JP4480106B2 - 太陽電池モジュ−ル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池モジュ−ルに関し、更に詳しくは、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐光性、耐水性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、種々の用途に適する極めて有用な太陽電池モジュ−ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリ−ンなエネルギ−源としての太陽電池が注目され、現在、種々の形態からなる太陽電池モジュ−ルが開発され、提案されている。
一般に、上記の太陽電池モジュ−ルは、例えば、結晶シリコン太陽電池素子あるいはアモルファスシリコン太陽電池素子等を製造し、そのような太陽電池素子を使用し、表面保護シ−ト、充填剤層、光起電力素子としての太陽電池素子、充填剤層、および、裏面保護シ−ト等の順に積層し、次いで、それらを真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して製造されている。
而して、上記の太陽電池モジュ−ルは、当初、電卓への適用を始めとし、その後、各種の電子機器等に応用され、民生用の利用として、その応用範囲は急速に広まりつつあり、更に、今後、最も重要な課題として、大規模集中型太陽電池発電の実現であるとされている。
ところで、上記の太陽電池モジュ−ルにおいて、これを構成する充填剤層としては、それが、表面側に位置するものは、太陽光が入射し、これを透過する透明性を有することが必要であるが、それが、裏面側に位置するものは、必ずしも、透明性を有することを必要とされないものである。
また、上記の太陽電池モジュ−ルを構成する充填剤層としては、表面保護シ−トあるいは裏面保護シ−トとの接着性を有すること、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の表面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、更には、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐光性、耐水性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、また、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていること等が必要であるとされているものである。
而して、現在、上記の充填剤層を構成する材料としては、その加工性、施工性、製造コスト、その他等の観点から、厚さ400μm〜600μm位のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる充填剤層が、最も一般的なものとして使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の厚さ400μm〜600μm位のエチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる充填剤層を使用し、これを、表面保護シ−ト、太陽電池素子、および、裏面保護シ−ト等と積層し、一体的に真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を用いて直接積層すると、その加熱圧着等の条件により、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる充填剤層が影響を受け、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体が、熱収縮したり、あるいは、熱分解等を起こし、例えば、酢酸ガス、その他等の分解ガス、分解物等を発生し、これが、太陽電池素子等に悪影響を与え、その劣化、あるいは、発電効率の低下等を引き起こすという問題点がある。
更に、上記のようにエチレン−酢酸ビニル共重合体が、熱収縮したり、あるいは、熱分解等を起こし、例えば、酢酸ガス、その他等の分解ガス等を発生すると、その作業環境等を悪化させ、作業者等への影響も避けられず、製造環境改善等が避けられず、著しくコスト高になるばかりではなくその生産性等を著しく阻害するものである。
更に、上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂自体、若干、強度に欠け、かつ、耐候性、耐熱性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性にそれ程優れているものではなく、例えば、太陽光等が当たると、その紫外線等により劣化し、例えば、黄変等の変色を起こし、その外観の意匠性、装飾性等を著しく損なうという問題点もあるものである。
そこで本発明は、充填剤層を構成する材料が、太陽電池モジュ−ルの製造条件等に影響を受けることなく、更に、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、安定的に、低コストで、種々の用途に適用し得る太陽電池モジュ−ルを製造することを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、太陽電池モジュールについて、上記のような問題点を解決すべく種々研究の結果、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物に着目し、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる充填剤層に代えて所定の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層を使用し、まず、表面保護シート、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、太陽電池素子、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、および、裏面保護シートを順次に積層し、次いで、これらを一体的に真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して太陽電池モジュールを製造したところ、上記の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層が、その加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく、更に、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、これにより、安定的に、低コストで製造可能であり、種々の用途に適用し得る極めて有用な太陽電池モジュールを製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、表面保護シート、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、太陽電池素子、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、および、裏面保護シートを順次に積層し、一体化した太陽電池モジュールであって、前記充填剤層を構成する熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物が、(a1)少なくとも1種の不飽和カルボン酸無水物をグラフトした変性ポリオレフィンであり、その変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸無水物基の成分濃度が0.1〜20重量%である変性ポリオレフィン、(b1)分子内に少なくとも2個の水酸基を有する多価アルコール化合物及び(c1)反応促進剤を含有し、成分(a1)の変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸無水物に由来する単位に対し、成分(b1)である多価アルコール化合物中の水酸基の単位のモル比が0.01〜10の範囲であり、かつ成分(c1)である反応促進剤が成分(a1)である変性ポリオレフィン100重量部に対して0.001〜20重量部の範囲であることを特徴とする熱可逆架橋性樹脂組成物(A)、(a2)エチレン、ラジカル重合性酸無水物及び必要に応じて他のラジカル重合性コモノマーとを共重合してなる共重合体であり、該共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位が0.1〜10重量%であり、その他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位が多くとも30重量%であるエチレン系共重合体、及び、(b2)分子内に水酸基を少なくとも二つ以上有する多価アルコール化合物、及び、(c2)反応促進剤、とからなる熱可逆架橋性樹脂組成物(B)、(a3)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合体であって、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体、および、(b3)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の水酸基含有重合体からなり、(a3)成分のカルボン酸無水物基数に対する(b3)成分の水酸基数の比が0.1〜5であることを特徴とする熱可逆架橋性樹脂組成物(C)のいずれかからなることを特徴とする太陽電池モジュールに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
なお、本発明において、シ−トとは、シ−ト状物ないしフィルム状物のいずれの場合も意味するものであり、また、フィルムとは、フィルム状物ないしシ−トシ−ト状物のいずれの場合も意味するものである。
本発明にかかる太陽電池モジュ−ルについてその層構成を図面等を用いて更に具体的に説明すると、図1は、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルについてその層構成の一例を例示する概略的断面図である。
【0007】
まず、本発明において、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルAは、図1に示すように、表面保護シ−ト1、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層2、光起電力素子としての太陽電池素子3、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層4、および、裏面保護シ−ト層5を順次に積層し、次いで、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等の通常の成形法を用いて、上記の各層を一体化成形体とした構成からなることを基本構造とするものである。
上記の例示は、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルについてその一例を例示するものであり、本発明はこれにより限定されるものではない。
例えば、図示しないが、上記の太陽電池モジュ−ルにおいては、太陽光の吸収性、補強、その他等の目的のもとに、更に、他の基材等を任意に加えて積層し、一体化して太陽電池モジュ−ルを製造することができるものである。
【0008】
次に、本発明において、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを構成する材料、製造法等について更に詳しく説明すると、まず、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを構成する表面保護シ−トとしては、太陽光の透過性、電気絶縁性等を有し、かつ、機械的あるいは化学的ないし物理的強度に優れ、具体的には、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、耐薬品性等の諸堅牢性に優れ、特に、耐候性に優れていると共に水分、酸素等の侵入を防止する防湿性に優れ、また、表面硬度が高く、かつ、表面の汚れ、ゴミ等の蓄積を防止する防汚性に優れ、極めて耐久性に富み、その保護能力性が高いこと等の特性を有することが望ましいものである。
【0009】
本発明において、上記のような表面保護シ−トとしては、具体的には、例えば、ガラス板等は勿論のこと、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
而して、本発明において、上記のようなフッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂のフィルムないしシ−トは、機械的特性、化学的特性、物理的特性等に優れ、具体的には、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐防湿性、耐汚染性、耐薬品性、その他等の諸堅牢性に優れて、太陽電池を構成する保護シ−トとして有用性を有し、耐久性、保護機能性等に優れ、また、そのフレキシブル性や機械的特性、化学的特性等から軽量で、かつ、加工性等に優れ、そのハンドリングし易い等の利点を有するものである。
【0010】
本発明においては、上記のような各種の樹脂のフィルムないしシ−トのなかでも、特に、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマ−(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、または、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂の1種ないしそれ以上からなる透明性を有するフッ素系樹脂シ−トを使用することが好ましいものである。
なお、本発明においては、上記のフッ素系樹脂シ−トの中でも、特に、ポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)、または、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)からなるフッ素系樹脂シ−トが、透明性を有し、太陽光の透過性等の観点から好ましいものである。
【0011】
