JPH04300326A - ポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維及びそれからの伸縮性編製品 - Google Patents

ポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維及びそれからの伸縮性編製品

Info

Publication number
JPH04300326A
JPH04300326A JP6505891A JP6505891A JPH04300326A JP H04300326 A JPH04300326 A JP H04300326A JP 6505891 A JP6505891 A JP 6505891A JP 6505891 A JP6505891 A JP 6505891A JP H04300326 A JPH04300326 A JP H04300326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
polyurethane
component
composite fiber
acid amide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6505891A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Kobayashi
裕史 小林
Naoto Nagayasu
永安 直人
Nagafumi Himeno
姫野 長文
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP6505891A priority Critical patent/JPH04300326A/ja
Publication of JPH04300326A publication Critical patent/JPH04300326A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタンとポリア
ミドとからなる自己捲縮性複合繊維の改良に関する。さ
らに詳しくは、フィット性や透明性に優れるとともに、
着用感や触感にも優れた伸縮性編製品(ストッキングや
トリコット等)が得られるポリウレタン・ポリアミド系
偏心複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンとポリアミドとを偏心的に
複合させてなる自己捲縮性複合繊維は、優れた捲縮特性
および透明性を有する伸縮性編地とすることができるの
で、高級ストッキング用素材等として高く評価されてい
る。
【0003】この複合繊維におけるポリウレタン成分と
しては、ポリオ−ルに、ポリアルキレンオキシド、ポリ
テトラヒドロフランなどからなるポリエ―テル;ε−カ
プロラクトンなどの開環重合により得られるポリラクト
ン;アジピン酸、グルタル酸などの酸とエチレングリコ
―ル、プロピレングリコ―ルなどのグリコ―ル類とから
縮合重合によって得られるポリエステル;あるいはポリ
炭酸エステルを使用し、これらのポリオ−ルとジイソシ
アネ−トとを反応せしめ、次いでまたは同時に低分子量
グライコ−ル、あるいは、ヒドラジン、エチレンジアミ
ン類により鎖伸長することにより得られた弾性ポリウレ
タン組成物が知られている。
【0004】これらポリウレタン組成物のうちでも、ポ
リアミド成分との耐剥離性に優れしかも耐熱性にも比較
的優れたポリ炭酸エステル系ポリウレタンを他のポリエ
ステル系ポリウレタンやポリエ−テル系ポリウレタン等
と共重合または混合することが良いとされている(特公
昭55−22570号公報、特公昭57−34370号
公報など)。
【0005】一方、この複合繊維におけるポリアミド成
分としては、一般に、ナイロン6が用いられるが、ナイ
ロン66やナイロン6・10のような他のポリアミドの
使用、また、ナイロン10、ナイロン12、あるいはそ
れらの共重合ポリアミドのような低融点ポリアミドの使
用も提案されている。また、これらポリアミドには、耐
熱剤、耐光剤、艶消剤等の通常の添加剤を含有させても
良いとされているが、一般的には、衣料用の汎用ナイロ
ン6繊維同様に、艶消剤を含有させたナイロン6組成物
が用いられている。
【0006】これら従来のポリウレタン・ポリアミド系
偏心複合繊維は、ストッキングやトリコツト編物のよう
な編製品とした場合に、高フィット性と高透明性とを具
