JPH04308092A - 絶縁性、打ち抜き性、耐熱性および耐食性に優れた電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

絶縁性、打ち抜き性、耐熱性および耐食性に優れた電磁鋼板およびその製造方法

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JPH04308092A
JPH04308092A JP9809491A JP9809491A JPH04308092A JP H04308092 A JPH04308092 A JP H04308092A JP 9809491 A JP9809491 A JP 9809491A JP 9809491 A JP9809491 A JP 9809491A JP H04308092 A JPH04308092 A JP H04308092A
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steel sheet
chromium
chromate
film
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Akihiko Furuta
彰彦 古田
Takatoshi Ono
小野 隆俊
Katsunori Imai
克徳 今井
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、絶縁性、打ち抜き性
、耐熱性および耐食性に優れた絶縁被膜を有する電磁鋼
板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁鋼板は、モータやトランス等の電気
機器用鉄芯材として広く使用されている。このような鉄
芯材として使用される電磁鋼板の表面上には、通常、渦
電流損失を低減するために、絶縁被膜が形成されている
【0003】電気機器用鉄芯材は、その表面上に絶縁被
膜が形成された電磁鋼板を、所定の形状に打ち抜き、次
いで、所定の形状に打ち抜かれた複数枚の電磁鋼板を積
層し、そして、溶接またはかしめることにより組立てら
れる。従って、電磁鋼板の表面上に形成される絶縁被膜
には、高い層間絶縁抵抗値を有していることに加え、優
れた打ち抜き性、耐熱性および耐食性を有していること
が要求されており、特に、打ち抜き性に関し、打ち抜き
を連続的に行っても被膜が剥離せず、そして、パンチや
ダイスの摩耗によるブランクのバリ発生を抑制し得る潤
滑性を有していることが必要とされている。
【0004】そのために、従来、絶縁被膜中に有機樹脂
を含有させて、被膜に潤滑性を付与することにより、打
ち抜き性の向上を図っていた。有機樹脂を含有する絶縁
被膜としては、クロム酸系またはリン酸系化合物を主成
分とする無機系水溶液と有機エマルジョンとの混合溶液
を電磁鋼板の表面上に塗布し次いでこれを焼き付けるこ
とにより形成される、いわゆる無機・有機系被膜が広く
実用化されている。このように、絶縁被膜に潤滑性を付
与することによって、連続打ち抜き作業時のバリ発生に
よる金型の取り替え頻度を、大幅に縮小し得るようにな
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た有機樹脂を含有する絶縁被膜は、耐熱性が劣る結果、
加熱処理によって、絶縁性、密着性および耐食性が低下
するという問題を有している。即ち、鉄芯用の電磁鋼板
に対しては、鉄芯としての成形加工時または成形加工後
に、発生した加工歪みを除去して磁気特性を向上させる
ための歪み取り焼鈍が施される場合が多い。このような
歪み取り焼鈍時に、電磁鋼板は、約700 〜800 
℃の温度で加熱されるので、絶縁被膜中の有機樹脂が熱
分解し、その一部がガス化する。このために、絶縁被膜
はポーラスになり、その絶縁性、密着性および耐食性が
大きく低下する。特に、梅雨時期など高温多湿環境下に
おいては、耐食性の低下によって、早期に発錆する問題
が生ずる。
【0006】上述した問題を解決する手段として、特開