また、本発明においては、上記のような各種の樹脂のフィルムないしシ−トのなかでも、上記のフッ素系樹脂シ−トと共に、特に、例えば、シクロペンタジエンおよびその誘導体、ジシクロペンタジエンおよびその誘導体、シクロヘキサジエンおよびその誘導体、ノルボルナジエンおよびその誘導体、その他等の環状ジエンを重合させてなるポリマ−、あるいは、該環状ジエンとエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、その他等のオレフィン系モノマ−の1種ないしそれ以上とを共重合させてなるコポリマ−等からなる透明な環状ポリオレフィン系樹脂シ−トを使用することが好ましいものである。
なお、本発明においては、上記の透明な環状ポリオレフィン系樹脂シ−トの中でも、更に、シクロペンタジエンおよびその誘導体、ジシクロペンタジエンおよびその誘導体、または、ノルボルナジエンおよびその誘導体等の環状ジエンのポリマ−ないしコポリマ−からなる透明な環状ポリオレフィン系樹脂シ−トが、耐候性、耐水性等に優れ、更に、透明性を有し、太陽光の透過性等の観点から好ましいものである。
而して、本発明において、上記のようなフッ素系樹脂シ−トあるいは環状ポリオレフィン系樹脂シ−トを使用することにより、該フッ素系樹脂シ−トあるは環状ポリオレフィン系樹脂シ−トが有する機械的特性、化学的特性、物理的特性等の優れた特性、具体的には、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐防湿性、耐汚染性、耐薬品性、その他等の諸特性を利用して太陽電池を構成する表面保護シ−トとするものであり、これにより、耐久性、保護機能性等を有し、また、そのフレキシブル性や機械的特性、化学的特性等から軽く、かつ、加工性等に優れ、そのハンドリングし易い等の利点を有するものである。
【0012】
本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、要すれば、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜300μm位、より好ましくは、9〜150μm位が望ましい。
また、本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、可視光透過率が、90%以上、好ましくは、95%以上であって、入射する太陽光を全て透過する性質を有することが望ましいものである。
【0013】
なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0014】
而して、本発明においては、上記の添加剤の中でも、特に、耐候性、耐突き刺し性等を向上させるために、紫外線吸収剤、酸化防止剤、あるいは、強化繊維の1種ないし2種以上を練れ込み加工してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
上記の紫外線吸収剤としては、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギ−へと変換し、高分子中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものであり、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系、サルチレ−ト系、アクリルニトリル系、金属錯塩系、ヒンダ−ドアミン系、超微粒子酸化チタン(粒子径、0.01〜0.06μm)あるいは超微粒子酸化亜鉛(0.01〜0.04μm)等の無機系ないし有機系等の紫外線吸収剤の1種ないしそれ以上を使用することができる。
また、上記の酸化防止剤としては、高分子の光劣化あるいは熱劣化等を防止するものであり、例えば、フェノ−ル系、アミン系、硫黄系、燐酸系、その他等の酸化防止剤を使用することができる。
更に、上記の紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤としては、例えば、ポリマ−を構成する主鎖または側鎖に、上記のベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤あるいは上記のフェノ−ル系等の酸化防止剤を化学結合させてなるポリマ−型の紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤等も使用することができる。
また、上記の強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、天然繊維、その他等を使用することができ、それらは、長ないし短繊維状物、または、織布ないし不織布状物、その他等で使用することができる。
上記の紫外線吸収剤、酸化防止剤、強化繊維等の含有量としては、その粒子形状、密度、その他等によって異なるが、約0.1〜10重量%位が好ましい。
【0015】
次に、本発明において、太陽電池素子の両面に積層する熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層について説明すると、かかる充填剤層としては、太陽電池素子の表面側に積層する充填剤層としては、太陽光が入射し、これを透過する透明性を有することが必要であり、また、表面保護シ−トとの接着性を有することも必要であり、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の表面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、更には、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
他方、太陽電池素子の裏面側に積層する充填剤層としては、上記の太陽電池素子の表面側に積層する充填剤層と同様に、裏面保護シ−トとの接着性を有することも必要であり、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の裏面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、更には、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
しかし、太陽電池素子の裏面側に積層する充填剤層としては、上記の太陽電池素子の表面側に積層する充填剤層と異なり、必ずも、透明性を有することを必要としないものである。
而して、本発明において、太陽電池素子の両面に積層する熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層としては、ほぼ同じ材料を同様に使用することができるものである。
【0016】
ところで、本発明において、太陽電池素子の表面側または裏面側の両面に積層する熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層としては、次の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を用いて充填剤層を形成することができる。
次に、上記の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物について説明する。
【0017】
(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物について
上記の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物は、(a)少なくとも1種の不飽和カルボン酸無水物をグラフトした変性ポリオレフィンであり、その変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸無水物基の成分濃度が0.1〜20重量%である変性ポリオレフィン、(b)分子内に少なくとも2個の水酸基を有する多価アルコール化合物及び(c)反応促進剤を含有し、成分(a)の変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸無水物に由来する単位に対し、成分(b)である多価アルコール化合物中の水酸基の単位のモル比が0.01〜10の範囲であり、かつ成分(c)である反応促進剤が成分(a)である変性ポリオレフィン100重量部に対して0.001〜20重量部の範囲であることを特徴とする熱可逆架橋性樹脂組成物からなるものである。
【0018】
次に、上記の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物の各成分について説明する。
まず、成分(a)は、少なくとも1種の不飽和カルボン酸無水物をグラフトした変性ポリオレフィンを使用することができる。
上記の変性ポリオレフィンを製造するために使用されるポリオレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のオレフィンの単独重合体又はこれらのオレフィンの2種以上のランダムあるいはブロック共重合体、又は、これらのオレフィンを主成分とした酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等との2元又は多元共重合体等を使用することができる。
上記の変性ポリオレフィンとしては、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エステル共重合体、または、エチレン−メタクリル酸共重合体の亜鉛塩、その他等の1種ないし2種以上混合物を使用することができる。
【0019】
次に、上記の成分(a)を構成するグラフトモノマーとして用いられる不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアルケニル無水コハク酸、炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアルカジエニル無水コハク酸、その他等を使用することができる。
これらは、単独で又は2種類以上同時に併用しても差し支えないものである。
本発明においては、特に、無水マレイン酸、または、無水イタコン酸を使用することが好ましいものである。
【0020】
次に、上記の成分(a)である変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸無水物に由来する単位は、0.1〜20重量%の範囲であることが必要であり、1〜10重量%の範囲であるのが好ましいものである。
上記において、酸無水物に由来する単位が0.1重量%未満であると、本発明の目的である架橋密度が不充分となるため好ましくなく、また、20重量%を超えると、変性ポリオレフィンに期待する柔軟性、機械的強度などの性質を損なうため好ましくないものである。
さらに、本発明に用いる変性ポリオレフィンのMFR(JIS K−7210の表1の条件14に従う)は、0.1〜1000g/10分の範囲が好ましいものである。
【0021】
次に、本発明において、本発明に用いる変性ポリオレフィンを製造するには、公知の任意の方法を採用することができる。
具体的に説明すると、ポリオレフィン類を溶媒に溶解した溶液に、ラジカル開始剤と不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物を混合し、反応させる溶液グラフト法、溶媒の不存在下で押出機内で変性する溶融グラフト法、電子線等を利用する放射線グラフト法などを利用することができる。
さらに、これらの方法でグラフト変性した後、溶剤洗浄などにより未反応物、反応副生成物などを除去することが好ましいものである。
【0022】
次に、本発明において、上記の本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する成分(b)の、分子内に少なくとも2個の水酸基を有する多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類;1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等のアルコール化合物;アルビトール、ソルビトール、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、パラチノース、マルトトリオース、マレジトース等の糖類;エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、水酸基を複数個有するポリオレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート〔(メタ)アクリレートは、メタクリレート及びアクリレートを意味する。以下、同様である。〕共重合体等の分子内に複数個の水酸基を有する重合体;1,3−ジヒドロキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプロパン、トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールドデカン、2−シクロヘキシル−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパン、2−(p−メチルフェニル)−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン、ヘキサジグリセリン、オクタグリセリン、デカグリセリン等にエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドを付加反応させたポリオキシアルキレン化合物;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノヘキサノエート、グリセリンモノフェネチルエステル、グリセリンモノプロピオネート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノヘキサノエート、ジグリセリンジオクタノエート、テトラグリセリンモノステアレート、テトラグリセリントリステアレート、テトラグリセリンテトラステアレート、テトラグリセリントリヘキサノエート、テトラグリセリンモノフェネチルエステル、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンジステアレート、ヘキサグリセリンペンタステアレート、ヘキサグリセリントリオレエート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンペンタラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンオクタステアレート、デカグリセリンペンタオレエート、デカグリセリンジラウレート、ペンタデカグリセリンジステアレート、ペンタデカグリセリンデカオレエート、オクタデカグリセリンテトラステアレート等のポリグリセリンアルキルエステル;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノヘキサノエート、ソルビタンモノフェネチルエステル、ソルビタンモノプロピオネート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンテトラステアレート等のソルビタンアルキルエステルなどを使用することができる。
