JP4105775B2 - 遊技機の遊技部用表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機の遊技部用表示装置にかかり、特に、遊技盤の所定位置に配設され、遊技機の状態に対応して所定の表示を行う遊技機の遊技部用表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技盤の表面に設けられる遊技部用表示装置であるサイドランプとしては以下のようなものがあった。即ち、サイドランプは所定の光源(ランプ,LED)を備えると共に、遊技に支障のない遊技盤の周囲部に組み付けられている。そして、遊技盤の中央部領域に組み付けられた特別図柄表示装置が始動回転したり、いわゆるリーチ状態なった場合にこれに連動し、サイドランプに備えられたランプやLEDが所定のタイミングで点灯状態や点滅状態を繰り返し、遊技盤を光等で装飾し、遊技者の興趣を高めるようになっていた。
【0003】
以上のほか、遊技部用表示装置として色彩や形状で装飾効果の向上を図るために、遊技部用表示装置自体に特殊な彩色を施したり、装置自体を特殊な形状に成形するという手法も採られている。また、装飾用のシール(ステッカー)や印刷によってサイドランプの表面の装飾効果を高めようとするものもある。
【0004】
更に、サイドランプの別の例としては、遊技盤を明るくし且つ装飾効果を高めるという基本的な機能に加え、光源の発光によって遊技に関連するいわゆるラッキーナンバーや遊技機自体の各種状態等を表示させることにより、新たな遊技部用表示装置としての役割を具備しているものも存在している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にかかる遊技部用表示装置(サイドランプ)には以下のような不都合があった。即ち、従来より用いられている遊技盤においては、遊技中の遊技者の関心は遊技盤中央部領域に配設されている特別図柄始動口やこれによって始動する特別図柄表示装置である。このため、遊技部の左右両側を流下する遊技球に対しては遊技者の関心度が低く、結果として、遊技部の左右両端部領域が有効に活用されていない、という不都合を生じていた。これは、サイドランプの近傍を流下する遊技球がそれほど入賞には関係しない、という理由に基づくものである。
【0006】
また、サイドランプを光の発光や反射だけの装飾とする場合では、他の装飾部材との関係で装飾効果が低いものとなる。即ち、光による遊技盤の装飾は上記した特別図柄表示装置や大入賞口、その他の装飾部材によっても行われており、サイドランプの発光動作に対する遊技者の関心度が相対的に低下してしまう、という不都合を生じていた。特に、近年の遊技機は、遊技盤中央に位置していわゆる大当たり状態を表示する特別図柄表示装置の重要性が従来と比較して高まる傾向にあり、より一層、遊技盤の左右領域の活用度が低下する結果となっている。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記した従来例の有する不都合を改善し、特に、装飾効果を高めると共に遊技者の関心を高め、従来利用度の低かった遊技盤の左右両端部領域を有効に活用できる遊技機の遊技部用表示装置を提供することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明では、
遊技盤に取り付けられる円弧状の区画部材により囲まれた遊技部の左右両側であって、当該区画部材に沿った所定位置に取り付けられ内部に光源を収納した遊技機の遊技部用表示装置において、
前記遊技部用表示装置は、
入賞球を流下させる入賞球流路と、
該入賞球流路の一部を形成すると共に当該遊技部用表示装置を遊技盤に止着するためのベース部材と、
ベース部材に取り付けられると共に入賞口を有し、該入賞口から受け入れた入賞球を前記入賞球流路へ流下させる入賞部材と、
前記ベース部材に取り付けられて前記入賞球流路の一部を形成し、透光性を有するカバー部材と、から構成され、
前記ベース部材は、
