JPH0432546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は川、池等の水を農業用水路へ引く際に
使用する排水用ホースの改良に関する。

（従来の技術とその問題点） 一般に上記した様な排水用ホースは、ホース本
体を軽量化する為に、一側端から他側端迄にかけ
て、その周壁を薄肉状に形成されている。

而して、上記ホースは、一側端を川内へ投入
し、他側端をポンプの接続管へ嵌着して、ポンプ
の吸引力によつて川の水を汲み上げる際に使用さ
れている。

ところが、上記従来ホースは、その側端周壁が
何ら補強されていない薄肉状である為に、以下の
ような問題点を惹き起こしていた。

川内へ投入したホース側端周壁が川砂利等に
よつて傷付けられてしまうので、長期の使用に
耐えることができない。

ポンプの接続管へ嵌着するホース側端周壁
が、嵌着部分外周を緊締する締付バンドによつ
てすり切れてしまう虞れがあるので、この締付
バンドにより緊締を強固に行なうことができ
ず、よつてホースが接続管から抜け易い。

ホース側端を上記接続管へ嵌着する際に、ホ
ース周壁が円筒状に保形されないので上記嵌着
がスムーズに行えず、その嵌着作業に手間がか
かる。

（問題点を解決する為の技術的課題） 以上の問題点を解決する為の本考案の技術的課
題は、ホースの側端を補強して、川砂利や締付バ
ンド等によつて傷付けられることがなく、且つ接
続管への挿着がスムーズに行なえる排水用ホース
を提供することである。

（技術的課題を達成する為の技術的手段） 以上の技術的課題を達成する為の本考案の技術
的手段は、薄肉ホースの一又は両側端に、肉厚な
合成樹脂材で前記薄肉ホースの側部が嵌入する差
込溝部を形成した筒状の保護リングを嵌着固定
し、更に保護リングの外周面に引掛け孔を開設し
た引掛け片を起立突設すると共に、外周面に締付
バンドを巻回装備したことを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

排水用ホース本体Ａは薄肉ホース１と保護リン
グ２とからなつている。

薄肉ホース１は、ゴム、合成樹脂等の所望の樹
脂材によつて、一側端１１から他側端１１迄にか
けて周壁を薄肉状に形成されたホースで、所望の
長さを備えている。又、このホース１はその両側
端１１に保護リング２が嵌着固定されている。

保護リング２は、所望の強度を有する合成樹脂
材によつて肉厚状に形成された外筒２１及び内筒
２２の先端側口縁同士を、環状の連接片２３によ
り連接することで上記外筒２１と内筒２２との間
に筒状の差込溝部３を形成するとともに、外壁に
引掛け片４、締付バンド５を備えて構成されてい
る。

差込溝部３は、ホース１の周壁と略同一幅に開
口しており、内部にホース１側端が差込まれ、該
側端周面に予め塗られた接着剤（不図示）によつ
てホース１側端と接着一体化している。

引掛け片４は、保護リング２の外壁から一体に
立ち上がる突出片で、所望径の引掛け孔１１が開
穿されており、この引掛け孔４１に他端を川底、
ポンプ等に固定したワイヤーもしくはひも等を締
結して、川底、ポンプ等に固定する保護リング２
の位置決めもしくは抜け止めをするようになつて
いる。

締付バンド５は、保護リング２の周壁に締付け
自在に巻回する締付具で、ポンプの接続管（図示
せず）に挿着したホース１側端１１を保護リング
２の外周から緊締するようになつている。

以上の構成からなる排水用ホース本体Ａは、外
筒２１及び内筒２２及び連接片２３によつて、薄
肉ホース１側端１１の表面を保護するとともに、
この側端１１の周壁を肉厚状に補強する。

又、以下に、この排水用ホース本体Ａの使用状
態について説明する。

まず、川内に排水用ホース本体Ａの一側端１１
を投入し、川底に他端を固定されたワイヤーある
いはひも等の一端を、引掛け孔４１に締結して上
記一側端１１の位置決めをする。次に他側端１１
をポンプの接続管（図示せず）に挿着した後、締
付バンド５によつてその外周を緊締するととも
に、前記接続管に固定されたワイヤーあるいはひ
も等の一端を引掛け孔４１に締結して他側端１１
の抜け止めをする。

そしてポンプの吸引力によつて川内の水を汲み
上げて、農業用水路等へ送る。

本実施例においては、保護リング２に引掛け片
４を設けたことにより、川内へ投入したホース１
側端１１の位置決めが出来るとともに、ポンプに
挿着したホース１側端１１を抜け止めを更に確実
に行なうことができる。

尚、締付バンド５は、その紛失を防ぐために予
め保護リング２へ固着しておいても構わない。

（考案の作用、効果） 本考案は以上の様に、薄肉ホースの一又は両側
端に、肉厚な合成樹脂材で前記薄肉ホースの側部
が嵌入する差込溝部を形成した筒状の保護リング
を嵌着固定したので、薄肉ホースの側部を差込溝
部へ差込むことで、該ホース側端の内周面、外周
面、先端面を、保護リング周壁によつて保護し、
且つ肉厚状に補強する。

よつて本考案は以下の効果を有する。

排水用ホース本体の一端を川内に投入した
際、薄肉ホース側端が川砂利等によつて傷付け
られるのを防いで、長期の使用に耐え得る排水
用ホースを提供する。

排水用ホース本体側端をポンプの接続管へ嵌
着した際、その嵌着部分外周を締付バンドによ
つて強固に緊締しても薄肉ホースがすり切れる
ことがなく、よつてその抜け防止を確実に行な
うことができる。又、前記嵌着を行なう際に、
薄肉ホースの側端周壁を円筒状に保形させ、よ
つてその嵌着をスムーズに行なうことができ
る。

排水用ホース本体の両側端に保護リングを固
定した場合、ホース本体の両側端を明確化させ
てその長さを明示し、よつてこの排水用ホース
を貸出した際等に、前記側端を切断、切取され
る虞れをなくす。

ホースの側端に固定される保護リングの外周
面に引掛け孔を開設した引掛け片が起立突設さ
れているため、川底或いはポンプ等に固定され
ているワイヤー若しくは紐等を保護リングの引
掛け片に連結することで川底、ポンプ等に固定
する保護リングの位置決め及び保護リングの抜
け止めを行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は排水
用ホースの一部切欠平面図、第２図は第１図の２
−２拡大断面図である。 尚図中、薄肉ホース……１、保護リング……
２、差込溝部……３、排水用ホース……Ａとす
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄肉ホースの一側又は両側端に、肉厚な合成樹
   脂材で前記薄肉ホースの側部が嵌入する差込溝部
   を形成した筒状の保護リングを嵌着固定し、その
   保護リングの外周面に引掛け孔を開設した引掛け
   片を起立突設すると共に、外周面に締付バンドを
   巻回装備した排水用ホース。