JPH04321647A - ジクロロフェニルプロピルアミンおよび農園芸用殺菌剤 - Google Patents

ジクロロフェニルプロピルアミンおよび農園芸用殺菌剤

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JPH04321647A
JPH04321647A JP11249591A JP11249591A JPH04321647A JP H04321647 A JPH04321647 A JP H04321647A JP 11249591 A JP11249591 A JP 11249591A JP 11249591 A JP11249591 A JP 11249591A JP H04321647 A JPH04321647 A JP H04321647A
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JP
Japan
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compound
formula
dichlorophenylpropylamine
agricultural
dichlorobenzyl
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Application number
JP11249591A
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English (en)
Inventor
Akinori Oda
小田 晃規
Kazutoshi Yoshikawa
和俊 吉川
Akinobu Tanaka
昭宣 田中
Tomoko Imaruoka
智子 伊丸岡
Yoshiaki Suzuki
吉昭 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なジクロロフェニ
ルプロピルアミンならびに新規な農園芸用殺菌剤に関す
る。
【従来の技術、発明が解決すべき課題】農作物の病害の
病原細菌に対する殺菌剤として、従来より無機あるいは
有機銅剤、ストレプトマイシンなどの抗生物質剤が用い
られてきた。しかしながら、これらの従来の薬剤には、
効力が、実用上、十分ではないことおよび薬害の発生等
の問題点があるため、さらに静菌作用ないし殺菌作用(
両者を一括して“抗菌作用”と記すこともある)が強く
、薬害の発生の少ない薬剤が望まれていた。
【0002】
【課題を解決するための手段、作用】本発明者らは、前
記の従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結
果、新規なジクロロフェニルプロピルアミンを発見し、
しかも、これらの化合物が農園芸病害の病原細菌に対し
て静菌作用ないし殺菌作用を有することを発見して本発
明に到達した。すなわち、本第一発明は、化1で示され
るジクロロフェニルプロピルアミンである。
【0003】
【化1】 [ただし、化1中、Rは炭素数6から12までの飽和ア
ルキル基またはジクロロベンジル基を示す]本第一発明
における化1で示されるジクロロフェニルプロピルアミ
ンは、例えば、つぎのようにして製造することができる
。すなわち、ジクロロベンジルハライドとマロン酸ジエ
ステルから得られるエステル(イ)を加水分解後、脱炭
酸、還元してアルコ−ル(ロ)へ導き、さらにハロゲン
化物、または、それと化学合成上同等なメタンスルホネ
−トないしトルエンスルホネ−トなどに変換する(化合
物(ハ)、Rはハロゲン、OSO2 CH3 ,OSO
2 C7 H7 )。次に、この化合物(ハ)とジクロ
ロベンジルアミンまたはアルキルアミンと反応させて本
発明のジクロロフェニルプロピルアミン(化1)を得る
。また本発明における化1で示されるジクロロフェニル
プロピルアミンの物性を表1に示した。
【0004】
【化2】
【0005】
【表1】 表1  ジクロロフェニルプロピルアミンの物性───
─────────────────────────
──  化合物      シ゛クロロフェニル   
     R                  融
点────────────────────────
──────    A        3,4−シ゛
クロロ   3,4− シ゛クロロヘ゛ンシ゛ル   
     油状物                 
                         
(塩酸塩135 〜136 ℃)    B     
  3,4− シ゛クロロ    2,4−シ゛クロロ
ヘ゛ンシ゛ル        油状物        
                         
         (塩酸塩149 〜151 ℃) 
   C       2,4− シ゛クロロ    
   n− ヘキシル              油
状物                       
                   (塩酸塩20
9 〜211 ℃)    D       2,4−