前記入賞部材を取り付けると共に前記入賞球流路の一方端をなす入賞部材取付部と、
入賞部材取付部に接続され、遊技盤の表面よりも後面側に前記入賞球流路の一部を形成する接合部と
接合部に接続され、前記区画部材の円弧状沿った形状に形成されると共に遊技盤の表面よりも前面側に前記入賞球流路の一部を形成する流下部とからなり、該流下部の下方領域には、流下する遊技球を遊技盤の裏面側に落下させる落下口を配設し
前記入賞部材取付部に形成される入賞球流路は、当該入賞部材取付部から後方に向かって形成され、
前記接合部に形成される入賞球流路は、前記カバー部材によって前面を塞ぐことで形成され、当該入賞球流路を流下する入賞球が遊技盤の表面よりも後を流下し、かつ、遊技盤の前面に沿って流下する他の遊技球が前記カバー部材の前面側を横切って流下できるように形成され、
前記流下部に形成される入賞球流路は、前記カバー部材に前方から覆われることで形成され、当該入賞球流路を流下する入賞球が遊技盤の表面よりも前面側を流下するように形成され
前記カバー部材は、
前記入賞球流路の一方端から前記落下口に亘って延設形成され、前記流下部においては、遊技盤の前面側に隆起するものとし、
前記入賞部材に、入賞球の通過を検出して少なくとも前記光源を作動させるための情報を出力する入賞球検出手段を配設すると共に、前記入賞球流路の背面側に前記光源を配設した、という構成を採っている。
【0009】
以上のように構成されたことにより、遊技が開始されると遊技球が障害釘に接触し、一部の遊技球が、遊技盤に取り付けられた円弧状の区画部材により囲まれた遊技部の左右両側で、当該区画部材に沿った位置に位置する遊技部用表示装置の近傍に流下する。
遊技部用表示装置の入賞球流路の一方端には入賞口を有する入賞部材が装備されている。このため、入賞部材の入賞口に遊技球の一部が入賞球として受け入れられる。
この際、入賞部材に配設された入賞球検出手段が入賞球の通過を検出し、光源を作動させるための情報を出力して、入賞球流路の背面側に配設された光源を作動させる。
そして、入賞部材から受け入れられた入賞球はベース部材に形成された入賞球流路を通り流下してゆく。
ベース部材の前面を覆うカバー部材は透光性を有しているので、入賞球流路を流下する入賞球は、カバー部材を通して遊技者が視認可能である。
入賞球流路を流下する入賞球は、ベース部材の入賞部材取付部から後方に向かって形成された入賞部材取付部の入賞球流路と、透光性を有するカバー部材によって前面を塞がれ、入賞球が遊技盤の表面よりも後面側を流下するように形成されたベース部材の接合部の入賞球流路とを経て、遊技盤に取り付けられた円弧状の区画部材に沿った形状に形成されて透光性を有する前記カバー部材で前方から覆われ、遊技盤前面側で入賞球流路の一部を形成する流下部の入賞球流路に至る。
この際、接合部の入賞球流路は、入賞球が遊技盤の表面よりも後面側を流下するように形成され、流下部の入賞球流路は遊技盤の表面よりも前面側で入賞球流路の一部を形成しているので、入賞球は、手前側に弾かれるようにして接合部の入賞球流路から流下部の入賞球流路に移動する。
流下部に到達した入賞球は、流下部に形成された入賞球流路に沿って、遊技盤の表面よりも前面側を流下し、最終的に、入賞球流路の下方領域に配設された落下口から遊技盤の裏面側に落下する。
以上に述べた通り、入賞球流路の一部である流下部の入賞球流路を遊技盤の表面よりも前面側に配置することにより、入賞球流路内を流下する入賞球を遊技者が視認し易くなり、装飾効果が向上する。
更に、入賞部材に、遊技球の入賞を検出して光源を作動させるための情報を出力する入賞球検出手段を併設したので、通常の遊技部用表示装置の発光動作に加えて、入賞部材に遊技球が受け入れられた場合にも遊技部用表示装置の光源が発光する。このため、遊技部用表示装置内に装備された光源が入賞球流路を流下する入賞球にも光を照射し、より一層装飾効果が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明にかかる遊技部用表示装置3a,3bを装備した遊技機の遊技盤2を示し、図2及び図3は図1内に開示した遊技部用表示装置3aを示す。尚、説明の便宜上、図1における遊技部5に植設される障害釘は省略している。
