JPH04325531A

JPH04325531A - 太陽電池モジュール用保護シート

Info

Publication number: JPH04325531A
Application number: JP3095546A
Authority: JP
Inventors: Nobuhiro Usami; 宇佐美　信弘; Shunichi Onishi; 俊一大西
Original assignee: Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date: 1991-04-25
Filing date: 1991-04-25
Publication date: 1992-11-13

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アモルファスシリコン
などの半導体を用いた太陽電池モジュールを外部からの
衝撃や透湿に対して保護するために使用されるシート材
料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】無尽蔵な太陽光を利用する太陽電池は、
近年急速に普及しつつあるが、直接外気にさらされると
その機能が低下するため、外気からの保護を目的として
ガラスで電池外面を覆い、さらに下面には透湿防止のた
めにポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）フィルムを敷き
、且つ素子を直接保護するためにエチレンー酢酸ビニル
（ＥＶＡ）が密封充填剤として使用されている。太陽電
池モジュール用保護シートに最も必要とされる性能は、
より効率良くエネルギーをモジュール内に蓄積するため
に、太陽光の受光性がよいこと、即ち透明性が優れてい
ることである。

【０００３】従来、保護シート材料として使用されてい
るものにポリビニルブチラール（ＰＶＢ）があるが、そ
の表面に粘着防止剤として炭酸水素ナトリウムが塗布さ
れているので、これを洗浄除去、乾燥しなければならな
いこと、および材料価格が汎用熱可塑性樹脂に比較して
高価であると言う難点がある。汎用熱可塑性樹脂の中で
もエチレン−酢酸ビニル共重合体は、比較的安価でかつ
透明性に優れているので、保護シート材料としての使用
を期待しうるが、自然環境下で長期に使用した場合その
性能、殊に耐熱性および耐久性が劣り、さらに太陽電池
モジュールを構成するガラス、素子、ポリフッ化ビニル
フィルムへの接着性が十分でない欠点がある。

【０００４】その改良のために、ＥＶＡを有機過酸化物
により架橋して耐熱性および耐久性を向上させる技術（
特公昭６２ー１４１１１号公報）、ＥＶＡに接着機能を
有する極性基を導入したり、ＥＶＡを有機シラン化合物
で変性することにより接着性を改良する技術もあるが、
モジュール構成材料との熱接着に長時間を要しかつ接着
性も十分とは言い難い。

【０００５】また、各種材への接着性が優れるエチレン
と酢酸ビニルとグリシジルメタクリレートとからなる共
重合体（ＥＶＧ）に耐熱、耐久性を付与する観点より有
機過酸化物を配合すると、極めて速い架橋速度により架
橋構造化するが、その反面接着性は大幅に低下し、さら
にシート外観も著しく悪化する。これは反応性に優れる
グリシジルメタクリレートが架橋反応と接着機能の両方
に同時に作用するため、必要とされる接着機能が架橋に
より低下してしまうものと考えられる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性、接
着性およびシート外観に優れた太陽電池モジュール用保
護シートを提供することを目的とし、特定の材料を使用
することによりその課題を解決しようとするものである
。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記の
成分（Ａ）および成分（Ｂ）の合計量に対して、成分（
Ａ）７０〜９５重量％、成分（Ｂ）５〜３０重量％、お
よび（Ａ）と（Ｂ）との合計量１００重量部に対して、
成分（Ｃ）０．１〜５重量部を含有する配合物をシート
に成形することにより、ガラス、ポリフッ化ビニルフィ
ルムとの張り合わせにおいて、架橋速度を適度に制御し
、必要とされる接着性、架橋性およびシート外観の良好
な太陽電池モジュール用保護シートが得られることを見
いだした。（Ａ）酢酸ビニル含量が２０〜４０重量％のエチレンと
酢酸ビニルとの共重合体。（Ｂ）酢酸ビニル含量が２〜４０重量％およびグリシジ
ル（メタ）アクリレート含量が２〜２０重量％のエチレ
ンと酢酸ビニルとグリシジル（メタ）アクリレートとか
らなる共重合体。（Ｃ）１０時間半減期温度が１１５〜１６０℃の有機過
酸化物。

