JPH04323A - 磁気特性の優れた厚い板厚の一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた厚い板厚の一方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH04323A
JPH04323A JP2100632A JP10063290A JPH04323A JP H04323 A JPH04323 A JP H04323A JP 2100632 A JP2100632 A JP 2100632A JP 10063290 A JP10063290 A JP 10063290A JP H04323 A JPH04323 A JP H04323A
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黒木 克郎
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トランス等の鉄心として使用される一方向性
電磁鋼板の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一方向性電磁鋼板は、主にトランスその他の電気機器の
鉄心材料として使用されており、励磁特性、鉄損特性等
の磁気特性に優れていることが要求される。励磁特性を
表す数値としては、磁場の強さ800A/mにおける磁
束密度B,が通常使用される.また、鉄損特性を表す数
値としては、周波数50七で1.7テスラー(T)まで
磁化したときのlkg当りの鉄損W+7/Sllを使用
いている。
磁束密度は、鉄損特性の最大支配因子であり、一般的に
いって磁束密度が高いはど鉄損特性が良好になる。なお
、一般的に磁束密度を高くすると二武勇結晶粒が大きく
なり、鉄損特性が不良となる場合がある。これに対して
は、磁区制御により、二次再結晶粒の粒径に拘らず、鉄
損特性を改善することができる。
この一方向性電磁鋼板は、最終仕上焼鈍工程で二次再結
晶を起こさせ、鋼板面に(110) 、圧延方向に<0
01>軸をもったいわゆるゴス組織を発達させることに
より、製造されている。良好な磁気特性を得るためには
、磁化容易軸である<001>を圧延方向に高度に揃え
ることが必要である。二次再結晶粒の方向性は、MnS
、 A 1. N等をインヒビターとして利用し、最終
強圧下圧延を施す方法によって大幅に改善され、それに
伴って鉄損特性も著しく向上する。
〔発明が解決しようとする課題] ところで、近年タービン発電機用鉄心材料等の用途に、
現用の高級無方向性電磁鋼板にかわって、方向性電磁鋼
板を用いたいというニーズが高まってきた。上記用途に
関していえば、他の無方向性電磁鋼板の用途と比較して
、一方向の磁気特性が重要とされるため、方向性電磁鋼
板を用いたいというニーズが高まってきたわけである。
一方、方向性電磁鋼板の熱延後の製造の主工程は、熱延
板焼鈍−冷延一説炭焼鈍一仕上焼鈍となっており、無方
向性電磁鋼板の熱延後の主工程である冷延焼鈍と比較し
て、複雑となっている。そのため、製造コストからして
、方向性電磁鋼板の方が無方向性電磁鋼板よりかなり高
いものとなる。更に、主として0.5■厚等の厚手を必
要とする上記用途においては、例えば0.08wt%程
度のCを含有する通常の方向性電磁鋼用スラブを素材と
して用いると、脱皮焼鈍工程で磁気時効の生じないCレ
ベル(例えば0.003wt%以下)まで脱皮するのに
要する時間がかかりすぎるため、当然製造コストが高く
なってしまう。
また、方向性電磁鋼板の製造においては通常熱延後組織
の不均一化、析出処理等を目的として熱延板焼鈍が行わ
れている0例えばAINを主インヒビターとする製造方
法においては、特公昭46−23820号公報に示すよ
うに熱延板焼鈍においてAINの析出処理を行ってイン
ヒビターを制御する方法がとられている。
近年多量のエネルギー消費をするこのような方向性電磁
鋼板の製造工程に対する見直しが進められ、工程、エネ
ルギーの簡省略化の要請が強まってきた。このような要
請に応えるべく、AINを主インヒビターとする製造方
法において、熱延板焼鈍でのAtNの析出処理を、熱延
後の高温巻取で代替する方法(特公昭59−45730
号公報)が提案された。確かにこの方法によって熱延板
焼鈍を省略しても、磁気特性をある程度確保することは