【0016】
〔遊技盤の構成〕
先ず最初に、遊技盤2の概略構成について説明する。図1に示す遊技盤2は木製の合板からなり、その前面側(遊技者側)が遊技部5となっている。但し、遊技盤2は木製でなくプラスチック等の樹脂製材から構成してもよい。
【0017】
遊技盤2における遊技部5は、遊技球(図示略)を使用する遊技機であれば、任意の構成を取り得る。例えば、複数の図柄を可変表示可能な特別図柄表示装置を備え且つこの特別図柄表示装置における可変表示結果が予め定められた特別図柄で表示されたことを条件に遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)を発生可能な遊技機(第1種の遊技機)や、図柄表示装置を備えた第3種に属する遊技機,或いは第2種に属する遊技機等、更にはその他の種類の遊技機(例えば電動役物装置を備えたもの)やいわゆるアレンジボール等においても、その構成は任意である。
【0018】
遊技盤2の表面には、金属製の外バンド(遊技球案内部材)33が図1の下端の左寄りから上部にかけて円弧状に配設固定されている。同時に当該外バンド33の内側には、同じく金属製で円弧状の内バンド(遊技部区画部材)35が、その上端を開いた状態で、横C字状に固定装備されている。
【0019】
そして、この外バンド33と内バンド35の一部とによって囲まれたほぼ円形部分が前述した遊技部5となっている。この遊技部5には、多数の障害釘(図示略)が植設され、同時に種々の役物装置等が配設されている。
【0020】
また、外バンド33と内バンド35の一部(図1中の左側部分)との間に設定された円弧状部分は、遊技球発射装置(図示略)から発射された遊技球(図示略)が上昇する遊技球上昇流路37を構成している。この遊技球上昇流路37の下端入口部分は、遊技盤2を遊技機に装着した状態で発射レール(図示略)の延長線上に位置している。
【0021】
〔遊技部の構成〕
次に、遊技部5について説明する。
この遊技部5には、図1に示すように、その略中央部に上記した特別図柄表示装置31が配設される。この特別図柄表示装置31は、LED,LCD,或いはCRT等によって構成され、遊技中の各種状態を表示したり、後述する大入賞口39の開閉動作を決定するための表示をするようになっている。
【0022】
上記特別図柄表示装置31の図中上側には、第1の入賞装置41が設けられ、また特別図柄表示装置31の図中下側には、特別図柄始動口43,普通電動役物45,大入賞口39及び普通図柄表示装置47が順次配置されている。符号47aは普通図柄表示装置47の左右に分かれて配置された普通図柄記憶表示部を示す。又、符号49は遊技部5の下端部に設けられたアウト口を示す。
【0023】
上記第1の入賞装置41の両側には、所定間隔を隔ててランプ風車51が配置されている。また、前述した普通電動役物45の両側には、所定間隔を隔てて第2乃至第3の入賞装置が設けられている。
【0024】
また、遊技部5の周縁部で特別図柄表示装置31の左右両側には本発明の遊技部用表示装置(以下「サイドランプ」という)3a,3bがそれぞれ配設されている。そして、このサイドランプ3a,3bは遊技状態に応じて内部に装備されている光源が点灯や点滅動作を繰り返えして、装飾効果を高めるようになっている。更に、サイドランプ3a,3bには、遊技球の一部を入賞球N(図2参照)として受け入れる入賞部材6が装備されている。
【0025】
〔遊技部用表示装置(サイドランプ)の構造〕
次に、本願発明の要部を成す上記した遊技部用表示装置としてのサイドランプ3a,3bについて説明する。先ず、図2はサイドランプ3aの全体概要を示す正面図である。そして符号7はベース部材を示し、符号11は透光性の材料からなるカバー部材を示し、また、符号6は入賞部材を示し、更に符号Nは入賞球をそれぞれ示す。
【0026】
