JP2670155B2 - 磁気特性の極めて良好な一方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の極めて良好な一方向性けい素鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、磁束密度および鉄損が極めて良好な一方
向性けい素鋼板の製造方法に関する。
(従来の技術) 一方向性けい素鋼板の磁気特性は、磁束密度および鉄
損によって規定されていて、磁束密度(800A/mの磁化力
での磁束密度BB(T)で代表される)は高い方が望まし
く、また鉄損(1.7T,50Hzの鉄損W17/50で代表される)
は低い方が望ましい。
また一方向性けい素鋼板は積層して用いられるため鋼
板表面には絶縁被膜を施すことが必要であり、通常絶縁
被膜は、方向性けい素鋼板の製造工程において高温で行
われる仕上げ焼鈍中に生成するフォルステライトを主と
するガラス様被膜と、絶縁性を付与するために被成する
燐酸塩コーティングとの2層からなっている。
ところで、近年、表面の改質により種々の物質の有す
る様々な特性を充分に引き出そうとする研究が盛んであ
る。けい素鋼の分野においても、けい素鋼板の表面を平
滑化する、一種の表面改質技術によって、主として履歴
損の減少から鉄損が大幅に改良されることが以前から良
く知られている。即ち上記ガラス様被膜と表層の内部酸
化層(サブスケール)を除去することによって表面を鏡
面化すれば、鉄損が大幅に改良されるわけである。
しかし上記したようにけい素鋼板の表面には絶縁性が
必要なため、鏡面化したままの状態では鉄心材料として
用いることが出来ない。しかも上記燐酸塩コーティング
は鏡面に対しては密着性が不良であるために直接鏡面上
には成膜できなかった。そこでこれらの問題を解決する
ためにこれまで種々の技術的工夫が凝らされてきた。
例えば特開昭49−96920号公報には、「鋼板表面を化
学研磨或は電解研磨し、次いで鏡面状態となった表面に
Zn,Sn,Cu,Ni等の金属めっきを5μm以下の厚さで施
す」ことが開示されており、また特公昭56−4150号公報
には「化学研磨あるいは電解研磨して得られる平滑面上
にセラミックスを真空蒸着、化学蒸着、スパッタリング
あるいは溶射によって施すこと」が開示されている。
これらの技術はいずれも鏡面研磨を施した面には直接
燐酸塩等の絶縁コートを施すことが出来ないという問題
に対して解決を与えるものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら上記の方法はいずれも工業化されるに至
っていない。というのは、特開昭49−96920号公報にお
いては金属めっきを施して平滑面を保ちつつコーティン
グを施すことが可能であることが示されているが、実際
にこの処理を行った場合鉄心素材であるけい素鋼板にお
いて加工後に行われる歪取り焼鈍において金属めっきは
鋼中に拡散してけい素鋼板の磁性を劣化せしめ、まため
っき層による占積率の劣化も大きく商品価値が大幅に低
下する。
一方特公昭56−4150号公報に開示されている技術で
は、まず真空蒸着は反応速度や処理面積が限定されてい
るために生産性に難点があり、また化学蒸着は反応速度
および膜の均質性に難点があり、さらにスパッタリング
は真空蒸着に比べても生産性は劣り、溶射は均質な薄膜
を作ることが非常に困難であり占積率は大幅に劣化す
る。
これらの理由から上記の手法は工業的に実施されるに
至っていない。
そこでこの発明は、平滑面化されたけい素鋼板が有す
る優れた磁性を劣化させることなく、密着性の高い絶縁
被膜を広範な面積に対して均質に成膜できるコーティン
グ法により、優れた占積率と低鉄損および高磁束密度と
を有する方向性けい素鋼板を製造する方法について提案
することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 発明者らは、上記の問題を克服するために、方向性け
い素鋼板の表面を改質することにより磁気特性を改善す
る技術の開発に取り組んだところ、平滑化したけい素鋼
