
認された。さらに 140〜150 ℃で4時間反応を
行った。その後、室温まで冷却し、約10lのメチルエ
チルケトンに排出した後、ポリイミド粉を濾別した。こ
のポリイミド粉をメチルエチルケトンで洗浄した後、 
180℃で24時間減圧乾燥して277 g (収率9
8.0%) のポリイミド粉を得た。かくして得られた
ポリイミド粉の対数粘度は、0.48dl/gであった
。このポリイミド粉のTgは 191℃であり、空気中
での5%重量減少温度は 545℃であった。また、得
られたポリイミド粉の元素分析値は以下の通りであった
。   本実施例で得られたポリイミド粉の溶融粘度を高化
式フローテスターを用いて測定したところ、340 ℃
でおいて2800ポイズであった。ここに得られたスト
ランドは無色透明の可撓性に富んだ強靭なものであった
【0045】実施例12 実施例1と同様な反応装置において実施例11における
 1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを 
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンに変え
た以外は実施例11と全く同様な手法によりしてポリイ
ミド粉278 g(収率98.2%)を得た。かくして
得られたポリイミド粉の対数粘度は0.45dl/gで
あった。このポリイミド粉のTgは  172 ℃であ
り、空気中での5%重量減少温度は 540℃であった
。また、得られたポリイミド粉の元素分析値は以下の通
りであった。   本実施例で得られたポリイミド粉の溶融粘度を高化
式フローテスターを用いて測定したところ、290 ℃
で4200ポイズであった。ここに得られたストランド
は無色透明の可撓性に富んだ強靭なものであった。
【0046】実施例13 実施例1と同様な反応容器に 1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン146 g (0.5 モル)
 、 N,N−ジメチルアセトアミド1200gを装入
し、室温で窒素雰囲気下に3,3’,4,4’ −ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物153.45
g (0.495 モル) を溶液温度の上昇に注意し
ながら分割して加え、室温で約20時間かきまぜた。そ
の後、無水フタル酸 1.48g(0.01モル) を
加え、さらに3時間攪拌をつづけた。かくして得られた
ポリアミド酸の対数粘度は0.95dl/gであった。 なお、ポリアミド酸の対数粘度は N,N−ジメチルア
セトアミドを溶媒とし、0.5g/100 ml溶媒、
35℃で測定した値である。このポリアミド酸溶液の一
部を取りガラス板上にキャストした後、 100℃、 
200℃、 300℃で各々1時間加熱して厚さ約50
μmのポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィ
ルムの全光線透過率は86.9%、ヘイズは 0.6%
であった。(測定法は ASTM D−1003に拠る
。以下同様)
【0047】実施例14 実施例1と同様な反応容器に 1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン175.2g(0.6モル) 
、4,4’−(p−フエニレンジオキシ) ジフタル酸
二無水物 231.6g(0.57 モル) 、無水フ
タル酸 10.66g(0.072モル) 、γ− ピ
コリン 8.4g、m−クレゾール 1435gを装入
し、窒素雰囲気下に攪拌しながら145 ℃まで加熱昇
温した。この間約20ccの水の留水が確認された。さ
らに 140〜150 ℃で4時間反応を行った。その
後、室温まで冷却し、約10lのメチルエチルケトンに
排出した後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイミド
粉をメチルエチルケトンで洗浄した後、180℃で24
時間減圧乾燥して386.2 g (収率98.0%)
 のポリイミド粉を得た。かくして得られたポリイミド
粉の対数粘度は、0.51dl/gであった。なお、対
数粘度は、ポリイミド粉0.50gをp−クロルフェノ
ール/フェノール(重量比9/1)混合溶媒 100m
lに加熱溶解した後、35℃において測定した値である
。このポリイミド粉のガラス転移温度は 153℃であ
り、空気中での5%重量減少温度は 521℃であった
。本実施例で得られたポリイミド粉末の溶融粘度を高化
式フローテスターを使用し、 100kg荷重および直
径 0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定
した。 310℃における溶融粘度は5700ポイズで
あった。ここに得られたストランドは淡黄色透明の可撓
性に富んだものであった。また本実施例で得られたポリ
イミドの成形安定性をフローテスターのシリンダー内滞
留時間を変えて測定した。温度は 310℃、荷重 1
00kgで行った。シリンダー内での滞留時間が長くな
っても溶融粘度は殆んど変化せず熱安定性の良好であっ
た。
【0048】比較例6 実施例14と全く同様に、但し無水フタル酸を使用せず
にポリイミド粉365.9g(収率97.5%)を得た
。このポリイミド粉のガラス転移温度は 154℃、対
数粘度は0.51dl/gであった。実施例14と同様
