JPH04317785A - 吸水性製品からのパルプ回収方法 - Google Patents

吸水性製品からのパルプ回収方法

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JPH04317785A
JPH04317785A JP3082681A JP8268191A JPH04317785A JP H04317785 A JPH04317785 A JP H04317785A JP 3082681 A JP3082681 A JP 3082681A JP 8268191 A JP8268191 A JP 8268191A JP H04317785 A JPH04317785 A JP H04317785A
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(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、使い捨ておむつなど
の吸水性製品からパルプを回収する方法に関する。
【従来の技術】吸水性ポリマーは、近年、生理用品、お
むつ等の衛生用品をはじめとして種々の吸水性製品に使
用されてきている。吸水性製品の主なものは、使い捨て
商品として知られているおむつ等である。使い捨ておむ
つは、吸水性ポリマーが尿などを吸収するまでの間に漏
れるのを防ぐために、吸水材にパルプも使用している。 これらの吸水性製品は、使用後、一般家庭用ごみとして
収集され廃棄されている。それらの廃棄は、ほとんど焼
却、埋め立てにより行われている。
【発明が解決しようとする課題】焼却は、大気汚染、も
えかすの廃棄などの問題がある。埋め立てについては最
近になってその環境破壊がクローズアップされてきた。 すなわち、吸水性ポリマーをそのまま埋め立てても分解
されなかったり、分解に非常に長期間を要したりすると
いう問題がある。他方、吸水性製品のほとんどは使い捨
て商品であるため、需要の拡大に伴ってパルプの消費量
も大きく増加している。パルプは木材から作られている
ため、パルプの消費拡大は森林の破壊につながり、多雨
時の洪水や土砂の流出、砂漠化を招く。しかし、生活様
式の変化により吸水性製品が日常的に使用されており、
それらの使用をやめるのはもはや現実的ではない。発明
者らの研究によれば、吸水性製品に使われているパルプ
は、その使用前後で全く変質しておらず、吸水性ポリマ
ーを分離すれば回収でき、再利用できることがわかった
。そこで、この発明は、吸水性製品の吸水材から吸水性
ポリマーを選択的に除去することによりパルプを回収す
る方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために、パルプと吸水性ポリマーからなる吸水
材を備えた吸水性製品を、前記吸水性ポリマーが吸水し
た状態で、酸化剤の存在下に加熱処理することにより前
記吸水性ポリマーを分解可溶化し、この分解生成物を含
む処理液とパルプを分離する、吸水性製品からのパルプ
回収方法を提供する。この発明が適用されうる吸水性製
品は、パルプと吸水性ポリマーからなる吸水材を備えて
いるものであれば特に制限はなく、たとえば、使い捨て
おむつ、生理用品などの衛生用品;犬や猫などのペット
用尿吸収材などが挙げられる。吸水性製品は、通常、樹
脂フィルムなど吸水材以外の材料も備えているので、必
要により吸水材を取り出してこの発明の方法を適用する
。吸水材は、パルプと吸水性ポリマーからなっているも
のであれば特に制限はなく、たとえば、パルプマットの
間に吸水性ポリマーが挟まれていたり、粉砕パルプと吸
水性ポリマー粉末の混合物であったり、この混合物がテ
ィッシューペーパーに挟まれていたりするものなどであ
る。吸水材は、水と接触するとこれを吸収する。この吸
収は主として吸水性ポリマーが水で膨潤することにより
行われるが、上述のように吸水性ポリマーの膨潤にはあ
る程度の時間がかかるのでその間の吸水をパルプに依存
している。吸水性ポリマーの吸水能に余裕があればパル
プ中に保持されている水も吸水性ポリマーに吸収されう
る。前記吸水性ポリマーは、特に制限はなく、たとえば
、(メタ)アクリル酸塩架橋重合体、(メタ)アクリル
