JPH0431103Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、遊技盤面上を流下してくる打球を受
け入れてこの打球を検出器で検出するパチンコ機
の入賞具に関するものである。

〈従来の技術〉 従来のパチンコ機の入賞具は、遊技盤表面に突
出する入賞口を設け、該入賞口から下流側の屈曲
した球流下路にリミツトスイツチ等の検出器を臨
設した構成である。

〈考案が解決しようとする問題点〉 したがつて、従来の入賞具は、構造そのものが
大型であり、遊技盤面には取り付けが不可能であ
るばかりでなく、打球がある程度間隔をおいて入
賞した場合に、この打球を検出することができて
も、極く短時間に多数の打球が連続して入賞した
場合には、これらの打球が球流下路内で詰まつて
しまい、入賞球を確実に検出できないというトラ
ブルが発生することがある。また、従来の入賞具
は、装飾効果が不充分であり、パチンコ遊技の興
趣を視覚を通じて高めることができなかつた。

〈問題点を解決するための手段〉 本案は上記に鑑み提案されたもので、球通過口
３を有する基板２の表面に、左右の側壁部１０と
底面部１１とを有した上面が入賞口１２として開
口した受枠部材１３を設けると共に、該受枠部材
の前面に装飾部材１５を設け、該装飾部材の裏側
であつて底面部により形成される隅角部分に、上
記基板の球通過口に向つて下り傾斜する球案内面
１９を有する球流下方向変換機能部２０を設け、
基板に形成した保持手段（４、或いは４２，４
３，４４）に支持される球検出器２１の検出部分
２２を入賞口の下流側に形成される球流下路１８
に連通可能に臨ませ、上記基板に止着した照明部
材２８を該照明部材の前面側に位置する透光性着
色部材６に対向させたものである。

〈作用〉 本案は上記した構成により、入賞口に流入した
打球を球検出器が直ちに検出して球流下方向変換
機能部が球流下路を流下する打球の向きを球通過
口に向けて速やかに変換する。また、基板の裏側
に設けた照明部材が透光性着色部材を裏側から照
射して輝かせる。

〈実施例〉 以下本案を図面の実施例にもとづいて説明す
る。

遊技盤１の表面に取付ける基板２は、プラスチ
ツク製の板状部材であり、ほぼ中央には球通過口
３を開設し、該球通過口３の上方には左右に耳片
状の球検出器保持手段４，４を有する切欠部５を
形成し、該切欠部５の左右に開設した窓孔には適
宜な着色を施した透光性着色部材６，６を嵌合
し、球通過口３の左右には柱状の照明部材取付部
７，７と保持枠取付部８，８とを後向きに突設
し、基板２の上方左右及び下方部には止着手段と
して小孔９…を開設してある。そして、この基板
２の表面には左右の側壁部１０，１０と両側壁部
１０，１０の下端を接続する底面部１１とからな
り、上面が入賞口１２として開放するとともに前
面が開放した縦断面Ｕ字状の受枠部材材１３を基
板２と一体成形し、受枠部材１３の前端縁の左右
には位置決め孔１４，１４を開設してある。