板の表面にゾル・ゲル法により0.1〜0.5μmの厚みでゲ
ル薄膜を被成し、さらにその上に絶縁被膜を被成するこ
とにより、磁気特性を劣化することなく、占積率に有利
な、均質で密着性の良好な絶縁被膜を成膜することに成
功した。
すなわちこの発明は、 仕上げ焼鈍済の方向性けい素鋼板につき、その表面の
非金属物質を除去し、ついで鋼板の表面を中心線平均粗
さで0.3μm以下の平滑面としたのち、この鋼板表面上
にゾル・ゲル法により厚さ0.1〜0.5μmのゲル薄膜を被
成し、さらにこの薄膜上に絶縁被膜を被成することを特
徴とする磁気特性の極めて良好な一方向性けい素鋼板の
製造方法および 仕上げ焼鈍済の方向性けい素鋼板につき、その表面の
非金属物質を除去し、ついで鋼板の表層を、水溶性のハ
ロゲン化物あるいは硝酸塩を用いた電解処理により、厚
さ3μm以上にわたり除去したのち、この鋼板表面上に
ゾル・ゲル法により厚さ0.1〜0.5μmのゲル薄膜を被成
し、さらにこの薄膜上に絶縁被膜を被成することを特徴
とする磁気特性の極めて良好な一方向性けい素鋼板の製
造方法 である。
(作 用) 次にこの発明を工程順に詳細に説明する。
この発明で用いる方向性けい素鋼板は、従来知られて
いる方法で2次再結晶処理が施された鋼板を用いる。す
なわち方向性けい素鋼板素材成分を含有する鋼塊を熱間
圧延し、さらに冷間圧延と焼鈍を繰り返して所定の板厚
とした後、1次再結晶焼鈍を行う。次に上該鋼板表面に
焼鈍分離材を塗布し2次再結晶焼鈍を施す。この発明法
は表面の改質によって磁性を改良するものであるので、
素材のインヒビターや圧延焼鈍方法等の製造方法に拘ら
ず、磁性の改善効果があることはいうまでもない。
ちなみに代表的な成分組成を示すと、次に示すとおり
である。
C:0.01〜0.10wt%(以下単に%と示す) Cは、熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化のみ
ならず、ゴス方位の発達に有用な元素であり、少なくと
も0.01%以上の添加が好ましい。しかしながら0.10%を
超えて含有されるとかえってゴス方位に乱れが生じるの
で、上限は0.10%程度が好ましい。
Si:2.0〜4.5% Siは、鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効に寄与す
るが、4.5%を上回ると冷延性が損なわれ、一方2.0%に
満たないと比抵抗が低下するだけでなく、2次再結晶・
純化のために行われる最終高温焼鈍中にα−γ変態によ
って結晶方位のランダム化を生じ、十分な鉄損改善効果
が得られないので、Si量は2.0〜4.5%程度とするのが好
ましい。
Mn:0.02〜0.12% Mnは、熱間脆化を防止するため少なくとも0.02%程度
を必要とするが、あまりにも多すぎると磁気特性を劣化
させるので上限は0.12%程度に定めるのが好ましい。
インヒビターとしては、いわゆるMnS,MnSe系とAlN系
とがある。MnS,MnSe系の場合は、 Se,Sのうちから選ばれる少なくとも1種:0.005〜0.08%
を含有する。
Se,Sはいずれも、方向性けい素鋼板の2次再結晶を制
御するインヒビターとして有力な元素である。抑制力確
保の観点からは、少なくとも0.005%程度を必要とする
が、0.06%を超えるとその効果が損なわれるので、その
下限、上限はそれぞれ0.01%、0.08%程度とするのが好
ましい。
AlN系の場合は、 Al:0.005〜0.10%,N:0.004〜0.015% AlおよびNの範囲についても、上述したMnS,MnSe系の
場合と同様な理由により、上記の範囲に定めた。ここに
上記したMnS,MnSe系およびAlN系はそれぞれ併用が可能
である。
インヒビター成分としては上記したS,Se,Alの他、Cu,
Sn,Cr、Ge,Sb,Mo,Te,BiおよびPなども有利に適合する
ので、それぞれ少量併せて含有させることもできる。こ
こに上記成分の好適添加範囲はそれぞれ、Cu,Sn,Cr:0.0
1〜0.15%、Ge,Sb,Mo,Te,Bi:0.005〜0.1%、P:0.01〜0.
