JPH04311732A

JPH04311732A - 太陽電池モジュール用保護シート

Info

Publication number: JPH04311732A
Application number: JP3077841A
Authority: JP
Inventors: Nobuhiro Usami; 宇佐美　信弘; Shunichi Onishi; 俊一大西
Original assignee: Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date: 1991-04-10
Filing date: 1991-04-10
Publication date: 1992-11-04

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アモルファスシリコン
などの半導体を用いた太陽電池モジュールを外部からの
衝撃や透湿に対して保護するために使用されるシート材
料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】無尽蔵な太陽光を利用する太陽電池は、
近年急速に普及しつつあるが、直接外気にさらされると
その機能が低下するため、外気からの保護を目的として
ガラスで電池外面を覆い、さらに下面には透湿防止のた
めにポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）フィルムを敷き
、且つ素子を直接保護するためにエチレンー酢酸ビニル
（ＥＶＡ）が密封充填剤として使用されている。太陽電
池モジュール用保護シートに最も必要とされる性能は、
より効率良くエネルギーをモジュール内に蓄積するため
に、太陽光の受光性がよいこと、即ち透明性が優れてい
ることである。

【０００３】従来、保護シート材料として使用されてい
るものにポリビニルブチラール（ＰＶＢ）があるが、そ
の表面に粘着防止剤として炭酸水素ナトリウムが塗布さ
れているので、これを洗浄除去、乾燥しなければならな
いこと、および材料価格が汎用熱可塑性樹脂に比較して
高価であると言う難点がある。　　汎用熱可塑性樹脂の
中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体は、比較的安価で
かつ透明性に優れているので、保護シート材料としての
使用を期待しうるが、自然環境下で長期に使用した場合
その性能、殊に耐熱性および耐久性が劣化し、さらに太
陽電池モジュールを構成するガラス、素子、ポリフッ化
ビニルフィルムへの接着性が十分でない欠点がある。

【０００４】その改良のために、ＥＶＡを有機過酸化物
により架橋して耐熱性および耐久性を向上させる技術（
特公昭６２ー１４１１１号公報）、ＥＶＡに接着機能を
有する極性基を導入したり、ＥＶＡを有機シラン化合物
で変性することにより接着性を改良する技術もあるが、
モジュール構成材料との熱接着に長時間を要しかつ接着
性も十分とは言い難い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性、接
着性およびシート外観に優れた太陽電池モジュール用保
護シートを提供することを目的とし、特定の材料を使用
することによりその課題を解決しようとするものである
。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、エチレ
ン、不飽和カルボン酸エステルおよびグリシジルメタク
リレートからなり、不飽和カルボン酸エステル含量が２
０〜４０重量％で且つグリシジルメタクリレート含量が
０．１〜５重量％である共重合体１００重量部および有
機過酸化物０．１〜５重量部を含有する配合物をシート
に成形してなる太陽電池モジュール用保護シートが提供
される。

【０００７】（発明の具体的説明）本発明のシートを構
成する材料は、エチレン、不飽和カルボン酸エステルお
よびグリシジルメタクリレートからなる共重合体および
有機過酸化物を含有する配合物である。本発明で使用さ
れるエチレン、不飽和カルボン酸エステルおよびグリシ
ジルメタクリレートからなる共重合体は、不飽和カルボ
ン酸エステルを２０〜４０重量％、好ましくは２５〜３
５重量％含有するものである。該エステル含量が２０重
量％未満であると、シートの透明性が劣り光線透過率が
低下し、４０重量％を越えるとシートのベタツキが大き
くなりブロッキングが発生する。

【０００８】不飽和カルボン酸エステルとしては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルな
どのアクリル酸エステルが好んで用いられる。グリシジ
ルメタクリレートは、該共重合体中に０．１〜５重量％
、好ましくは０．３〜５重量％含有されていることが必
要であり、０．１重量％未満では接着性が劣るとともに
架橋性も低下し、５重量％を越えると反対に架橋性が高
くなり過ぎて接着性が悪くなり、シートの外観も悪化す
る。該共重合体のメルトフローレート（ＭＦＲ）は、０
．１〜５００ｇ／１０分、好ましくは１〜１００ｇ／１
０分である。