この図2に示すように、サイドランプ3aは光源9aやランプ基板13(図3参照)等の種々の構成要素を収納するベース部材7と、このベース部材7の所定位置に装備されて遊技球を入賞球Nとして受け入れる入賞部材6と、この入賞部材6から受け入れられた入賞球Nを流下させる入賞球流路7aを備えている。そして、ベース部材7の一方側(図2中の左方)は円弧状に構成されている。これは、後述するように、遊技部5に配設された円弧状の区隔部材(内バンド)35(図1参照)に沿ってサイドランプ3aを配設するためであり、該区隔部材35の曲率に近い円弧となっている。
【0027】
また、サイドランプ3aの遊技部5に露出する面のほぼ全体は、カバー部材11及びベース部材7の一部分により覆われており、サイドランプ3aがベース部材7を介して遊技部5に設置された場合には、ベース部材7の板状部7bが遊技盤2(図1及び図5参照)の表面とほぼ同一面となるように構成されている。
【0028】
以下にサイドランプ3aの具体的形状及び構成について説明する。先ず、ベース部材7の内、入賞部材6が配設されている部分(図2中の右方)は入賞部材取付部8aとなっている。この入賞部材取付部8aは略円板状に構成され、同様に円形に形成された入賞部材6を担持している。また、入賞部材6の裏側にはベース部材7によって構成される入賞球流路7aの一方端が形成されている。
【0029】
また、上記した入賞部材取付部8aの左方は、ベース部材7の接合部8bとなっている。この接合部8bは、入賞球流路7aの一部を構成し、より詳しくは入賞部取付部8a側と後述する流下部8c側とを接合するものである。この接合部8bに形成されている入賞球流路7aは、入賞部材6に形成されている入賞口(図4参照)から僅かに下方に傾斜して、流下部8c側の入賞球流路7aに接続されている。また、接合部8bにおける入賞球流路7aは遊技盤2(図1参照)の表面より奥まった位置に形成されており、遊技盤2にサイドランプ3aが設置された場合でも、この接合部8bの前面側(遊技者側)を横切って遊技球が流下できるようになっている。
【0030】
また、上記したベース部材7の流下部8cは、略垂直方向に延設されると共に、僅かに湾曲して構成されている。この流下部8cにおける入賞球流路7aは、遊技盤2の表面とほぼ同一面上に構成されている。即ち、上記した接合部8bにおける入賞球流路7aで一旦遊技盤2の後面側に入った入賞球Nが、流下部8cの入賞球流路7aにおいて再び遊技盤2の前面側に出てくるようになっている。
【0031】
ベース部材7における流下部8cの下方領域には、流下してきた入賞球Nを遊技盤2の裏面側に落下させる落下口8が形成されている。また、流下部8cの上下両端部には所定のネジ穴7cが形成されている。このネジ穴7cは、遊技盤2に対してベース部材7を介してサイドランプ3aを固定するためのものである。ネジ穴は、図2に示すように入賞部材取付部8aにも形成されており、本実施形態に係るサイドランプ3aでは、計3箇所でネジ止めされるようになっている。
【0032】
また、入賞球流路7aの前面には、透光性のカバー部材11が配設されている。このカバー部材11は、入賞球流路7aの前面を覆うためのものである。詳しく説明すると、ベース部材7の接合部8bに配設されるカバー部材11は、接合部8bとほぼ同一面上に配置されている。従って、このカバー部材11の作用によって、接合部8bの前面を流下する遊技球は入賞球流路7aに流入しない。
【0033】
一方、流下部8cの部分のカバー部材11は、ベース部材7より前面側に隆起した形状となっている。カバー部材11の当該領域は、入賞部材6からの入賞球流路7aの一方端から始まり、上記した落下口8まで延設されている。このように、流下部8cにおけるカバー部材11はベース部材7から前面側(遊技者側)に隆起しているので、入賞せずにサイドランプ3aの上方から流下してきた遊技球は、このカバー部材11の隆起した部分に当接してそのまま下方に流下するようになっている。
【0034】