できるが、5〜20トンのコイル状で巻取られる通常の
方法においては、冷却過程でコイル内での場所的な熱履
歴の差が生じ、必然的にAINの析出が不均一となり、
最終的な磁気特性はコイル内の場所によって変動し、歩
留が低下する結果となる。
そこで本発明者らは、従来はとんど注目されていなかっ
た仕上熱延最終パス後の再結晶現象に着目し、この現象
を利用して80%以上の強圧下1回冷延による製造法に
おいて熱延板焼鈍を省略することを検討した。
一方向性電磁鋼板の熱延に関しては、高温スラブ加熱(
例えば1300℃以上)時のスラブ結晶粒の粗大成長に
起因する二次再結晶不良(圧延方向に連なった線状細粒
発生)を防止するために、熱延時の960〜1190℃
での温度で1パス当り30%以上の圧下率で再結晶化高
圧下圧延を施し、粗大結晶粒を分断する方法が提案され
ている(特公昭60−37172号公報)。確かにこの
方法によって線状細粒発生が減少するが、熱延板焼鈍を
施す製造プロセスを前提としている。
また、MnS+  MnSe、 Sbをインヒビターと
する製造方法において、熱延時の950〜1200℃の
温度で圧下率10%以上で連続して熱延し、引き続き3
℃/sec以上の冷却速度で冷却することによってMn
S、 MnSeを均一微細に析出させ、磁気特性を向上
させる方法が提案されている(特開昭5120716号
公報)。また熱延を低温で行い再結晶の進行を抑制し、
剪断変形で形成される(110)<001>方位粒が引
き続く再結晶で減少するのを防止することによって磁気
特性を向上させる方法が提案されている(特公昭59−
32526号公報、特公昭59−35415号公報)。
これらの方法においても、熱延板焼鈍無しの1回冷延法
での製造は検討さえされていない。また超低炭素を含有
する珪素鋼スラブの熱延において、熱延板で歪を蓄積さ
せる低温大圧下熱延を行い、引き続く熱延板焼鈍での再
結晶により超低炭素材特有の粗大結晶粒を分断する方法
が提案されている(特公昭59−34212号公報)。
しかしこの方法においても、熱延板焼鈍無しの1回冷延
法での製造は検討さえされていない。
そこで本発明者らは、従来はとんど注目されていなかっ
た仕上熱延の最終パス後の再結晶現象に着目し、この現
象を利用して80%以上の強圧下1回冷延による製造法
にお′いて熱延板焼鈍を省略して優れた磁気特性をもつ
一方向性電磁鋼板を得ることを目的として研究を行った
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、かかる目的を達成するために重量でc : 
 o、oio〜0.060%、Si:2.5〜4.5%
ならびに通常のインヒビター成分を含み、残余はFeお
よび不可避的不純物からなる珪素鋼スラブに対し、熱延
終了温度を750〜1150℃とし、熱延終了後少くと
も1秒以上、700℃以上の温度に保持し、巻取温度を
700℃未満とし、引き続き熱延板焼鈍をすることなく
圧下率80%以上の冷延、脱皮焼鈍、最終仕上焼鈍を施
すことを特徴とする0、4〜1.0m厚の厚手一方向性
電m*板の製造法を提供するものである。
更にこの特徴に加えて、仕上熱延の最終3バスの累積圧
下率を50%以上とすることによって一層磁気特性の優
れた一方向性電磁鋼板が得られる。
更に上記2つの特徴に加えて、仕上熱延の最終バスの圧
下率を20%以上にすることによって、−層磁気特性の
優れた一方向性電磁鋼板が得られる。
〔作 用〕
本発明が対象としている一方向性電磁鋼板は、従来用い
られている製鋼法で得られた溶鋼を連続鋳造法或いは造
塊法で鋳造し、必要に応じて分塊工程を挟んでスラブと
し、引き続き熱間圧延して熱延板とし、次いで熱延板焼
鈍を施すことなく圧下率80%以上の冷延、脱皮焼鈍、
最終仕上焼鈍を順次行うことによって製造される。
本発明者らは、仕上熱延の最終パス後の再結晶現象に注
目して、種々の観点から広範囲にわたって研究したとこ
ろ、この現象と磁気特性が密接に関係していることを確
かめた。以下、実験結果を基に詳細に説明する。
第1図は熱延終了温度及び熱延終了後700″C以上に
鋼板が保持された時間が製品の磁束密度に与える影響を
表したグラフである。ここでは、C: 0.034重量
%、Si:3.23重量%、酸可溶性Al: 0.02
7重量%、N : 0.0079重量%、S : 0.