2%であり、これらの各インヒビター成分についても、
単独使用および複合使用いずれもが可能である。
次いで仕上げ焼鈍の際に生じた表面の酸化物を除去し
て鋼板表面に中心線平均粗さが0.3μm以下の平滑面に
仕上げる。この際表面に大きな塑性歪を残すことは製品
の磁気特性を劣化させるために避けなければならない。
そこで酸化物の除去には、酸洗や弾性体による低歪機械
研磨などを用いるのが好ましい。その後化学研磨あるい
は電解研磨で所定の表面粗さまで平滑化される。ここで
は鋼板表面を0.3μm Ra以下に仕上げる必要がある。な
ぜなら鋼板の表面粗さが0.3μm Raをこえると、充分な
履歴損の減少が得られない。
また化学研磨、電解研磨以外に平滑化する手段とし
て、水溶性のハロゲン化物あるいは硝酸塩溶液による電
解処理を用いてもよい。ここで水溶性のハロゲン化物と
は、HCl,NH4Clおよび各種金属の塩化物、F,Br,Iを陰イ
オンとする酸、アルカリ、アルカリ土類およびその他の
金属塩類、またはアンモニウム塩のうちの水溶性のも
の、さらにはほうふっか物(BF4塩)またはけいふっか
物(SiF6塩)のうちの水溶性のものを意味する。また硝
酸塩とは同じく水溶性のものを意味する。これらハロゲ
ン化物あるいは硝酸塩の水溶液による電解処理によって
は化学研磨あるいは電解研磨のような、いわゆる鏡面を
うることはできないが、表層が3μm以上の厚みにわた
って減少する電解処理を施せば鏡面と同様な履歴損減少
の効果をうることができる。
その後平滑化した鋼板表面に、ゾル・ゲル法によって
0.1〜0.5μm厚の薄いゲル膜層を形成する。膜の原料と
しては、例えば金属アルコキシドを用いる。金属アルコ
キシドはM(OR)の一般式であらわされる。ここでM:
金属元素、R:アルキル基をそれぞれ示す。Mとしては、
Si,Ti,Al,Zr,Ge,B,Li,Na,Fe,Ga,Mg,P,Sb,Sn,TaおよびV
等が適しており、これらの単一あるいは複数金属アルコ
キシドが用いられる。そしてこの金属アルコキシドはゾ
ル状態にて、鋼板表面にスプレーまたはディップ法など
によりコーティングする。また膜厚は、0.1μm未満で
あると均質な膜をうることが困難であり、0.5μmをこ
えるとゲル膜にクラックが入り磁気特性の劣化をまねく
ため、0.1〜0.5μmとした。
次にゲル膜は約100℃の温度で乾燥ゲル膜とした後、
絶縁被膜を形成するために、鋼板表面に例えば燐酸塩溶
液を塗布する。もちろん従来知られている張力付与型の
絶縁被膜形成用溶液を塗布しても構わない。塗布はロー
ルコータを用いても、スプレーを用いてもどちらでも構
わない。
上記した塗膜は焼き付けられ、その際に中間の乾燥ゲ
ル膜層はガラス化して強固なバインダーになるとともに
鋼板表面に張力を付与する。
なお絶縁コーティングに先だって乾燥ゲル膜を焼き付
けておいても構わない。焼付け温度は用いる金属アルコ
キシドの種類によって異なるが、いずれも高い温度では
ない。例えばSi(OC2H5を用いた場合は450℃で5分
間の加熱を行うことにより焼き付けることが出来る。
ゾル・ゲル法には上記金属アルコキシド以外にもアセ
チルアセトン金属塩やナフテン酸−金属石鹸やオクチル
酸金属石鹸、シリカ・アルミナのゾルなどを用いること
ができる。
(実施例) 実施例1 MnSeをインヒビターとする、Siを3.2%含有する仕上
げ焼鈍済みの方向性けい素鋼板の表面に存在する非金属
物質を酸洗で除去し、ついでその表面を燐酸とクロム酸
