JPH04309677A - 構造物における振動制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は地震、強風時等において
、せん断変形と曲げ変形とを同時に持った構造物で特に
有効な構造物における振動制御装置に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】構造物の地震、強風時における変形は図
６に示すように、下層階ではせん断変形δＳ　成分が大
きく、上階層ほど曲げ変形δＭ　成分が増加していく。 このうち曲げ変形は柱の軸伸縮に起因し、構造物の外端
柱での変形量が大きい。またせん断変形は各層のせん断
剛性に応じて生じ、架構形式により一定しないが、構造
物における曲げ変形の影響の少ない部分において顕著で
ある。

【０００３】従来の構造物における振動制御装置は、前
記曲げ変形及びせん断変形の一方のみに有効なものが多
く、両方に働く場合でも制御する振動モードが限られ、
その効果には限界がある。本発明は前記従来技術の有す
る問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とする処
は、せん断と曲げの両方の変形成分に対してより効率的
で大きい制御が可能となる構造物における振動制御装置
を提供する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る構造物における振動制御装置は、地震
、強風に対して、せん断変形と曲げ変形を同程度に合わ
せ持った構造物において、同構造物の外端柱に柱の軸伸
縮振動に対する減衰装置を装架するとともに、構造物の
下層階に、上層と下層の水平変形差を増幅して減衰効果
が働くように構成された振動減衰増幅装置を装架して構
成されている。

【０００５】

【作用】構造物の揺れは前記したように、せん断と曲げ
の変形成分をもっている。本発明においては前記曲げ変
形は柱の軸伸縮に起因し、外端柱での変形量が多いこと
に着目して、同外端柱に柱の軸伸縮振動に対する減衰装
置を装架し、柱の軸伸縮振動を減衰せしめることによっ
て前記曲げ変形による振動を軽減しうるようにしたもの
である。

【０００６】同時にせん断変形量の大きい構造物の下層
部に振動減衰増幅装置を装架して、上層と下層の水平変
形差を増幅して減衰効果が働くようにして、前記せん断
変形による振動を軽減しうるものであり、かくして前記
２種類の減衰装置によって、せん断変形及び曲げ変形を
同時に、しかも効果的に制御するものである。

【０００７】

【実施例】以下本発明を図示の実施例について説明する
。Ａは構造物で、１は柱、２は梁である。而してせん断
変形制御装置として、せん断変形成分が大きい下層階に
振動減衰増幅装置ａを装架する。

【０００８】同振動減衰増幅装置ａとしては、例えば特
開平２−１０１２６９号公報に所載の装置が使用される
もので、同装置は図２に示すように、左右両側を柱１、
上下層を梁２によって囲まれた空間の中間位置に支持台
３を設け、同支持台３に梃子４の中間部をピン接合する
とともに、同梃子４の上端を上層の梁２にピン接合し、
下端をダンパー５のシヤフトに接続して構成されている
。従って上下層間に速度Ｖで水平変位ｘで生じた場合、
前記ダンパー５のシヤフト位置では挺子４下端の速度、
変位ともλ倍される。従ってこの場合、直接ダンパー５
を速度Ｖ、変位ｘで作動させた場合に比して、ダンパー
５の減衰性能はλ倍、運動量もλ倍となることによって
、減衰効果はλ２　倍に増大される。

【０００９】また前記振動減衰増幅装置ａとともに、軸
伸縮振動に対する減衰装置ｂが、構造物Ａの外端柱１に
装架される。前記減衰装置ｂは構造物Ａの外端柱１の柱
頭または柱脚に配設したオイルダンパー６をつなぎ材７
を介して前記柱１の他端の柱脚または柱頭に接続し、つ
なぎ材７を定着具８を介して定着して構成され（図３、
図４参照）地震時や強風時において、柱１の軸伸縮の振
動変形が生起した場合、前記つなぎ材７がこれに従動す
ることによって柱１の端部に配置され、且つ前記つなぎ
材７が接続されたオイルダンパー６が作動して振動のエ
ネルギーを吸収し、振動を吸収するものである。　　図
５に示す実施例は、つなぎ材７が梃子９を介してオイル
ダンパー６に接続された場合を示す。

【００１０】図示の実施例は前記したように構成されて
いるので、前記振動減衰増幅装置ａ及び柱の軸振動に対
する減衰装置ｂによって、構造物のせん断変形及び曲げ
変形を同時に、しかも効率的に制御しうるものである。 なお本発明の振動制御装置を組込んだ構造物は、せん断
変形と曲げ変形を同程度に合せもった架構での効果が大
で、構造物の高さと構造物の長さの比が小さすぎたり、
大きすぎる場合は変形の一方が卓越するので、振動制御
装置の効果は小さい。

【００１１】

【発明の効果】構造物の揺れは前記したように、せん断
と曲げの変形成分を有し、この両方の成分に対して、本
発明によれば構造物の下層階に装架した振動減衰増幅装
置と、構造物の外端柱に装架した柱の軸振動に対する減
衰装置とによって制御するようにしたものである。従来
の一方、または両方の変形に働くが制御に限界がある装
置を用いた場合に比して、より効率的で、より効果の大
きい制御が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る構造物における振動制御装置の一
実施例を示す縦断面図である。

【図２】振動減衰増幅装置の一実施例を示す正面図であ
る。

【図３】柱の軸伸縮振動に対する減衰装置の一実施例を
示す正面図である。

【図４】柱の軸伸縮振動に対する減衰装置の他の実施例
を示す正面図である。

【図５】柱の軸伸縮振動に対する減衰装置の更に他の実
施例を示す正面図である。

【図６】構造物の変形説明図である。

【符号の説明】

Ａ　　　　構造物 ａ　　　　振動減衰増幅装置 ｂ　　　　柱の軸振動に対する減衰装置１　　　　柱 ２　　　　梁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　地震、強風に対して、せん断変形と曲
   げ変形を同程度に合わせ持った構造物において、同構造
   物の外端柱に柱の軸伸縮振動に対する減衰装置を装架す
   るとともに、構造物の下層階に、上層と下層の水平変形
   差を増幅して減衰効果が働くように構成された振動減衰
   増幅装置を装架してなることを特徴とする構造物におけ
   る振動制御装置。