昭59−116382号には、打ち抜き性、および、歪
み取り焼鈍後の耐食性に優れた絶縁被膜の形成方法とし
て、所定量のリン酸塩を含有する重クロム酸塩−有機樹
脂系処理液を、鋼板の表面上に塗布し、次いで、焼き付
けることにより被膜を形成する方法(以下、先行技術1
という)が開示されている。
【0007】しかしながら、先行技術1には、次のよう
な問題がある。即ち、リン酸塩を多量に含有させた場合
、通常の焼き付けでは、被膜の硬化反応が未完了になり
やすく、被膜中に未反応のクロム化合物やリン化合物が
存在するために、歪み取り焼鈍前の過程で吸湿する結果
、絶縁性の低下や発錆等が生ずる。
【0008】また、特開昭62−124228 号には
、鋼板の表面上に形成された、0.01〜0.3 μm
の厚さのNiめっき層と、前記Niめっき層の上に形成
された0.4 〜6 g/m2の量の重クロム酸塩ー有
機樹脂系被膜とからなる電磁鋼板(以下、先行技術2と
いう)が開示されている。
【0009】しかしながら、先行技術2には、次ぎのよ
うな問題がある。即ち、被膜の基本的な性能である絶縁
性が、歪み取り焼鈍後において大きく低下し、更に、N
iめっき層が導電性を有しているために、腐食電気化学
反応が進行にして、耐食性が劣化する。
【0010】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、歪み取り焼鈍等の加熱処理が施されても、絶
縁性、耐食性等が低下することのない、絶縁性、打ち抜
き性、耐熱性および耐食性に優れた絶縁被膜を有する電
磁鋼板およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、電磁鋼
板の少なくとも1つ表面上に、クロム水和酸化物および
クロム酸化物の少なくとも1つ、または、クロム水和酸
化物およびクロム酸化物の少なくとも1つと金属クロム
とを所定量含有する、下層としてのクロメート被膜を形
成し、前記クロメ−ト被膜の上に、クロム酸系化合物お
よびリン酸系化合物の少なくとも1つと有機樹脂とを主
成分とする、上層としての無機・有機系の絶縁被膜を形
成すれば、歪み取り焼鈍等の加熱処理を施した後におい
ても、絶縁性、耐食性等が低下することがなく、従って
、絶縁性、打ち抜き性、耐熱性および耐食性に優れた絶
縁被膜を有する電磁鋼板が得られることを知見した。
【0012】この発明は、上述した知見に基いてなされ
たものであって、この発明の電磁鋼板は、電磁鋼板の少
なくとも1つの表面上に形成された、クロム水和酸化物
およびクロム酸化物の少なくとも1つ、または、クロム
水和酸化物およびクロム酸化物の少なくとも1つと金属
クロムとを、Cr換算で5 〜300 mg/m2 含
有する、下層としてのクロメート被膜と、前記下層とし
てのクロメ−ト被膜の上に形成された、クロム酸系化合
物およびリン酸系化合物の少なくとも1つと有機樹脂と
を主成分とする、上層としての無機・有機系の絶縁被膜
とからなることに特徴を有するものである。
【0013】
【作用】この発明において、電磁鋼板の少なくとも1つ
の表面上に形成された、クロム水和酸化物およびクロム
酸化物の少なくとも1つ、または、クロム水和酸化物お
よびクロム酸化物の少なくとも1つと金属クロムとから
なる、下層としてのクロメート被膜は、クロム水和酸化
物およびクロム酸化物が非電気伝導性を有しているので
、電磁鋼板に、高い絶縁性および優れた耐食性を付与す
る。
【0014】後述する、上層としての絶縁被膜の焼き付
け処理、または、歪み取り焼鈍等の加熱処理が施される
と、クロメート被膜中のクロム水和酸化物の大部分はク
ロム酸化物に変質する。しかしながら、クロム酸化物は
、極めて耐熱性に優れ且つ非電気伝導性であるので、上
述した焼き付け処理や加熱処理が施された後においても
、絶縁性および耐食性が劣化することはない。
【0015】クロメート被膜の量は、クロム換算で、5
〜300 mg/m2 の範囲内とすべきである。クロ
メート被膜の量が、クロム換算で5mg/m2 未満で
は、所望の耐熱性が得られず、例えば、電磁鋼板に対し