 シ゛クロロ       n− オクチル     
         油状物             
                         
    (塩酸塩199 〜211 ℃)    E 
      2,4− シ゛クロロ      n−テ
゛シル               油状物    
                         
             (塩酸塩194 〜196
 ℃)    F        2,4−シ゛クロロ
   3,4− シ゛クロロヘ゛ンシ゛ル      
  油状物                    
                      (塩酸
塩124 〜126 ℃)    G        
2,4−シ゛クロロ   2,4− シ゛クロロヘ゛ン
シ゛ル        油状物           
                         
      (塩酸塩123 〜125 ℃)────
─────────────────────────
─また、本第二発明は、化1で示されるジクロロフェニ
ルプロピルアミンの少なくとも1種を有効成分として含
有することを特徴とする農園芸用殺菌剤である。
【0006】
【化1】 [ただし、化1中、Rは炭素数6から12までの飽和ア
ルキル基またはジクロロベンジル基を示す]
【0007
】化1で示されるジクロロフェニルプロピルアミンアミ
ンは、キュウリ斑点細菌病菌などの Psuedomo
nas  属細菌、ハクサイ軟腐病菌などの Erwi
nia  属細菌、カンキツ潰瘍病菌などの Xant
homonas  属細菌およびトマト潰瘍病菌などの
 Clavibactor  属細菌に対し強い静菌作
用ないし殺菌作用を示すばかりでなく、その他の農作物
病害の病原菌に対しても強い抗菌作用を示す。 これらのジクロロフェニルプロピルアミンは化学的に安
定であり、長期の保存にも耐え得る。従って、本第二発
明の農園芸用殺菌剤は、これらのジクロロフェニルプロ
ピルアミンの強い静菌作用ないし殺菌作用とあいまって
、この化合物を有効成分とする農園芸用殺菌剤は実用性
の高いものである。
【0008】本第二発明の農園芸用殺菌剤において、そ
の有効成分であるジクロロフェニルプロピルアミンが、
広い抗菌スペクトラムを有している。従って、本第二発
明の農園芸用殺菌剤は、例えば、カンキツ潰瘍病、イネ
白葉枯病、モモ穿孔細菌病、キャベツ黒腐病、レタス斑
点細菌病、メロン褐斑細菌病、ダイズ葉焼病、キュウリ
斑点細菌病、ハクサイ軟腐病、およびトマト潰瘍病など
の各種病原菌による広範囲の病害の防除に有効である。
【0009】本第二発明の農園芸用殺菌剤は、本第一発
明の新規な化合物を使用して、それ自体公知の方法によ
り、水和剤、液剤、乳剤、フロアブル(ゾル)剤、粉剤
、ドリフトレス(DL)粉剤および粒剤などの従来使用
されている農園芸用薬剤、特に殺菌剤として採用しうる
任意の剤型に調製することができる。これらの製剤に使
用される担体としては、農園芸用薬剤に通常使用されて
いるものを使用することができ、特に制限はない。例え
ば、固体担体の代表例としては、カオリン、ベントナイ
ト、クレー、タルクおよびバーミキュライトなどの鉱物
質粉末、木粉、澱粉および結晶セルロースなどの植物質
粉末、石油樹脂、ポリ塩化ビニル、ケトン樹脂およびダ
ンマルガムなどの高分子化合物などがある。液体担体の
代表例としては、水、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアル
コール、ブタノール、エチレングリコールおよびベンジ
ルアルコールなどのアルコール類、トルエン、ベンゼン
、キシレン、エチルベンゼンおよびメチルナフタレンな
どの芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジ
クロロメタン、クロルエチレン、モノクロルベンゼン、
トリクロロフルオルメタンおよびジクロロフルオルメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、エチ
レンオキシドおよびジオキサンなどのエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢
酸ブチルおよびエチレングリコールアセテートなどのエ
ステル類、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセト
アミドなどの酸アミド類、ジメチルスルホキシドなどの
スルホキシド類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルおよびエチレングリコールモノエチルエーテルなどの
アルコールエーテル類、n−ヘキサンおよびシクロヘキ
サンなどの脂肪族または脂環式炭化水素類、石油エーテ
ルおよびソルベントナフサなどの工業用ガソリンならび
にパラフィン類、灯油および軽油などの石油留分などが
ある。
【0010】また、各種の界面活性剤を使用することも
できる。代表例としてポリオキシエチレンアルキルエー