006重量%、Mn : 0.14重量%を含有し、残
部Fe及び不可避的不純物からなる20〜80■厚のス
ラブを1150〜1400’Cに加熱し、6バスで3.
4■厚の熱延板に熱延し、ただちに水冷、一定時間空冷
後に水冷、空冷等の種々の冷却を行い、550℃で冷却
を終了し550℃に1時間保持した後炉冷する巻取シミ
ュレーションを行った。次いで、熱延板焼鈍を施すこと
なく約85%の最終強圧下圧延を行って最終板厚0.5
−の冷延板とし、830〜1000℃の温度で脱皮焼鈍
を行い、引き続きMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布して最終仕上焼鈍を行った。
第1図から明らかなように熱延終了温度750〜115
0’Cで、かつ熱延終了後、少くとも1秒以上、700
℃以上に鋼板を保持する場合にB3≧1.88 Tの高
い磁束密度が得られている。また本発明者らはこの新知
見をさらに詳細に検討した。
第2図は第1図で磁束密度が良好であった熱延終了温度
750〜1150’Cで、がっ熱延終了後、少くとも1
秒以上、700”C以上に鋼板を保持した場合における
仕上熱延の最終3バスの累積圧下率と磁束密度との関係
を表したグラフである。
第2図から明らかなように仕上熱延の最終3バスの累積
圧下率が50%以上の場合に83≧1.90Tの高い磁
束密度が得られている。また本発明者らはこの新知見を
さらに詳細に検討した。
第3図は第2図で磁束密度が良好であった熱延終了温度
750〜1150℃で、かつ熱延終了後、少くとも1秒
以上、700 ”C以上に鋼板を保持し、かつ仕上熱延
の最終3パスの累積圧下率が50%以上の場合における
仕上熱延の最終パスの圧下率と磁束密度との関係を表し
たグラフである。
第3図から明らかなように仕上熱延の最終パスの圧下率
が20%以上の場合にB、≧1.927の高い磁束密度
が得られている。
熱延終了温度、熱延後700℃以上に鋼板を保持する時
間、仕上熱延の最終3パスの累積圧下率、仕上熱延の最
終パスの圧下率と製品の磁束密度との間に第1図、第2
図及び第3図に示した関係が成立する理由については必
ずしも明らかではないが、本発明者らは次のように推察
している。
従来から(110)<OOt>二次再結晶粒の母体は熱
延時表面層での剪断変形で形成されると考えられており
、熱延板での(110)<oot>方位粒を冷延再結晶
後に富化するためには、熱延板での(110)<001
>方位粒を粗粒で、かつ歪の少ない状態にすることが有
効と考えられている。他方、通常行われる熱延板焼鈍の
役割は、AIN等の析出処理、冷却時の変態相の形成、
冷却時の固溶C1固溶N、微細炭窒化物の生成等が考え
られるが、これらの役割に加えて、再結晶による歪の低
下も熱延板焼鈍の重要な役割と考えられる。
そこで本発明者らは、熱間加工シミュレーターを用いて
、熱間加工再結晶挙動を詳細に検討した。
第4図は、熱間加工後の再結晶挙動を示すグラフである
。この場合、重量でC: 0.040%、Si:3.2
7%、Mn : 0.14%、S : 0.007%、
酸可溶性Al : 0.027%、N : 0.007
6%を含有する粗圧延材より試料を切り出し、1150
″CXl0分の加熱後、各温度で75%の1パス圧下を
加え、加工した温度で所定の時間保持した後水焼入れし
た。しかる後、本発明者らが開発したE CP (El
ectronchannelling pattern
)を画像解析して結晶歪を測定する方法(日本金属学会
秋期講演大会概要集(1988,11) P289)を
用いて再結晶率を測定した。
ここでは、標準試料の焼鈍板に1.5%の圧下率の冷延
を施した場合のECPの鮮明度より高い値を示す粒の面
積率(低歪粒の面積率)を再結晶率と呼んでいる。この
方法は従来の金属組織を目視判定して再結晶率を測定す
