JP2870909B2 - ポリウレタン・ポリアミド系複合繊維の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン・ポリアミド系複合繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリウレタンとポリアミドとからなる自己
捲縮性複合繊維の改良に関する。さらに詳しくは、編立
性、強伸度特性および伸長回復特性に優れ、ストッキン
グ用やトリコット用の素材として有用なポリウレタン・
ポリアミドの複合繊維を得るための製造方法に関する。
[従来の技術] ポリウレタンとポリカプラミドとを偏心的に複合させ
てなる自己捲縮性複合繊維は、優れた捲縮特性および透
明性を有する編地とすることができるので、高級ストッ
キング用素材として高く評価されている。
この複合繊維におけるポリウレタン成分としては、ポ
リオールに、ポリアルキレンオキシド、ポリテトラヒド
ロフランなどからなるポリエーテル;ε−カプロラクト
ンの開環重合などにより得られるポリラクトン;アジピ
ン酸、グルタル酸などの酸とエチレングリコール、プロ
ピレングリコールなどのグリコール類とから縮合重合に
よって得られるポリエステル;あるいはポリ炭酸エステ
ルを使用し、これらのポリオールとジイソシアネートと
の反応、および、低分子量グライコールあるいは、ヒド
ラジン、エチレンジアミン類による鎖伸長を行うことに
より得られた弾性ポリウレタンが知られている。
これら弾性ポリウレタンのうちでも、ポリアミド成分
との耐剥離性に優れしかも耐熱性にも比較的優れたポリ
炭酸エステル系ポリウレタンを含む弾性ポリウレタンが
良いとされている(特公昭55−22570号公報、特公昭57
−34370号公報など)。
そして、これら従来の複合繊維では、弾性ポリウレタ
ンとして硬度レベルをショア硬度Aで90〜100と低い水
準とすることが好ましいとされていた(特開昭62−1563
14号公報など)。例えば、上記公報では、ショア硬度A
が91〜97、低分子ジオール/ポリオールの重量比が18/8
2未満を有する弾性ポリウレタンが記載されている。
また、このようなポリウレタン・ポリアミド系複合繊
維を熱処理することにより沸水収縮率を低減させる方法
も提案されている(特開昭63−175118号、63−256719号
公報)。
[発明が解決しようとする課題] 上述のように熱処理により沸水収縮率を低減させるこ
とは、得られた複合繊維を編立たりする工程における糸
切れ、製品寸法バラツキ等のトラブルを紡糸するために
有効ではあるが、上記したような低分子ジオール/ポリ
オールの値を有する従来の弾性ポリウレタンを用いた複
合繊維では、熱処理により沸水収縮率が低減すると同時
に、強度の大幅な低下や伸長回復特性の大幅な悪化が生
じ、強度や伸長回復特性の劣る製品しか得ることが困難
であった。従って、熱処理を工業的生産で実施すること
は実際には難しいとみられていた。
また、上述の従来ポリウレタン成分を用いて偏心複合
繊維を製造してもかなり優れたコイル上捲縮を得ること
はできるが、ストッキング分野においては近年特に高フ
ィット性の要求が強く、さらに高いフィット性が得られ
るポリウレタン・ポリアミド系複合繊維が求められてき
ていた。
そこで、本発明は、紡糸・延伸により得られた複合繊
維の有する優れた伸長回復特性や強伸度特性を損なうこ
となく熱処理することにより、高速編立性のような後加
工性に優れ、かつ製編織製品の寸法バラツキ等を大幅に
抑えることができるポリウレタン・ポリアミド複合繊維
の製造方法を提供することを主な目的とする。さらに、
高次加工での加工性を向上させながら、製品のフィット
性、耐久性、外観および風合を向上させることのできる
複合繊維が得られる方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明は、ポリウレタン成
分とポリアミド成分とを溶融複合紡糸した後に延伸する
ことによりポリウレタン・ポリアミド系偏心複合繊維を
製造する方法において、前記ポリウレタン成分が、低分