の方法でフローテスターシリンダー内での滞留時間を変
え、溶融粘度を測定したとこ、滞留時間が長くなるに従
って溶融粘度が増加し、実施例14で得られたポリイミ
ドに比べて熱安定性の劣るものであった。
【0049】実施例15 実施例1と同様な反応装置を用い、実施例14における
1,3 −ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを1
,3 −ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンに変え
た以外は全く同様にしてポリイミド粉 388.2g(
 収率98.5%)を得た。 得られたポリイミド粉のガラス転移温度は 180℃で
あり、対数粘度は0.53dl/gであった。このポリ
イミド粉の成形安定性を実施例14と同様に調べた。温
度は350℃、荷重100kg で行った。シリンダー
内での滞留時間が長くなっても溶融粘度は殆ど変化せず
、成形安定性の良好であった。
【0050】比較例7 実施例15と全く同様に、但し無水フタル酸を使用せず
にポリイミド粉368.5g(収率98.2%)を得た
。このポリイミド粉のガラス転移温度は 180℃、対
数粘度は0.53dl/gであった。実施例15と同様
の方法でフローテスターシリンダー内での滞留時間を変
え、溶融粘度を測定したところ、滞留時間が長くなるに
従って溶融粘度が増加し、実施例15で得られたポリイ
ミドに比べて熱安定性の劣るものであった。
【0051】実施例16 実施例1と同様な反応装置に4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル 100.0g( 0.5モル)、 3,
3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物 117.8g(0.38モル)、ピロメリッ
ト酸二無水物 20.71g(0.095モル)、無水
フタル酸7.40g(0.05モル)、γ−ピコリン 
7.0g、m−クレゾール 985gを装入し、窒素雰
囲気下において攪拌しながら 145℃まで加熱昇温し
た。この間約18ccの水の留出が確認された。さらに
 140〜 150℃で4時間反応を行った。その後、
室温まで冷却し、約10lのメチルエチルケトンに排出
した後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイミド粉を
メチルエチルケトンで洗浄した後、 180℃で24時
間減圧乾燥して 224.5g(収率98.5%)のポ
リイミド粉を得た。かくして得られたポリイミド粉の対
数粘度は0.51dl/gであった。なお、対数粘度は
、ポリイミド粉0.50gをp−クロルフェノール/フ
ェノール(重量比9/1)混合溶媒 100mlに加熱
溶解した後、35℃において測定した値である。このポ
リイミド粉のガラス転移温度は 255℃であり、空気
中での5%重量減少温度は 555℃であった。このポ
リイミド粉の赤外吸収スペクトル図を図7に示す。この
スペクトル図では、イミド特性吸収帯である1780c
m−1と、1720cm−1付近およびエーテル結合の
特性吸収帯である1240cm−1付近の吸収が顕著に
認められた。また、得られたポリイミド粉の元素分析値
は以下の通りであった。   このポリイミド粉は、メチレンクロリド、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素溶剤に不溶であった。本実
施例で得られたポリイミド粉末の溶融粘度を高化式フロ
ーテスターを使用し、 100kg荷重および直径 0
.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定した。  400℃における溶融粘度は6400ポイズであった
。ここに得られたストランドは淡黄色透明の可撓性に富
んだものであった。また本実施例で得られたポリイミド
の成形安定性をフローテスターのシリンダー内滞留時間
を変えて測定した。温度は 400℃、荷重 100k
gで行った。結果を図8に示す。シリンダー内での滞留
時間が長くなっても溶融粘度は殆んど変化せず熱安定性
の良好なことがわかる。
【0052】比較例8 実施例16と全く同様に、但し無水フタル酸を使用せず
にポリイミド粉を得た。このポリイミド粉のガラス転移
温度は 265℃、対数粘度は0.51dl/gであっ
た。実施例16と同様の方法でフローテスターシリンダ
ー内での滞留時間を変え、溶融粘度を測定したところ図
8に示す通り、滞留時間が長くなるに従って溶融粘度が
増加し、実施例16で得られたポリイミドに比べて熱安
定性の劣るものであった。
【0053】実施例17〜19および比較例9〜103
,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン
酸二無水物とピロメリット酸二無水物のモル比を変化さ
せた以外は全て実施例16と同様にしてポリイミド粉を
得た。これらのポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温
度、400℃における溶融粘度を比較例と共に表1にま
とめて示す。
【0054】実施例20 実施例1と同様な反応容器に、3,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル 120.0g(0.600モル) 、