また、流下部8cにおけるカバー部材11の内壁には、入賞球流下遅延手段11aが設けられている。この入賞球流下遅延手段11aは、流下部8cのカバー部材11によって覆われている入賞球流路7a内の入賞球流路領域に突出するように設けられている。具体的には、図2に示すように、流下部8cにおけるカバー部材11の内壁の左右両側に、半円筒状の突起で形成されている。そして、この入賞球流下遅延手段11aは、本実施形態においては、中央部に2個設けられ相互に異なる高さに配置されている。尚、入賞球流下遅延手段11aの形状や個数は種々考えられるものであり、断面が三角形の突起や四角形の突起であってもよい。また、突起を1個でも良いし3個以上配設するようにしても良い。加えて、入賞球流路7a自体を屈曲させるように構成しても良い。この場合には、ベース部材7及びカバー部材11を相互に対応するように屈曲させる。
【0035】
更に、上記流下部8cにおけるカバー部材11の内壁の最下端部には、所定の傾斜部材11bが設けられている。この傾斜部材11bは、流下してきた入賞球Nを落下口8側に弾き出すためのものであり、遊技盤2の裏面側に向かって傾斜している。この傾斜部材11bは、カバー部材11と一体的に構成されているが、それぞれ別個に製造して、その後両者を接合するようにしても良い。
【0036】
また、入賞部材6について説明すると、入賞部材6は上部に入賞口(図4参照)が形成されており、この入賞口から遊技球が入賞球Nとして受け入れられるようになっている。また、入賞口には、入賞球Nの通過を検出してサイドランプ3a内に設けられている光源(LED)を発光させるための信号を出力する入賞球検出手段6aが配設されている。この入賞球検出手段6aが入賞球Nを検出した場合には、上記の他、特別図柄始動口43の普通電動役物45を開放させたり、また特別図柄表示装置31や普通図柄表示装置47を動作させるように所定の動作信号を送出するようにしてもよい。ここで、入賞球検出手段6aは、その構成は特に限定されるものではないが、例えば金属の接近を検知できるマグネットセンサや、単に入賞球Nの通過によって作動するマイクロスイッチのようなものであってもよい。
【0037】
次に、図3はサイドランプ3aから上記したカバー部材11及び背面板4を取り外した場合の分解図を示し、また、図4はサイドランプ3aの斜視図を示している。これらの図から判るように、サイドランプ3aはベース部材7内に、ランプ基板13と、このランプ基板13に植設される光源9aを備え、区隔部材35(図1参照)により囲まれた遊技部5内の所定位置に当該区隔部材35に沿って取り付けられる。
【0038】
ランプ基板13上には、本実施形態では3個のLEDが一列に設けられている。これは、遊技機の各種遊技状態を表示するために発光することはもちろん、上記した入賞球検出手段6aによって入賞球Nが検出された場合に光源9aを発光させ、入賞したことを表示すると共に、入賞球流路7aを流下する入賞球Nを装飾するようになっている。また上記の他、入賞部材6から流下部8cに至るまでの間の入賞球流路7aの近傍にも所定数の光源が配設されている。より詳しくは、当該入賞球流路7aは透光性の部材で構成され、この入賞球流路7aの裏面側に配設された光源(図示略)の発光により装飾されるようになっている。
【0039】
上記したランプ基板13は通常の電子回路基板から構成されており、複数の電子部品を実装できるように、所定の実装孔(図示略)が形成されている。また、ランプ基板13の一方の面には所定の回路パターン(図示略)が形成されており、光源9aを電気的に接続できるようになっている。そして、回路パターンには外部電源(図示略)から所定の電流を供給する電源線(図示略)が接続され、この電源線の先端部にはコネクタ(図示略)が設けられている。更に、ランプ基板13には、ランプ基板13をベース部材7に固定するためのネジ19が装備されている。
【0040】
また、入賞球流路7aの内、入賞部材6から流下部8cに至る屈曲部には所定の傾斜部材9bが設けられている。この傾斜部材9bは、入賞部材6側から流入してきた入賞球Nを流下部8c側に導く際に、遊技盤2(図1参照)の裏面側から前面側に偏向させるためのものであり、遊技盤2の前面側に向かって傾斜している。
【0041】