備する優れた製品とすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の製
品では、ポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維がコ
イル状捲縮を有する糸として存在するが故に着用時に堅
さやザラツキ感があり、この着用時の触感不良を改善す
ることが、特にストッキングの分野において強く要求さ
れてきている。
【0008】この着用時の触感不良の問題は、単糸繊度
を細くしたり、また、フィラメント数を多くしたりする
ことによってもある程度は改善できるが、これら手段で
は、ストッキング製品の強度低下や透明性低下をきたす
という欠点があり、実用上満足できるものではなかった
【0009】そこで、本発明は、ストッキング等の伸縮
性編地製品とした際、フィット性、透明性、耐久性に優
れるとともに、着用時のザラツキ感や堅さが大幅に改善
されて優れた柔軟性やフラット性を有し、回復特性の向
上及び着用耐久性の向上した着用快適性に優れた製品と
することが可能なポリウレタン・ポリアミド系偏心複合
繊維を提供することを主な目的とする。
【0010】即ち、本発明は、コイル状捲縮による伸縮
繊維でありながら、編製品とした際の触感の堅さやザラ
ツキがなく、着用時の肌触りや柔軟性に優れ、さらには
回復特性の向上及び着用耐久性の向上したストッキング
等の伸縮性編製品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
、本発明は、ポリウレタン成分とポリアミド成分とから
なる偏心的複合繊維において、前記ポリアミド成分が、
ポリアミドに対して0.01〜3.0重量%の酸アミド
化合物を含有するポリアミド組成物であることを特徴と
する。
【0012】このように、本発明は、ポリアミド成分と
して、特定のポリアミド組成物を用いることが重要であ
る。
【0013】以下、本発明をさらに具体的に説明する。
【0014】本発明で用いるポリアミドは、環状ラクタ
ムの開環縮合重合、あるいは、ジアミンとジカルボン酸
との縮合重合で得られる溶融紡糸可能な線状ポリアミド
であればよい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン6・10等で代表される。これらポリアミドには
、繊維特性を大幅に減殺しない範囲で、共重合可能な単
量体が共重合されていてもよい。例えば、ヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペートに10重量%以下のε−カ
プロラクタムを添加し共重合してなるポリアミドであっ
てもよい。特に、強伸度や耐摩耗性などの実用上の物性
が良好な複合繊維を得るためには、融点が200℃以上
のポリアミドを用いることが好ましい。しかし、ポリウ
レタンと複合紡糸するためにはあまりにも高融点のポリ
アミドは好ましくなく、その融点は高くとも270℃程
度であることが実用上好ましい。なかでも、融点が21
0℃以上であるポリアミドが好ましく、特に、実質的に
ナイロン6またはナイロン66からなるポリアミドが好
ましい。
【0015】その重合度は、衣料用繊維に用いられてい
る程度の相対粘度ηrを有していればよく、例えば、2
.1〜3.0程度の98%硫酸相対粘度を有していれば
よい。特に、ポリウレタンとの複合繊維として実用上満
足する耐久性を有するために2.3〜2.8が好ましい
。このポリアミド成分は、耐熱剤・耐光剤・艶消剤など
の通常の添加剤を含有していてもよい。
【0016】本発明では、このポリアミドに、酸アミド
化合物を配合することが必要がある。
【0017】この酸アミド化合物としては、下記一般式
(1) あるいは(2) で示されるジアミド化合物が
好ましいが、ステアリン酸アミドやテレフタル酸アミド
等のモノアミド化合物を用いることもできる。
【0018】
【化2】
【0019】(ただし、R1 、R4 は炭素原子数1
0〜20のアルキル基、R2 、R3 は水素原子、メ
チル基またはエチル基、nは1〜10の整数を、それぞ
れ示す。)上記一般式(1) または(2) で表され
るジアミド化合物は、ジカルボン酸とアルキルモノアミ
ンとの反応により、あるいはモノカルボン酸とアルキレ
ンジアミンとの反応により調整することができる。
