JPH0431641Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、搬送通路内を搬送される紙葉類を、
その搬送中に光学式識別装置によつて特徴を読取
る紙葉類識別装置に関する。

(ロ) 従来の技術 従来、紙葉類である例えば紙幣の真偽を識別す
る識別装置では、搬送通路内を搬送される紙幣に
光を照射し、この光の反射光あるいは透過光を入
射して、紙幣の印刷模様を読取り、真偽を識別す
るように構成されたものが知られており、例えば
特公昭58−47076号公報に開示されている。

ところで、一般に流通している紙幣は、折目が
あつたり皺があつたりしているのが普通である。
したがつて、かかる構成の識別装置では、識別精
度を良くしかつ安定させるために、第４図及び第
５図に示すように、カール状に形成した板バネ２
０を、識別装置である発光器１２側に設け、搬送
通路４内を搬送される紙幣Ｔを、板バネ２０の弾
性によつて識別装置である受光器１３側に押し付
けるようにし、識別精度の向上を計つている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 かかる構成の識別装置では、発光器及び受光器
に塵埃が付着すると識別精度がきわめて低下し、
誤動作を発生し易くなるものである。この塵埃等
は、挿入された紙幣に付着してくることが多いた
め、発光器及び受光器を頻繁に清掃することが必
要である。しかしながら、従来の構成の場合、受
光器１３は搬送通路４面と略同一に面しているた
め簡単に清掃できるが、発光器１２は板バネ２０
が障害となつて清掃に手間がかかり、敬遠されが
ちであつたため、識別精度の低下が危惧されてい
た。また、板バネ２０は紙幣の押圧力で微妙な精
度が要求されるため、0.1〜0.2tの厚みの薄く弱い
ものであり、発光器１２の清掃時等に変形させら
れることが多く、変形した場合は識別精度の低
下、あるいは紙幣詰まり等を発生させる欠点があ
つた。

本考案はこのようなことから、識別装置への塵
埃の付着を防止するとともに、清掃が簡単にでき
る装置を提供するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 紙葉類の搬送方向に湾曲状に形成されかつ平行
に対設された一対のリブと、このリブ間に設けら
れた透明な透光部とを有する押圧カバー部材を、
該透光部が識別装置との間に位置するように設け
て識別装置を搬送通路から隔離するとともに、バ
ネ付勢にて前記リブが搬送通路内へ突出して搬送
される紙葉類の表面を押圧するよう成し、識別装
置による紙葉類の識別を、前記透光部を通して行
なうように構成している。

(ホ) 作用 本考案は、識別装置と搬送通路との間に位置す
るように設けた透光部により、搬送通路内を搬送
される紙葉類と識別装置とを隔離し、紙葉類に付
着して侵入する塵埃が識別装置に付着するのを防
止し、さらに紙幣を挟持するリブはバネにより搬
送通路内に突出するためにリブ自体は弾性を持た
なくともよく、清掃時等に万一リブに接触したと
してもリブの変形を防止することができる。

(ヘ) 実施例 第１図乃至第３図は本考案の実施例を示すもの
である。なお、従来例と同一符号のものは同一物
あるいは類似物を示す。１は紙葉類識別装置本体
であり、上下に対向して設けた上部フレーム２と
下部フレーム３とから成り、この上部フレーム２
と下部フレーム３との間には紙幣の搬送通路４を
形成している。また、下部フレーム３の前端には
紙幣挿入用の受台５を設けるとともに、上部フレ
ーム２は後端を下部フレーム３に回動自在に軸支
され、上方へ回動することによつて前記搬送通路
４を開放できるようになつている。

６は左右一対の搬送ベルトで、下部フレーム３
内に軸支された前後一対のプーリ７，８間にそれ
ぞれ張設されており、上辺を搬送通路４内に臨ま
せている。また、各プーリ７，８にそれぞれ対向
して上部フレーム２に押えローラ９を配設し、受
台５から搬送通路４内に挿入された紙幣Ｔを、搬
送ベルト６と押えローラ９との間に挟持して後方
へ搬送するようにしている。すなわち、搬送通路
４内に紙幣Ｔが挿入されると、駆動モータ１０に
よつて搬送ベルト６が回動され、紙幣Ｔを搬送ベ
ルト６と押えローラ９との間に挟持して取込み、
後方へ搬送するようになつている。