流下部8cにおけるカバー部材11の上方領域には、断面が略三角形の障害部材7dが設けられている。この障害部材7dは、上方から流下してきた遊技球が区画部材35(図1参照)と流下部8cにおけるカバー部材11との間に侵入しないようにするための障害として機能するものである。また、この他障害部材7dに接触した遊技球は、障害部材7dの上面に形成された傾斜によって、遊技盤5の中央部側へ誘導されるようになっている。
【0042】
〔サイドランプの組立方法〕
次に、以上のように構成されたサイドランプ3aの組立方法について図3ないし図5に基づいて概説する。先ず、上記したようにランプ基板13に対して光源としてのLED9aが植設される。そして、当該ランプ基板13がベース部材7の内部に収納され固定される。このとき、ランプ基板13はネジ19でベース部材7に固定される。また、図5に示すように、ベース部材7におけるランプ基板13の取付位置には、取付脚部14が形成されており、ランプ基板13を固定してもベース部材7の壁面とは直接接触しないようになっている。
【0043】
次に、上記したランプ基板13及び光源9aを封止して流下部8cに入賞球流路7aを構成するための背面板4を取り付ける。この背面板4は上記したように透光性の材料からなるので、光源9aが点灯した場合には光が透過して装飾効果を高めるようになっている。また、背面板4の裏面には照射された光を乱反射させるように、所定の凹凸(図示略)が形成されている。そして、最後に、透光性のカバー部材11が入賞球流路7aを覆うように装着される。
【0044】
〔遊技部への組み付け方法〕
上記のように組み立てられたサイドランプ3a,3bを遊技部5に組み付ける場合について、図1及び図5に基づいて概説する。図1に示すように、サイドランプ3a,3bは特別図柄表示装置31の左右両側に組み付けられるようになっている。具体的な組み付け方法としては、遊技部5の区隔部材35の近傍に、この区隔部材35に沿って所定の貫通孔(図示略)を形成する。このときの貫通孔はサイドランプ3a,3bのベース部材7の裏面側を挿入するのに充分な大きさである。そして、遊技盤2の前面側からサイドランプ3a,3bを上記貫通孔に挿入する。
【0045】
そして、図5に示すように、ベース部材7の表面側に形成されている板状部7bを遊技盤2の前面に当接させる。その後、ベース部材7の板状部7bに形成されているネジ穴7c(図2参照)に所定のネジ部材を挿入する。これにより、サイドランプ3a,3bが遊技盤2に固定される。尚、図2及び図3は遊技盤2に組み付けられるサイドランプ3a,3bの内、特に左方に配置されるサイドランプ3aについてのみ説明してきた。また、本実施形態では、サイドランプ3a,3bを遊技部5の左右両周縁部に配設することとしているが、この他、遊技部5の上部や下部に設けてもよいし、その数に関しても、必ずしも2個に限定されるものではない。
【0046】
〔サイドランプの作用及び機能〕
次に、図1及び図2に基づいて、以上のように構成されたサイドランプ3a,3bの作用及び機能について、遊技機の各種動作との関連において説明する。
【0047】
先ず、遊技中における特別図柄始動口43への遊技球の入賞を条件として、所定数の賞球が排出されると共に特別図柄表示装置31が動作する。この特別図柄表示装置31は、所定時間の経過後に例えば3つの数字が任意の組み合わせで表示されるように構成されている。そして、すべての数字が同一になった場合等に、特別図柄表示装置31の下方に配設されている大入賞口(アタッカー)39が作動する。このとき、遊技者にとって有利な状態にあることを表示して興趣を高めるべく、サイドランプ3a,3bの光源9a(図3参照)が点滅するようになっている。
【0048】
また、本実施形態にかかる遊技機は、特別図柄表示装置31の左右両側にサイドランプ3a,3bと一体的に入賞部材6を備えている。そして、遊技部5内の遊技球が入賞部材6に受け入れられた場合には、サイドランプ3a,3bが点滅すると共に、一定数の賞球が払い戻されるようになっている。
【0049】