上記受枠部材１３の開放前面に取付ける装飾部
材１５は、上半の幅が受枠部材１３の幅よりも僅
かに広くて透光性着色部材６，６の間隙よりも狭
く、下半の幅が受枠部材１３の幅よりも広く基板
２の幅よりも充分に狭いプラスチツク製板材であ
り、表面には装飾シールや装飾塗料を収める窪状
の装飾区画部１６を形成し、裏側には受枠部材１
３の各位置決め孔１４に嵌合可能な突起状位置決
め手段１７，１７を設けてある。したがつて、斯
る装飾部材１５を受枠部材１３に取付けるには、
各位置決め手段１７を各位置決め孔１４内に嵌合
して受枠部材１３と装飾部材１５との位置関係を
決定し、当接面に塗布した接着剤により固定する
と、所定位置に簡単に取付けることができる。こ
の様にして受枠部材１３に装飾部材１５を取付け
ると、第３図で示すように、入賞口１２から垂直
に下降して底面部１１で後方に屈曲する球流下路
１８が形成される。そして、装飾部材１５の裏面
と底面部１１とにより構成される隅角部分には、
当該受枠部材１３で囲んだ球通過口３に向つて下
り傾斜する球案内面１９を有するリブ状の球流下
方向変換機能部２０を設けてある。したがつて、
上記した球流下路１８は、垂直部分から後方に屈
曲する部分においては実質的には滑らかな円弧状
に曲つた状態で形成されている。なお、第１図に
示す実施例では、球流下方向変換機能部２０を受
枠部材１３の底面部１１に底面部１１と一体成形
したが、装飾部材１５の裏面に突設してもよい
し、或は別途成型したものを取り付けてもよい。

上記した基板２に装着する球検出器２１は、第
２図で示すように、先端部に上下貫通孔状の球検
出部２２を設け、左右側面には上下方向の溝２
３，２３を形成し、打球が球検出部２２内を通過
したときに後端に突設した端子２４，２４から検
出信号を発生するようにしたものである。この様
な構成からなる球検出器２１を基板２に装着する
には、第２図で示すように、球検出部２２を入賞
口１２の上方に臨ませた状態で球検出器２１を下
降して耳片状の球検出器保持手段４，４を溝２
３，２３内に嵌合する。そして、球検出器２１の
後端部を保持枠２５内に嵌合し、該保持枠２５の
鍔部に開設してある各取付孔２６内にビス２７を
挿通して該ビス２７の先端を前記した保持枠取付
部８に螺合する。この様にして基板２に球検出器
２１を装着すると、先端の球検出部２２が入賞口
１２の下方、即ち球流下路１８内に連通可能に臨
む。

また、基板２の裏側に取付ける照明部材２８，
２８は、第２図で示すように、各照明基板２９の
表面に発光ダイオードやランプ等の発光源３０を
設けたもので、照明基板２９の取付孔３１に挿通
したビス３２の先端を基板２の照明部材取付部７
に螺合することにより透光性着色部材６の裏側に
各々装着される。なお、図面の実施例では基板２
の左右に照明部材２８，２８を別個独立した状態
で設けてあるので、一方の照明基板２９に制御位
置からのリード線３３を接続し、該照明基板２９
と他方の照明基板２９との間を連絡線３４で接続
してある。

上記した構成から成る入賞具Ａを遊技盤１に取
付けるには、第３図で示すように、遊技盤１に開
設した通孔３５内に球検出器２１の後部を挿通し
た状態で基板２の裏面を遊技盤１の表面に当接
し、基板２の表側から各小孔９内に通したネジ等
の止着部材の先端を遊技盤１に螺合する。なお、
第４図で示すように、基板２を装飾部材１５より
も大きく形成してあるので、取付作業の際、装飾
部材１５等を損傷することがなく、しかも迅速に
作業することができる。この様にして遊技盤１の
表面に入賞口Ａを取付けると、第３図で示すよう
に、入賞口１２が遊技盤１の表面から突出して上
向きに開口する。したがつて、遊技盤１の表面を
打球が流下すると、運の良い打球が入賞口１２内
に入る。そして、入賞口１２内に入つた打球は、
球検出部２２内を通つて球検出器２１により検出
されたのち、真直ぐに落下して球流下方向変換機
能部２０に当接する。球流下方向変換機能部２０
に打球が当接すると、この打球は球通過口３に向
つて下り傾斜した球案内面１９上を流下すること
により流下方向を垂直方向から水平方向に滑らか
に変換され、球通過口３から基板２の裏側に流出
する。したがつて、本案に係る入賞具Ａにおいて
は、瞬間的に多数の打球が連続して入賞しても、
球流下方向変換機能部２０により円滑、且つ速や
かに流下方向を変換して球通過口３から流出させ
ることができる。このため、入賞球の検出が確実
であるばかりでなく、球詰まりの虞れがない。

