JPH04318315A - 磁気ヘッド高さ調整方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】回転シリンダーを用いた磁気記憶
装置における、磁気ヘッドの高さを調整する方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】磁気記録再生装置に用いる磁気ヘッドの
位置決め精度は、媒体に記録される情報のフォーマット
を決定する重要な精度である。

【０００３】例えば、家庭用として広く普及しているビ
デオテープレコーダーでは、回転シリンダーに１８０°
対向して取り付けられた２対の磁気ヘッドが、順次、磁
気テープに対して斜め方向に走査しながら画像や音声の
情報を記録再生している。実際に磁気テープ上に記録さ
れるトラックピッチは、２時間モードで６０μｍ、６時
間モードで２０μｍと非常に狭くなっている。

【０００４】仮に前述した２対の磁気ヘッドが、これら
のトラック上を正確に走査できない場合、記録された情
報を正確に再生することができず、再生画像の画質は著
しく低下してしまう。これを防ぐには、磁気ヘッドの走
査ピッチを前述したトラックピッチに正確に合わせる必
要があるが、この走査ピッチを決める重要な要因に、磁
気ヘッドの高さがある。

【０００５】磁気ヘッドの高さとは、（図３）に示す下
シリンダー２２の基準面２５と上シリンダー２１に固定
されたヘッドのギャップ端部との距離（（図３）中のＨ
）のことである。従来のヘッド高さ調整方法について（
図４（ａ）（ｂ））を用いて以下に説明する。ただし（
図４（ａ））は、（図３）中の上シリンダー部の断面を
示す図である。

【０００６】まず、上シリンダー２１とヘッドチップ２
３を貼付けたヘッドベース２４との間に所定厚みのスペ
ーサー（図示せず）を挟んで大まかな調整をしたのち、
対物レンズ２６を用いてヘッド高さを観察しながら、ヘ
ッドベース２４の一部に当たっている虫ネジ２７を必要
な調整量の分だけ（図４（ｂ））中の矢印５０の方向に
ねじ込み、ヘッドベース２４を部分的に変形させること
で所定のヘッド高さになるように調整する。

【０００７】また、板材を溶接変形（例えば、溶接工学
、著者、佐藤邦彦ほか、理工学社、１９７９年発行）さ
せて板材に歪を与える方法がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来の虫ネジを用いた
調整の基本は、磁気ヘッドベースの弾性変形の限界以内
での虫ネジの押し込み力によるヘッドベースの変形を利
用している点にある。このような場合、仮に機械的な振
動や温度変化によって虫ネジの押し込み量が変われば、
ヘッドベースの変形量はその分だけ変化し、結局ヘッド
高さが変化してしまう恐れがある。

【０００９】実際のＶＴＲにはシリンダーの回転やテー
プ搬送など、振動を発生させる様々な要因があり、また
、それらの駆動系から発生する熱の経時変化や使用環境
の変化などによる温度変化は避けられない。

【００１０】現在、これらの要因からの影響を最小限に
とどめようとして、虫ネジに対してネジ緩み防止剤（常
温で固着する樹脂）を用いているが、その効果は十分で
はなく、数ミクロンのオーダーでヘッド高さが変化して
しまっていた。このヘッド高さの変化は、ＶＴＲの画質
を左右する重要な要因の一つとなっている。しかも実際
の虫ネジによる調整作業は人の手で行われており、かな
り煩雑なものであった。

【００１１】また、レーザーによる板材の曲げ加工方法
（例えば、特開昭６２ー９３０２８号公報）による方法
では、レーザービームと被加工材料とを折り曲げ線部に
沿って相対移動させて行なっている。この場合には、照
射点が徐々に変化して変形量が一様になりにくい問題点
があった。

【００１２】本発明の目的は、上記問題を解決し、振動
や温度変化に左右されずに高能率に磁気ヘッドのヘッド
高さを調整することができる方法を提供することにある
。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、複数の光熱を同一磁気ヘッドに照射し磁気ヘ
ッドを変形させてヘッドの高さ調整を行なう。複数の光
熱を同一磁気ヘッドに同時に照射し、磁気ヘッド上の異
なる複数点に強度の異なる光熱を照射することで磁気ヘ
ッドのアジマス角度方向の変位を得ることで磁気ヘッド
高さ調整方法を行なうものである。

【００１４】

【作用】本発明は、磁気ヘッドを変形させることができ
る一例のレーザー加工を用いることによって、上シリン
ダーを回転させた状態でもヘッド高さを調節でき、しか
も複数個のレーザー熱光源をシリンダ上に配置した磁気
ヘッドに照射することで、磁気ヘッドを変形させて調整
するので磁気ヘッドの高さ方向や磁気ヘッドのアジマス
方向の調整がレーザー加工条件で短時間に磁気ヘッド高
さ調整が行えるという作用をもつ。

【００１５】

【実施例】本発明による磁気ヘッドの高さ調整の実施例
を（図１），および（図２）を用いて説明する。例えば
、このヘッド高さ調整を（図２）に示す虫ネジを使わな
くのレーザーによる高さ調整を行なう場合を想定する。 ヘッドチップ２３が貼り付けられた真鍮からなる厚み１
．５ｍｍのヘッドベース２４を、上シリンダー２１に取
り付け、その上シリンダー２１を流体軸受け（図示せず
）によって下シリンダー３２に固定した。次に、正規の
回転数で上シリンダー２１を回転させながら、対物レン
ズ２６を用いてヘッド高さを測定したところ、所定ヘッ
ド高さまで１２．３μｍの変形調整が必要であることが
わかった。