ここで、上記したサイドランプ3a,3bの機能、動作は単なる一例であって、その他各種情報の表示に使用することができる。即ち、遊技者が遊技球発射ノブ(図示略)に手を触れた場合にこれを検知し、遊技開始の表示としてサイドランプ3a,3bの光源9aを発光させるように構成することも考えられる。
【0050】
以上は本願発明にかかるサイドランプ3a,3b(遊技部用表示装置)を含めた一般的なサイドランプが有する基本的な機能である。これに加えて、本発明にかかるサイドランプ3a,3bは、以下のような特別な機能を有している。
【0051】
図2に示すように、サイドランプ3aに装備された入賞部材6に遊技球の一部が入賞球Nとして受け入れられる。この時、入賞部材6の入賞口(図示略)には入賞球検出手段6aが配設されているので、入賞球Nの通過が検出される。そして、この検出情報は図示しない主制御部に送信され、主制御部の作用によってサイドランプ3a内に設けられている光源9a(図3参照)が発光して装飾効果を高める。また、入賞球検出手段6aが入賞球Nを検出した場合には、上記の他、特別図柄始動口43の普通電動役物45を開放させたり、また特別図柄表示装置31や普通図柄表示装置47を動作させるように所定の動作信号を送出するようにしてもよい。
【0052】
また同時に、入賞部材6から受け入れられた入賞球Nは入賞球流路7aを通り流下してゆく。このとき、入賞部材6から傾斜部を移動して流下部8c側に流下する入賞球Nは、カバー部材11を通して遊技者が視認可能である。また、入賞球Nは、入賞球流路7aの曲折部に設けられている傾斜部材9bによって手前側に弾かれる。これによって、入賞球Nは円滑に流下部8cにおけるカバー部材11側(遊技者側)に移動する。
【0053】
そして、流下部8c側の入賞球流路7aに到達した入賞球Nは、透光性のカバー部材11及びベース部材7の背面板4に囲まれた入賞球流路領域を流下してゆく。このとき、カバー部材11の内壁には、入賞球流下遅延手段11aが形成されているので、流下してくる入賞球Nがこの入賞球流下遅延手段11aに接触する。即ち、入賞球流下遅延手段11aは入賞球流路7aに突出するようにその形状が構成されているので、入賞球Nの流下速度を低下させ、入賞球Nが流下して落下口8に至るまでの時間を遅延させる機能を有している。特に、本実施形態のサイドランプ3aでは、左右両側に入賞球流下遅延手段11aが設けられているので、流下速度を充分低下させることができると共に、入賞球Nに複雑な動きを生じさせることができる。
【0054】
このため、従来のサイドランプと比較して入賞球流路7a内での入賞球Nの移動によって、より遊技者の興趣を高めるという効果を奏する。なぜなら、従来のサイドランプは光源が発光点滅を繰り返すのみであり、遊技者はこれに慣れてしまい特別に注意を喚起されることが無くなってきている。これに対して、遊技者は通常入賞球の動きに対しては大きな関心を示すものであり、特にサイドランプ内を入賞球が移動するのは遊技者にとって新鮮で、光源の発光との相乗効果で遊技者の興趣を高めやすいからである。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明では、サイドランプを構成するベース部材に、透光性を有するカバー部材によって前面を塞がれ、入賞球が遊技盤の表面よりも後面側を流下するように形成された接合部の入賞球流路と、遊技盤に取り付けられた円弧状の区画部材に沿った形状に形成されて透光性を有する前記カバー部材で前方から覆われ、遊技盤の表面よりも前面側で入賞球流路の一部を形成する流下部の入賞球流路とを備えた。このため、一般的な遊技部用表示装置として光を発生させて遊技盤及び遊技球を装飾するという効果はもちろんのこと、遊技者が入賞球流路内を流下する入賞球を視認できるので、通常のサイドランプや入賞部材と比較して遊技者の興趣を高めると共に飛躍的に遊技盤の装飾効果を高めることができる、という優れた効果を生じる。加えて、サイドランプに入賞部材を一体的に装備したので、遊技機の組立行程においては、その工程数が削減できるという優れた効果を生じる。更には、従来、余り活用されていなかった遊技部の左右両端部領域に、遊技に直接関係する本発明のサイドランプを配設することで、当該領域の有効な利用が可能となる、という優れた効果を生じる。