１１は前記左右の搬送ベルト６，６間に対応し
て設けられた上下一対の識別装置であり、下部フ
レーム３側に設けた発光器１２と、上部フレーム
２側に設けた受光器１３とから成り、搬送ベルト
６によつて搬送通路４内を搬送される紙幣Ｔに、
発光器１２から光を照射し、紙幣Ｔを透過した透
過光を受光器１３に入射して、紙幣Ｔの印刷模様
を読取るように構成されている。

１４は前記発光器１２と搬送搬送通路４との間
に介在するよう設けた押圧カバー部材であり、紙
幣Ｔの搬送方向に湾曲状に形成され、かつ平行に
対設された一対のリブ１５，１５を上端に設け、
このリブ１５，１５間に透明な透光部１６を有す
るように、透明アクリル樹脂により一体成形して
いる。そして該押圧カバー部材１４は、リブ１
５，１５が搬送通路４内に出没自在なように軸支
されているとともに、該リブ１５，１５が対向す
る受光器１３の両側部に当接するようバネ１７に
よつて付勢されている。すなわち、押圧カバー部
材１４は透光部１６を発光器１２上に対応位置さ
せることにより、発光器１２から照射される光
を、透光部１６を通して受光器１３に入射するよ
う成すとともに、発光器１２を搬送通路４から隔
離し、搬送通路４内から発光器１２への塵埃の落
下を防止するように構成している。またリブ１
５，１５は、搬送通路４内を搬送される紙幣Ｔ
が、該リブ１５，１５と受光器１３との間を容易
に通過できるように湾曲状に形成されているとと
もに、バネ１７の弾性によつて紙幣Ｔを受光器１
３に押し付け、かつ皺を伸ばすようになつてい
る。

したがつて、かかる構成の場合、紙幣Ｔ等に付
着して搬送通路４内に侵入した塵埃は、透光部１
６上に付着することになるが、発光器１２に付着
することがない。したがつて清掃は、上部フレー
ム２を上方へ回動して搬送通路４を開放し、該搬
送通路４下面と略同一面に位置する透光部１６上
面と、受光器１３の受光面とを拭くだけで簡単に
でき、変形等を生じることもない。

なお、本実施例では光の透過光によつて識別す
る識別装置１１により説明したが、発光器１２側
に受光器１３を設け、発光器１２から紙幣に照射
した光の反射光を受光器１３に入射する構成であ
つても良い。

(ト) 考案の効果 本考案は上記したように、湾曲状に形成した一
対のリブ間に、透明な透光部を設けて成る押圧カ
バー部材を、その透光部が識別装置に対応するよ
うに設けて、該識別装置を搬送通路から隔離する
とともに、バネ付勢にて前記リブが搬送される紙
葉類の表面を押圧するよう成し、識別装置による
識別を、前記透光部を通して行なうようにしたも
のであるから、識別装置への塵埃の付着を防止で
きるとともに、清掃がきわめて簡単かつ容易にで
き、更に清掃時における部品類の変形を生じるこ
ともない等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施例を示すもの
で、第１図は識別装置部の側断面図、第２図は第
３図のＡ−Ａ線断面図、第３図は紙葉類識別装置
の側断面図、第４図及び第５図は従来例による識
別装置部の側断面図及び平面図である。 ４……搬送通路、１２……発光器（識別装置）、
１４……押圧カバー部材、１５……リブ、１６…
…透光部、１７……バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送通路内を搬送される紙葉類を、その搬送中
   に光学式識別装置によつて特徴を読取るものにお
   いて、紙葉類の搬送方向に湾曲状に形成されかつ
   平行に対設された一対のリブと、このリブ間に設
   けられた透明な透光部とを有する押圧カバー部材
   を、該透光部が前記識別装置と前記搬送通路との
   間に位置するように設けて識別装置を搬送通路か
   ら隔離するとともに、バネ付勢にて前記リブが前
   記搬送通路内の突出して搬送される紙葉類の表面
   を押圧するよう成し、識別装置による紙葉類の識
   別は、前記透光部を通して行なうように構成した
   ことを特徴とする紙葉類識別装置。