【０００９】本発明で用いられる有機過酸化物は、本発
明シートを太陽電池モジュールの外部保護材に積層する
ときに分解され、前記共重合体が架橋される機能を有す
るものであればいかなるものでも使用することができる
。一般的には、１２０〜１６０℃の１０時間半減期温度
を有するものが好んで用いられ、代表的なものとしては
ジクミルーパーオキサイド、２，５−ジメチル−２，５
−ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキサン、α，α−ビス
（ｔ−ブチルパーオキシ−ｍ−イソプロピル）ベンゼン
、ｔ−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−ｔ−ブチルパーオ
キサイド、ｐ−メンタンハイドロパーオキサイド、２，
５−ジメチル−２，５−ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘ
キシン−３、１，１，３，３，ーテトラブチルハイドロ
パーオキサイド、２，５−ジメチルヘキサン−２，５−
ジハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イドなどを挙げることができる。

【００１０】これら有機過酸化物の使用量は、前記共重
合体１００重量部に対して、０．１〜５重量部、好まし
くは０．３〜３重量部である。この配合量を満足させる
ことにより、適度な架橋度のシートが得られ、その透明
性が低下せずに高い接着性が保持されるのである。

【００１１】本発明で使用される配合物は、上記のエチ
レン／不飽和カルボン酸エステル／グリシジルメタクリ
レート共重合体および有機過酸化物とから基本的になる
が、各種安定剤、着色剤、アンチブロッキング剤、滑剤
、耐紫外線劣化剤などを必要に応じて配合することがで
きる。

【００１２】配合物からシートを成形するには、通常の
ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン材料の成形と同様に行う
ことができる。例えば、Ｔ−ダイ押出機を用いて、有機
過酸化物の分解温度以下、例えば９０〜１２０の温度で
成形し、０．１〜１．０ｍｍ程度の厚さのシートを得る
ことができる。このようにして得られたシートは、太陽
電池モジュールの外部保護材、例えばガラス、ＰＶＤＦ
などに積層して使用される。

【００１３】

【実施例】実施例１エチレン／エチルアクリレート／グリシジルメタクリレ
ート共重合体（エチルアクリレート含量２８重量％、グ
リシジルメタクリレート含量１重量％、メルトフローレ
ート１５ｇ／１０分）１００重量部に有機過酸化物とし
てジクミルパーオキサイド２重量部を配合した混合物を
、Ｔ−ダイ押出成形機を用いて１１０℃の温度で厚さ０
．８ｍｍのシートに成形した。得られたシートを外部保
護材（ガラスまたはＰＶＤＦ）と共に、１５０℃のホッ
トプレートにて１０分間加熱して有機過酸化物を分解さ
せて、両者が密着した太陽電池モジュールを作成した。太陽電池モジュールの性能は、シート外観の目視判定、
４５０ｍμにおける光線透過率、外部保護材との剥離強
度および架橋度（キシレン１０時間沸点抽出による未溶
出量）を測定した。その結果を表１に示す。

【００１４】実施例２エチレン／メチルアクリレート／グリシジルメタクリレ
ート共重合体（メチルアクリレート含量３３重量％、グ
リシジルメタクリレート含量１重量％、メルトフローレ
ート１５ｇ／１０分）１００重量部に有機過酸化物とし
てジｔ−ブチルパーオキサイド２重量部を配合した混合
物を用いた以外は、実施例１と同様にして厚さ０．８ｍ
ｍのシートを成形した。また、実施例１と同様にしてモ
ジュールを作成し、その性能を測定した。その結果を表
１に示す。

【００１５】実施例３エチレン／エチルアクリレート／グリシジルメタクリレ
ート共重合体（エチルアクリレート含量３３重量％、グ
リシジルメタクリレート含量０．５重量％、メルトフロ
ーレート１５ｇ／１０分）を用いた以外は、実施例１と
同様にして厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、
実施例１と同様にしてモジュールを作成し、その性能を
測定した。その結果を表１に示す。