【０００８】（発明の具体的説明）本発明のシートを構
成する材料は、（Ａ）エチレンと酢酸ビニルとの共重合
体、（Ｂ）エチレンと酢酸ビニルとグリシジル（メタ）
アクリレートとからなる共重合体、および（Ｃ）有機過
酸化物の三成分を含有する配合物である。

【０００９】（Ａ）エチレンと酢酸ビニルとの共重合体
本発明で使用されるエチレンと酢酸ビニルとの共重合体
は、酢酸ビニル含量が２０〜４０重量％、好ましくは２
５〜３５重量％のものである。該酢酸ビニル含量がこの
範囲未満であると、シートの透明性が劣り光線透過率が
低下し、一方この範囲を越えるとシートのベタツキが大
きくなりブロッキングが発生する。

【００１０】（Ｂ）エチレンと酢酸ビニルとグリシジル
（メタ）アクリレートとからなる共重合体本発明で使用
されるエチレン、酢酸ビニルおよびグリシジル（メタ）
アクリレートからなる共重合体は、酢酸ビニルを２〜４
０重量％、好ましくは３〜３５重量％、およびグリシジ
ル（メタ）アクリレートを２〜２０重量％、好ましくは
３〜１５重量％含有するものである。酢酸ビニル含量が
上記範囲未満であると、（Ａ）成分共重合体に配合した
ときの相溶性が劣り、配合物の接着性も低下し、逆に上
記範囲を越えるとシートのベタツキが大きくなる。また
、グリシジル（メタ）アクリレート含量が上記範囲未満
でも、同様に配合物の接着性が劣り、上記範囲を越える
と架橋度が高くなって接着性が劣り、シート外観が悪化
する。

【００１１】（Ｃ）有機過酸化物本発明で用いられる有機過酸化物は、本発明シートを太
陽電池モジュールの外部保護材に積層するときに分解さ
れ、前記成分（Ａ）および成分（Ｂ）が架橋される機能
を有するものでなければならない。この目的で用いられ
る有機過酸化物は、１０時間半減期温度が１１５〜１６
０℃のを有するものである。代表的なものとしてはジク
ミルーパーオキサイド、２，５−ジメチル−２，５−ジ
（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキサン、α，α−ビス（ｔ
−ブチルパーオキシ−ｍ−イソプロピル）ベンゼン、ｔ
−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイド、ジ−ｔ−ブチルパーオキサ
イド、ｐ−メンタンハイドロパーオキサイド、２，５−
ジメチル−２，５−ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキシ
ン−３、１，１，３，３，−テトラブチルハイドロパー
オキサイド、２，５−ジメチルヘキサン−２，５−ジハ
イドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド
などを挙げることができる。

【００１２】配合比本発明の配合物は、上記の成分（Ａ）および成分（Ｂ）
の合計量に対して、成分（Ａ）７０〜９５重量％、成分
（Ｂ）５〜３０重量％、および（Ａ）と（Ｂ）との合計
量１００重量部に対して、成分（Ｃ）０．１〜５重量部
、好ましくは０．３〜４重量部である。成分（Ａ）が上
記範囲未満であると、架橋度が高くなり、接着性が劣り
、シート外観が悪化し、一方上記範囲を越えると透明性
、架橋度が劣る。また、成分（Ｃ）については、上記範
囲を満足させることにより、適度な架橋度のシートが得
られ、その透明性が低下せずに高い接着性が保持される
のである。

【００１３】本発明の配合物のメルトフローレートは、
０．１〜５００ｇ／１０分、好ましくは１〜１００ｇ／
１０分である。本発明で使用される配合物には、付加的
成分として各種安定剤、着色剤、アンチブロッキング剤
、滑剤、耐紫外線劣化剤などを必要に応じて配合するこ
とができる。