上記の多価アルコール化合物の融点は、成分(a)の変性ポリオレフィンの熱劣化等を考慮し、300℃以下であることが好ましいものであり、また、上記の多価アルコール化合物は、単独で又は2種類以上併用することもできる。
【0023】
次に、本発明において、上記の本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する成分(b)の多価アルコールの使用量は、成分(a)の変性ポリオレフィン中に含まれる不飽和カルボン酸無水物に由来する単位に対して、多価アルコール化合物に含まれる水酸基のモル比が0.01〜10の範囲となるのが好ましく、更には、0.05〜5の範囲となるのがより好ましい。
上記において、モル比が、0.01未満であると、組成物に架橋構造を効果的な量で導入するには不充分となり、また、10を超えると、場合によっては成形を行なう際に加工温度において架橋構造が完全に解離せず、成形が極めて困難となるため好ましくないものである。
また、変性ポリオレフィン中に含まれる不飽和カルボン酸無水物に由来する単位が、0.1〜1重量%の範囲である場合には、多価アルコール化合物に含まれる水酸基のモル比は0.1〜5の範囲であることがより好ましい。
【0024】
更に、本発明において、上記の本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する成分(c)の反応促進剤としては、変性ポリオレフィン中に含まれる不飽和カルボン酸無水物に由来する単位に含まれるカルボニル基を活性化し、水酸基と酸無水物基との反応を促進させる化合物である。
このような反応促進剤としては、種々のものがあるが、その一例を挙げれば、有機カルボン酸の金属塩がある。
上記の有機カルボン酸の金属塩としては、炭素原子数1〜30個の脂肪酸の金属塩、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等と周期表のIA属、IIA属、IIB属、III B属の金属(例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)との塩を使用することができる。。
更に、具体例を示せば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸アルミニウム、酪酸カリウム、酪酸カルシウム、酪酸亜鉛、オクタン酸ナトリウム、オクタン酸カルシウム、デカン酸カリウム、デカン酸マグネシウム、デカン酸亜鉛、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン硫酸ナトリウム、ベヘン酸ナトリウム等を使用することができる。
これらのうち、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウム等が特に好ましいものである。
【0025】
上記の有機カルボン酸の金属塩の他の例としては、カルボン酸の金属塩構造を有する樹脂等を使用することができる。
このような樹脂としては、エチレンとラジカル重合性不飽和カルボン酸のIA属,IIA属,IIB属,III B属の金属(例えばLi,Na,K,Mg,Ca,Zn,Al等)塩とを共重合した構造を有するもの、あるいは、エチレンとラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体とを多元共重合した構造を有するものを使用することができる。
【0026】
更に、本発明においては、ポリエチレン,ポリプロピレン,遊離エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂にラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離の不飽和カルボン酸を重合し、その後に中和してもよい)をグラフト重合させた構造を有するもの、ポリオレフィン系樹脂にラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を同時に共グラフト重合した構造を有するもの等を使用することができる。。
ここで用いられるラジカル重合性不飽和カルボン酸及びその誘導体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノブチル、(メタ)アクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル等を使用することができる。
【0027】
更に、本発明において、上記の本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物に用いる反応促進剤の他の例としては、三級アミン化合物を挙げることができる。
上記の三級アミン化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリオクタデシルアミン、ジメチルエチルアミン、メチルジオクチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−4−メチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロドデシルアミン、N,N−ジエチル−1−アダマンタミン、1−メチルピロリジン、1−エチルピペリジン、キヌクリジン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−m−フェネチジン、4−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリン等を使用することができる。
【0028】
上記の反応促進剤の他の例としては、さらに四級アンモニウム塩を使用することができる。
上記の四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等を使用することができる。
【0029】
更に、本発明においては、IIA属、IIB属、III B属の金属の水酸化物又はIIA属、IIB属の金属のハロゲン化物を反応促進剤として用いることができる。
ここで、IIA属,IIB属,III B属の金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられ、IIA属、IIB属の金属のハロゲン化物としては、例えば、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化マグネシウム等を使用することができる。
【0030】
更に、本発明においては、オキソ酸とIA属、IIA属、IIB属、III B属の金属の塩を反応促進剤として用いることができる。
その具体例としては、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、沃素酸ナトリウム等を使用することができる。
【0031】
その他、Li BF4、 Na BF4、 KBF4、 Na PF6、 KPF6、 Na PCl6、 Na Fe Cl4、Na Sn Cl4、 Na Sb F6、 KSb F6 、Na As F6、 Na As Cl6等のルイス酸のアルカリ金属塩も反応促進剤として使用することができる。
【0032】
以上に例示した反応促進剤のうち、有機カルボン酸の金属塩が好適に用いられるものであり、また、上記の各種の反応促進剤を必要に応じて2種類以上併用することもできる。
これらの反応促進剤の使用量は、成分(a)の変性ポリオレフィン100重量部に対して0.001〜20重量部の範囲、より好ましくは、0.01〜15重量部の範囲である。
この量が0.001重量部未満であると、反応が遅くなりすぎて組成物中に架橋構造を効果的に導入することが困難となり、また、20重量部を超えると、反応速度を向上させる点で無意味であるばかりでなく、経済的にも好ましくない。
【0033】
また、本発明においては、上記の本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物には、該組成物の特性を損なわない範囲で各種の添加剤、配合剤、充填剤等を添加し、含有することができる。
これらを具体的に示せば、酸化防止剤(耐熱安定剤)、紫外線吸収剤(光安定剤)、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、滑剤(スリップ剤、アンチブロッキング剤)、ガラスフィラー等の無機充填剤、有機充填剤、補強剤、着色剤(染料,顔料)、発泡剤、香料等を使用することができる。
更に、本発明において、上記の本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物に、その用途及び目的によっては成分(a)以外のポリオレフィン系樹脂を配合することもできる。
【0034】
次に、本発明において、上記の本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を製造するには、(a)変性ポリオレフィン、(b)多価アルコール及び(c)反応促進剤を種々の手段で混合すればよいものである。
上記において、その混合方法としては、オレフィン系重合体の分野で一般に行われているヘンシェルミキサー,タンブラーのような混合機を用いてドライブレンドしてもよく、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機及びロールミルのような混練り機を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
この際、予めドライブレンドし、得られる混合物を溶融混練することによって均一な混合物を得ることができる。
また、本発明においては、本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物の成形時に各成分を溶融混合することもできる。
すなわち、各成分をペレットあるいは粉体の状態で混合(ドライブレンド)し、押出機、射出成形機中でフィルム等の製造段階を利用して溶融混合することもできる。
【0035】
上記の本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物は、通常、溶融混練されて成形されるが、この成形加工時においては、架橋構造は形成されないものである。
而して、本発明においては、本発明の(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物が、押出成形、射出成形等によりフィルムないしシ−トに成形され、該フィルムないしシ−トを充填剤層とするものである。
而して、本発明においては、上記のフィルムないしシ−トを充填剤層として積層された後、冷却固化過程において、架橋構造を形成し、凝集力を上げ、機械的強度を向上するものである。
他方、一旦架橋構造を形成しても、溶融することによりこの構造を解離して成形性を回復し、新たに成形した後の冷却固化過程で再度架橋構造を形成して高強度の充填剤層を形成し得るものである。
【0036】
(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物について
上記の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物は、(a)エチレン、ラジカル重合性酸無水物及び必要に応じて他のラジカル重合性コモノマーとを共重合してなる共重合体であり、該共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位が0.1〜10重量%であり、その他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位が多くとも30重量%であるエチレン系共重合体、及び、(b)分子内に水酸基を少なくとも二つ以上有する多価アルコ−ル化合物、及び、(c)反応促進剤、とからなる熱可逆架橋性樹脂組成物からなるものである。
【0037】
次に、上記の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物の各成分について説明する。
まず、上記の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する成分(a)であるエチレン系共重合体は、少なくともエチレンとラジカル重合性酸無水物とを共重合してなる共重合体である。
上記のエチレン系共重合体は、必要に応じて、他のラジカル重合性コモノマー(以下第3モノマーと言う)を共重合させこともできるものである。
上記において、ラジカル重合性酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアルケニル無水コハク酸、炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアルカジエニル無水コハク酸等を使用することができる。
これらは、2種類以上同時に併用しても差し支えないものであり、而して、本発明においては、特に、無水マレイン酸、無水イタコン酸を使用することが好ましいものである。
【0038】
次に、本発明において、上記の本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する(a)成分であるエチレン系共重合体において、ラジカル重合性酸無水物に由来する単位は0.1〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.3〜5.0重量%の範囲である。
上記のラジカル重合性酸無水物に由来する単位が、0.1重量%よりも少なくなると、成形後に形成される充填剤層の架橋度が小さくなり、結果としてJISC 3605に規定されている加熱変形率を満足する耐熱性が得られなくなることから好ましくなく、また、10重量%を越えると、コストが高くなるばかりでなく本共重合体を一成分として用いる充填剤層の伸びが著しく低下しJIS C 3605に規定されている引張特性が得られなくなるため好ましくないものである。