、700 〜800 ℃の温度で歪み取り焼鈍を施すと
、耐熱性が劣化して、十分な耐食性および絶縁性が得ら
れない。一方、クロメート被膜の量が、クロム換算で3
00 mg/m2 を超えると、打ち抜き性が劣化する
【0016】クロメート被膜中に、Al酸化物、Si酸
化物、Ti酸化物およびZr酸化物のうちの少なくとも
1つを含有させるときは、これらの酸化物は、クロム酸
化物と同様に極めて耐熱性に優れ且つ非電気伝導性を有
しているので、電磁鋼板に、より優れた耐熱性が付与さ
れる。 更に、クロメート被膜中に含有された上記酸化物の一部
は、クロメート被膜の表面上に粒状の突起物として存在
し、被膜に粗さを付与する。従って、被膜の密着性が向
上し、歪み取り焼鈍後においても、極めて優れた耐食性
および絶縁性が発揮される。
【0017】クロメート被膜中に含有させる、Al酸化
物、Si酸化物、Ti酸化物およびZr酸化物のうちの
少なくとも1つの量は、必要とされる耐熱性のレベルに
応じた適切な量を選ぶことができる。しかしながら、A
l換算、Si換算、Ti換算およびZr換算で、その総
量を、クロメート被膜中のクロム量に対し、10倍以下
とすることが好ましい。その理由は、クロメート被膜は
、Al酸化物、Si酸化物、Ti酸化物およびZr酸化
物を固定するバインダとして作用するので、その総量が
、クロメート被膜中のクロム量に対し、10倍を超える
と、クロメート被膜中から、酸化物が剥離しやすくなり
、被膜の密着性が低下する。
【0018】クロム酸系化合物およびリン酸系化合物の
少なくとも1つと有機樹脂とを主成分とする、上層とし
ての無機・有機系の絶縁被膜は、電磁鋼板に、優れた電
気絶縁性、打ち抜き性および耐食性を付与する。このよ
うな絶縁被膜の絶縁性および耐食性を、より向上させる
ために、絶縁被膜中に、少量のシリカゾルやアルミナゾ
ル等の酸化物ゾル、または、リン酸塩やホウ酸等の無機
質成分を含有させてもよい。
【0019】絶縁被膜中の有機樹脂は、主として、打ち
抜き性を向上させる作用を有している。有機樹脂の含有
量は、絶縁被膜の総量に対して、2〜20重量% の範
囲内とすることが好ましい。有機樹脂の含有量が2重量
% 未満では、十分な打ち抜き性が得られない。なお、
有機樹脂の含有量を5重量% 以上にすると、より優れ
た打ち抜き性が発揮される。一方、有機樹脂の含有量が
20重量% を超えると、溶接性が低下する。このよう
な有機樹脂とは別に、絶縁被膜中に、粒子状の有機樹脂
を含有させると、絶縁被膜の表面上に粗さが付与され、
溶接時のガス抜け性が良好になって、溶接性を向上させ
ることができる。
【0020】絶縁被膜の量は、0.5 〜5g/m2の
範囲内とすることが好ましい。絶縁被膜の量が0.5 
g/m2未満では、打ち抜き性および耐食性が不十分に
なる。一方、絶縁被膜の量が5g/m2を超えると、絶
縁被膜の密着性が低下する。
【0021】次ぎに、この発明の電磁鋼板の製造方法に
ついて述べる。電磁鋼板の少なくとも1つの表面上に形
成される下層としてのクロメート被膜は、無水クロム酸
およびクロム酸塩群の少なくとも1つと、硫酸、硫酸塩
および弗化物の少なくとも1つと、そして、必要に応じ
、Al酸化物、Si酸化物、Ti酸化物およびZr酸化
物のうちの少なくとも1つを含有する、クロメート処理
液中において、電磁鋼板に陰極電解処理を施すことによ
り形成される。
【0022】上述したクロメート処理が施される電磁鋼
板の表面は、清浄であることが望ましく、必要に応じ、
アルカリ水溶液または酸水溶液によって、予め電磁鋼板
を、スプレー洗浄または電解洗浄する。
【0023】クロメート処理液の組成は、主剤としての
無水クロム酸およびクロム酸塩群の少なくとも1つと、
助剤としての硫酸、硫酸塩および弗化物の少なくとも1
つとを含有していれば、特に限定されるものではない。 主剤としては、無水クロム酸、クロム酸アンモニウム、
重クロム酸アンモニウム、クロム酸ナトリウム、重クロ
ム酸ナトリウム等が使用される。また、助剤としては、
硫酸、硫酸ナトリウム、弗化ナトリウム、弗化カリウム
、ホウ弗化ナトリウム、ケイ弗化ナトリウム等が使用さ