【００１４】シートの成形配合物からシートを成形するには、通常のポリエチレン
、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン材料の成形と同様に行うことができる
。例えば、Ｔ−ダイ押出機を用いて、有機過酸化物の分
解温度以下、例えば９０〜１２０℃の温度で成形し、０
．１〜１．０ｍｍ程度の厚さのシートを得ることができ
る。このようにして得られたシートは、太陽電池モジュ
ールの外部保護材、例えばガラス、ＰＶＤＦなどに積層
して使用される。

【００１５】

【実施例】

実施例１エチレン／酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含量２８重
量％、メルトフローレート１５ｇ／１０分）９０重量％
に、エチレン／酢酸ビニル／グリシジルメタクリレート
三元共重合体（酢酸ビニル含量７重量％、グリシジルメ
タクリレート含量１０重量％、メルトフローレート１５
ｇ／１０分）１０重量％の配合物１００重量部に対して
、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド２重量部
を配合した混合物を、Ｔ−ダイ押出成形機を用いて１１
０℃の温度で厚さ０．８ｍｍのシートに成形した。得ら
れたシートを１５０℃のホットプレートにて１０分間加
熱して有機過酸化物を分解させて、ガラス・ＰＶＤＦ保
護材と接着した太陽電池モジュールを作成した。　　太
陽電池モジュールの性能は、シート外観の目視判定、４
５０ｍμにおける光線透過率、外部保護材との剥離強度
および架橋度（キシレン１０時間沸点抽出による未溶出
量）を測定した。その結果を表１に示す。

【００１６】実施例２エチレン／酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含量３３重
量％、メルトフローレート１５ｇ／１０分）９０重量％
に、エチレン／酢酸ビニル／グリシジルメタクリレート
三元共重合体（酢酸ビニル含量７重量％、グリシジルメ
タクリレート含量１０重量％、メルトフローレート１５
ｇ／１０分）１０重量％の配合物１００重量部に対して
、有機過酸化物としてジｔ−ブチルパーオキサイド２重
量部を配合した混合物を用いた以外は、実施例１と同様
にして厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実施
例１と同様にしてモジュールを作成し、その性能を測定
した。その結果を表１に示す。

【００１７】実施例３エチレン／酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含量３３重
量％、メルトフローレート１５ｇ／１０分）７０重量％
に、エチレン／酢酸ビニル／グリシジルメタクリレート
三元共重合体（酢酸ビニル含量７重量％、グリシジルメ
タクリレート含量１０重量％、メルトフローレート１５
ｇ／１０分）３０重量％の配合物１００重量部に対して
、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド２重量部
を配合した混合物を用いた以外は、実施例１と同様にし
て厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実施例１
と同様にしてモジュールを作成し、その性能を測定した
。その結果を表１に示す。

【００１８】実施例４エチレン／酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含量２８重
量％、メルトフローレート１５ｇ／１０分）９０重量％
に、エチレン／酢酸ビニル／グリシジルメタクリレート
三元共重合体（酢酸ビニル含量１５重量％、グリシジル
メタクリレート含量１５重量％、メルトフローレート２
０ｇ／１０分）１０重量％の配合物１００重量部に対し
て、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド２重量
部を配合した混合物を用いた以外は、実施例１と同様に
して厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実施例
１と同様にしてモジュールを作成し、その性能を測定し
た。その結果を表１に示す。

【００１９】比較例１エチレン／酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含量２８重
量％、メルトフローレート１５ｇ／１０分）５０重量％
に、エチレン／酢酸ビニル／グリシジルメタクリレート
三元共重合体（酢酸ビニル含量７重量％、グリシジルメ
タクリレート含量１０重量％、メルトフローレート１５
ｇ／１０分）５０重量％の配合物１００重量部に対して
、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド２重量部
を配合した混合物を用いた以外は、実施例１と同様にし
て厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実施例１
と同様にしてモジュールを作成し、その性能を測定した
。その結果を表１に示す。

【００２０】比較例２エチレン／酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含量３３重
量％、メルトフローレート１５ｇ／１０分）９０重量％
に、エチレン／酢酸ビニル／グリシジルメタクリレート
三元共重合体（酢酸ビニル含量７重量％、グリシジルメ
タクリレート含量１０重量％、メルトフローレート１５
ｇ／１０分）１０重量％の配合物１００重量部に対して
、有機過酸化物としてジｔ−ブチルパーオキサイド０．
０５重量部を配合した混合物を用いた以外は、実施例１
と同様にして厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実施例１と同様にしてモジュールを作成し、その
性能を測定した。その結果を表１に示す。