【0020】代表的なジアミンとしてはメチレンジアミ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレン
ジアミンがあり、炭素数1〜10のアルキレンジアミン
が含まれる。アルキルモノアミンとしてはオクタデシル
アミン、メチルオクタデシルアミン、エチルオクタデシ
ルアミンなどのように、炭素数10〜20のアルキル基
を有する一級アミンおよびそれらがさらにメチル基、エ
チル基で置換された二級アミンが含まれる。
【0021】また、代表的なジカルボン酸としてはコハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸があり、炭素数2〜12
のジカルボン酸が含まれる。モノカルボン酸としてはラ
ウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸のように、炭素
数11〜21のアルキルモノカルボン酸が含まれる。
【0022】上記酸アミド化合物の配合量は、ポリアミ
ド繊維に対し0.01〜3.0重量%であることが必要
であり、さらに0.1〜2.0重量%が好ましい。配合
量が少な過ぎると本発明の目的とするザラツキ感の改善
、柔軟性の向上、回復特性の向上、着用耐久性の向上が
困難である。逆に多過ぎるとジアミド化合物とポリアミ
ドとの相溶性が悪くなるので、製糸安定性や繊維の均一
性が悪化するし、しかも、強伸度特性や伸長応力特性が
低下し、繊維製品としての特性が低下するので、実用的
でない。
【0023】これら酸アミド化合物はポリアミド中に均
一に分散配合させればよく、その添加時期は、ポリアミ
ドの重合前、重合中、重合後に添加するのでもよいし、
あるいは、紡糸前のペレットに混合するのでもよい。ま
た、重合時に、所定量よりも高濃度の酸アミド化合物を
配合したマスターペレットを製造し、これを紡糸時に所
定濃度にブレンド希釈する方法をとってもよい。
【0024】ポリウレタン成分をなす弾性ポリウレタン
としては、ポリ炭酸エステル系ポリウレタン、ポリエス
テル系ポリウレタン、ポリエ−テル系ポリウレタンなど
の弾性ポリウレタンを、単独、共重合あるいは混合で用
いればよい。なお、ポリエステル系ポリウレタンとして
はポリラクトン系ポリウレタンであってもよい。なかで
も、ポリカーボネート系ポリオールをポリオール成分の
少なくとも10重量%含有する弾性ポリウレタン、即ち
、実質的にポリ炭酸エステル系ポリウレタンのみからな
る弾性ポリウレタン、あるいはポリ炭酸エステル系ポリ
ウレタンを共重合成分もしくは混合成分として10重量
%以上含む弾性ポリウレタンがポリアミド成分との接着
性等の点から好ましい。
【0025】また、この弾性ポリウレタンは、ポリアミ
ドとの耐剥離性、熱可塑性、熱安定性、強伸度および弾
性などの特性を阻害しない少量(例えば20重量%以下
、好ましくは10重量%以下)であれば、ポリエステル
、ポリエーテル、ポリイソシアネ―トなどの他の化合物
を含んでいてもよい。
【0026】前記ポリ炭酸エステル系ポリウレタンを得
るためのポリオ−ルとしては、4,4´−ジオキシジフ
ェニル−2,2´−プロパン(ビスフェノ−ルA)から
の芳香族ポリ炭酸エステル、および脂肪族2価アルコ−
ルとホスゲンとの反応等により得られる脂肪族ポリ炭酸
エステルなどが挙げられる。これらのポリオ−ルの分子
量は600〜4000程度であることが好ましい。
【0027】ポリエ−テル系ポリウレタンを得るための
ポリオ−ルとしては、ポリ(オキシエチレン)グリコ−
ル、ポリ(オキシプロピレン)グリコ−ル、ポリ(テト
ラメチレン)グリコ−ルなどが挙げられる。また、ポリ
エステル系ポリウレタンを得るためのポリオ−ルとして
は、アジピン酸、グルタル酸あるいはセバシン酸などの
酸と、エチレングリコ−ル、1,4−ブチレングリコ−
ル、1,3−または2,3−ブタンジオ−ル、2,5−
ヘキサンジオ−ルなどのグリコ−ルとから縮合反応によ
って得られた分子量600〜4000程度のポリエステ
ルが挙げられる。
【0028】また、この弾性ポリウレタンを得るための
ジイソシアネ−トとしては、ジフェニルメタンジイソシ
アネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイ
ソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、リジンジ
イソシアネ−トなどが挙げられる。鎖伸長剤としては、
低分子量ジオール、ヒドラジン、エチレンジアミン、ビ