る方法と比較して格段に精度がよい。第4図かられかる
ように、1000〜1050℃の温度範囲で最も再結晶
の進行が速いことがわかる。
また、同一素材の試料を用いて、同一条件の加熱を行い
、10〜90%の圧下率で1000℃で圧下し、100
0℃の温度に10秒間保持した後水焼入れした。しかる
後上記と同一の方法で再結晶粒を判定し、その再結粒の
粒径(円相当直径)を画像解析機を用いて測定した。圧
下率と粒径の関係を第5図に示す。第5図かられかるよ
うに、圧下率が大きいはど粒径が小さくなる。
本発明の条件である、熱延終了温度を750〜1150
℃とし、少くとも熱延後1秒以上、700℃以上に保持
すること、さらに加えて、最終3パスの累積圧下率を5
0%以上とすること、さらに加えて、最終パスの圧下率
を20%以上とすることは、第4図、第5図かられかる
ように、いずれも仕上熱延の最終バス後に再結晶を容易
ならしめ、再結晶粒径を微細とする要件となっていると
考えられる。
従って、本発明の場合、熱延板の結晶粒径は小さいが歪
が少ない状態となり、(110) <001>方位粒を
冷延再結晶後に富化する点では、粒径の点で不利である
が、歪の点で有利であり、結果的には、脱皮焼鈍後の状
態で(110)<001>方位粒に大きな影響を与えな
いと考えられる。
他方脱皮板の主方位である(I H) <112>。
(100)<025>は(110)<oot>二次再結
晶粒の粒成長に影響を与える方位として知られており、
(111)<112>が多いほど(1001<025>
が少ないほど(110)<001>二次再結晶粒の粒成
長が容易となると考えられる0本発明においては、最終
バス後に引き続く再結晶において、再結晶が進みやすく
、結晶粒も微細化されやすくなる。この本発明の熱延板
を引き続き冷延再結晶させると冷延前の粒径が小さいが
ために粒界近傍から(111) <112 >が多く植
生じ、粒内から植生ずる(100)<025>が相対的
に減少する。
従って、本発明においては、熱延最終パス後に引き続く
再結晶によって熱延板が低歪で、かつ結晶粒径が小さい
状態となったがために、脱皮板の状態で(1101<0
01>方位粒に影響を与えることなく、(110)<0
01>方位粒の粒成長に有利な(111) <112>
方位粒を増加させ、(1101<001>方位粒の粒成
長を妨げる(100)<025>方位粒を減少させるこ
とに成功した。これにより熱延板焼鈍を省略しても良好
な磁気特性を得ることが可能となるものと考えられる。
次いで、本発明の各要件について説明する。
本発明で使用されるスラブは重量でC:  0.010
〜0.060%、Si:2.5〜4.5%ならびに通常
のインヒビター成分を含み残余はFeおよび不可避的不
純物よりなる。
次に上記成分の限定理由について述べる。Cは0.01
0%未満になると二次再結晶が不安定となり、二次再結
晶した場合でもB8≧1.80(T)が得がたいので、
0.010%以上とした。また、0.060%を超える
と板厚が0.4〜1.0と厚いために脱皮不良が発生し
て好ましくない、また、Siについては4.5%を超え
ると冷延が困難となり好ましくなく、2.5%未満では
良好な磁気特性を得ることが困難となり好ましくない。
また、インヒビター構成元素として、必要に応じてAI
、 N、 Mn、  S、 Se。
Sb、  B、 Cu、旧、 Nb、 Cr、 Sn、
 Ti等を添加することもできる。
このスラブの加熱温度は、特に限定されるものではない
が、コストの面から1300℃以下とすることが好まし
い。
加熱されたスラブは、引き続き熱延されて熱延板となる
0本発明の特徴はこの熱延工程にある。
つまり、熱延終了温度を750〜1150℃とし、熱延
終了後少くとも1秒以上、700℃以上の温度に保持し
、巻取温度を700℃未満とする。さらに加えて、仕上