酸エステル−酢酸ビニル共重合体のケン化物架橋体、デ
ンプン−アクリル酸塩グラフト重合体およびその架橋物
など、10〜1000の吸水倍率を有する通常の吸水性
ポリマーが挙げられる。吸水性ポリマーは、紙おむつ、
生理用品などの衛生用品、その他の吸水性製品に使用さ
れたものが、この発明により分解可溶化されうる。 この発明で用いられる酸化剤は、水溶性の無機系過酸化
物、過硫酸塩、過塩素酸塩等が例示され、中でも、過酸
化水素が好ましい。酸化剤の使用比率は特に制限はない
が、吸水性ポリマー1重量部に対して0.2重量部以上
が好ましく、0.3重量部以上がより好ましい。酸化剤
の比率が0.2重量部よりも少ないと、廃棄可能なレベ
ルにまで分解できないことがある。なお、酸化剤の使用
量が多すぎるとそれに見合った効果の向上は認められず
、むしろ経済的な不利益を招くので、酸化剤の比率は吸
水性ポリマー1重量部に対して10重量部以下が好まし
く、5重量部以下がより好ましい。吸水材を酸化剤の存
在下で加熱処理することにより吸水性ポリマーを分解可
溶化する方法は、吸水材中の吸水性ポリマーが吸水した
状態で行われるのであれば特に制限されず、たとえば、
酸化剤を溶解した水を吸水材に吸収させて加熱処理した
り、酸化剤と吸水材の混合物に水を加えて加熱処理した
り、吸水した吸水材に酸化剤を加えて加熱処理したりす
るなどのやり方がある。酸化剤を溶解した水を吸水材に
吸収させるようにすると、他のやり方に比べて酸化剤が
吸水性ポリマー内部に均一に吸収されやすく、酸化剤と
吸水性ポリマーの接触がより均一に行われるので好まし
い。ただし、酸化剤の吸水性ポリマーに対する比率が上
記範囲内であっても、水中の濃度が高すぎても低すぎて
も吸水性ポリマーの分解可溶化が不十分になるおそれが
ある。このため、酸化剤の水中の濃度は、0.1〜20
重量%が好ましく、0.3〜10重量%がより好ましい
。この発明では、吸水性ポリマーが吸水した状態で吸水
材を加熱処理する。水の比率は、吸水性ポリマー1重量
部に対して50倍以上の重量比が好ましい。水の重量比
が50倍よりも少ないと吸水性ポリマーが廃棄可能なレ
ベルにまで可溶化されないおそれがある。この重量比で
水を用いるに際し、処理すべき吸水性ポリマーの吸水能
は一切考慮する必要はなく、たとえば、処理すべき吸水
性ポリマーの吸水能以下の量から吸水能を越える量まで
のいずれかの量を適宜選択すればよい。ただし、水を過
度に多量用いてもパルプ回収の効率が低下するので、通
常は吸水性ポリマーの重量の1000倍以下である。水
が1000倍よりも多いと経済的に好ましくないことが
ある。処理すべき吸水性ポリマーが尿など種々の成分を
含有している水を吸収している場合、このような水中の
固形分量は一般的に無視できるほど少ないので、水の重
量比は、たとえば、尿の量と添加した水の量の和を吸水
性ポリマーの重量で割ることにより求められる。 吸水性ポリマーに吸収される水は、単なる水または水溶
液である。前記加熱処理は、40℃以上の温度で行うの
が好ましく、150℃以下の温度で行うのがより好まし
い。40℃未満だと吸水性ポリマーの可溶化が不十分と
なることがある。150℃を越えると加熱処理の際の雰
囲気が非常に高圧になるので簡略な耐圧容器が使用でき
なくなるおそれがある。吸水材の加熱処理は、たとえば
、上記割合で酸化剤を存在させて上記温度範囲で、およ
そ1〜10日間行われる。加熱処理の時間を短縮するた
めに処理中攪拌を行い、吸水性ポリマーと酸化剤との接
触機会を増大させるのが好ましい。攪拌条件は適宜設定
すればよい。攪拌を行うことにより、たとえば、加熱処
理に要する時間を1〜2日間に短縮できる。上記のよう
にして加熱処理を行うことにより、吸水性ポリマーが分
解可溶化され、この分解生成物が溶解していて、しかも
、パルプが分散している処理液が生成する。この処理液
をたとえば濾過などにより、分解生成物を含む処理液と
パルプに分離することができる。分離されたパルプを適
宜のやり方で洗浄し、乾燥することによりパルプを回収
できる。回収されたパルプは、吸水性製品を作るのに用
いられる前と同じ状態となっている。酸化剤として過酸
化水素などを用いると、その漂白殺菌作用により白く清