ス−β−ヘキサノンなどが挙げられる。重合原料中の−
NCO末端基と−OH末端基とのモル比(−NCO/−
OH)は、0.97〜1.10程度であればよい。
【0029】これら重合原料をワンショット法やプレポ
リマ法などの通常のポリウレタン重合方法により重合し
、あるいはさらにポリマ混合や添加剤混合を行って、ポ
リウレタン成分のベースポリマとして用いる弾性ポリウ
レタンとすればよい。
【0030】この弾性ポリウレタンの硬度は一般に高い
方が好ましく、少なくとも90のショア硬度Aを有する
ことが本発明の目的を十分に達成するために好ましい。 さらにはそのポリウレタンは、ショア硬度Dが58以上
の高硬度であることが好ましい。また、その硬度はあま
り高くすることは風合が粗硬となるために実用上好まし
くないので、ショア硬度Dで75程度が実用上の上限で
ある。なお、このショア硬度Aは、JIS・K6301
記載のA法により測定した値であり、また、ショア硬度
Dは、ASTM2240記載の方法により測定した値で
ある。
【0031】弾性ポリウレタンの溶融紡糸時の粘性バラ
ツキを抑制するためには、ポリウレタンの重合度をその
ポリウレタン組成に応じた適正範囲に制御することが有
効であり、一般に、3500〜35000ポイズ程度の
溶融粘度とすることが好ましい。
【0032】前記したポリウレタンとポリアミドとは、
基本的には従来のポリアミドとポリウレタンとの溶融複
合紡糸と同様に紡糸し、偏心複合繊維とすればよい。例
えば、通常の溶融複合紡糸機にそれぞれのポリマ(組成
物)を供給して別々に溶融した後、230〜290℃程
度に加熱された複合紡糸口金を用いて複合紡糸し、通常
の製糸方法により結晶配向化させて潜在捲縮性の複合繊
維を製造すればよい。
【0033】その複合構造は、捲縮発現処理によってコ
イル状捲縮を示すことができる潜在捲縮性が得られる偏
心複合構造であればよく、例えば、偏心芯鞘型複合構造
、サイドバイサイド接合型複合構造が挙げられる。その
複合比率は、その複合構造にも左右されるが、一般に、
80/20〜20/80程度であればよい。また、繊維
外周面を占めるポリマはポリアミドであること、あるい
はその割合が多いことが好ましい。
【0034】溶融複合紡糸することにより得られたポリ
ウレタン・ポリアミド偏心的複合繊維は、通常の方法で
捲縮発現されてコイル状捲縮繊維として弾性特性を発揮
するのであるが、この捲縮発現の工程は、編織工程等の
前でも、また、編織工程等の後でもよいし、さらにまた
、編織工程等の前と後とに分けて少しずつ発現させても
よい。
【0035】また、この複合繊維からなる製品としては
、ストッキング、パンティストッキングのようなストッ
キング類、ソックス類、伸縮性トリコット製品類などが
挙げられる。これら製品は、本発明の複合繊維を編成糸
の全部あるいは一部に用いて通常の方法により製造すれ
ばよい。
【0036】
【作用】本発明では、ポリウレタン・ポリアミド系偏心
複合繊維のポリアミド成分として、前記した特定の酸ア
ミド化合物を特定量配合してなるポリアミド組成物を用
いているので、コイル状捲縮を有する複合繊維からなる
編製品としても、感触、肌触りが柔軟、フラットであり
、着用時の快適性を著しく改善することができる。
【0037】しかも、この特定したポリアミド組成物を
用いても、得られる複合繊維の捲縮特性や強伸度特性は
良好であり、フィット性や透明性に優れた編製品とする
ことができる。
【0038】従って、本発明によると、フィット性、透
明性に優れるのみならず、感触、肌触り、風合が柔軟で
着用快適性にも優れた編製品とすることができる。
【0039】前記した酸アミド化合物は、ポリアミド繊
維の強伸度特性、透明性、表面光沢性あるいは染色鮮明
性を改善するための添加剤として、特公昭44−982
5号公報、特開昭53−437253号公報、特開昭5
8−132137号公報等に記載されて知られているも
のである。しかし、この酸アミド化合物をポリウレタン
・ポリアミド系偏心複合繊維のポリアミド成分に配合し
てみたところ、上記したような従来知られた効果ではな
く、コイル状捲縮による感触や肌触りの堅さが大きく改
善でき、ザラツキ感が殆どなく柔らかな感触の編製品が
得られるという、意外な効果が、ポリウレタン・ポリア
ミド偏心複合繊維の優れた捲縮特性を損うことなく得ら
れることを見出した。
【0040】コイル状捲縮糸を編地製品とすると、その
コイルによって編地面に凹凸ができる。この編地面の凹