熱延の最終3パスの累積圧下率を50%以上とすること
が良好な磁気特性を得る上で一層好ましい。また、さら
に加えて、仕上熱延の最終パスの圧下率を20%以上に
することは、良好な磁気特性を得る上で一層好ましい。
熱延工程は通常100〜400mm厚のスラブを加熱し
た後、いづれも複数回のパスで行う粗圧延と仕上圧延よ
り成る。粗圧延の方法については特に限定するものでは
なく通常の方法で行われる。
本発明の特徴は粗圧延に引き続く仕上圧延にある。仕上
圧延は通常4〜10パスの高速連続圧延で行われる。通
常仕上圧延の圧下配分は前段が圧下率が高く、後段に行
くほど圧下率を下げて形状を良好なものとしている。圧
延速度は通常100〜3000s/winとなっており
、パス間の時間は0.01〜100秒となっている0本
発明で限定しているのは、熱延終了温度と熱延後の冷却
と巻取温度と最終3パスの累積圧下率とさらに加えて最
終パスの圧下率だけであり、その他の条件は特に限定す
るものではないが、最終3バスのパス間時間ヲ1000
秒以上と異常に長くとるとパス間の回復、再結晶で歪が
開放され、蓄積歪の効果が得られにくくなるので好まし
くない。その信任上熱延前段の数バスでの圧下率につい
ては、最終パスまで加えた歪が残っていることが期待し
に(いので特に限定せず、最終3バスだけを重視すれば
十分である。
次いで上記熱延条件の限定理由について述べる。
熱延終了温度を750〜1150℃とし、熱延終了後少
(とも1秒以上、700℃以上の温度に保持すると規定
したのは、第1図から明らかなように、この範囲で86
≧1.88(T)の良好な磁束密度B8をもつ製品が得
られるためである。なお、熱延終了後、鋼板が700℃
以上に保持される時間の上限値については特に限定する
ものではないが、通常、熱延終了後巻取られるまでの時
間が0.1〜1000秒程度であり、1000秒以上鋼
板をストリップ状で700℃以上に保持することは設備
の点で困難である。
熱延後の巻取温度については、700℃以上となると冷
却時のコイル内の熱履歴の差に起因して、コイル内にA
!N等の析出状態のバラツキ、表面脱皮状態のバラツキ
、金属組織のバラツキ等が生じ、製品の磁気特性にバラ
ツキが生じて好ましくないので、700℃未満としなけ
ればならない。
次にさらに好ましくは仕上熱延の最終3パスの累積圧下
率を50%以上とすると限定したのは、第2図より明ら
かなように、この範囲でB3≧1.90(T)の良好な
磁束密度B、をもつ製品が得られるためである。なお最
終3パスの累積圧下率の上限については特に限定するも
のではないが工業的には99.9%以上の累積圧下を加
えることは困難である。またさらに好ましくは最終パス
の圧下率を20%以上としたのは第3図から明らかなよ
うにこの範囲において、B、≧1.92(T)の−層良
好な磁束密度B、をもつ製品が得られるためである。な
お最終パスの圧下率の上限は特に限定するものではない
が、工業的には90%以上の圧下を加えることは困難で
ある。
この熱延板は熱延板焼鈍を施すことなく80%以上の圧
下率で冷延される。圧下率を80%以上としたのは、圧
下率を上記範囲とすることによって、脱皮仮において尖
鋭な(110) <001>方位粒と、これに蚕食され
易い対応方位粒H1ll)<112>方位粒等)を適正
量得ることができ、磁束密度を高める上で好ましいため
である。
冷延板の板厚を0.4〜1.0mと規定したのは、厚手
一方向性電磁鋼板を得る本発明の目的のためである。ま
た、1.0 m超では、脱皮焼鈍に時間がかかりすぎて
好ましくない。
冷延後鋼板は通常の方法で脱皮焼鈍、焼鈍分離剤塗布、
仕上焼鈍を施されて最終製品となる。なお脱皮焼鈍後の
状態で二次再結晶に必要なインヒビター強度が不足して
いる場合には、仕上焼鈍等においてインヒビターを強化
する処理が必要となる。インヒビター強化法の一例とし