の混合酸液を用いた電解研磨を施して表面粗さを0.1μm
Raとした。
その後得られた研磨面に対して、種々のゾル液をディ
ップ法で塗布し、100℃で乾燥、ゲル膜とした(適合
例)。また比較例として、上記と同様に得られた研磨面
に対して、電気めっきで厚みにして約8μmのクロムを
成膜し(比較法A)、さらに同様に得られた研磨面に対
して、イオンプレーティングによってTiNを1.0μm厚で
成膜した(比較法B)。
ついで上記各条件で施した膜の上に、燐酸マグネシウ
ムの主成分にコロイダルシリカを含有させた溶液を塗布
して焼き付け、約1.4μm厚の張力付与型の絶縁被膜を
被成した。また比較法として、上記と同様の研磨面に対
して、中間の成膜を行わずに直接絶縁被膜を被成した
(比較法C)。また仕上げ焼鈍後の鋼板表面に上記の研
磨を施さずに絶縁被膜を被成した(従来法)。
上記の各条件に従って得られた被膜付鋼板に対して、
次の試験を行った。
まず被膜密着性は、円柱の試験棒の周囲に鋼板を巻き
付けたのち、それを延ばし膜の剥離しない最小の円柱の
直径(mm)を調べ、曲げ密着性を評価した。ちなみに従
来の方向性けい素鋼板では30mm以下であれば充分であ
る。
また鋼板の磁性は、鉄損値W17/50(W/kg)およびBB
(T)で示した。磁性値そのものは素材の磁性値に大き
く依存しているので、仕上げ焼鈍後の非金属物質を有し
たままの表面に絶縁被膜を施した従来法との比較で改良
幅を記載した。この発明法は表面の改質によって磁性を
改良するので、素材のインヒビターや圧延および焼鈍等
の製造方法に拘らず、磁性の改善効果があることはいう
までもない。さらに占積率は絶縁被膜形成後の重量から
得た、計算厚みと実測厚みとの比から求め、膜厚のばら
つきは板幅50cmの試材における板厚のばらつきを測定し
た。
得られた結果を第1表に示す。
同表からわかるように、この発明方法によって優れた
磁気特性を劣化させることなく、密着性および占積率が
高くかつ均質な絶縁被膜を効率よく成膜することができ
る。
実施例2 AlNをインヒビターとする、Siを3.2%含有する仕上げ
焼鈍済みの方向性けい素鋼板の表面に存在する非金属物
質を弾性研磨ロールを用いて低歪機械研磨により除去
し、ついでその表面にNaCl水溶液を用いて、鋼板表層を
厚さ5μmにわたり除去する電解処理を施した。電解処
理は、鋼板を陽極として、50A/dm2の直流電流を付与し
て行った。電解処理後の表面はいわゆる鏡面ではない
が、履歴損は充分小さくなった。
次にこの電解処理面に対して、種々のゾル液をディッ
プ法で塗布し、100℃で乾燥、ゲル膜とした(適合
例)。また比較法として、上記と同様に得られた処理面
に対して、電気めっきで厚みにして約0.8μmのクロム
を成膜し(比較例D)、さらに同様に得られた処理面に
対して、イオンプレーティングによってTiOを1.0μm厚
で成膜した(比較例E)。
ついで上記各条件で施した膜の上に、燐酸マグネシウ
ムの主成分にコロイダルシリカを含有させた溶液を塗布
して焼き付け、約1.4μm厚の張力付与型の絶縁被膜を
被成した。また比較法として、上記と同様の処理面に対
して、中間の成膜を行わずに直接絶縁被膜を被成した
(比較法F)。また仕上げ焼鈍後の鋼板表面に上記の研
磨を施さずに絶縁被膜を被成した(従来法)。
以上の各条件に従って得られた被膜付鋼板に対して、
実施例1と同様の試験を行った。
得られた結果を第2表に示す。
同表からわかるように、この発明方法によって優れた