また、球検出器２１が打球を検出すると検出信
号を発するが、この信号にもとづいて照明部材２
８を作動させたり、或は変動入賞装置の打球受け
入れ状態を変換したりすることができる。

第５図に示すパチンコ機３６は、遊技部３７内
のほぼ中央に一対の可動翼片３８，３８を有する
変動入賞装置３９を設けるとともに、該変動入賞
装置３９の下方に本案に係る入賞具Ａ，Ｂ，Ｃを
３つ並べて設けたもので、入賞具Ａ，Ｂ，Ｃの球
検出器２１…並びに照明部材２８…、及び変動入
賞装置３９のソレノイド（図示せず）等を遊技盤
１の裏側の制御装置（図示せず）に電気的に接続
してある。そして、マイクロコンピユータ等から
成る制御装置は、打球が左右いずれかの入賞具
Ａ，Ｃに入つたときには変動入賞装置３９の可動
翼片３８，３８を所定時間宛１回だけ開いて打球
が入賞し易い状態に変換するとともに、この間各
照明部材２８を作動して各透光性着色部材６を輝
かせ、打球が中央の入賞具Ｂに入つたときには変
動入賞装置３９の可動翼片３８，３８を所定時間
宛２回開いて打球が入賞し易い状態に変換すると
ともに各照明部材２８を作動して各透光性着色部
材６を輝かせるようにプログラム設定する。

したがつて、遊技盤１の表面を流下する打球が
左右いずれかの入賞具Ａ，Ｃの入賞口１２，１２
内に入ると、当該入賞具の球検出器２１が打球を
検出して制御装置に信号を送る。この信号を受け
た制御装置は、変動入賞装置３９のソレノイドを
励磁して可動翼片３８，３８を開いて打球を受け
入れ易い状態に変換するとともに、各照明部材２
８に給電して各発光源３０を発光させる。発光源
３０が発光すると、光が透光性着色部材６を裏側
から照射するので、透光性着色部材６が輝いて遊
技者に打球の入賞状態を報知することができる。
透光性着色部材６は、光を拡散したり、或は集中
させたりするレンズ効果を有するものや、発光源
３０自体では出せない色彩を施したものなどを適
宜選択できるので、裏側の発光源３０の光に照ら
されて輝くと、極めて高い装飾効果を発揮するこ
とができる。

また、打球が中央の入賞具Ｂの入賞口１２に入
ると、当該入賞具Ｂの球検出器２１が制御装置に
信号を送り、上記と同様に変動入賞装置３９の可
動翼片３８，３８を２回回動して打球が入り易い
状態に変換するとともに、各照明部材２８を作動
して各透光性着色部材６を２回輝かせる。このた
め、遊技者は、変動入賞装置３９を注視していな
くても、各入賞具の透光性着色部材６…の輝きに
より変動入賞装置３９の状態を把握することがで
きる。この様に各入賞具の球検出器２１と照明部
材２８を制御装置に接続すると、パチンコ遊技自
体に変化を与えることができるばかりでなく、遊
技の進行状態に適合させて透光性着色部材６を輝
かせることができるので、パチンコ遊技の興趣を
著しく高揚することができる。