テルおよびポリオキシエチレンアルキルエステルなどの
非イオン型界面活性剤、アルキルベンゼンスルホネート
およびアルキルサルフェートなどの陰イオン型界面活性
剤、ラウリルアミンおよびステアリルトリメチルアンモ
ニウムクロリドなどの陽イオン型界面活性剤ならびにベ
タイン型カルボン酸および硫酸エステルなどの両性型界
面活性剤などが挙げられる。前記の製剤中の本第一発明
の化合物の含有量には特に制限はないが、実用上、通常
は、0.001 〜95wt% 程度、好ましくは、0
.01〜90wt% 程度とされる。例えば、実用上、
通常は、粉剤、DL粉剤および粒剤などでは0.01〜
5wt%程度とされ、また、水和剤、液剤および乳剤な
どでは1 〜75wt% 程度とされる。 このようにして調製された製剤は、例えば、粉剤、ドリ
フトレス剤および粒剤などでは、そのまま施用され、水
和剤、液剤、乳剤およびフロアブル剤などでは、水また
は適当な溶媒に希釈して施用される。
【0011】また、本第二発明の農園芸用殺菌剤は、他
の農園芸用殺菌剤、除草剤、殺虫剤および植物生長調整
剤ならびに肥料などと併用することができる。本第二発
明の農園芸用殺菌剤は、そのまま、または、希釈して作
物の茎葉に散布し、または、水面、水中、土壌表面もし
くは土壌内部に施用される。本第二発明の農園芸用殺菌
剤の施用量は、対象病害の種類、罹病の程度、対象作物
の種類、施用部位、施用法、施用時期および剤型の種類
などによって異なり、一概に特定し得ないが、本第一発
明の化1で示される化合物として、10アールあたり、
粉剤、ドリフトレス剤および粒剤(いずれも有効成分濃
度3wt%)などでは、2 〜6kg とされ、また、
水和剤、液剤、乳剤およびフロアブル剤(いずれも有効
成分濃度20wt% )などでは、0.05〜3kg 
を100 〜500 lの水に希釈して使用される。本
第一発明の化合物は、抗菌作用が強く、しかも安定性が
大きいので施用適期が広く、また、作物病害の治療のみ
ならず、予防にも使用することが可能である。
【0012】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない
。 実施例1 N−3,4−ジクロロベンジル−N−3−(3,4−ジ
クロロフェニル)プロピルアミン(化合物A)の合成以
下のよう6段階で合成した。 1)3,4−ジクロロベンジルマロン酸ジメチルエステ
ルの合成 79.2g(0.600mol)のジメチルマロン酸を
1Lのメタノ−ルに溶かし、これに室温にて撹拌しなが
ら116gの28%ナトリウムメチ−ラト溶液を加えた
。続いて39.0g(0.200mol)の3,4−ジ
クロロベンジルクロライドをゆっくりと滴下した。反応
混合物を室温にて26時間撹拌した後、1Lの4N硫酸
に注ぎ、クロロホルム(100mlx3)で抽出した。 硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣を減圧
蒸留して沸点158〜164℃/3mmHgの画分に 
 40.21g(収率  69%)の標題化合物を無色
油状物として得た。 2)3,4− ジクロロベンジルマロン酸の合成19.
8g(68.0mmol)の3,4−ジクロロベンジル
マロン酸ジメチルエステルを200mlのメタノ−ルに
溶かし、これに水酸化ナトリウム8.16g(204m
mol)を水50mlに溶かして加えた。反応混合物を
室温に24時間撹拌後、400mlの9N硫酸に注ぎ、
クロロホルム(80mlx3)で抽出した。有機層を硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣固体をヘキ
サン/エ−テルから再結晶して  17.3g(収率 
 97%)の標題化合物を無色針状晶として得た。 融点  122〜124℃ 3)3−(3,4− ジクロロフェニル)プロピオン酸
の合成 17.0g(64.6mmol)の3,4− ジクロロ
ベンジルマロン酸を180℃に3時間加熱した。120
℃から溶解し、150℃近辺でゆっくりと脱炭酸して発
泡した。反応後、冷却すると固化し、これをエ−テル/
ヘキサンから再結晶して  12.2g(収率  86
%)の標題化合物を無色針状晶として得た。 融点  90〜92℃ 4)3−(3,4−ジクロロフェニル)プロパノ−ルの
合成 4.95g(22.6mmol)の3−(3,4− ジ
クロロフェニル)プロピオン酸を50mlの乾燥テトラ
ヒドロフランに溶かし、これに窒素気流下激しく撹拌し
ながら1.80gのリチウムアルミニウムハイドライド
を少しづつ加えた。その後7時間加熱還流し、得られた
混合物に10mlのエタノ−ルと続いて3mlの水をゆ
っくりと加えた。さらに、50gの硫酸マグネシウムを
加えて乾燥した後、セライトを通して濾過した。濾液を
濃縮して  4.35g(収率  95%)の標題化合
物を無色油状物として得た。次の反応には、このまま精
製せずに用いた。 水素核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム溶媒、テト
ラメチル  シラン内部標準);      δ=1.