【0039】
更に、本発明において、上記の本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する(a)成分であるエチレン系共重合体は、前記ラジカル重合性酸無水物の他に、エチレンと共重合可能なラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重合可能な第3モノマーを共重合して用いることができるものである。
上記において、第3モノマーを共重合して得られるエチレン系共重合体を使用することにより、本樹脂を構成成分の一つとして含む構成からなる充填剤層の柔軟性や透明性を向上させることができるものである。
上記のラジカル重合性酸無水物と併用することができる第3モノマーとしては、エチレン系不飽和エステル化合物、エチレン系不飽和アミド化合物、エチレン系不飽和酸化合物、エチレン系不飽和エーテル化合物、エチレン系不飽和炭化水素化合物等を使用することができる。。
【0040】
上記において、上記のエチレン系不飽和エステル化合物としては、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、その他等を使用することができる。
また、上記において、上記のエチレン系不飽和アミド化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、その他等を使用することができる。
【0041】
更に、上記において、上記のエチレン系不飽和カルボン酸化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、その他等を使用することができる。
また、上記において、上記のエチレン系不飽和エーテル化合物としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、その他等を使用することができる。
更にまた、上記において、上記のエチレン系不飽和炭化水素化合物及びその他の化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ノルボルネン、ブタジエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、クロトンアルデヒド、その他等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記の第3モノマーは、必要に応じて、2種類以上同時に併用して使用することもできる。
【0042】
上記において、上記の第3モノマーを併用する場合、本エチレン系共重合体中の該第3モノマー成分の含量は、30重量%以下の範囲、好ましくは、25重量%以下の範囲である。
上記において、30重量%を越えると、樹脂の柔軟性が高くなりすぎるためにたとえ架橋構造が導入されても加熱変形率がJIS C 3605記載の規格値を越えて大きくなるため好ましくないものである。
【0043】
また、本発明において、本エチレン系共重合体のMFR(JIS K−7210 表1の条件4に従う)については、必ずしも明確な制限があるわけではないが、できれば0.1〜50g/10分の範囲であることが好ましいものである。
これは、エチレン系共重合体の分子量が小さくなりすぎると、充填剤層に要求される耐熱性が充分でなくなる恐れがあるためである。
しかし、分子量が小さくなることによる耐熱性の低下は、先に述べたエチレン系共重合体に含まれる酸無水物基の量や後に述べる多価アルコール化合物の種類及びその使用量を変えることによって改善することも可能である。
【0044】
なお、本発明において、上記の本エチレン系共重合体は、一般的に知られている方法、即ち、塊状、溶液、懸濁、またはエマルジョン等の重合プロセスにより製造することができるが、基本的に通常の低密度ポリエチレンの製造設備および技術を利用して製造することができる。
【0045】
次に、本発明において、上記の本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する(b)成分である、少なくとも分子内に水酸基を2つ以上有する多価アルコ−ル化合物の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、等のグリコール類;1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,8オクタンジオール、1,10デカンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、等のアルコール化合物;アルビト−ル、ソルビト−ル、キシロ−ス、アラミノ−ス、グルコ−ス、ガラクト−ス、ソルボ−ス、フルクト−ス、パラチノ−ス、アルトトリオロ−ス、マレジト−ス等の糖類;エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、水酸基を複数有するポリオレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体等の分子内に水酸基を複数有する重合体、以上のごときアルコール化合物にエチレンオキシド或いはプロピレンオキシド等を付加して得られるポリオキシアルキレン化合物;ポリエチレングリコ−ルのステアリン酸エステル等のポリグリセリンエステル;ソルビタンのアルキルエステル等の分子内に水酸基を複数有する糖類のエステル;その他等を使用することができる。。
上記の多価アルコ−ル化合物の融点は、300℃以下である事が望ましく、また、これらの多価アルコール化合物は2種類以上同時に併用しても差し支えないものである。
なお、本発明においては、特に、ポリオキシアルキレン化合物或いはポリグリセリンエステルを使用することが好ましいものである。
【0046】
上記の多価アルコール化合物の使用量は、エチレン系共重合体中に含まれる不飽和カルボン酸無水物に由来する単位に対して多価アルコール化合物中に含まれる水酸基のモル比が0.01〜10の範囲、より好ましくは0.05〜5の範囲であることが望ましいものである。
上記において、モル比が0.01よりも少ない場合は、本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物からなる充填剤層に架橋構造を効果的に導入できず充分な耐熱性を得ることができなくなるため好ましくなく、また、モル比が10よりも多いときには、場合によっては、加熱成形を行なう際に、架橋構造が完全に解離せず成形が極めて困難となるため好ましくないものである。
【0047】
次に、本発明において、本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する(c)成分である反応促進剤としては、カルボキシル基を含む重合体の金属塩または有機カルボン酸の金属塩、有機カルボン酸の金属塩等を使用することができる。
上記の有機カルボン酸の金属塩の例としては、炭素数1〜30の脂肪酸である酢酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、コハク酸、安息香酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等のカルボン酸と、周期表のIA属、IIA属、IIB属、 IIIB属の金属(例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)との金属塩を使用することができる。
更に、上記の有機カルボン酸の金属塩の他の例としては、カルボキシル基を含む樹脂の金属塩等を使用することができる。
上記のような樹脂としては、エチレンとラジカル重合性不飽和カルボン酸のIA属、IIA属、IIB属、 IIIB属の金属(例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)塩とを共重合した構造を持つ物、或いは、エチレンと該ラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/またはその誘導体とを多元共重合した構造を持つ樹脂等を使用することができる。
【0048】
更に、本発明においては、ポリエチレン、ポリプロピレン、遊離エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂に、該ラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離の不飽和カルボン酸を重合し、後で中和しても良い。)をグラフト重合させた構造を持つ樹脂、ポリオレフィン系樹脂に該ラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/またはその誘導体を同時に共グラフト重合した構造を持つ樹脂等を使用することができる。
上記のラジカル重合性不飽和カルボン酸及びその誘導体の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノブチル、(メタ)アクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル等を使用することができる。
【0049】
次にまた、本発明において、反応促進剤の他の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン化合物やテトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩等を使用することができる。
以上に例示した反応促進剤の内、好適には有機カルボン酸の金属塩が用いられ、また、以上に例示した反応促進剤は、必要に応じて2種類以上同時に併用しても差し支えない。
【0050】
なお、本発明において、上記の反応促進剤の使用量は、反応促進剤の種類によって異なるため一概に規定することは難しいが、一般にエチレン系二元共重合体もしくはエチレン系多元共重合体100重量部に対して0.001重量部以上20重量部以下の範囲、より好ましくは0.01重量部以上15重量部の範囲であることが望ましい。
上記において、0.001重量部よりも少ない場合は、反応が遅くなり過ぎて、上記の本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層に架橋構造を効果的に導入することが困難となる恐れがあることから好ましくなく、また、上記において、20重量部よりも多い場合は、反応速度を向上させる点においてもはや無意味であるだけでなく、本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を用いて形成される充填剤層の電気特性を低下させる恐れがあるため好ましくないものである。
【0051】
なお、本発明においては、本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を充填剤層の形成に使用する際に、該組成物の特徴を損なわない範囲で必要に応じて一般に用いられる老化防止剤、難燃剤、電圧安定剤、銅害防止剤等の通常の添加剤を加えることができる。
次に、本発明においては、本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物の製造法には、通常知られている種々の樹脂の混合方法を用いて製造することができる。
上記の具体的方法を例示すれば、各成分を溶融状態で混合する方法、すなわち一般に用いられている加圧ニーダー、ロール、バンバリーミキサー、スタティックミキサー、スクリュー式押出機等を用いる方法を挙げることができる。
【0052】
上記のようにして得られた本発明の(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を、例えば、180℃以上好ましくは200℃以上の樹脂温度で押出成形することによって、そのフィルムないしシ−トを製造して、該フィルムないしシ−トを充填剤層とし、これを積層して目的とする充填剤層とすることができるものである。
上記の押出成形方法は、通常の方法でよく、特に制限されるものではない。
なお、本発明においては、積層された充填剤層は、押出され、更に、積層された可逆性架橋樹脂が冷却される過程で充填剤層に架橋構造を形成する。
従って、架橋構造を形成させるために改めて電子線を照射したり、再度加熱したり、或いは高温水蒸気に触れさせる等の二次加工を必ずしも必要とするものでもないものである。
【0053】
(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物について
上記の(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物は、(a)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合体であって、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体、および、(b)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の水酸基含有重合体からなり、(a)成分のカルボン酸無水物基数に対する(b)成分の水酸基数の比が0.1〜5であることを特徴とする熱可逆架橋性樹脂組成物からなるものである。
【0054】
次に、上記の(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物の各成分について説明する。
まず、上記の(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する成分(a)成分の不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合体としては、基本的には、α−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸無水物とエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体、及び、α−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸無水物との二元共重合体のエチレン性不飽和カルボン酸エステルによるグラフト体、α−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの二元共重合体のエチレン性不飽和カルボン酸無水物によるグラフト体、α−オレフィン系重合体のエチレン性不飽和カルボン酸無水物とエチレン性不飽和カルボン酸エステルとによるグラフト体、その他等を使用することができる。