 3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカル
ボン酸二無水物141.36g(0.456モル) 、
ピロメリット酸二無水物 24.85g(0.114モ
ル) 、無水フタル酸8.88g (0.06モル) 
、γ−ピコリン 8.4g、m−クレゾール1180g
を装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら 145
℃まで加熱昇温した。この間約21ccの水の留出が確
認された。さらに 140〜150 ℃で4時間反応を
行った。その後、室温まで冷却し、約10lのメチルエ
チルケトンに排出した後、ポリイミド粉を濾別した。こ
のポリイミド粉をメチルエチルケトンで洗浄した後、 
180℃で24時間減圧乾燥して 269.4g (収
率98.5%)のポリイミド粉を得た。かくして得られ
たポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/gであった
。  なお、対数粘度は、ポリイミド粉0.50gをp
−クロルフェノール/フェノール(重量比9/1)混合
溶媒 100mlに加熱溶解した後、35℃において測
定した値である。このポリイミド粉のガラス転移温度は
 237℃であり、空気中での5%重量減少温度は 5
58℃であった。このポリイミド粉の赤外吸収スペクト
ル図を図9に示す。このスペクトル図では、イミド特性
吸収帯である1780cm−1と1720cm−1付近
およびエーテル結合の特性吸収帯である1240cm−
1付近の吸収が顕著に認められた。また、得られたポリ
イミド粉の元素分析値は以下の通りであった。   このポリイミド粉は、メチレンクロリド、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素溶剤に不溶であった。本実
施例で得られたポリイミド粉末の溶融粘度を高化式フロ
ーテスターを使用し、 100kgの荷重、および直径
 0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定し
た。 370℃における溶融粘度は4100ポイズであ
った。ここに得られたストランドは淡黄色透明の可撓性
に富んだものであった。また、本実施例で得られたポリ
イミドの成形安定性をフローテスターのシリンダー内滞
留時間を変えて測定した。 温度は 390℃、荷重 100kgで行った。シリン
ダー内での滞留時間が長くなっても溶融粘度は殆ど変化
せず、熱安定性の良好であった。
【0055】比較例11 実施例1と同様な反応装置に、3,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル 120.0g(0.6モル) 、ピロ
メリット酸二無水物124.26g (0.57モル)
 、無水フタル酸8.88g(0.06モル) 、γ−
ピコリン 8.4g、m−クレゾール980gを装入し
、実施例20と同様な手法によりポリイミド粉 226
.7g(収率98.0%) を得た。このポリイミド粉
は明瞭なガラス転移温度を有さず、また 390℃にお
いても、また 450℃においても全く溶融流動しなか
った。
【0056】実施例21〜23、および比較例12〜1
33,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカル
ボン酸二無水物と、ピロメリット酸二無水物のモル比を
変化させた以外は全て実施例20と同様にしてポリイミ
ド粉を得た。 これらのポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度、 
390℃における溶融粘度を比較例と共に表2にまとめ
て示す。
【0057】比較例14 市販されているカプトン 200H (Kapton 
100H;デュポン社商品名)を用い実施例8と同様な
手法で全光線透過率を測定したところ透過率は49.0
%ヘイズは 1.3%であった。
【0058】比較例15 市販されているウルテム1000 (ULTEM 10
00;ゼネラルエレクトリツク社商品名)のペレットを
メチレンクロリドに溶解させたところ20重量%も溶解
した。
【表1】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリイミドのIRスペクト
ルをそれぞれ示す図である。
【図2】実施例1、比較例2のポリイミドの成形安定性
をフローテスターのシリンダー内に滞留時間を変えて測
定した結果を示す図である。
【図3】実施例2で得られたポリイミドのIRスペクト
ルをそれぞれ示す図である。
【図4】実施例5で得られたポリイミドのIRスペクト
ルをそれぞれ示す図である。
【図5】実施例9で得られたポリイミドのIRスペクト
ルをそれぞれ示す図である。
【図6】実施例10で得られたポリイミドのIRスペク
トルをそれぞれ示す図である。
【図7】実施例16で得られたポリイミドのIRスペク
トルをそれぞれ示す図である。
【図8】実施例16、比較例8のポリイミドの成形安定
性をフローテスターのシリンダー内に滞留時間を変えて
測定した結果を示す図である。
【図9】実施例20で得られたポリイミドのIRスペク
トルをそれぞれ示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポリマーの分子末端が、式(10)【
    化1】 の無水フタル酸から誘導される二価の芳香族基で封止さ