72(brs,1H),1.90(m,2H),2.6
8(t,J=7Hz,2H),3.65(t,J=6H
z,2H),6.98(dd,J=8,2Hz,1H)
,7.1−7.3(m,2H)ppm. 5)3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピルメタン
スルホネ−トの合成 3.92g(19.1mmol)の3−(3,4−ジク
ロロフェニル)プロパノ−ルを50mlのクロロホルム
に溶かし、これに5.69ml(38.2mmol)の
トリエチルアミン、続いて2.22ml(28.7mm
ol)のメタンスルホニルクロライイドを氷冷下ゆっく
りと加えた。滴下後室温にて3時間撹拌し、反応混合物
を200mlの水に注ぎ、クロロホルム(40mlx3
)で抽出した。有機層1N塩酸と飽和重曹水で洗浄後、
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して  4.7
3g(収率  86%)の標題化合物を得た。 6)4.73g(16.4mmol)の5)で得たメタ
ンスロホネ−トと10.1g(57.3mmol)の3
,4−ジクロロベンジルアミンを50mlのイソプロパ
ノ−ルに溶かし、これに1.74g(16.4mmol
)の炭酸ナトリウムを懸濁させて、油浴上3時間加熱還
流した。反応混合物を100mlの水に注ぎ、クロロホ
ルム(40mlx3)にて抽出し、有機層を炭酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−(展開剤;酢酸エチル/クロロホ
ルム=15/85)で精製し、4.23g(収率  6
4%)の標題化合物をともに無色油状物として得た。 水素核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム溶媒、テト
ラメチル  シラン内部標準);        δ=
1.31(s,1H)、1.77(quin−like
,2H),2.61(t,J=5Hz,2H),3.7
0(s,2H),6.92(dd,J=8,2Hz,1
H),7.1〜7.5(m,5H)ppm.
【0013
】実施例2 N−(2,4−ジクロロベンジル)−N−3−(3,4
−ジクロロフェニル)プロピルアミン(化合物B)の合
成 実施例1の5)で得られるメタンスルホネ−ト0.84
9g(3.00mmol)を10mlのイソプロパノ−
ルに溶かし、1.41g(8.00mmol)の2,4
− ジクロロベンジルアミンと0.318g(3.00
mmol)の炭酸ナトリウムを加えて油浴上5時間加熱
還流した。反応混合物を50mlの水に注ぎ、クロロホ
ルム(25mlx3)で抽出し、有機層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ−(展開剤;酢酸エチル/ク
ロロホルム=15/85)で精製し、0.770g(収
率71%)の標題化合物をともに無色油状物として得た
。 水素核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム溶媒、テト
ラメチル  シラン内部標準);        δ=
1.40(s,1H)、1.75(quin−like
,2H),2.61(t,J=5Hz,2H),3.8
1(s,2H),6.94(dd,J=8,2Hz,1
H),7.0〜7.3(m,5H)ppm.