第６図乃至第８図に示す入賞具の他の実施例
は、ビスを使用しないで組み立てられるようにし
たもので、基板２′のほぼ中央に球検出器貫通孔
を兼ねた縦長な球通過口３′を開設するとともに、
該球通過口３′の下方に発光源貫通孔４０と受枠
部材係止孔４１とを開設し、球通過口３′の上端
側縁から前方に向けて矩形の球検出器保持枠４２
を突設し、該球検出器保持枠４２の基端から基板
後方には先端に係止爪４３，４３を有する球検出
器保持腕４４，４４を延設して球検出器２１の保
持手段を構成し、左右の球検出器保持腕４４，４
４の基端の間には球検出器保持棚４５を後向きに
形成し、また球通過口３′の開口下縁からは上面
が僅かに下り傾斜した球流下板４６を形成し、上
記球検出保持枠４２の基端の下方には受枠部材係
止段部４７，４７を形成してある。そして球検出
器保持枠４２の前面部には後述する受枠部材１
３′の装飾部材１５′に形成した位置決め突起４８
…に係合する位置決め孔４９を開設し、前面部の
内側上縁及び左右の隅部には球検出器２１′の前
端位置を定める位置決め係止部５０…を形成して
ある。また、球検出器保持腕４４，４４の長さの
途中には球検出器２１′の後方部分の高さを規制
する係止片５１，５１を形成してある。したがつ
て、第６図で示すように、球検出器２１′の前端
部を球検出器保持腕４４，４４の係止爪４３，４
３に臨ませ、この状態で球検出器２１′を前進さ
せると、球検出器２１′の前端隅角部分が係止爪
４３，４３の傾斜面に当接して球検出器保持腕４
４，４４を左右に押し開くことができ、球検出器
保持棚４５上に位置する球検出器２１′を更に前
進させると、球検出器２１′の前端が球検出器保
持枠４２の前面部の裏面に当接するとともに、前
記した位置決め係止部５０…に係合し球検出器２
１′の前部の位置が規制される。また、球検出器
２１′が球検出器保持枠４２の前面部に当接する
と、該前面部から係止爪４３，４３までの長さを
球検出器２１′の長さに合せてあるので、係止爪
４３，４３が球検出器２１′の後端に係止して球
検出器２１′の後端位置を規制する。この様に本
実施例ではビスを使用することなく、ワンプツシ
ユするだけで簡単に球検出器２１′を基板２′に取
り付けることができる。

一方、上記した基板２′に取付ける受枠部材１
３′は、第６図で示すように、左右の側壁部１
０′，１０′と底面部１１′と底面部１１′の下方に
形成したランプ収納室５２を有し、側壁部１０′，
１０′の上端にはフツク状の止着爪５３，５３を、
ランプ収納室５２の下端縁には係合片５４を夫々
突設してある。また、第６図で示すように、受枠
部材１３′の前面を塞ぐようにして受枠部材１
３′と一体成形した装飾部材１５′は、裏面の上部
に位置決め突起４８…を形成し、底面部１１′か
ら下の部分には例えばダイヤカツトした透光性着
色部材６′を設けてある。なお、本実施例では、
第７図で示すように、底面部１１′を装飾部材側
から僅かに下り傾斜させることにより、この傾斜
底面部１１′が球流下方向変換機能部２０の球案
内面１９として機能するようにしてある。

上記した構成から成る受枠部材１３′を基板
２′に取付けるには、ランプ収納室５２の係合片
５４を基板の受枠部材係止孔４１内に嵌合した状
態で側壁部の止着爪５３，５３を基板２′の受枠
部材係止段部４７に押圧する。この様にして受枠
部材１３′を基板２′に押し付けると、位置決め突
起４８…が球検出器保持枠４２の位置決め孔４９
内に係合して受枠部材１３′を所定位置に規制し、
止着爪５３，５３が受枠部材係止段部４７に係止
して受枠部材１３′が外れないように保持する。
また、受枠部材１３′を基板２′の表面に止着する
と、基板２′の裏側に設けたランプ等の発光源３
０′…が発光源貫通孔４０から突出してランプ収
納室５２内に臨む。