れる。
【0024】陰極電解条件は、通常のクロメート被膜の
形成のための、鋼板を陰極とする電解条件でよい。なお
、陰極電解処理の前後に、電磁鋼板に対し、鋼板を陽極
とする陽極電解処理を施してもよい。
【0025】陰極電極処理によって、電磁鋼板の少なく
とも1つの表面上に、金属クロム層と、その上に形成さ
れたクロム水和酸化物層とからなる、クロメート被膜が
形成される。このようなクロメート被膜中のクロム水和
酸化物は、後述する、上層としての無機・有機系絶縁被
膜の形成のための焼き付け処理時に、脱水反応によって
、クロム酸化物に変質する場合が多い。従って、焼き付
け処理後のクロメート被膜の構造に対して、電解処理条
件の影響は緩慢である。
【0026】上述したような、無水クロム酸およびクロ
ム酸塩群の少なくとも1つと、硫酸、硫酸塩および弗化
物の少なくとも1つとを含有するクロメート処理液によ
って行われる陰極電解処理と、次いで行われる絶縁被膜
形成のための焼き付け処理との組合せによって、クロム
酸化物、クロム水和酸化物および金属クロムの含有率に
かかわらず、焼き付け処理後においても、上層としての
無機・有機系絶縁被膜の下に、安定した品質性能の下層
としてのクロメート被膜が形成される。
【0027】クロメ−ト被膜中に、その耐熱性をより向
上させる、Al酸化物、Si酸化物、Ti酸化物および
Zr酸化物のうちの少なくとも1つを含有させるために
は、クロメ−ト処理液中に、Al酸化物、Si酸化物、
Ti酸化物およびZr酸化物のうちの少なくとも1つを
含有させ、このようなクロメ−ト処理液中において、電
磁鋼板に陰極電解処理を施せばよい。その結果、クロメ
ート被膜中に、Al酸化物、Si酸化物、Ti酸化物お
よびZr酸化物のうちの少なくとも1つを分散させて含
有させることができ、その一部は、前述したように、ク
ロメート処理の表面上に粒状の突起物として存在し、ク
ロメート処理の表面に粗さを付与する。
【0028】クロメ−ト処理液中に添加させる、Al酸
化物、Si酸化物、Ti酸化物およびZr酸化物のうち
の少なくとも1つは、酸化物ゾル状または微粒子酸化物
粉末状であることがよく、特に、粒径50 mμ以下の
水性酸化物ゾル状のものが、クロメート処理液中での分
散安定性、および、クロメート被膜中での均一分散性の
点において好ましい。
【0029】上層としての無機・有機系絶縁被膜の形成
は、クロメート被膜の表面上に、クロム酸系化合物およ
びリン酸系化合物の少なくとも1つと有機樹脂とを主成
分とする無機・有機系の絶縁被膜処理液を、ロールコー
タ等によって塗布し、次いで、クロメート被膜の表面上
に絶縁被膜処理液が塗布された電磁鋼板を、ラジアンド
チューブ式やインダクション式の加熱炉内において、4
00 ℃未満の温度で加熱し、絶縁被膜処理液を焼き付
けることにより行われる。
【0030】絶縁被膜処理液としては、K,Ca,Mg
,Al等の水酸化物、酸化物または炭酸塩を、無水クロ
ム酸またはリン酸に溶解した化合物の少なくとも1つを
主成分とする無機系溶液と、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸エステル類、スチレン、ビニルトルエン
、酢酸ビニル、ベオバ、エチレン、ブタジエン、マレイ
ン酸等の重合性モノマーのうちの少なくとも1つを、常
法によって乳化重合して得られるエマルジョン樹脂、ま
たは、フェノール系樹脂やエポキシ系樹脂等から選択さ
れた少なくとも1つ以上の有機樹脂を混合することによ
って調製される。
【0031】絶縁被膜処理液が、クロム酸系化合物を含
有する場合には、処理液中の6価クロムを還元して被膜
を不溶化するために、グリセリン、ポリエチレングリコ
ール、しょ糖等のポリアルコール類、または、コハク酸
、アジピン酸等のカルボン酸類からなる有機還元剤を添
加する必要がある。有機還元剤の添加量は、処理液中の
CrO3換算量100 重量部に対して、10〜50重
量部とすることが好ましい。有機還元剤の添加量が10
重量部未満では、還元が不十分となり、被膜の耐水性が