潔なパルプを回収することができる。前記加熱処理によ
り、吸水性ポリマーは、たとえば、分子量5万以下、好
ましくは5000以下、更に好ましくは1000以下の
レベルにまで低分子量化される。このように低分子量化
された分子は、水に溶解可能であり、微生物の働きで分
解されうるので、廃棄することができる。廃棄方法とし
ては、たとえば、低分子量化された分子を含む処理液を
濾過などによりパルプと分離してから活性汚泥により処
理した後、河川、海洋、湖沼などに放出する方法などが
挙げられる。
【作用】吸水性ポリマーは、通常は粉末あるいはゲルで
ある。この発明によれば、このような吸水性ポリマーを
吸水した状態で酸化剤の存在下、加熱処理することによ
り、廃棄可能なレベルにまで低分子量化するのである。 これにより、吸水性ポリマーの分解生成物は処理液に溶
解するので、処理液に溶解しないパルプと分離すること
ができる。
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 −実施例− 吸水性ポリマー(日本触媒化学工業株式会社製の商品名
「アクアリックCA」、アクリル酸塩架橋重合体)6g
および粉砕パルプ20gが均一に混合された吸水材を具
備してなる子供用紙おむつを生後1年の赤ちゃんに一晩
着用させた。使用後の尿を吸収した吸水材の重量は17
6gであった(尿量150g)。この吸水材を、444
gのイオン交換水に過酸化水素6gを含有させてなる水
溶液450g中に分散させ、反応容器内温度を80℃に
加熱維持して吸水性ポリマーを処理した。処理後のポリ
マーを含む溶液は、均一な液であった。この液をそのま
まゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、「G
PC」と言う)にかけて分子量を求めた。1日後のポリ
マーの平均分子量は3400、2日後のポリマーの平均
分子量は1600であった。加熱処理3日後に反応液を
吸引ろ過し、粉砕パルプと分解したポリマーに分別した
。ろ液中のポリマーの平均分子量は500であった。 粉砕パルプはさらに水洗、吸引ろ過した後、80℃で乾
燥することによって収量100%で回収された。このも
のは紙おむつの吸水材の粉砕パルプとして再利用可能で
あった。粉砕パルプを水洗した後のろ液をGPCにかけ
たところ、過酸化水素は検出されなかった。なお、吸水
性ポリマー1重量部に対する酸化剤の重量比は1重量部
、吸水性ポリマー1重量部に対する水の重量比は100
重量部、水中の酸化剤の濃度〔酸化剤水溶液中の酸化剤
重量×100/(酸化剤水溶液重量+尿の重量)〕は1
重量%、水のpHは加熱処理前が6.9、加熱処理3日
後が8.9であった。上記結果にみるように、実施例で
は、1〜3日の加熱処理で吸水性ポリマーが生分解され
うる程度にまで分解可溶化されている。このため、加熱
処理後のポリマーを含む水をパルプと容易に分離するこ
とができ、パルプを回収することができる。しかも、パ
ルプと分離された処理液は活性汚泥で処理して河川、海
洋、湖沼などに放出することができる。
【発明の効果】この発明によれば、吸水性ポリマーが分
解可溶化されるので、分解生成物を含む処理液とパルプ
を容易に分離でき、パルプを回収することができる。し
かも、吸水性ポリマーが環境汚染を起こさない程度にま
で低分子量化されうるので、処理後にそのまま廃棄する
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  パルプと吸水性ポリマーからなる吸水
    材を備えた吸水性製品を、前記吸水性ポリマーが吸水し
    た状態で、酸化剤の存在下に加熱処理することにより前
    記吸水性ポリマーを分解可溶化し、この分解生成物を含
    む処理液とパルプを分離する、吸水性製品からのパルプ
    回収方法。
  2. 【請求項2】  吸水性製品が使い捨ておむつである請
    求項1記載の吸水性製品からのパルプ回収方法。
  3. 【請求項3】  酸化剤が過酸化水素である請求項1ま
    たは2記載の吸水性製品からのパルプ回収方法。
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