凸は、編地内での糸の滑りにより網組織に粗密部が発生
することによってランダムとなり、これが、ザラツキ感
や堅さの原因になっていると考えられる。特に、このザ
ラツキ感は、ポリウレタン・ポリアミド系複合繊維を用
いた場合に強く、これは、ポリウレタン・ポリアミド系
複合繊維の有する捲縮コイルが強くて細かく、編地にお
いてその捲縮コイル長が編地ループ長よりも小さくなっ
ているためと考えられる。
【0041】ところが、ポリアミド成分に酸アミド化合
物を配合すると、ポリアミド成分からなるコイル状捲縮
糸の表面性状が大きく変化する。この表面性状の変化が
、繊維同士のスリップ発生を抑制することや編地の堅さ
を抑制することに大きく寄与し、この結果、編地面の凹
凸のランダム化が抑えられてザラツキ感が抑制されたり
、また、柔軟性が向上するものと考えられる。
【0042】このザラツキ感の抑制、柔軟化の向上、着
用耐久性の向上、回復特性の向上という効果は、ポリウ
レタン・ポリアミド系偏心複合繊維の編製品において特
に顕著に発揮されるものであり、これは、酸アミド化合
物を配合した従来のポリアミド製品類では認められてい
なかった効果である。
【0043】
【実施例】・  実施例1 ε−カプロラクタムの85重量%水溶液に、ε−カプロ
ラクタムに対し10重量%のエチレンビスステアリン酸
アミドを添加し、よく撹拌した後、常法により加熱、開
環縮合重合して98%硫酸相対粘度が2.40のナイロ
ン6マスターポリマを得た。そして、得られたマスター
ポリマを、艶消し剤を0.02重量%含むナイロン6ポ
リマと混合して、エチレンビスステアリン酸アミドの濃
度が、それぞれ、0.25重量%、0.5重量%、1.
0重量%、2.0重量%、3.0重量%であるナイロン
6組成物を得た。
【0044】一方、ポリ炭酸エステル(平均分子量20
00)とポリブチレンアジペート(平均分子量2000
)との1:1混合ポリオ―ルを使用し、鎖伸長剤として
1,4−ブチレングリコ−ルを、また、ジイソシアネ―
トとしてジフェニルメタンジイソシアネ―トを用いて通
常のワンショット法により重合してポリウレタン重合体
を得た。得られた重合体を、粉砕した後、エクストル−
ダにより溶融押出しし、ペレタイズし、弾性ポリウレタ
ンとした。
【0045】上記重合の際、1,4−ブチレングリコ−
ルと混合ポリオ―ルとのモル比は、4.5とした。
【0046】得られた弾性ポリウレタンをポリウレタン
成分とし、また、前記のナイロン6組成物をポリアミド
成分とし、それぞれ230℃および260℃で別々に溶
融して複合紡糸機に供給し、250℃に加熱した複合口
金部で複合割合40/60の偏心芯鞘状に複合して紡出
し、通常の方法により冷却、給油して600m/分で巻
取った。そして、延伸機で4.0倍に延伸し、20デニ
−ル、2フィラメントの潜在捲縮性複合フィラメント糸
を得た。
【0047】この複合フィラメント糸を、チューブラー
編機でストッキング編地に編立て、110℃で熱セット
処理してストッキング製品を製造した。
【0048】上記複合フィラメント糸のストッキング製
品中における伸長回復応力特性を測定し、その結果を表
1に示した。
【0049】ストッキングの伸長応力特性:  定伸長
型引張試験機TOM−100E型(新興通信工業(株)
製)を用い、ストッキング試料に2kgの荷重を掛けて
伸長した時の試料長をL1 とし、このストッキング試
料を2つ折りにして引張り試験機にかけ、このL1 /
2の75%まで伸長させ直ちに回復させた応力歪のヒス
テリシス曲線を描かせる。このヒステリシス曲線からL
1 /2の75%伸長した時点の応力値(g)を、また
、その回復時曲線からL1 /2の60%伸長の長さに
回復した時点の応力値(g)とを読取り、それらを1/
2にした値を、それぞれ、75%伸長応力、60%回復
応力の値として表した。これらの値は、ストッキングの
フィット性を示す指標であり、高いほどフィット性は優
れている。
【0050】ストッキングのフィット性、柔軟性:  
被験者が1日8時間の着用を3日間繰返す着用試験によ
って相対評価したものであり、その結果は、1:極めて
良好、2:良好、3:やや不良、4:不良、の基準でも
って示した。
【0051】ストッキングの触感性:  ストッキング
製品を人体足型に履かせ、検査者(5人)の触感によっ
てザラツキ感を相対評価したものであり、その結果は、
上記同様の基準でもって示した。
【0052】
【表1】