【0055】
上記の三元共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1,3−メチルブテン−1、ペンテン−1,3−メチルペンテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等を使用することができる。
また、上記のエチレン性不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、コハク酸2−オクテン−1−イル無水物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物、その他等を使用することができる。
更にまた、上記のエチレン性不飽和カルボン酸エステルとしては、炭素数1〜20程度のアルキル基のエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、マレイン酸ジメチル、その他等を使用することができる。
尚、上記において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸を言うものとする。
【0056】
尚、本発明において、上記の三元共重合体としては、前記のα−オレフィンと前記のエチレン性不飽和カルボン酸無水物と前記のエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の他、さらに、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸化合物、酢酸ビニル等のエチレン性不飽和エステル化合物、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド化合物、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、その他のエチレン性不飽和化合物等を共重合した四元以上の多元共重合体であってもよいものであり、而して、これらの共重合体は、従来公知の、塊状、溶液、懸濁等の重合法により製造することができる。
【0057】
また、本発明において、上記のグラフト体におけるα−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸無水物との二元共重合体、及び、α−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの二元共重合体としては、前者の三元共重合体において挙げたと同様のα−オレフィン、エチレン性不飽和カルボン酸無水物、及び、エチレン性不飽和カルボン酸エステル等を使用することができ、また、後者のグラフト体におけるα−オレフィン系重合体としては、例えば、低密度・中密度・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1,3−メチルペンテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと、酢酸ビニル等のビニルエステル、(メタ)アクリル酸又はそれらのエステル等の他単量体との共重合体等のエチレン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレンと、エチレン、ブテン−1,3−メチルブテン−1、ペンテン−1,3−メチルペンテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと、イソプレン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン等のジエン化合物等の他単量体との共重合体等のプロピレン系樹脂、その他ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィンの単独重合体や共重合体等を使用することができる。
【0058】
また、上記において、グラフトされるエチレン性不飽和カルボン酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸無水物としては、前記三元共重合体において挙げたと同様のものが挙げられる。
これらのグラフト体は、従来公知の、溶融混練、溶液、懸濁等のグラフト化法により製造することができる。
【0059】
本発明における(a)成分の前記変性オレフィン系重合体としては、エチレンと、マレイン酸無水物と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの三元共重合体、及びα−オレフィン系重合体の、マレイン酸無水物と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとによるグラフト体等を使用することが特に好ましく、更に、特には、エチレンと、マレイン酸無水物と、(メタ)アクリル酸メチル又はエチルとの三元共重合体を使用することが好ましいものである。。
【0060】
本発明において、(a)成分としての前記変性オレフィン系重合体は、前記不飽和カルボン酸無水物単位の含有量が、0.1重量%以上、特には、0.5重量%以上であるのが好ましく、変性オレフィン系重合体の数平均分子量とこの含有量との乗数に基づいて求められる、変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基としての平均結合数が、1個以上であることが必須であり、1.5個以上であることが好ましい。
ここで、この平均結合数が1個未満では、組成物としての架橋形成性が劣ることとなるので好ましくないものである。
また、本発明において、(a)成分としての前記変性オレフィン系重合体は、前記不飽和カルボン酸無水物に由来するカルボン酸無水物基数に対する前記不飽和カルボン酸エステルに由来するカルボン酸エステル基数の比が0.5〜20であることが必須であり、0.5〜15であるのが好ましい。
この比が前記範囲未満では組成物としての架橋解離性が劣り、一方、前記範囲超過では組成物としての架橋形成性が劣ることとなるので好ましくないものである。
尚、本発明における(a)成分の変性オレフィン系重合体としては、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数、及び、カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が、前記範囲を満足する限り、変性オレフィン系重合体を未変性オレフィン系重合体で希釈したものであってもよいものである。
【0061】
次に、本発明において、上記の本発明の(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する(b)成分の水酸基含有重合体としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルグラフトポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリビニルアルコール、低分子量ポリオレフィンポリオール類、ポリアルキレンエーテルグリコール類、ポリオキシアルキレンポリオール類、水酸基末端ジエンポリマー及びその水素添加物或いはそのアジペート類、水酸基末端ポリカプロラクトン類等を使用することができ、これらは、数平均分子量が500〜10000であるのが好ましいものである。
本発明においては、特に、上記の本発明の(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物への柔軟性付与の面から、結晶化度が30%以下のものが好ましく、具体的には、低分子量ポリオレフィンポリオール類、ポリアルキレンエーテルグリコール類、ポリオキシアルキレンポリオール類、水酸基末端ジエンポリマー及びその水素添加物等を使用することが好ましいものである。
【0062】
なお、本発明において、上記の(b)成分の前記水酸基含有重合体は、水酸基含有重合体の数平均分子量と水酸基の含有量との乗数に基づいて求められる、水酸基含有重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上であることが必須であり、1.5個以上であることが好ましいものである。
上記において、1分子当たりの水酸基が1個未満の場合は、組成物としての架橋形成性が劣ることとなるので好ましくないものである。
尚、本発明における(b)成分の水酸基含有重合体としては、1分子当たりの水酸基の平均結合数が、前記範囲を満足する限り、水酸基を含有しない重合体で希釈したものであってもよい。
【0063】
次に、本発明において、本発明の(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を構成する(a)成分の前記変性オレフィン系重合体と(b)成分の前記水酸基含有重合体との組成比としては、(a)成分のカルボン酸無水物基数に対する(b)成分の水酸基数の比が0.1〜5であることが必須であり、0.1〜3であることが好ましいものである。
上記において、カルボン酸無水物基数に対する水酸基数の比が、前記範囲未満では、組成物としての架橋形成性が劣ることとなり、一方、前記範囲超過では、組成物としての架橋解離性が劣ることとなり、又、ブリードアウト性も劣り、いずれの場合も本発明の目的を達成することができなくなることから好ましくないものである。
【0064】
上記の本発明の(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物は、基本的には前記の(a)成分と(b)成分からなるが、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(a)、(b)成分以外の成分を含有していてもよく、具体的には、例えば、通常用いられる各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤、難燃剤、着色剤、充填剤等を添加することができる。
【0065】
上記の本発明の(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物は、前記の(a)成分と(b)成分を必須成分とし、その他の任意成分を加えて、各成分をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、一軸又は多軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練する方法、或いは、一軸又は多軸押出機を用い、(a)成分又は(b)成分とその他の任意成分を押出機入口より供給し、(b)成分とその他の任意成分又は(b)成分を押出機途中から供給して溶融混練する方法等により調製することができる。
【0066】
次に、本発明において、上記で説明した本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を使用し、これによる充填剤層を形成する方法について説明すると、例えば、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を使用し、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、すなわち、射出形成、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形、その他等の各種成形法により、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物によるフィルムないしシ−トを成形し、そのフィルムないしシ−トを充填剤層として使用するものである。
更に詳述すると、本発明においては、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物によるフィルムないしシ−トを使用し、これを、表面保護シ−ト、充填剤層としての上記のフィルムないしシ−ト、太陽電池素子、充填剤層としての上記のフィルムないしシ−ト、および、裏面保護シ−トを順次に積層し、次いで、これらを、真空吸引等により一体化して加熱圧着するラミネ−ション法等の通常の成形法を利用し、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造することができる。
【0067】
あるいは、本発明においては、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を使用し、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、すなわち、Tダイ押出成形、その他等の各種成形法により、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を使用し、これを、太陽電池素子の表面と、その裏面に溶融押出積層して、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による押出樹脂層を形成し、該押出樹脂層を充填剤層として使用するものである。
更に詳述すると、本発明においては、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物を使用し、これを、太陽電池素子の表面と裏面に溶融押出積層し、押出樹脂層を形成し、次いで、表面保護シ−ト、充填剤層としての押出樹脂層をその表面と裏面に有する太陽電池素子、および、裏面保護シ−トを順次に積層し、次いで、これらを、真空吸引等により一体化して加熱圧着するラミネ−ション法等の通常の成形法を利用し、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造することができる。
【0068】
本発明において、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層としては、その膜厚が100μm〜1mm位、好ましくは、300μm〜600μm位が好ましいものである。
而して、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層は、太陽電池モジュ−ルを成形する際に行われる加熱圧着等の条件により、まず、その加熱圧着後に冷却される過程で充填剤層に架橋構造が形成され、次いで、太陽電池モジュ−ル等を使用中に、外的あるいは内的条件により、何らかの加熱加圧等の条件が負荷されると、その架橋構造が解離し、また、その冷却により架橋構造が形成され、このように加熱加圧等の作用により可逆的に架橋構造を形成することができることにより、極めて耐久性に優れた太陽電池モジュ−ルを製造可能とするものである。
