JPH0430193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、袋詰セメントをトラツクの荷台上に
自動的に積込む積込装置に関する。

〔従来の技術〕

袋詰セメントは、セメントサービスステーシヨ
ンにおいて、自動パツカーによつて40Kgの袋に袋
詰めされ、トラツク輸送により、問屋、作業現
場、その他の使用場所に運搬される。

従来、自動パツカーからベルトコンベヤ等によ
り順次送られて来る袋詰セメントのトラツク荷台
上への整列積込み作業は、トラツク荷台上の２〜
３人の作業員が手積みにより行つていた。

近年、このような作業員の確保が難しく、自動
化が望まれており、実開昭60−6724に開示されて
いる積込装置や実開昭59−116327の積込装置が開
発され、実用に供されている。

実開昭60−6724の装置は、前後左右上下に運動
するシユートと、後端を中心として俯抑及び水平
円弧運動（首振運動）するベルトコンベヤとをロ
ーラを介して連結している装置である。このよう
な装置は、重量の重いコンベヤの首振運動による
横移動を含む運動系の動作速度に制約があり、そ
の処理能力は約24T／Ｈが限度であると推定され
る。

実開昭59−116327の装置は、２袋の袋詰セメン
トを同時に受取る袋受棚を水平面内の前後、左
右、上下方向へ移動自在に構成した積込装置であ
る。この装置は間欠駆動する袋詰セメント送込用
コンベヤから２袋の袋詰セメントを受取つて走行
するが、袋受棚が所定の位置へ前後、左右に都度
移動するので、大掛りな装置を要すると共に、袋
受棚の移動距離の大きいときに作業能率に限界が
あり、その能力は前述の考案と同程度と推定され
る。従つて通常サービスステーシヨン等で使用さ
れている自動パツカーの能力（36〜45T／Ｈ）に
対してその能力は不充分である。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、従来の袋詰セメントをトラツクに積
込む装置に改善を加え、高能率な自動積込装置を
提供しようとするもので、通常使用されている自
動パツカーの袋詰能力に十分見合う能力を有し、
作業能率の向上に寄与することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、袋詰セメントの搬送コンベヤとその
頭部に結合された分配積込機構とを一体に前後進
自在に支持する袋詰セメントの自動積込装置にお
いて、該分配積込機構は、前記搬送コンベヤから
供給された袋詰セメントの前方及び両横を支える
鉛直壁を有する２個の袋詰セメント支持枠と、該
２個の袋詰セメント支持枠を１個は袋詰セメント
供給位置から右に、他は袋詰セメント供給位置か
ら左にそれぞれ横行させる横行装置と、該支持枠
に三方を支持された袋詰セメントが横方向に滑動
する水平横長の滑動台と、該滑動台の底面を形成
し、かつ前以て定められた配置及び数により複数
連設された袋詰セメントが支持枠によつて横行さ
れた姿勢のまま挿通落下する大きさの開口を持
ち、各扉ごとに開閉装置を備えた下向観音開扉
と、制御器とから成り、該制御器は、前記２個の
袋詰セメント支持枠の一方を搬送コンベヤからの
袋詰セメント供給位置に常時待機させ、袋詰セメ
ントの到着を確認したとき直ちに支持枠を横行さ
せて順次下向観音開扉上に移動させ、その下向観
音開扉を開放して袋詰セメントを下方に落下さ
せ、落下後該下向観音扉を閉止すると共に支持枠
を袋詰セメント供給位置に復帰させる制御装置で
あることを特徴とする袋詰セメントの自動積込装
置である。

〔作用〕

本考案は、自動パツカーで袋詰された袋詰セメ
ントを搬送するコンベヤとその頭部に結合された
分配積込機構とを一体に前後進自在に保持し、ト
ラツクの荷台上に前方側から一列ずつ積込み、こ
の一列の積込が完了すると搬送コンベヤと分配積
込機構が袋詰セメント一袋分だけ後退し、順次後
列を整列して積込む装置に適用されるものであ
る。

本考案の分配積込機構は、搬送されてきたセメ
ント袋を受取つてそれぞれ左右に交互に搬送する
２個の袋詰セメント支持枠及びその横行装置を備
え、一方の袋詰セメント支持枠が移動中に他方が
コンベヤからの袋詰セメント供給位置に待機す
る。

搬送コンベヤと分配積込機構との相対位置関係
はあらゆる場合に一定であり、相互移動や、位置
調整等を全く必要としないので、袋詰セメントの
最も迅速確実な授受を行うことができる。なお、
必要に応じて、搬送コンベヤの頭部に袋詰セメン
トを分配板上に送り込むフイーダを備えてもよ
い。