ては、八!を含有する鋼において仕上焼鈍雰囲気ガスの
窒素分圧を高めに設定する方法が知られている。
〔実施例〕
以下実施例を説明する。
一実施例1− C: 0.035重量%、Si:3.25重量%、Mn
:0.14重量%、S : 0.007重量%、酸可溶
性Al:0.028重量%、N : 0.0079重量
%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる60
M厚のスラブを1100℃の温度で加熱した後、950
℃で熱延を開始し、60→28→13→6.5→5.0
→3.8→3.4(閣)なるパススケジュールで熱延し
て3.4閣の熱延板とした。この時熱延終了温度は83
5℃であり、引き続き00.2秒空冷した後(832℃
)に200℃/秒の冷速で550℃まで水冷し、550
℃に1時間保持した後炉冷する巻取りシミュレーション
、■6秒空冷した後(775℃)に100℃/秒の冷速
で550℃まで水冷し、550℃に1時間保持した後炉
冷する巻取りシミュレーションを施した。
この熱延板を酸洗して圧下率約85%で0.5■の冷延
板とし、830℃で250秒保持する脱皮焼鈍を施した
。得られた脱皮焼鈍板に、MgOを主成分とする焼鈍分
離剤を塗布し、N225%、8275%の雰囲気ガス中
で10℃/時の速度で1200℃まで昇温し、引き続き
nz1oo%雰囲気ガス中で1200”Cで20時間保
持する最終仕上焼鈍を行った。
た。
熱延条件と製品の磁気特性を第1表に示す。
実施例2− C: 0.045重量%、Si:3.23重量%、Mn
二0.15重量%、S : 0.007重量%、酸可溶
性AI=0.028重量%、N : 0.0080重量
%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる40
閤厚のスラブを1150℃の温度で加熱した後、6バス
で熱延して2、3 amの熱延板とした。この時圧下配
分を40→21→14→lO→7.3→4.1→3.4
(mn)とし、熱延開始温度を■1000″C1■90
0 ’C1■800℃1■700℃の4条件とした。熱
延終了後4秒空冷した後に100℃/秒の冷速で550
℃まで水冷し、550℃に1時間保持した後炉冷する巻
取リシミュレーションを施し、引き続く最終仕上焼鈍ま
での工程条件は実施例1と同じ条件で行った。
で行った。
熱延条件と製品の磁気特性を第2表に示す。
一実施例3 C: 0.030重量%、Sf:3.20重量%、Mn
二0.14重量%、S : 0.006重量%、酸可溶
性Al=0.028重量%、N : 0.0080重量
%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる70
閣厚のスラブを1150℃の温度で加熱した後1000
℃で熱延を開始し、圧下配分を70→45→30→15
→7.5→4.5→3(閣)とし、熱延終了後02秒空
冷後、100℃/秒で550 ’Cまで水冷し、550
℃で1時間保持した後炉冷、■2秒空冷後、50℃/秒
で750℃まで水冷し、750℃で1時間保持した後炉
冷、なる2条件で冷却した。この熱延板を熱延板焼鈍を
施すことなく酸洗し、引き続く最終仕上焼鈍までの工程
条件は実施例1と同じ条件で行った。
熱延条件と製品の磁気特性を第3表に示す。
一実施例4− C: 0.018重量%、Si:3.QQ重量%、Mn
:0.15重量%、S : 0.006重量%、酸可溶
性Al:0.0301量%、N : 0.0081重量
%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる60
閣厚のスラブを1150℃の温度で加熱した後、5バス
で熱延して3.8−の熱延板とした。この時圧下配分を
60→35→22.7→13.6→6.8→3.8(■
)とし、熱延開始温度を■1150℃1■1100℃1