【0056】
また、流下部の入賞球流路を遊技盤の表面よりも前面側に配置することにより、入賞球流路内を流下する入賞球を遊技者が一層視認し易くなり、より装飾効果を向上させることができる、という優れた効果を生じる。
【0058】
更に、入賞部材に、遊技球の入賞を検出して光源を作動させるための情報を出力する入賞球検出手段を併設したので、通常のサイドランプの発光動作に加えて、入賞部材に遊技球が受け入れられた場合にもサイドランプの光源が発光する。このため、サイドランプ内に装備された光源が入賞球流路を流下する入賞球にも光を照射し、より一層装飾効果を向上させ遊技者の興趣を高めることとなる、という優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図l】本発明のサイドランプを装備している遊技盤を示す正面図である。
【図2】図1内に開示したサイドランプを示す正面図である。
【図3】図2に開示したサイドランプを示す一部を分解した正面図である。
【図4】図2に開示したサイドランプの斜視図である。
【図5】図2のX−X線における断面図である。
【符号の説明】
2 遊技盤
3a 遊技部用表示装置(サイドランプ)
3b 遊技部用表示装置(サイドランプ)
5 遊技部
6 入賞部材
6a 入賞球検出手段
7 ベース部材
7a 入賞球流路
9a 光源(LED)
11 カバー部材
11a 入賞球流下遅延手段
13 ランプ基板
33 区隔部材(外バンド)
35 区隔部材(内バンド)
N 入賞球

Claims (1)

  1. 遊技盤に取り付けられる円弧状の区画部材により囲まれた遊技部の左右両側であって、当該区画部材に沿った所定位置に取り付けられ内部に光源を収納した遊技機の遊技部用表示装置において、
    前記遊技部用表示装置は、
    入賞球を流下させる入賞球流路と、
    該入賞球流路の一部を形成すると共に当該遊技部用表示装置を遊技盤に止着するためのベース部材と、
    ベース部材に取り付けられると共に入賞口を有し、該入賞口から受け入れた入賞球を前記入賞球流路へ流下させる入賞部材と、
    前記ベース部材に取り付けられて前記入賞球流路の一部を形成し、透光性を有するカバー部材と、から構成され、
    前記ベース部材は、
    前記入賞部材を取り付けると共に前記入賞球流路の一方端をなす入賞部材取付部と、
    入賞部材取付部に接続され、遊技盤の表面よりも後面側に前記入賞球流路の一部を形成する接合部と
    接合部に接続され、前記区画部材の円弧状沿った形状に形成されると共に遊技盤の表面よりも前面側に前記入賞球流路の一部を形成する流下部とからなり、該流下部の下方領域には、流下する遊技球を遊技盤の裏面側に落下させる落下口を配設し
    前記入賞部材取付部に形成される入賞球流路は、当該入賞部材取付部から後方に向かって形成され、
    前記接合部に形成される入賞球流路は、前記カバー部材によって前面を塞ぐことで形成され、当該入賞球流路を流下する入賞球が遊技盤の表面よりも後を流下し、かつ、遊技盤の前面に沿って流下する他の遊技球が前記カバー部材の前面側を横切って流下できるように形成され、
    前記流下部に形成される入賞球流路は、前記カバー部材に前方から覆われることで形成され、当該入賞球流路を流下する入賞球が遊技盤の表面よりも前面側を流下するように形成され
    前記カバー部材は、
    前記入賞球流路の一方端から前記落下口に亘って延設形成され、前記流下部においては、遊技盤の前面側に隆起するものとし、
    前記入賞部材に、入賞球の通過を検出して少なくとも前記光源を作動させるための情報を出力する入賞球検出手段を配設すると共に、前記入賞球流路の背面側に前記光源を配設したことを特徴とする遊技機の遊技部用表示装置。
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