【００１６】実施例４エチレン／エチルアクリレート／グリシジルメタクリレ
ート共重合体（エチルアクリレート含量２８重量％、グ
リシジルメタクリレート含量５重量％、メルトフローレ
ート１５ｇ／１０分）を用いた以外は、実施例１と同様
にして厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実施
例１と同様にしてモジュールを作成し、その性能を測定
した。その結果を表１に示す。

【００１７】比較例１エチレン／酢酸ビニル／グリシジルメタクリレート共重
合体（酢酸ビニル含量３３重量％、グリシジルメタクリ
レート含量１重量％、メルトフローレート１５ｇ／１０
分）を用いた以外は、実施例１と同様にして厚さ０．８
ｍｍのシートを成形した。また、実施例１と同様にして
モジュールを作成し、その性能を測定した。その結果を
表１に示す。

【００１８】比較例２エチレン／エチルアクリレート／グリシジルメタクリレ
ート共重合体（エチルアクリレート含量１４重量％、グ
リシジルメタクリレート含量１重量％、メルトフローレ
ート１５ｇ／１０分）を用いた以外は、実施例１と同様
にして厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実施
例１と同様にしてモジュールを作成し、その性能を測定
した。その結果を表１に示す。

【００１９】比較例３エチレン／エチルアクリレート／グリシジルメタクリレ
ート共重合体（エチルアクリレート含量２８重量％、グ
リシジルメタクリレート含量０．０５重量％、メルトフ
ローレート１５ｇ／１０分）を用いた以外は、実施例１
と同様にして厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また
、実施例１と同様にしてモジュールを作成し、その性能
を測定した。その結果を表１に示す。

【００２０】比較例４エチレン／エチルアクリレート／グリシジルメタクリレ
ート共重合体（エチルアクリレート含量２８重量％、グ
リシジルメタクリレート含量１０重量％、メルトフロー
レート１５ｇ／１０分）を用いた以外は、実施例１と同
様にして厚さ０．８ｍｍのシートを成形した。また、実
施例１と同様にしてモジュールを作成し、その性能を測
定した。その結果を表１に示す。

【００２１】

【表１】　　　　表　　１　　　　　　　　　　　　　　　　　　光線透過率　　
　　剥離強度（ｋｇ／ｃｍ２）　　　　　架橋度　　　
シート（％）　　　　　　　ガラス　　　　ＰＶＤＦ　
　　　　　　（％）　　　　　外観実施例１　　　　　　　　　　８６　　　　　　　　　
２．１　　　　　　　２．３　　　　　　　　　　　７
６　　　　　　　良実施例２　　　　　　　　　　９０
　　　　　　　　　２．０　　　　　　　２．１　　　
　　　　　　　　７８　　　　　　　良実施例３　　　
　　　　　　　９０　　　　　　　　　１．９　　　　
　　　１．９　　　　　　　　　　　７８　　　　　　
　良実施例４　　　　　　　　　　８９　　　　　　　
　　１．８　　　　　　　１．９　　　　　　　　　　
　８３　　　　　　　良比較例１　　　　　　　　　　
９０　　　　　　　　　２．５　　　　　　　２．６　
　　　　　　　　　　７８　　　　　　不良比較例２　
　　　　　　　　　６５　　　　　　　　　１．７　　
　　　　　１．９　　　　　　　　　　　６８　　　　
　　　良比較例３　　　　　　　　　　８９　　　　　
　　　　０．９　　　　　　　１．０　　　　　　　　
　　　７６　　　　　　　良比較例４　　　　　　　　
　　８６　　　　　　　　　０．９　　　　　　　１．
１　　　　　　　　　　　８５　　　　　　不良ＰＶＤ
Ｆ：　ポリフッ化ビニリデンフィルム

【００２２】

【発明の効果】本発明の太陽電池モジュール用保護シー
トは、従来のものに比べて透明性、接着性、シート外観
が優れており、実用性能が一段と向上したものである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　エチレン、不飽和カルボン酸エステル
およびグリシジルメタクリレートからなり、不飽和カル
ボン酸エステル含量が２０〜４０重量％で且つグリシジ
ルメタクリレート含量が０．１〜５重量％である共重合
体１００重量部および有機過酸化物０．１〜５重量部を
含有する配合物をシートに成形してなる太陽電池モジュ
ール用保護シート。