上記した様にして入賞具を組み立てると、ビス
等を使用しないので極めて簡単に組立作業を行う
ことができる。そして組み立てられた入賞具は、
受枠部材の入賞具１２′の下流側に形成される球
流下路１８に球検出器２１′の球検出部２２が連
通可能に臨む。したがつて、入賞口１２′に入つ
た打球を球検出器２１′により確実に検出するこ
とができる。また、入賞口１２′に入つた打球は、
球流下方向変換機能部２０として機能する傾斜底
面部１１′により流下方向が変換され、球通過口
３′から遊技盤１の裏側に排出され、入賞球とな
る。また、球検出器２１′が入賞口１２′に入つた
打球を検出したときに球検出器２１′からの信号
にもとづいて電気的制御装置が発光源３０′…を
発光させるようにすると、発光源３０′…の光が
透光性着色部材６′から放射されて輝くので、高
い装飾効果を発揮する。

なお、本案における球流下方向変換機能部２０
は、打球の流下方向を速やかに且つ円滑に変換す
ることができればどのような構成でもよい。ま
た、保持手段４は、球検出器２１を保持すること
ができればどのような構成でもよい。更に、上記
実施例では、透光性着色部材６を基板２や受枠部
材１３等とは別部材で構成したが、基板２、受枠
部材１３、装飾部材１５自体を透光性のある素材
で成形し、入賞具全体が輝くようにしてもよい。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、入賞具の
基板前面側に球検出器の検出部分が位置できるよ
うにすると共に、当該入賞具の入賞口に入賞した
打球を直ちに検出できるようにして、最近流行の
一対の可動部材を備えた変動入賞装置付きパチン
コ機に対応できるようにしたものである。そし
て、球流下方向変換機能部の球案内面が、入賞口
から流下してくる打球を球通過口に向けて流下方
向を速やかに変換するので、短時間に多数の打球
が連続して入賞した場合であつても球詰まりを発
生することがないし、球検出器の検出部分により
打球を１個宛確実に検出することができる。

また、本考案は、基板の裏側に設けた照明部材
により透光性着色部材を輝かせることによつて装
飾効果を著しく高めることができ、パチンコ遊技
者の視覚を通じて遊技の興趣を高揚することがで
きる。また、透光性着色部材の輝きによりパチン
コ遊技の状態を、例えば上記変動入賞装置の一対
の可動部材が打球が入り易い状態になつたこと
を、遊技者に視覚的に直ちに報知することができ
る。従つて、遊技者は打球の飛距離調整等に容易
に対応することができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は装飾部材を外した状態における斜視図、第２図
は分解した状態における裏側からの斜視図、第３
図は断面図、第４図は正面図、第５図はパチンコ
機の正面図、第６図は他の実施例の分解斜視図、
第７図は第６図に示す実施例の縦断面図、第８図
は第６図に示す実施例の横断面図である。 １は遊技盤、２は基板、３は球通過口、４は保
持手段、６は透光性着色部材、１０は側壁部、１
１は底面部、１２は入賞口、１３は受枠部材、１
４は位置決め孔、１５は装飾部材、１６は装飾区
画部、１７は位置決め手段、１８は球流下路、１
９は球案内面、２０は球流下方向変換機能部、２
１は球検出器、２５は保持枠、２８は照明部材、
３０は発光源、３６はパチンコ機、３９は変動入
賞装置、Ａ，Ｂ，Ｃは入賞具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 球通過口を有する基板の表面に、左右の側壁部
   と底面部とを有した上面が入賞口として開口した
   受枠部材を設けると共に、該受枠部材の前面に装
   飾部材を設け、該装飾部材の裏側であつて底面部
   により形成される隅角部分に、上記基板の球通過
   口に向つて下り傾斜する球案内面を有する球流下
   方向変換機能部を設け、基板に形成した保持手段
   に支持される球検出器の検出部分を入賞口の下流
   側に形成される球流下路に連通可能に臨ませ、上
   記基板に止着した照明部材を該照明部材の前面側
   に位置する透光性着色部材に対向させてなるパチ
   ンコ機の入賞具。