【0014
】実施例3 N−3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピル−N−
n−オクチルアミン(化合物D)の合成以下のよう6段
階で合成した。 1)2,4−ジクロロベンジルマロン酸ジメチルエステ
ルの合成 39.6g(300mmol)のジメチルマロン酸を0
.5Lのメタノ−ルに溶かし、これに室温にて撹拌しな
がら58gの28%ナトリウムメチ−ラト溶液を加えた
。続いて19.5g(0.100mol)の2,4−ジ
クロロベンジルクロライドをゆっくりと滴下した。反応
混合物を室温にて26時間撹拌した後、1Lの4N硫酸
に注ぎ、クロロホルム(100mlx3)で抽出した。 硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣を減圧
蒸留して沸点135〜137℃/0.15mmHgの画
分に  15.5g(収率  53%)の標題化合物を
無色油状物として得た。 2)2,4− ジクロロベンジルマロン酸の合成8.6
4g(29.7mmol)の2,4−ジクロロベンジル
マロン酸ジメチルエステルを50mlのメタノ−ルに溶
かし、これに水酸化ナトリウム4.00g(100mm
ol)を水30mlに溶かして加えた。反応混合物を室
温に24時間撹拌後、100mlの9N硫酸に注ぎ、ク
ロロホルム(50mlx4)で抽出した。有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣固体をヘキサ
ン/エ−テルから再結晶して  7.64g(収率  
98%)の標題化合物を無色針状晶として得た。 融点  165〜167℃(分解) 3)3−(2,4− ジクロロフェニル)プロピオン酸
の合成 1.0g(3.80mmol)の2,4− ジクロロベ
ンジルマロン酸を180℃に3時間加熱した。120℃
から徐々に溶解し、150℃近辺でゆっくりと脱炭酸し
て発泡した。反応後、冷却すると固化し、これをヘキサ
ンから再結晶して0.79g(収率  95%)の標題
化合物を白色固体として得た。 融点  79〜80℃ 4)3−(2,4−ジクロロフェニル)プロパノ−ルの
合成 0.72g(3.24mmol)の3−(2,4− ジ
クロロフェニル)プロピオン酸を20mlの乾燥テトラ
ヒドロフランに溶かし、これに窒素気流下激しく撹拌し
ながら140mgのリチウムアルミニウムハイドライド
を少しづつ加えた。その後7時間加熱還流し、得られた
混合物に0.5mlのエタノ−ルと続いて0.5mlの
水をゆっくりと加えた。さらに、10gの硫酸マグネシ
ウムを加えて乾燥した後、セライトを通して濾過した。 濾液を濃縮し、残渣をク−ゲルロ−ル蒸留装置を用いて
蒸留(浴温  150g/0.1mmHg)し 0.6
1g(収率  95%)の標題化合物を無色油状物とし
て得た。 水素核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム溶媒、テト
ラメチル  シラン内部標準);        δ=
1.47(brs,1H),1.86(m,2H),2
.81(t,J=7Hz,2H),3.73(t,J=
6Hz,2H),7.2−7.4(m,3H)ppm.
5)3−(3,4−ジクロロフェニル)プロピルメタン
スルホネ−トの合成 0.61g(2.98mmol)の3−(2,4−ジク
ロロフェニル)プロパノ−ルを10mlのクロロホルム
に溶かし、これに1.60ml(11.5mmol)の
トリエチルアミン、続いて1.00ml(12.2mm
ol)のメタンスルホニルクロライイドを氷冷下ゆっく
りと加えた。滴下後室温にて3時間撹拌し、反応混合物
を500mlの水に注ぎ、クロロホルム(20mlx3
)で抽出した。有機層1N塩酸と飽和重曹水で洗浄後、
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して0.792
g(収率  92%)の標題化合物を得た。 6)0.792g(2.66mmol)の5)で得たメ
タンスルホネ−トと1.29g(10.0mmol)の
n−オクチルアミンを20mlのエタノ−ルに溶かし、
これに0.282g(2.66mmol)の炭酸ナトリ
ウムを懸濁させて、油浴上3時間加熱還流した。反応混
合物を50mlの水に注ぎ、クロロホルム(20mlx
3)にて抽出し、有機層を炭酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−(展開剤;エタノ−ル/クロロホルム=5/95)
で精製し、0.420g(収率  41%)の標題化合
物をともに無色油状物として得た。 水素核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム溶媒、テト
ラメチル  シラン内部標準);        δ 
 =0.89(t−like,3H)、1.27(m,
12H),1.43(s,1H),1.89(m,2H
),2.67(m,6H),7.2〜7.4(m,3H
)ppm.