【００１６】本実施例では、レーザー光１１としてＮｄ
：ＹＡＧレーザー（波長１．０６μｍ）の短パルス発振
を用いた。また、励起用フラッシュ光のパルス幅を１ｍ
ｓｅｃ、励起電圧を４５０ｖｏｌｔとしたとき得られた
レーザーエネルギーは、１パルス当り約１ジュールであ
った。

【００１７】上シリンダーには、レーザー光を通すため
の貫通穴２９を設けてある。この貫通穴は、図中矢印の
回転方向に伸びた円弧状で８ｍｍの長さをもつ。実際に
回転させながら前記したレーザー光を通すには、上シリ
ンダー２１の回転にレーザーの発振を同期させて行った
。

【００１８】（図２）に示したように熱光源による照射
では、ヘッド高さ方向に短時間で磁気ヘッドが変形しな
い時、照射回数や照射位置の変更の場合が生じる。一つ
の磁気ヘッドに対して一つの熱光源の照射よりも、複数
個の熱光源があると（図１）に示すようにレーザー照射
部分を同時に磁気ヘッドの照射部分の両端のエネルギー
を加える。この時、変形の照射エネルギーが両端の二カ
所あると、磁気ヘッドの変形は、ヘッド高さ方向に変形
しやすく、磁気ヘッドは、二カ所照射エネルギーが同一
の場合にヘッド高さ方向に対して平行に移動させること
が可能である。

【００１９】また、複数熱光源があると磁気ヘッドのギ
ャップ１８をアジマス方向に調整が容易である。たとえ
ば、（図１）の二カ所ある照射部分１１の左側と右側と
のレーザー照射エネルギーを左側を小さく、右側を大き
くすることで（図５（ａ））に示すようにレーザー照射
前の磁気ヘッドギャップの傾きが右側のエネルギーが大
きい時は、（図５（ｂ））に示すように右側が高くなる
。このように複数の熱光源から二カ所照射することで磁
気ヘッドの高さ方向に平行移動だけでなく、磁気ヘッド
ギャップのアジマス方向にも磁気ヘッドを変形させるこ
とが容易となる。

【００２０】自動化することによってＶＴＲ量産ライン
に組み込むことが可能となり、その生産性は飛躍的に向
上する。更に、本発明によれば、ヘッド高さは機械的振
動や温度変化に影響されないので、狭トラック化による
高画質ＶＴＲの実現を容易なものにする。

【００２１】なお本実施例では、光エネルギーを用いた
レーザー光の照射による溶接変形を利用したが、原理的
には、局所加熱が行える方法ならばなんでもよい。たと
えば、電気的エネルギーを用いたアーク溶接や電子ビー
ム溶接、超音波エネルギーを用いた超音波溶接、化学的
エネルギーを用いたガス溶接などがあげられる。

【００２２】この磁気ヘッドは、１つの磁気ヘッド上に
複数個のヘッドチップ設置部があるマルチヘッドの場合
にも同様に提供可能である。

【００２３】

【発明の効果】以上実施例で述べたように本発明によれ
ば、磁気ヘッドの高さ調整でシリンダー回転状態での複
数レーザー熱光源を設定することで磁気ヘッドの高さ方
向に平行移動だけでなく、磁気ヘッドギャップのアジマ
ス方向にも磁気ヘッドを変形させることが容易となる利
点がある。また、自動化することによってＶＴＲ量産ラ
インに組み込むことが可能となり、その生産性は飛躍的
に向上する。更に、本発明によれば、ヘッド高さは機械
的振動や温度変化に影響されないので、狭トラック化に
よる高画質ＶＴＲの実現を容易なものにする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を説明する回転シリンダ上の磁
気ヘッドの複数熱光源による照射の構成図。

【図２】本発明の実施例を説明する上下シリンダーの主
要断面図とレーザー光によるヘッド高さ調整機構を示す
説明図。

【図３】ヘッド高さの定義を説明する説明図。

【図４】（ａ）は従来の磁気ヘッド高さ調整法の説明を
するための説明図。 （ｂ）は（ａ）の従来の磁気ヘッド高さ調整法の部分拡
大図。

【図５】（ａ）、（ｂ）は磁気ヘッドのアジマス方向の
調整図。

【符号の説明】

１１　　磁気ヘッドの照射部分 １２　　磁気ヘッド設置用ネジ １３　　磁気ヘッド １４　　磁気ヘッド巻線穴 １５　　シリンダ １６　　シリンダのレーザー光路穴 １７　　レーザー光 １８　　磁気ヘッドギャップ １９　　磁気ヘッドチップ ２１　　上シリンダ ２２　　下シリンダ ２３　　磁気ヘッドチップ ２４　　磁気ヘッドベース ２５　　基準面 ２６　　対物レンズ ２７　　虫ネジ ２８　　虫ネジのねじ込み方向 ２９　　貫通穴 ３０　　集光用レンズ ３１　　レーザー光 ３２　　ヘッドベース面 ３３　　モニター ５０　　虫ネジねじ込み方向 ５１　　磁気ヘッド取り付けネジ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　複数の光熱を同一磁気ヘッドに照射し
   前記磁気ヘッドを変形させて前記磁気ヘッドの高さ調整
   を行なうことを特徴とする磁気ヘッド高さ調整方法。
2. 【請求項２】　　複数の光熱を同一磁気ヘッドに同時に
   照射されることを特徴とする請求項１記載の磁気ヘッド
   高さ調整方法。
3. 【請求項３】　　磁気ヘッド上の異なる複数点に強度の
   異なる光熱を照射することで磁気ヘッドのアジマス角度
   方向の変位を得ることを特徴とする請求項１記載の磁気
   ヘッド高さ調整方法。