劣化する。一方、有機還元剤の添加量が50重量部を超
えると、処理液中で還元が進行し易くなり、貯蔵安定性
が劣化する。
【0032】次に、この発明を、実施例により、比較例
と対比しながら更に詳述する。
【実施例】Siを0.4 wt.%含有する厚さ0.5
mm の電磁鋼板を、公知の方法により脱脂し次いで酸
洗して、その両表面を清浄にした。次いで、以下に示す
(A) 〜(H) の処理条件によりクロメート処理を
施して、電磁鋼板の両表面上に、下層としてのクロメ−
ト被膜を形成した。
【0033】 (A) 処理       クロメート処理液:  無水クロム酸  
      :  180 g/l         
                  硫酸ナトリウム
      :    1 g/l         
                  ケイフッ化ナト
リウム:    5 g/l       処理温度 
 :   50 ℃      処理方法  :  鋼
板を陰極として、100 A/dm2 の電流密度で1
.0 秒間電解                  
  した後、直ちに、水洗しそして乾燥した。
【0034】 (B) 処理       クロメート処理液:  無水クロム酸  
      :  100 g/l         
                  硫酸     
           :    1 g/l    
   処理温度  :   50 ℃      処理
方法  :  鋼板を陰極として、50A/dm2 の
電流密度で1.0 秒間電解            
      した後、直ちに、水洗しそして乾燥した。
【0035】 (C) 処理       クロメート処理液:  無水クロム酸  
      : 50 g/l           
                フッ化アンモニウム
  :  2 g/l       処理温度  : 
  50 ℃      処理方法  :  鋼板を陰
極として、50A/dm2 の電流密度で1.4 秒間
電解                  した後、直
ちに、水洗しそして乾燥した。
【0036】 (D) 処理       クロメート処理液:  重クロム酸ナトリ
ウム(2水塩):30g/l            
             硫酸ナトリウム     
   :  50g/l       処理温度  :
   45 ℃      処理方法  :  鋼板を
陰極として、10A/dm2 の電流密度で1.4 秒
間電解                  した後、
直ちに、水洗しそして乾燥した。
【0037】 (E) 処理       クロメート処理液:  重クロム酸ナトリ
ウム(2水塩):30g/l            
               硫酸ナトリウム   
     :  50g/l            
               シリカゾル(固形分2
0%):  50g/l       処理温度  :
   45 ℃      処理方法  :  鋼板を
陰極として、10A/dm2 の電流密度で1.4 秒
間電解                  した後、
直ちに、水洗しそして乾燥した。
【0038】 (F) 処理       クロメート処理液:  無水クロム酸  
        :  60g/l         
                  硫酸     
             :   1g/l    
                     チタニア
ゾル(固形分10%):  40g/l       
処理温度  :   45 ℃      処理方法 
 :  鋼板を陰極として、10A/dm2 の電流密
度で1.4 秒間電解               
   した後、直ちに、水洗しそして乾燥した。
【0039】 (G) 処理       クロメート処理液:  重クロム酸ナトリ
ウム(2水塩):30g/l            
               硫酸ナトリウム   
     :  10g/l            