【0015】製剤例1(水和剤) 配合成分                     
   重量部化合物4( 塩酸塩)         
       20リグニンスルフォン酸      
        3ポリオキシエチレンアルキル アリルエーテル                  
  2ケイソウ土                 
     75上記成分を均一に混合して、有効成分2
0重量%を含む水和剤を得た。 製剤例2(粉剤) 配合成分                     
   重量部化合物4(塩酸塩)          
      3ステアリン酸カルシウム       
     1無水ケイ酸粉末            
        1クレー             
             48タルク       
                   47上記成分
を均一に混合して、有効成分3重量%を含む粉剤を得た
【0016】試験例1  植物病原細菌に対する抗菌試
験ジクロロフェニルプロピルアミンについて各種植物病
原菌に対する抗菌力を調べた。すなわち、キャベツ黒腐
病菌 Xanthomonas campestris
 pv. campestris、カンキツ潰瘍病菌 
X. campestris pv. citri、イ
ネ白葉枯病菌 X. campestris pv. 
oryzae 、モモ穿孔細菌病菌 X. campe
stris pv. pruni  およびトマト潰瘍
病菌 Clavibacter michiganen
sis  subsp. michiganensis
  、キュウリ斑点細菌病菌 Psuedomonas
 syringae pv. lachrymans、
ハクサイ軟腐病菌 Erwinia carotovo
ra pv.  carotova を被検菌として、
寒天平板上における菌の生育阻害作用を調べた。ペプト
ン加用ジャガイモ煎汁培地に供試化合物を混入して10
0ppmを最高濃度とする2倍希釈系列を作り、ペトリ
皿に流し込んで寒天平板を作成した。 寒天平板上に被検菌を接種し、28℃で2日間培養後、
菌の生育の有無を調査した。結果を表2に示す。本発明
の化合物は、いずれの病原菌に対しても強い抗菌作用を
示した。
【表2】 表2  植物病原細菌に対する抗菌試験───────
───────────────────────  
                      最小阻
止濃度  (ppm)───────────────
───────────────化合物      X
a     Xi     Xo     Xp   
  Pl     Cm     Ec    ───
─────────────────────────
──  A *      6.3   12.5  
 3.2    1.6     6.3    3.
2    12.5  B *     12.5  
 12.5   3.2    3.2     6.
3    3.2    25  C *     1
2.5    6.3   3.2    3.2  
  12.5    3.2    12.5  D 
*      6.3    6.3   3.2  
  3.2     6.3    3.2    1
2.5  E *     12.5   12.5 
 12.5    6.3    12.5    1
.6    12.5  F *      6.4 
  12.5   6.3   12.5    12
.5    6.3    12.5  G *   
  12.5   25     6.3   25 
     12.5    6.3    12.5ス
トレフ゜ト  マイシン**     25     25     
6.3   25      12.5    6.3
    25───────────────────
───────────*  塩酸塩 **市販対照薬剤 Xa  :  キャベツ黒腐病菌 Xi  :  カンキツ潰瘍病菌 Xo  :  イネ白葉枯病菌 Xp  :  モモ穿孔細菌病菌 Pl  :  キュウリ斑点細菌病菌 Cm  :  トマト潰瘍病菌 Ec  :  ハクサイ軟腐病菌
【0017】試験例2  カンキツ潰瘍病防除試験ナツ
ミカン葉から約1cm角の葉片を切り取り、この葉片を
所定濃度に調製した薬液に20分間浸漬した後、薬液か
ら葉片を取り出し、薬液を風乾後、カンキツ潰瘍病菌懸
濁液(約108 /ml)を針接種した。湿った濾紙を
敷いたペトリ皿に接種葉片を入れ、28℃で10日間イ
ンキュベートした後、発病を調査し、次式にしたがって
罹病度を算出した。また、薬害の発生状況は、肉眼観察
によって判定した。結果を表3に示す。       上式において、 n0 :発病指数0(発病なし)の葉片数n1 :発病
指数1(発病少)の葉片数n2 :発病指数2(発病中
)の葉片数n3 :発病指数3(発病激)の葉片数N 
 :調査葉片数
【0018】
【表3】 表3  カンキツ潰瘍病防除試験 ─────────────────────────
─────  化合物          濃度(pp
m )  罹病度(%)  薬害*** ──────
──────────────────────── 
 A *            300      
      0            −  B *
            500          
  0            −         
         300           16
.7          −  C *       
     500            0    
        −                
  300           16.7     
     −  D *            30