【0053】表1の結果から明らかなように、 No.
比較1(酸アミド化合物を含まないナイロン6成分を用
いた従来例)は、フィット性は良好であるが、着用感(
柔軟性)や触感性に劣っていた。
【0054】これに対し、本発明による No.本発明
A〜Eの場合は、いずれも着用感(柔軟性)や触感性が
良好であり、しかも、フィット性や強伸度特性も良好で
あった。 ・  実施例2 実施例1と同様にして、25デニ−ル、2フィラメント
の潜在捲縮性複合フィラメント糸を得た。
【0055】この複合フィラメント糸を、コンベンショ
ナル編機でストッキング編地に編立て、110℃で熱セ
ット処理してストッキング製品を製造した。
【0056】得られたストッキング製品を実施例1と同
様に評価し、その結果を表2に示した。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果から明らかなように、単糸デニ
ールが12.5デニールでも、本発明による場合( N
o.本発明F)は、着用感(柔軟性)や触感性が良好で
あり、しかも、フィット性や強伸度特性も良好であった
【0059】
【発明の効果】本発明に係るポリウレタン・ポリアミド
系複合繊維は、ポリアミド成分として、特定した酸アミ
ド化合物を特定量配合したポリアミド組成物を用いてい
るので、コイル捲縮による優れた伸縮性、フィット性、
透明性を有するうえ、さらに、着用時の柔軟性が向上し
、ザラツキ感が軽減され、総合的に優れた伸縮性編製品
とすることができる。
【0060】また、本発明によると、単糸繊度を細くす
ることなく着用感(柔軟感やザラツキ感)を改善するこ
とができるので、高フィット性や高耐久性等のために単
糸繊度を比較的太めにする場合でも、着用感の改善を図
ることができる。
【0061】本発明のポリウレタン・ポリアミド系偏心
複合繊維は、高伸縮性、高フィット性等が要求される伸
縮性編製品一般に適用でき、例えば、ストッキング用や
伸縮性トリコット製品用として有用である。
【0062】なかでも、肌に直接着用するストッキング
とした場合には、フィット性が高く、しかも、感触、風
合にも優れた透明感の高いストッキング製品とすること
ができ、高ファッション性、高機能性とともに肌へのや
さしさをも具備し、肌荒れ防止にも効果的な製品が得ら
れる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】    ポリウレタン成分とポリアミド成
    分とからなる偏心的複合繊維において、前記ポリアミド
    成分が、ポリアミドに対して0.01〜3.0重量%の
    酸アミド化合物を含有するポリアミド組成物からなるこ
    とを特徴とするポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊
    維。 【請求項2】    前記酸アミド化合物が下記一般式
    (1) または(2)で示されるジアミド化合物である
    ことを特徴とするポリウレタン・ポリアミド系偏心複合
    繊維。 【化1】 (ただし、R1 、R4 は炭素原子数10〜20のア
    ルキル基、R2 、R3 は水素原子、メチル基または
    エチル基、nは1〜10の整数を、それぞれ示す。)【
    請求項3】    前記ポリウレタン成分が、ポリカー
    ボネート系ポリオールをポリオール成分の少なくとも1
    0重量%含有する弾性ポリウレタンからなることを特徴
    とする請求項1記載のポリウレタン・ポリアミド系偏心
    複合繊維。 【請求項4】    前記ポリアミドが、硫酸相対粘度
    2.1〜3.0のポリカプラミドであることを特徴とす
    る請求項1記載のポリウレタン・ポリアミド系偏心複合
    繊維。 【請求項5】    請求項1記載のポリウレタン・ポ
    リアミド系偏心複合繊維から編成されてなる伸縮性編製
    品。