■750℃の3条件とした。熱延終了後は実施例2と同
じ条件で冷却した。この熱延板を酸洗して圧下率約87
%で0.5閣の冷延板とし、830 ”Cで200秒保
持し、引き続き850℃に20秒保持する脱皮焼鈍を施
した3次いで、この脱皮板に、750℃×30秒の熱処
理を施し、この時NH3ガスを雰囲気ガスに混合させ、
鋼板に窒素吸収を生ぜしめた。しかる後、鋼板にMgO
を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、N225%、N2
75%・の雰囲気ガス中で15℃/時の速度で900℃
まで昇温し、引き続きNz75%、N225%の雰囲気
ガス中で15℃/時の速度で1200℃まで昇温し、引
き続きHzlOO%の雰囲気ガス中で1200℃で20
時間保持する最終仕上焼鈍を行った。
熱延条件と製品の磁気特性を第4表に示す。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明においては、熱延終了温度と
熱延終了後鋼板を700℃以上に保持する時間及び熱延
後の巻取温度、さらに好ましくは、熱延最終3パスの累
積圧下率、またさらに好ましくは、熱延の最終パスの圧
下率を制御することにより、熱延板焼鈍を施すことなく
、1回冷延法で良好な磁気特性を有する厚手一方向性電
磁鋼板を製造することができるので、その工業的効果は
極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は熱延終了温度及び熱延終了後700℃以上に鋼
板が保持された時間と製品の磁束密度との関係を表した
グラフであり、第2図は仕上熱延の最終3パスの累積圧
下率と磁束密度との関係を表したグラフであり、第3図
は仕上熱延の最終パスの圧下率と磁束密度との関係を表
したグラフであり、第4図は熱間加工再結晶挙動を示す
グラフであり、第5図は再結晶粒径に対する圧下率の影
響を示すグラフである。 θ 4θ  50 6θ    θO 撚Hf)最終5バスの累積圧下率(%)O:1θθ≦β
θ(T> 0:ieo≦f3.(T)<188 /      2.f4     S     6熱延
終了後7θθ′C以上区煩版オ\保杓0れる時間(秒)
11姐−+終ノ\°スの圧下率(%) 加工完了後ψ゛うの時間C,5eC) 第5図 圧 下 牟 (%)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量でC:0.010〜0.060%、Si:2
    .5〜4.5%ならびに通常のインヒビター成分を含み
    、残余はFeおよび不可避的不純物よりなる珪素鋼スラ
    ブを熱延し、熱延板焼鈍をすることなく、引き続き圧下
    率80%以上の冷延、脱皮焼鈍、最終仕上焼鈍を施して
    0.4〜1.0mm厚の厚手一方向性電磁鋼板を製造す
    る方法において、熱延終了温度を750〜1150℃と
    し、熱延終了後少くとも1秒以上、700℃以上の温度
    に保持し、巻取温度を700℃未満とすることを特徴と
    する磁気特性の優れた厚い板厚の一方向性電磁鋼板の製
    造方法。
  2. (2)仕上熱延の最終3パスの累積圧下率を50%以上
    とすることを特徴とする請求項1記載の磁気特性の優れ
    た厚い板厚の一方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. (3)仕上熱延の最終パスの圧下率が20%以上である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の磁気特性の優
    れた厚い板厚の一方向性電磁鋼板の製造方法。
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