0            0           
 −  E *            300   
         0            −  
F *            500       
    16.7          −  G * 
           500           
26.7          −  コサイト゛水和剤
**    2000倍        30.3  
        ±                
  希釈  無処理                
        66.7─────────────
─────────────────*      塩
酸塩 **    市販対照薬剤 ***  −:薬害なし ±:軽微だが薬害あり +:薬害あり        (以下同様)
【0019
】試験例3  イネ白葉枯病防除試験径6cmのポット
で育成した5葉期のイネ(品種コシヒカリ)に、所定濃
度に調製した供試化合物の水溶液を散布した。1日後、
108 /mlに調製したイネ白葉枯病菌懸濁液を剪葉
接種した。接種3週間後に病斑長を測定し、次式にした
がって防除価を算出した。   結果を表4に示す。
【表4】 表4  イネ白葉枯病防除試験 ─────────────────────────
─────  化合物          濃度(pp
m )  防除価(%)  薬害──────────
────────────────────  A *
            500          
 100           −         
           300           
 72.2         −    B *   
         500            8
6.7         −    C *     
       500            67.
3         −    D *       
     500           100   
        −                
    300            86.7  
       −    E *          
  500            67.3    
     −    F *            
500           100        
   −                  300
            83.1         
−  G *            500    
        67.3         −フェナ
シ゛ン 水和剤**    500 倍       
  60.1         −         
             希釈──────────
────────────────────*  塩酸
塩 **市販対照薬剤
【0020】試験例4  軟腐病防除試験径2cm、厚
さ1cmのダイコンディスクを作成し、所定濃度に調製
した薬液に1時間浸漬した。このダイコンディスクを供
試化合物の水溶液から取り出し、これを風乾後、ディス
ク中央部に菌液を懸滴し、28℃に24時間保った後、
発病程度を調査し、次式にしたがって防除価を算出した
。 結果を表5に示す。
【表5】 表5  軟腐病防除試験 ─────────────────────────
─────  化合物          濃度(pp
m )  防除価(%)  薬害──────────
────────────────────  A *
            400          
100            −  B *    
        400           90 
           −  C *        
    400           90     
       −  D *            
400          100         
   −  E *            400 
          90            −
  F *            400     
      90            −  G 
*            400         
  85            −コサイト゛水和剤
**     2000 倍        80  
          ±              
      希釈─────────────────
─────────────*  塩酸塩 **市販対照薬剤
【0021】
【発明の効果】本発明のジクロロフェニルプロピルアミ
ンは新規化合物であり、製造が容易で、安定性が大きく
、薬害を及ぼさず、しかも各種植物病原菌に対してすぐ
れた抗菌作用を示す。従って、本発明の農園芸用殺菌剤
は各種の植物病害の防除に好適に使用される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の化1で表されるジクロロフェニルプ
    ロピルアミン。 【化1】 [ただし、化1中、Rは炭素数6から12までの飽和ア
    ルキル基またはジクロロベンジル基を示す]【請求項2
    】化1で表されるジクロロフェニルプロピルアミンの少
    なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とす
    る農園芸用殺菌剤。 【化1】 [ただし、化1中、Rは炭素数6から12までの飽和ア
    ルキル基またはジクロロベンジル基を示す]
JP11249591A 1991-04-17 1991-04-17 ジクロロフェニルプロピルアミンおよび農園芸用殺菌剤 Pending JPH04321647A (ja)

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