磁気特性を劣化させることなく、密着性および占積率が
高くかつ均質な絶縁被膜を効率よく成膜することができ
る。
実施例3 MnSeをインヒビターとする、Siを3.2%含有する仕上
げ焼鈍済みの方向性けい素鋼板の表面に存在する非金属
物質を弾性研磨ロールを用いて低歪機械研磨により除去
し、ついでその表面にNaCl水溶液を用いて、鋼板表層を
厚さ5μmにわたり除去する電解処理を施した。電解処
理は鋼板を陽極として、50A/dm2の直流電流を付与して
行った。電解処理後の表面はいわゆる鏡面ではないが、
履歴損は充分小さくなった。
次にこの電解処理面に対して、種々のゾル液をディッ
プ法で塗布し、100℃で乾燥、ゲル膜とした。さらにゲ
ル膜は500℃で加熱してガラス化した(適合例)。また
比較法として、上記と同様に得られた処理面に対して、
電気めっきで厚みにして約0.8μmのクロムを成膜し
(比較例G)、さらに同様に得られた処理面に対して、
イオンプレーティングによってTiO2を1.0μm厚で成膜
した(比較例H)。
ついで、上記各条件で施した膜の上に、燐酸マグネシ
ウムを主成分とした溶液を塗布して焼き付け、約1.2μ
m厚の張力付与型の絶縁被膜を被成した。また比較法と
して、上記と同様の処理面に対して、中間の成膜を行わ
ずに直接絶縁被膜を被成した(比較法I)。また仕上げ
焼鈍後の鋼板表面に上記の研磨を施さずに絶縁被膜を被
成した(従来法)。
以上の各条件に従って得られた被膜付鋼板に対して、
実施例1と同様の試験を行った。
得られた結果を第3表に示す。
同表からわかるように、この発明方法によって優れた
磁気特性を劣化させることなく、密着性および占積率が
高くかつ均質な絶縁被膜を効率よく成膜することができ
る。
(発明の効果) この発明によれば、方向性けい素鋼板の鉄損および磁
束密度を格段に向上することができ、省エネルギーとい
う社会的要求に合致した工業的価値の非常に大きい製品
を提供できる。さらに密着性および均質性に優れた被膜
が得られるので、方向性けい素鋼板の占積率を高めるこ
とが可能で工業的価値は更に増大する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 貞瀬 捷雄 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】仕上げ焼鈍済の方向性けい素鋼板につき、
    その表面の非金属物質を除去し、ついで鋼板の表面を中
    心線平均粗さで0.3μm以下の平滑面としたのち、この
    鋼板表面上にゾル・ゲル法により厚さ0.1〜0.5μmのゲ
    ル薄膜を被成し、さらにこの薄膜上に絶縁被膜を被成す
    ることを特徴とする磁気特性の極めて良好な一方向性け
    い素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】仕上げ焼鈍済の方向性けい素鋼板につき、
    その表面の非金属物質を除去し、ついで鋼板の表層を、
    水溶性のハロゲン化物あるいは硝酸塩を用いた電解処理
    により、厚さ3μm以上にわたり除去したのち、この鋼
    板表面上にゾル・ゲル法により厚さ0.1〜0.5μmのゲル
    薄膜を被成し、さらにこの薄膜上に絶縁被膜を被成する
    ことを特徴とする磁気特性の極めて良好な一方向性けい
    素鋼板の製造方法。
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