    れ、一般式(2) 【化2】 (式中、Xは 【化3】 または 【化4】 の4価の基を示し、nは1または2の整数である)で表
    される繰り返し構造単位から実質的になるポリイミド。
  2. 【請求項2】  ポリマーの分子末端が、式(10)【
    化5】 の無水フタル酸から誘導される二価の芳香族基で封止さ
    れ、 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 の式(3)で表される繰り返し構造単位および/または
    式(4)で表される繰り返し構造単位と式(5)で表さ
    れる繰り返し構造単位および/または式(6)で表され
    る繰り返し構造単位との実質的に2種以上の繰り返し構
    造単位が混合して構成された溶融成形用ポリイミド。
  3. 【請求項3】  ジアミンとテトラカルボン酸二無水物
    を反応させ、得られたポリアミド酸を熱的又は化学的に
    イミド化して得られるポリイミドに於いて、(イ)ジア
    ミンとして、一般式(3) 【化10】 (式中、nは1または2の整数である)で表されるジア
    ミンを単独または混合して使用し、(ロ)テトラカルボ
    ン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ジフェニル
    エーテルテトラカルボン酸二無水物または4,4’−(
    p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物を使用し
    、(ハ)さらに、反応を無水フタル酸の存在下に行ない
    、かつ無水フタル酸の量がジアミン1モル当り、 0.
    001〜1.0 モルの割合で反応させて得られること
    を特徴とする請求項1記載の成形加工性の良好なポリイ
    ミドの製造方法。
  4. 【請求項4】  ジアミンが、一般式(3)において、
    n=1のジアミンであり、テトラカルボン酸二無水物が
    、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカル
    ボン酸二無水物である請求項3記載のポリイミドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】  ジアミンが、一般式(3)において、
    n=1のジアミンであり、テトラカルボン酸二無水物が
    、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二
    無水物である請求項3記載のポリイミドの製造方法。
  6. 【請求項6】  ジアミンが、一般式(3)において、
    n=2のジアミンであり、テトラカルボン酸二無水物が
    、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカル
    ボン酸二無水物である請求項3記載のポリイミドの製造
    方法。
  7. 【請求項7】  ジアミンとテトラカルボン酸二無水物
    を反応させ、得られたポリアミド酸を熱的又は化学的に
    イミド化して得られるポリイミドに於いて、(イ)ジア
    ミンとして、4,4’− ジアミノジフェニルエーテル
    および3,4’− ジアミノジフェニルエーテルを単独
    または混合して使用し、(ロ)テトラカルボン酸二無水
    物として、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテ
    トラカルボン酸二無水物および/または4,4’−(p
    −フェニレンジオキシフタル酸二無水物をピロメリット
    酸二無水物と混合して使用し、(ハ)さらに、反応を無
    水フタル酸の存在下に行ない、かつ無水フタル酸の量が
    ジアミノ化合物1モル当り、 0.001〜1.0 モ
    ルの割合で反応させて得られることを特徴とする請求項
    2記載の成形加工性の良好なポリイミドの製造方法。
  8. 【請求項8】  ピロメリット酸二無水物の使用量が、
    3,3’,4,4’ −ジフェニルエーテルテトラカル
    ボン酸二無水物1モル当り、0.05〜1.0モルの割
    合である請求項7記載の成形加工性の良好なポリイミド
  9. 【請求項9】  ジアミンが、4,4’− ジアミノジ
    フェニルエーテルであり、テトラカルボン酸二無水物が
    、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカル
    ボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物である請
    求項7記載の成形加工性の良好なポリイミド。
  10. 【請求項10】  ジアミンが、3,4’− ジアミノ
    ジフェニルエーテルであり、テトラカルボン酸二無水物
    が、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカ
    ルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物でる請
    求項7記載の成形加工性の良好なポリイミド。
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