【００２１】比較例３エチレン／酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含量１０重
量％、メルトフローレート９ｇ／１０分）９０重量％に
、エチレン／酢酸ビニル／グリシジルメタクリレート三
元共重合体（酢酸ビニル含量７重量％、グリシジルメタ
クリレート含量１０重量％、メルトフローレート１５ｇ
／１０分）１０重量％の配合物１００重量部に対して、
有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド２重量部を
配合した混合物を用いた以外は、実施例１と同様にして
厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実施例１と
同様にしてモジュールを作成し、その性能を測定した。その結果を表１に示す。

【００２２】比較例４エチレン／酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニル含量２８重
量％、メルトフローレート１５ｇ／１０分）９０重量％
に、エチレン／グリシジルメタクリレート共重合体（グ
リシジルメタクリレート含量１０重量％、メルトフロー
レート１５ｇ／１０分）１０重量％の配合物１００重量
部に対して、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイ
ド２重量部を配合した混合物を用いた以外は、実施例１
と同様にして厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また
、実施例１と同様にしてモジュールを作成し、その性能
を測定した。その結果を表１に示す。

【００２３】

【表１】　　　　表　　１　　　　　　　　　　　　　　　　　　光線透過率　　
　　剥離強度（ｋｇ／ｃｍ２）　　　　　架橋度　　　
シート（％）　　　　　　　ガラス　　　　ＰＶＤＦ　
　　　　　　（％）　　　　　外観実施例１　　　　　　　　　　８６　　　　　　　　　
２．０　　　　　　　２．３　　　　　　　　　　　７
５　　　　　　　良実施例２　　　　　　　　　　９１
　　　　　　　　　２．６　　　　　　　２．７　　　
　　　　　　　　７８　　　　　　　良実施例３　　　
　　　　　　　９０　　　　　　　　　２．１　　　　
　　　２．２　　　　　　　　　　　７８　　　　　　
　良実施例４　　　　　　　　　　８８　　　　　　　
　　２．０　　　　　　　２．１　　　　　　　　　　
　８３　　　　　　　良比較例１　　　　　　　　　　
８６　　　　　　　　　１．０　　　　　　　１．０　
　　　　　　　　　　９０　　　　　　不良比較例２　
　　　　　　　　　９１　　　　　　　　　２．６　　
　　　　　２．７　　　　　　　　　　　６８　　　　
　　　良比較例３　　　　　　　　　　６５　　　　　
　　　　２．１　　　　　　　２．２　　　　　　　　
　　　７０　　　　　　　良比較例４　　　　　　　　
　　９０　　　　　　　　　１．０　　　　　　　１．
０　　　　　　　　　　　７８　　　　　　　良ＰＶＤ
Ｆ：　ポリフッ化ビニリデンフィルム

【００２４】

【発明の効果】本発明の太陽電池モジュール用保護シー
トは、従来のものに比べて透明性、接着性、シート外観
が優れており、実用性能が一段と向上したものである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　下記の成分（Ａ）および成分（Ｂ）の
合計量に対して、成分（Ａ）７０〜９５重量％、成分（
Ｂ）５〜３０重量％、および（Ａ）と（Ｂ）との合計量
１００重量部に対して、成分（Ｃ）０．１〜５重量部を
含有する配合物をシートに成形してなる太陽電池モジュ
ール用保護シート。（Ａ）酢酸ビニル含量が２０〜４０重量％のエチレンと
酢酸ビニルとの共重合体。（Ｂ）酢酸ビニル含量が２〜４０重量％およびグリシジ
ル（メタ）アクリレート含量が２〜２０重量％のエチレ
ンと酢酸ビニルとグリシジル（メタ）アクリレートとか
らなる共重合体。（Ｃ）１０時間半減期温度が１１５〜１６０℃の有機過
酸化物。