JP6505891A 1991-03-28 1991-03-28 ポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維及びそれからの伸縮性編製品 Pending JPH04300326A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6505891A JPH04300326A (ja) 1991-03-28 1991-03-28 ポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維及びそれからの伸縮性編製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6505891A JPH04300326A (ja) 1991-03-28 1991-03-28 ポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維及びそれからの伸縮性編製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04300326A true JPH04300326A (ja) 1992-10-23

Family

ID=13275972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6505891A Pending JPH04300326A (ja) 1991-03-28 1991-03-28 ポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維及びそれからの伸縮性編製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04300326A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104911723A (zh) * 2015-05-21 2015-09-16 苏州富莱克斯氨纶有限公司 一种双组分氨纶制备工艺

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104911723A (zh) * 2015-05-21 2015-09-16 苏州富莱克斯氨纶有限公司 一种双组分氨纶制备工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3837024B2 (ja) 高伸度・高伸張回復性合成繊維
EP0872581B1 (en) Elastic polyurethane fibers and process for the production thereof
EP2037014B1 (en) Polyurethane urea elastic fiber
JP5895312B2 (ja) 弾性布帛
JP2580780B2 (ja) ポリウレタン・ポリアミド系複合繊維
EP0454160A2 (en) Elastic core and sheath type composite filaments and textile structures comprising the same
JP5753578B2 (ja) 均一なモジュラスを有する溶融紡糸弾性繊維
JPH04300326A (ja) ポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維及びそれからの伸縮性編製品
JP5202407B2 (ja) 芯鞘コンジュゲート繊維及びそれを用いた編生地
JP3836241B2 (ja) ポリウレタン弾性繊維及びそれを使用した弾性布帛
JP2786514B2 (ja) 複合糸及びストッキング
JP2870909B2 (ja) ポリウレタン・ポリアミド系複合繊維の製造方法
JP2580812B2 (ja) ポリウレタン・ポリアミド系複合繊維およびその製法
JP3552292B2 (ja) ストッキング及びその製造方法
JPH0874102A (ja) ストッキング及びその製造方法
JP2001295165A (ja) ストレッチ編地
JP2805938B2 (ja) ポリウレタン・ポリアミド偏心複合繊維およびその製造方法
JPH07150414A (ja) 吸湿性ポリアミド繊維及びそれからなるインナーウェア、靴下、スポーツウェア
JP2023042097A (ja) 弾性経編地および衣料
JPH03206121A (ja) ポリウレタン・ポリアミド系複合繊維
JP4140178B2 (ja) 裏地
JPH0280616A (ja) ポリウレタン・ポリカプラミド系複合繊維
JP2000303288A (ja) 被覆弾性糸の製造方法及び被覆弾性糸とその繊維製品ならびに繊維製品の製造方法
JPH11181628A (ja) ポリエステル系制電性複合繊維
JPS61289120A (ja) 弾性繊維およびその製法