また、上記の本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層は、熱等の作用により、可逆的に架橋構造等を形成する際に、それ自身が影響を受け、その構造等が破壊されたり、あるいは、分解する等の現象は認められず、従って、その破壊、分解等に伴う分解ガス、不純物等の発生は認められないものであるり、これによる太陽電池素子等の悪影響等は発生せず、極めて耐久性に優れた太陽電池モジュ−ルを製造可能とするものである。
【0069】
次に、本発明において、太陽電池モジュ−ルを構成する光起電力素子としての太陽電池素子について説明すると、かかる太陽電池素子としては、従来公知のもの、例えば、単結晶シリコン型太陽電池素子、多結晶シリコン型太陽電池素子等の結晶シリコン太陽電子素子、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII −V 族化合物半導体太陽電子素子、カドミウムテルル(CdTe)や銅インジウムセレナイド(CuInSe2 )等のII−VI族化合物半導体太陽電子素子、その他等を使用することができる。
更に、薄膜多結晶性シリコン太陽電池素子、薄膜微結晶性シリコン太陽電池素子、薄膜結晶シリコン太陽電池素子とアモルファスシリコン太陽電池素子とのハイブリット素子等も使用することができる。
而して、本発明において、太陽電池素子は、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、金属基板、その他等の基板の上に、pn接合構造等の結晶シリコン、p−i−n接合構造等のアモルファスシリコン、化合物半導体等の起電力部分が形成されて太陽電池素子を構成するものである。
【0070】
次に、本発明において、太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護シ−トについて説明すると、かかる裏面保護シ−トとしては、例えば、絶縁性の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、更に、耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性を有し、物理的あるいは化学的強度性、強靱性等に優れ、更に、光起電力素子としての太陽電池素子の保護とういことから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
しかし、上記の裏面保護シ−トは、前述の表面保護シ−トのように、透明性を有する必要性はないものである。
而して、本発明において、上記の裏面保護シ−トとしては、基本的には、前述の表面保護シ−トにおいて例示した各種の樹脂のフィルムないしシ−トを同様に使用することができるものである。
本発明においては、裏面保護シ−トとしては、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
【0071】
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
而して、本発明において、上記のようなフッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂のフィルムないしシ−トは、機械的特性、化学的特性、物理的特性等に優れ、具体的には、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐防湿性、耐汚染性、耐薬品性、その他等の諸堅牢性に優れて、太陽電池を構成する保護シ−トとして有用性を有し、耐久性、保護機能性等に優れ、また、そのフレキシブル性や機械的特性、化学的特性等から軽量で、かつ、加工性等に優れ、そのハンドリングし易い等の利点を有するものである。
【0072】
本発明においては、上記のような各種の樹脂のフィルムないしシ−トのなかでも、前述の表面保護シ−トと同様に、例えば、前述のフッ素系樹脂シ−ト、特に、ポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)、または、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)からなるフッ素系樹脂シ−ト、あるいは、環状ポリオレフィン系樹脂シ−ト、特に、シクロペンタジエンおよびその誘導体、ジシクロペンタジエンおよびその誘導体、または、ノルボルナジエンおよびその誘導体等の環状ジエンのポリマ−ないしコポリマ−からなる環状ポリオレフィン系樹脂シ−トを使用することが好ましいものである。
而して、本発明において、上記のようなフッ素系樹脂シ−トあるいは環状ポリオレフィン系樹脂シ−トを使用することにより、それらが有する機械的特性、化学的特性、物理的特性等の優れた特性、具体的には、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐防湿性、耐汚染性、耐薬品性、その他等の諸特性を利用して太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護シ−トとするものであり、これにより、耐久性、保護機能性等を有し、また、そのフレキシブル性や機械的特性、化学的特性等から軽く、かつ、加工性等に優れ、そのハンドリングし易い等の利点を有するものである。
【0073】
本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、前述の表面保護シ−トと同様にして、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、要すれば、1軸ないし2軸方向に延伸加工することも可能なものである。
更に、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、前述の表面保護シ−トと同様に、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができるものである。
上記の添加剤の中でも、前述の表面保護シ−トと同様に、特に、耐候性、耐突き刺し性等を向上させるために、紫外線吸収剤、酸化防止剤、あるいは、強化繊維の1種ないし2種以上を練れ込み加工してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
上記の紫外線吸収剤としては、前述と同様に、無機系ないし有機系等の紫外線吸収剤の1種ないしそれ以上を使用することができ、また、上記の酸化防止剤としては、前述と同様に、フェノ−ル系、アミン系、硫黄系、燐酸系、その他等の酸化防止剤を使用することができ、更に、上記の紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤としては、例えば、ポリマ−を構成する主鎖または側鎖に、上記のベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤あるいは上記のフェノ−ル系等の酸化防止剤を化学結合させてなるポリマ−型の紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤等も使用することができる。
【0074】
また、上記の強化繊維としては、前述と同様に、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、天然繊維、その他等を使用することができ、それらは、長ないし短繊維状物、または、織布ないし不織布状物、その他等で使用することができる。
また、上記の樹脂のフィルムないしシ−トにおいて、その膜厚としては、12〜200μm位、より好ましくは、25〜150μm位が望ましい。
また、本発明において、上記の太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護シ−トとしては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トの2種以上を使用し、それらを接着剤層等を介して積層した積層材、あるいは、上記の樹脂のフィルムないしシ−トに、例えば、アルミニウム箔等の金属箔を積層した積層材、更には、金属板、あるいはまた、太陽電池モジュ−ルの裏面の装飾性、意匠性等を考慮して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トを、染料、顔料等の着色剤を使用して着色ないし装飾した樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等も使用することができるものであ。
【0075】
なお、本発明において、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造する際しては、その強度、耐候性、耐スクラッチ性、その他等の諸堅牢性を向上させるために、その他の素材、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0076】
次に、本発明において、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造する方法について説明すると、かかる製造法についてその一例を例示すれば、公知の方法、例えば、表面保護シ−ト、本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、光起電力素子としての太陽電池素子、本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、および、裏面保護シ−ト等を対向させて、順次に積層し、更に、必要ならば、各層間に、その他の素材を任意に積層し、次いで、これらを、真空吸引等により一体化して加熱圧着するラミネ−ション法等の通常の成形法を利用し、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造することができる。
上記において、必要ならば、各層間の接着性等を高めるために、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、その他等の樹脂をビヒクルの主成分とする加熱溶融型接着剤、溶剤型接着剤、光硬化型接着剤、その他等を使用することができる。
なお、上記において、表面保護シ−トと本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、あるいは、裏面保護シ−トと本発明の(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層とは、予め、積層され、一体化されていてもよいものである。
【0077】
なお、上記の積層において、各積層対向面には、密接着性を向上させるために、必要に応じて、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施すことができる。
更に、上記の積層においては、各積層対向面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面前処理を行うこともできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
また、上記において、コ−ト剤層の形成法としては、例えば、溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のコ−ト剤を使用し、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法を用いてコ−トすることができる。
【0078】
本発明にかかる太陽電池モジュ−ルは、充填剤層を構成する材料が、太陽電池モジュ−ルの製造条件等に影響を受けることなく、安定的に、低コストで製造することができ、これにより、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富む太陽電池モジュ−ルを製造することができるものである。
而して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルは、種々の用途に適し、例えば、結晶シリコン太陽電池素子およびアモルファス太陽電池素子共に、広く一般に公知である地上用として用いられる住宅の屋根据え置き型の太陽電池や、住宅の屋根埋め込み型の屋根材タイプの太陽電池等に用いられるものである。
また、アモルファス太陽電池素子に関しては、民生用として腕時計や電卓等にも使用することができ、極めて有用なものである。
【0079】
【実施例】
以下に本発明について実施例を挙げて更に具体的に本発明を説明する。
実施例1
(1).(A)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層の製造
まず、ポリプロピレンに無水マレイン酸を常法によりグラフトさせた変性ポリオレフィンを製造した。
得られた変性ポリオレフィンは、MFR(JIS−K7210の表1条件14)70g/10分,無水マレイン酸に由来する単位が0.5重量%であった。
なお、変性ポリオレフィンの組成は、赤外線吸収スペクトルにより決定した。
更に、その引張強度をJIS−K6760により測定したところ、310kg/cm2 の破壊強度を示した。そのときの伸び率は40%であった。
次に、上記の変性ポリオレフィン95重量%、トリメチロールプロパン0.2重量%(水酸基/酸無水物基=0.40)、有機カルボン酸の金属塩として、MFR(JIS−K7210の表1条件4)3.0g/10分、密度0.94g/cm3 であるエチレン−メタクリル酸共重合体の部分中和物(メタクリル酸含有量18重量%、該メタクリル酸のうち約10%をナトリウムイオンで中和した共重合体)1重量%(金属原子/酸無水物基=0.40)、および、酸化防止剤として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1重量%を混合した。
混合に当たっては、3成分をタンブラーでドライブレンドした後、30mmφの2軸押出機を用いて250℃で溶融混練し、ペレット化した。
組成物のMFR(JIS−K7210の表1条件14)は3.2g/10分であった。
この組成物について引張強度の測定を行なった。サンプル製造のための成形温度は250℃であり、成形は特に問題なく実施できた。
得られたサンプルを23℃、相対湿度50%の状態で24時間状態調整した後、引張強度を測定したところ410kg/cm2 の破断強度が認められ、機械的強度の向上が確認された。