             アルミナゾル(固形分20
%):  50g/l       処理温度  : 
  45 ℃      処理方法  :  鋼板を陰
極として、20A/dm2 の電流密度で1.4 秒間
電解                  した後、直
ちに、水洗しそして乾燥した。
【0040】 (H) 処理       クロメート処理液:  重クロム酸ナトリ
ウム(2水塩):30g/l            
               硫酸ナトリウム   
     :  50g/l            
               シリカゾル(固形分2
0%):  20g/l              
         ジルコニアゾル(固形分10%):
  10g/l       処理温度  :   4
5 ℃      処理方法  :  鋼板を陰極とし
て、20A/dm2 の電流密度で1.4 秒間電解 
                 した後、直ちに、
水洗しそして乾燥した。
【0041】次いで、上記(A) 〜(H) の処理条
件によって、その両表面上にクロメ−ト被膜が形成され
た電磁鋼板の各々のクロメート被膜の上に、下記組成か
らなる絶縁被膜処理液を3ロールコータによって塗布し
、次いで、焼き付け炉において、到達板温280 ℃に
より焼き付け処理を施して、クロメート被膜の上に上層
としての無機・有機系絶縁被膜を形成した。かくして、
本発明鋼板No. 1〜8を調製した。 無水クロム酸              :  10
0 重量部酸化マグネシウム          : 
  30 重量部ホウ酸              
      :   25 重量部エチレングリコール
        :   25 重量部アクリル系樹脂
エマルジョン:   30 重量部
【0042】比較の
ために、上述した電磁鋼板に対し、クロメート被膜を形
成せず、その表面上に直接上記無機・有機系絶縁被膜を
形成した比較鋼板No. 1、および、クロメート被膜
および絶縁被膜の何れも形成されていない電磁鋼板のま
まの比較鋼板No. 2を調製した。
【0043】このようにして調製した本発明鋼板および
比較鋼板の各々の、クロメート被膜中のクロム含有量、
および、酸化物を含有させた場合の各酸化物の含有量を
、蛍光X線分析装置(FX)またはX線マイクロアナラ
イザー(EPMA)による定量分析によって調べた。更
に、本発明鋼板および比較鋼板の各々の、歪み取り焼鈍
前後の、打ち抜き性、層間絶縁抵抗値および耐食性を以
下に述べる方法によって調べた。なお、歪み取り焼鈍は
、試験片を、窒素雰囲気中において750 ℃の温度で
、2時間加熱することにより行った。
【0044】(1) 打ち抜き性 試験片を、下記条件で連続打ち抜きしたときの、ブラン
クのかえり高さを調べ、それによって評価した。 打ち抜き形状:直径10mmの丸型、 打ち抜き回数:50万回、 金型の材質  :SKD−11、 打ち抜き油  :使用。
【0045】(2) 層間絶縁抵抗値 JIS C 2550  第2法に基づいて調べた。 (3) 耐食性 試験片を、温度50℃、相対湿度80% の恒温恒湿の
試験槽内に20日間放置した後の、試験片の発錆面積(
%) を調べ、それによって評価した。
【0046】表1に、上記本発明鋼板および比較鋼板の
各々のクロメート被膜の組成、および、上述した、歪み
取り焼鈍前後の、打ち抜き性、層間絶縁抵抗値および耐
食性の調査結果を示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、クロメート被膜
がなく、その表面上に直接無機・有機系絶縁被膜が形成
されている比較鋼板No. 1は、層間絶縁抵抗値が低
く且つ耐食性も悪かった。クロメート被膜および絶縁被
膜の何れも形成されていない電磁鋼板のままの比較鋼板
No. 2は、打ち抜き性、層間絶縁抵抗値および耐食
性が何れも極めて悪かった。
【0049】これに対し、本発明鋼板No. 1〜8は
、何れも打ち抜き性、層間絶縁抵抗値および耐食性に優