本考案の装置は袋詰セメントが横方向に滑動す
る水平横長の滑動台を備える。この滑動台は底面
を形成し、かつ前以て定められた配置及び数によ
り複数連設された下向観音開扉を備えている。こ
の下向観音扉は、袋詰セメントが支持枠によつて
横行された姿勢のまま挿通落下することができる
大きさの開口をもち、各扉ごとに開閉装置を備え
ている。この扉の配置及び数は袋詰セメントが落
下して積込まれるトラツクの車台長に袋詰セメン
トが整列して積込まれるように配置する。

本考案の装置は、袋詰セメントの処理をシーケ
ンス制御する制御器を備えている。この制御器
は、 (a) ２個の袋詰セメント支持枠の一方を搬送コン
ベヤからの袋詰セメント供給位置に常時待機さ
せる。

(b) 袋詰セメントが到着したらその袋詰セメント
支持枠を横行させる。

(c) 他方のからの袋詰セメント支持枠を袋詰セメ
ント供給位置に移動させ、待機させる。

(d) 横行している袋詰セメント支持枠を所定の順
番の下向観音開扉上に止め、その扉を開き袋詰
セメントを支持枠によつて横行された姿勢のま
ま落下させる。

(e) 扉を閉止し、袋詰セメント支持枠は、袋詰セ
メント供給位置に直ちに復帰できる状態に保
つ。

以上の作用により、本考案の装置は約４秒間隔
で搬送される袋詰セメントを停滞させることなく
迅速にトラツク荷台上に整列して積込むことがで
きる。

〔実施例〕

第１図は本考案の実施例の側面図、第２図、第
３図はそれぞれそのＡ−Ａ矢視図、Ｂ−Ｂ矢視図
である。

トラツク１の上方にフレーム１０が設けられ、
フレーム１０から吊下フレーム１１が吊下されて
いる。トラツク１の後方にレール３１が設けられ
搬送コンベヤ３０の尾部は車輪３２を介してこの
レール３１上に載置されている。搬送コンベヤ３
０と吊下フレーム１１は一体に結合されて、前後
進装置１２によつて前後進自在になつており、吊
下フレーム１１はトラツク１の荷台２の前端から
後端までの間の任意の位置に停止することができ
る。

吊下フレーム１１は第３図の正面図に見られる
ように横方向微動シリンダ１８によつて横行方向
にも微小動可能となつており、トラツク１の荷台
と幅方向を一致させることができる。

吊下フレーム１１には滑動台１５と袋詰セメン
ト支持枠１６及びその制御器とから成る分配積込
機構が備えられている。滑動台１５は下向きに開
放する下向観音開扉１４，１４ａ，１４ｂ，１４
ｃ，１４ｄ，１４ｅを横行方向に連接した底板か
らなる。この滑動台の扉１４は、袋詰セメントを
支持枠によつて横行された姿勢のまま鉛直真下に
挿通落下させてトラツク荷台２上に整列積みさせ
る開口を形成している。またこの扉は、閉止して
いるとき、この扉上を袋詰セメントを滑動させる
滑動面となる。

滑動台１５はこの実施例では横行方向に５個の
扉を有している。滑動台の鉛直方向高さは、袋詰
セメントの積込高さに応じて最も適切な高さ位置
に、上下動可能な上下動装置１３によつて調整さ
れる。

この滑動台１５上に袋詰セメントを横行方向に
滑動移動させる２個の袋詰セメント支持枠１６
ａ，１６ｂが載設されている。この袋詰セメント
支持枠１６ａ，１６ｂは下面と袋詰セメント受入
側面とを解放したコの字状の枠で流体圧シリンダ
１７により横行方向にシフトされる。袋詰セメン
ト支持枠１６ａ，１６ｂは滑動台１５の中央部で
袋詰セメントを受取り、それぞれ右方または左方
にこれを滑動移動させる。一方の袋詰セメント支
持枠１６ａが袋詰セメントを滑動移動させている
とき、他方の袋詰セメント支持枠１６ｂは搬送コ
ンベヤ３０の頭部からフイーダ２０が供給する袋
詰セメントの供給位置に戻つて待機し、袋詰セメ
ントを受取ると直ちにこれを滑動移動させる。２
個の移動枠はこのような動作を交互に繰返すの
で、受取られた袋詰セメントを迅速に処理でき
る。

袋詰セメント支持枠１６ａ，１６ｂで横行滑動
移動された袋詰セメントは前述の扉１４上に移送
され、扉の開放によつてトラツク上の所定位置に
整列積みされる。

袋詰セメントは、自動パツカーで袋詰めされた
直後は、空気が袋内に進行されて残留している。
このような袋詰セメントは弾力性を有し、外力を
加えて変形を与えてもその荷姿の変形が復元する
特性をもつていることを本考案者は実験によつて
確認した。