このときの伸び率は590%であった。
このサンプルについて抽出法によりゲル分率を測定した。
サンプルを400メッシュのステンレス金網の袋に入れ、トルエン沸点下に6時間ソックスレー抽出を行なったところ抽出残(ゲル分率)は74%の値を示した。
次に、上記の組成物を用いてフィルムの成形を行なった。
成形は、25mmφ押出機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を使用し、樹脂温度255℃、引取り速度3m/分で厚み400μmのフィルムを製造した。
成形は、特に問題なく実施できた。
得られたフィルムは、外観及び透明性が良好であり、そのゲル分率を上記の方法で測定したところ65%であり、このフィルムを充填剤層として使用した。
(2).太陽電池モジュ−ルの製造
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、および、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0080】
実施例2
(1).(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層の製造
まず、エチレン系共重合体であるエチレン−無水マレイン酸二元共重合体(無水マレイン酸に由来する単位=2.0重量%、MFR〔JIS K 7210 表1の条件4に従う)=10g/10分〕100重量部に対して、多価アルコール化合物であるトリメチロールプロパンを1.5重量部、反応促進剤であるステアリン酸ナトリウムを5重量部をヘンシェルミキサ−でドライブレンドした後、30mmφの異方向2軸押出機を用いて、230℃で溶融混練りした。
混練して得られた樹脂を押出機(50mmφ、スクリューL/D=20)を用い、樹脂温度230℃で押出成形して、厚さ400μmのフィルムを製造した。
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用した。
(2).太陽電池モジュ−ルの製造
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用し、厚さ100μmのポリジシクロペンタジエン樹脂シ−ト、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、および、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0081】
実施例3
(1).(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層の製造
まず、エチレン系共重合体であるエチレン−無水マレイン酸−メチルアクリレート多元共重合体(無水マレイン酸に由来する単位=2.5重量%、メチルアクリレートに由来する単位=18重量%、MFR〔JIS K 7210 表1の条件4に従う)=12g/10分〕100重量部に対して、多価アルコール化合物であるトリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを3.5モル付加させて得られた化合物を1.5重量部、反応促進剤である三井デュポンケミカル株式会社製アイオノマーを5重量部をヘンシェルミキサ−でドライブレンドした後、30mmφの異方向2軸押出機を用いて、230℃で溶融混練りした。
混練して得られた樹脂を押出機(50mmφ、スクリューL/D=20)を用い、樹脂温度230℃で押出成形して、厚さ400μmのフィルムを製造した。
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用した。
(2).太陽電池モジュ−ルの製造
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用し、厚さ50μmのテトラフルオロエチレンとエチレンとのコポリマ−(ETFE)からなるフッ素系樹脂シ−トと厚さ400μmの上記で製造したフィルムとを予め積層した積層材、太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、および、厚さ400μmの上記で製造したフィルムと厚さ100μmのポリジシクロペンタジエン樹脂シ−トとを予め積層した積層材を、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0082】
実施例4
(1).(B)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層の製造
まず、エチレン系共重合体であるエチレン−無水マレイン酸−メチルメタクリレート多元共重合体(無水マレイン酸に由来する単位=1.0重量%、メチルメタクリレートに由来する単位=8重量%、MFR〔JIS K7210 表1の条件4に従う)=6g/10分〕100重量部に対して、多価アルコール化合物であるトリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを3.5モル付加させて得られた化合物を1.5重量部、反応促進剤である三井デュポンケミカル株式会社製アイオノマーを5重量部をヘンシェルミキサ−でドライブレンドした後、30mmφの異方向2軸押出機を用いて、230℃で溶融混練りした。
混練して得られた樹脂を押出機(50mmφ、スクリューL/D=20)を用い、樹脂温度230℃で押出成形して、厚さ400μmのフィルムを製造した。
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用した。
(2).太陽電池モジュ−ルの製造
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、および、厚さ38μmのポリフッ化ビニル系樹脂シ−ト(PVF)/厚さ30μmのアルミニウム箔/厚さ38μmのポリフッ化ビニル系樹脂シ−ト(PVF)からなる積層材を、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0083】
実施例5
(1).(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層の製造
(a)成分の調製
エチレン−マレイン酸無水物−アクリル酸エチル三元共重合体(赤外吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位含有量2.5重量%、アクリル酸エチル単位含有量12.5重量%、カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比4.9、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量19800、数平均分子量とマレイン酸無水物単位含有量の乗数に基づいて求めた変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数5.0個、住友化学工業株式会社製、商品名、「ボンダインTX8030」)
(b)成分の調製
水酸基末端ポリブタジエンの水素添加物(水酸基含有量2.0重量%、数平均分子量1000、数平均分子量と水酸基含有量の乗数に基づいて求めた水酸基含有重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数1.6個、結晶化度0%、日本曹達株式会社製、商品名、「ニッソーPB GI−1000」)
上記で調製した(a)成分及び(b)成分をそれぞれ(a)成分84.0重量部及び(b)成分16.0重量部の組成割合で用い、二軸混練機(日本製鋼所株式会社製、機種名、「TEX−30」)にて、先ず、(a)成分をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、混練機途中から(b)成分を投入して両者を溶融混練することにより、オレフィン系重合体組成物を調製した。
次いで、上記で得られた組成物を使用し、上記の実施例1と同様にして、厚さ400μmのフィルムを製造した。
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用した。
(2).太陽電池モジュ−ルの製造
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、および、厚さ400μmの上記で製造したフィルムと厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムとを予め積層した積層材を、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0084】
実施例6
(1).(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層の製造
(a)成分の調製
エチレン−マレイン酸無水物−アクリル酸エチル三元共重合体(赤外吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位含有量2.4重量%、アクリル酸エチル単位含有量7.5重量%、カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比3.1、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量19300、数平均分子量とマレイン酸無水物単位含有量の乗数に基づいて求めた変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数4.7個、住友化学工業株式会社製、商品名、「ボンダインLX4110」)
(b)成分の調製
水酸基末端ポリブタジエンの水素添加物(水酸基含有量2.0重量%、数平均分子量1000、数平均分子量と水酸基含有量の乗数に基づいて求めた水酸基含有重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数1.6個、結晶化度0%、日本曹達株式会社製、商品名、「ニッソーPB GI−1000」)
上記で調製した(a)成分及び(b)成分をそれぞれ(a)成分85.0重量部及び(b)成分15.0重量部の組成割合で用い、二軸混練機(日本製鋼所株式会社製、機種名、「TEX−30」)にて、先ず、(a)成分をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、混練機途中から(b)成分を投入して両者を溶融混練することにより、オレフィン系重合体組成物を調製した。
次いで、上記で得られた組成物を使用し、上記の実施例1と同様にして、厚さ400μmのフィルムを製造した。
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用した。
(2).太陽電池モジュ−ルの製造
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用し、厚さ50μmのテトラフルオロエチレンとエチレンとのコポリマ−(ETFE)からなるフッ素系樹脂シ−トと厚さ400μmの上記で製造したフィルムとを予め積層した積層材、太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、および、厚さ100μmのポリジシクロペンタジエン樹脂シ−トを、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0085】
実施例7
(1).(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層の製造
(a)成分の調製
エチレン−マレイン酸無水物−アクリル酸エチル三元共重合体(赤外吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位含有量1.5重量%、アクリル酸エチル単位含有量4.2重量%、カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比2.7、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量20000、数平均分子量とマレイン酸無水物単位含有量の乗数に基づいて求めた変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数3.1個、住友化学工業株式会社製、商品名、「ボンダインFX8000」)
(b)成分の調製
水酸基末端ポリブタジエンの水素添加物(水酸基含有量2.0重量%、数平均分子量1000、数平均分子量と水酸基含有量の乗数に基づいて求めた水酸基含有重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数1.6個、結晶化度0%、日本曹達株式会社製、商品名、「ニッソーPB GI−1000」)
上記で調製した(a)成分及び(b)成分をそれぞれ(a)成分85.0重量部及び(b)成分15.0重量部の組成割合で用い、二軸混練機(日本製鋼所株式会社製、機種名、「TEX−30」)にて、先ず、(a)成分をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、混練機途中から(b)成分を投入して両者を溶融混練することにより、オレフィン系重合体組成物を調製した。
次いで、上記で得られた組成物を使用し、上記の実施例1と同様にして、厚さ400μmのフィルムを製造した。
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用した。
(2).太陽電池モジュ−ルの製造
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用し、厚さ100μmのポリジシクロペンタジエン樹脂シ−ト、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、および、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0086】
実施例8
(1).(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層の製造
(a)成分の調製