れており、特に、クロメート被膜中に、Si、Ti、A
l、Zr等が含有されている本発明鋼板No. 5〜8
は、耐食性が一段と優れていた。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
歪み取り焼鈍等の加熱処理が施されても、絶縁性、耐食
性等が低下することのない、絶縁性、打ち抜き性、耐熱
性および耐食性に優れた絶縁被膜を有する電磁鋼板が得
られる、工業上有用な効果がもたらされる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  電磁鋼板の少なくとも1つの表面上に
    形成された、クロム水和酸化物およびクロム酸化物の少
    なくとも1つ、または、クロム水和酸化物およびクロム
    酸化物の少なくとも1つと金属クロムとを、クロム換算
    で、5 〜300 mg/m2 含有する、下層として
    のクロメート被膜と、前記下層としてのクロメ−ト被膜
    の上に形成された、クロム酸系化合物およびリン酸系化
    合物の少なくとも1つと有機樹脂とを主成分とする、上
    層としての無機・有機系の絶縁被膜とからなることを特
    徴とする、絶縁性、打ち抜き性、耐熱性および耐食性に
    優れた電磁鋼板。
  2. 【請求項2】  前記下層としてのクロメート被膜は、
    Al酸化物、Si酸化物、Ti酸化物およびZr酸化物
    のうちの少なくとも1つを、更に含有している、請求項
    1記載の電磁鋼板。
  3. 【請求項3】  前記Al酸化物、Si酸化物、Ti酸
    化物およびZr酸化物のうちの少なくとも1つの総量は
    、Al換算、Si換算、Ti換算およびZr換算で、ク
    ロメート被膜中のクロム量に対し、10倍以下である、
    請求項2記載の電磁鋼板。
  4. 【請求項4】  前記絶縁被膜の量は、0.5 〜5g
    /m2の範囲内である、請求項1記載の電磁鋼板。
  5. 【請求項5】  前記絶縁被膜中の前記有機樹脂の含有
    量は、前記絶縁被膜の総量に対して2〜20重量% の
    範囲内である、請求項1記載の電磁鋼板。
  6. 【請求項6】  無水クロム酸およびクロム酸塩群の少
    なくとも1つと、そして、硫酸、硫酸塩および弗化物の
    少なくとも1つとからなるクロメート処理液中において
    、電磁鋼板に陰極電解処理を施して、前記電磁鋼板の少
    なくとも1つの表面上に、クロム水和酸化物およびクロ
    ム酸化物の少なくとも1つ、または、クロム水和酸化物
    およびクロム酸化物の少なくとも1つと金属クロムとを
    、クロム換算で5 〜300 mg/m2 含有する、
    下層としてのクロメート被膜を形成し、次いで、前記下
    層としてのクロメート被膜の上に、クロム酸系化合物お
    よびリン酸系化合物の少なくとも1つと有機樹脂とを主
    成分とする無機・有機系の絶縁被膜処理液を塗布し、次
    いで、これを焼き付けることにより、前記下層としての
    クロメート被膜の上に、クロム酸系化合物およびリン酸
    系化合物の少なくとも1つと有機樹脂とを主成分とする
    、上層としての無機・有機系の絶縁被膜を形成すること
    を特徴とする、絶縁性、打ち抜き性、耐熱性および耐食
    性に優れた電磁鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】  前記クロメ−ト処理液は、Al酸化物
    、Si酸化物、Ti酸化物およびZr酸化物のうちの少
    なくとも1つを更に含有しており、このようなクロメ−
    ト処理液中において、前記電磁鋼板に陰極電解処理を施
    すことにより、前記下層としてのクロメ−ト被膜中に、
    Al酸化物、Si酸化物、Ti酸化物およびZr酸化物
    のうちの少なくとも1つを、更に含有させる、請求項6
    記載の方法。
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