この実施例は、この現象を利用することによつ
て、袋詰セメントに押圧力を加えて迅速に滑動移
動させても袋詰セメントの荷姿が変形しないので
不整列等を生ずることなく、簡易迅速に整列積込
みを行うことができる。

流体圧シリンダ１７としては、装置をコンパク
トにできるロツドレスシリンダが好適である。

滑動台１５の中央部は袋詰セメント供給位置を
なし、袋詰セメントをここに確実に供給するフイ
ーダ２０が設けられる。

搬送コンベヤ３０は、その頭部を滑動台１５の
フレームに結合され、尾部に前後進レール３１上
を走行する車軸３２を備え、吊下フレーム１１と
共に前後進可能に構成されている。また、吊下フ
レーム１１の横行方向の微小動に追随可能である
と共に、滑動台１５の鉛直方向位置の変化にも車
軸３２を中心として俯抑対応できる。

搬送コンベヤ３０上には自動パツカーから袋詰
セメントを供給するシユート３３が臨んでおり、
搬送コンベヤ３０の前後進位置のどこにおいても
袋詰セメントを供給することが可能になつてい
る。

かくして、自動パツカーで袋詰めされた袋詰セ
メントは、搬送コンベヤ３０上を搬送されたフイ
ダ２０はこれを分配板の供給位置に確実に供給す
る。

袋詰セメント支持枠１６はこれを直ちに横行方
向に滑動移動し、解放扉にこれを鉛直直下に落下
させ、トラツク荷台上に整列積込みを行う。

所要数、例えば横行５行×高さ６段の積込みを
終ると、吊下フレーム１１は袋詰セメント一袋分
の距離だけ後退し、次の列の積込みを連続的に行
い、これを繰返す。

これらの動作は１台のトラツク荷台に所定数の
袋詰セメントを積込み終了するまで、一連のシー
ケンス制御によつて自動的に行うことが可能であ
る。

〔考案の効果〕

安価簡易な装置により、能率のよい袋詰セメン
トの整列積込みが可能となり、その能力を通常使
用されている３管式自動パツカーの袋詰動作時間
４秒／１袋（36T／Ｈ）より大きくすることがで
きる。

従つて、袋詰工程の待時間や作業能率阻害を生
ずることなく袋詰セメントのトラツク荷台上への
積込みを行うことができ、省労力、安全、衛生、
安価、高能率が達成された。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の側面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ矢視図、第３図は第１図のＢ−Ｂ矢
視図である。 １……トラツク、２……荷台、３……袋詰セメ
ント、１０……フレーム、１１……吊下フレー
ム、１２……前後進装置、１３……上下動装置、
１４，１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄ，１４ｅ
……扉、１５……滑動台、１６，１６ａ，１６ｂ
……袋詰セメント支持枠、１７……流体圧シリン
ダ、１８……横方向微動シリンダ、３０……搬送
コンベヤ、３１……レール、３２……車軸、３３
……シユート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 袋詰セメントの搬送コンベヤとその頭部に結合
   された分配積込機構とを一体に前後進自在に支持
   する袋詰セメントの自動積込装置において、該分
   配積込機構は、前記搬送コンベヤから供給された
   袋詰セメントの前方及び両横を支える鉛直壁を有
   する２個の袋詰セメント支持枠と、該２個の袋詰
   セメント支持枠を１個は袋詰セメント供給位置か
   ら右に、他は袋詰セメント供給位置から左にそれ
   ぞれ横行させる横行装置と、該支持枠に三方を支
   持された袋詰セメントが横方向に滑動する水平横
   長の滑動台と、該滑動台の底面を形成し、かつ前
   以て定められた位置及び数により複数連設され袋
   詰セメントが支持枠によつて横行された姿勢のま
   ま挿通落下する大きさの開口を持ち、各扉ごとに
   開閉装置を備えた下向観音開扉と、制御器とから
   成り、該制御器は、前記２個の袋詰セメント支持
   枠の一方を搬送コンベヤからの袋詰セメント供給
   位置に常時待機させ、袋詰セメントの到着を確認
   したとき直ちに支持枠を横行させて順次下向観音
   開扉上に移動させ、その下向観音開扉を開放して
   袋詰セメントを下方に落下させ、落下後該下向観
   音扉を閉止すると共に支持枠を袋詰セメント供給
   位置に復帰させる制御装置であることを特徴とす
   る袋詰セメントの自動積込装置。