エチレン−マレイン酸無水物−アクリル酸エチル三元共重合体(赤外吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位含有量2.0重量%、アクリル酸エチル単位含有量24.0重量%、カルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比11.8、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量15300、数平均分子量とマレイン酸無水物単位含有量の乗数に基づいて求めた変性オレフィン系重合体1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数3.1個、住友化学工業社製「ボンダインHX8140」)
(b)成分の調製
水酸基末端ポリブタジエンの水素添加物(水酸基含有量2.0重量%、数平均分子量1000、数平均分子量と水酸基含有量の乗数に基づいて求めた水酸基含有重合体1分子当たりの水酸基の平均結合数1.6個、結晶化度0%、日本曹達株式会社製、商品名、「ニッソーPB GI−1000」)
上記で調製した(a)成分及び(b)成分をそれぞれ(a)成分85.0重量部及び(b)成分15.0重量部の組成割合で用い、二軸混練機(日本製鋼所株式会社製、機種名、「TEX−30」)にて、先ず、(a)成分をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、混練機途中から(b)成分を投入して両者を溶融混練することにより、オレフィン系重合体組成物を調製した。
次いで、上記で得られた組成物を使用し、上記の実施例1と同様にして、厚さ400μmのフィルムを製造した。
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用した。
(2).太陽電池モジュ−ルの製造
上記で製造したフィルムを充填剤層として使用し、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmの上記で製造したフィルム、および、厚さ38μmのポリフッ化ビニル系樹脂シ−ト(PVF)/厚さ30μmのアルミニウム箔/厚さ38μmのポリフッ化ビニル系樹脂シ−ト(PVF)からなる積層材を、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0087】
比較例1
基材として、厚さ3mmのガラス板を太陽電池モジュ−ル用表面保護シ−トとして使用し、その一方の面に、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0088】
比較例2
基材として、厚さ100μmのポリジシクロペンタジエン樹脂シ−トを太陽電池モジュ−ル用表面保護シ−トとして使用し、その一方の面に、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0089】
比較例3
基材として、厚さ50μmのポリフッ化ビニル樹脂シ−ト(PVF)を太陽電池モジュ−ル用表面保護シ−トとして使用し、その一方の面に、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、アモルファスシリコンからなる太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−ト、および、厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その太陽電池素子面を上に向けて、アクリル系樹脂の接着剤層を介して積層して、太陽電池モジュ−ルを製造した。
【0090】
実験例
上記の実施例1〜8で製造した本発明にかかる太陽電池モジュ−ルと比較例1〜3にかかる太陽電池モジュ−ルについて、温度85℃湿度90%の高温多湿状態に1000時間放置した後、全光線透過率を測定し、また、太陽電池モジュ−ル評価試験を行った。
また、その後、実施例1〜8で製造した充填剤層と太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムとの層間、および、比較例1〜3にかかるエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−トからなる充填剤層と太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムとの層間について界面の剥離強度を測定した。
(1).全光線透過率の測定
これは、実施例1〜8において、本発明にかかる太陽電池モジュ−ルの製造に使用した(A)、(B)、または、(C)の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層としてのフィルムと、比較例1〜3にかかる太陽電池モジュ−ルの製造に使用したエチレン−酢酸ビニル共重合体シ−トについてカラ−コンピュ−タ−により全光線透過率(%)を測定した。
(2).太陽電池モジュ−ル評価試験
これは、JIS規格C8917−1989に基づいて、実施例1〜8にかかる本発明にかかる太陽電池モジュ−ルと、比較例1〜3にかかる太陽電池モジュ−ルについて太陽電池モジュ−ルの環境試験を行い、試験前後の光起電力の出力を測定して、比較評価した。
(3).充填剤層の剥離強度の測定
これは、最背面の50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムと、その内側に位置する充填剤層(実施例1〜8に関しては、本発明にかかる樹脂膜からなる充填剤層、比較例1〜3に関しては、エチレン−酢酸ビニル共重合体シ−トからなる充填剤層である。)とに幅15mmに切れ目を入れた。
次に、15mm幅に切れ目を入れた太陽電池素子を並列に配置した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムと、充填剤層(実施例1〜8に関しては、本発明にかかる樹脂膜からなる充填剤層、比較例1〜3に関しては、エチレン−酢酸ビニル共重合体シ−トからなる充填剤層である。)との界面にて、剥離速度50mm/分として90度剥離を行い、剥離強度の測定を行った。
上記の測定結果について下記の表1に示す。
【0091】
(表1)
上記の表1において、全光線透過率の単位は、〔%〕であり、出力低下率の単位は、〔%〕である。
【0092】
上記の表1に示す測定結果より明らかなように、実施例1〜8にかかる充填剤層は、全光線透過率が高く、また、上記の実施例1〜8にかかる太陽電池モジュ−ルは、出力低下率も低いものであった。
また、実施例1〜8にかかる充填剤層は、剥離強度おいても優れているものであった。
これに対し、比較例1〜3にかかる充填剤層は、全光線透過率は高いものの、それを用いた太陽電池モジュ−ルは、出力低下率が高い等の問題点があった。
また、比較例1〜3にかかる充填剤層は、剥離強度においても劣るものであった。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなよう、本発明は、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物に着目し、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる充填剤層に代えて熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層を使用し、まず、表面保護シ−ト、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、太陽電池素子、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、および、裏面保護シ−トを順次に積層し、次いで、これらを一体的に真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して太陽電池モジュ−ルを製造して、上記の熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層が、その加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく、安定的に、低コストで太陽電池モジュ−ルを製造することができ、これにより、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、種々の用途に適用し得る有用な太陽電池モジュ−ルを製造することができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる太陽電池モジュ−ルについてその一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【符号の説明】
A 太陽電池モジュ−ル
1 表面保護シ−ト
2 充填剤層
3 太陽電池素子
4 充填剤層
5 裏面保護シ−ト
Claims (8)
- 表面保護シート、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、太陽電池素子、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、および、裏面保護シートを順次に積層し、一体化した太陽電池モジュールであって、前記充填剤層を構成する熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物が、(a)少なくとも1種の不飽和カルボン酸無水物をグラフトした変性ポリオレフィンであり、その変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸無水物基の成分濃度が0.1〜20重量%である変性ポリオレフィン、(b)分子内に少なくとも2個の水酸基を有する多価アルコール化合物及び(c)反応促進剤を含有し、成分(a)の変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸無水物に由来する単位に対し、成分(b)である多価アルコール化合物中の水酸基の単位のモル比が0.01〜10の範囲であり、かつ成分(c)である反応促進剤が成分(a)である変性ポリオレフィン100重量部に対して0.001〜20重量部の範囲であることを特徴とする熱可逆架橋性樹脂組成物からなることを特徴とする太陽電池モジュール。
- 表面保護シート、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、太陽電池素子、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、および、裏面保護シートを順次に積層し、一体化した太陽電池モジュールであって、前記充填剤層を構成する熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物が、(a)エチレン、ラジカル重合性酸無水物及び必要に応じて他のラジカル重合性コモノマーとを共重合してなる共重合体であり、該共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位が0.1〜10重量%であり、その他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位が多くとも30重量%であるエチレン系共重合体、及び、(b)分子内に水酸基を少なくとも二つ以上有する多価アルコール化合物、及び、(c)反応促進剤、とからなる熱可逆架橋性樹脂組成物からなることを特徴とする太陽電池モジュール。
- 表面保護シート、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、太陽電池素子、熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層、および、裏面保護シートを順次に積層し、一体化した太陽電池モジュールであって、前記充填剤層を構成する熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物が、(a)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合体であって、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が1個以上で、かつ、該変性オレフィン系重合体中のカルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体、および、(b)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の水酸基含有重合体からなり、(a)成分のカルボン酸無水物基数に対する(b)成分の水酸基数の比が0.1〜5であることを特徴とする熱可逆架橋性樹脂組成物からなることを特徴とする太陽電池モジュール。
- 前記表面保護シートが、ガラス板、フッ素系樹脂シート、環状ポリオレフィン系樹脂シート、ポリカーボネート系樹脂シート、ポリ(メタ)アクリル系樹脂シート、ポリアミド系樹脂シート、または、ポリエステル系樹脂シートからなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれかに記載する太陽電池モジュール。
- 前記太陽電池素子が、結晶シリコン太陽電子素子、または、アモルファスシリコン太陽電池素子からなることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれかに記載する太陽電池モジュール。
- 前記裏面保護シートが、金属板ないし金属箔、フッ素系樹脂シート、環状ポリオレフィン系樹脂シート、ポリカーボネート系樹脂シート、ポリ(メタ)アクリル系樹脂シート、ポリアミド系樹脂シート、または、ポリエステル系樹脂シートからなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれかに記載する太陽電池モジュール。
- 前記表面保護シートと前記熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層とが、予め、積層し、一体化していることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれかに記載する太陽電池モジュール。
- 前記裏面保護シートと前記熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物による充填剤層とが、予め、積層し、一体化していることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれかに記載する太陽電池モジュール。
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