子ジオール/ポリオールの重量比が18/82〜25/72の弾性
ポリウレタンであること、および、前記延伸の後連続的
に熱処理することを特徴とする。
本発明でポリウレタン成分として用いる弾性ポリウレ
タンは、その低分子ジオール/ポリオールの重量比が18
/82〜25/75であることを要する。
ポリオールは、ソフトセグメントを構成するものであ
り、ポリ炭酸エステル系ポリオール、ポリエステル系ポ
リオール、ポリエーテル系ポリオールなどを用いればよ
い。ポリエステル系ポリオールとしてはポリラクトン系
ポリオールであってもよい。なかでも、ポリ炭酸エステ
ル系ポリオールが好ましく、全ポリオールの20重量%以
上がポリ炭酸エステル系ポリオールである弾性ポリウレ
タンがポリアミド成分との接着性等の点から好ましい。
この弾性ポリウレタンは、単独ポリウレタンであって
もよいし、また、2種以上のポリウレタン共重合体ある
いはポリウレタン混合物であってもよい。
また、低分子ジオールとしては、低分子量グリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ビス−β−ヘキサノンなど
の鎖伸長剤が用いられる。
この低分子ジオールとポリオールとの比率は、それら
構成成分の末端基を含む重合仕込み重量比率を調整する
こと、各種ポリウレタンを溶融混練すること等によって
適正水準とすることができる。
そして、得られた弾性ポリウレタン中における低分子
ジオール/ポリオールの重量比は、次の方法で求めるこ
とができる。
テトロヒドロフラン等の溶媒に弾性ポリウレタンを溶
解せしめた後、13C−核磁気共鳴スペクトル法により各
成分の構成単位数を求め、これを重量比に換算すること
により求める。
低分子ジオール/ポリオールの重量比が[18未満/82
を越える]であると、耐熱特性が劣るとともに、伸長・
回復特性が不十分であるので、本発明の目的を達成する
ことが困難である。逆に、その重量比が[25を越える/7
5未満]であると、溶融時の粘性バラツキが大き過ぎる
等により溶融紡糸すること自体が困難であり、得られる
複合繊維の均一性が大幅に低下するため使用に適さな
い。
低分子ジオール/ポリオールの重量比を本発明の範囲
内とした弾性ポリウレタンは、従来の複合繊維に用いら
れていた弾性ポリウレタンに比べ、硬度が高くなり、具
体的には、ショア硬度Dで58以上、さらには60以上とい
う硬度水準とすることができる。しかし、その硬度をあ
まりにも高くすると、溶融紡糸が困難となり、複合繊維
の均一性、回復特性等が劣ることとなるので、実用的に
使用困難である。従って、ショア硬度Dで75程度が限界
であり、さらには70以下が実用上の適正範囲である。こ
のショア硬度Dは、ASTM2240記載の方法によりデュロメ
ータDを用いて測定した値である。
ポリウレタンの硬度水準は、ポリウレタンの結晶形成
部(ハードセグメント)の比率、ポリマ粘度、ポリマ架
橋点の量、ポリオール成分などを変えることにより容易
に調整することができる。例えば、ポリウレタンの結晶
形成部(ハードセグメント)の比率が大きくなるよう
に、低分子ジオール、ジアミン等の鎖伸長剤の含有比率
を増加させること、ポリマ粘度を高めること、ポリマ架
橋点を増加させること、ポリオールとしてポリカーボネ
ートのような硬いポリオールを用いること、ポリオール
を低分子量化することなどの方法が硬度を高くすること
に有効である。
弾性ポリウレタンの硬度を高めた場合に溶融紡糸時の
粘性バラツキを抑制するためには、ポリウレタンの重合
度をそのポリウレタン組成に応じた適正範囲に制御する
ことが有効であり、一般に、3500〜35000ポイズ程度の
溶融粘度とすることが好ましい。
また、ポリアミドとの耐剥離性、熱可塑性、熱安定
性、強伸度および弾性などの特性を阻害しない少量(例
えば20重量%以下、好ましくは10重量%以下)であれ
ば、ポリエステル、ポリイソシアネート、ポリアミン化
合物などの他の重合体を、上記弾性ポリウレタンに混合
してポリウレタン成分としてもよい。
前記ポリ炭酸エステル系ポリオールとしては、4,4′
−ジオキシジフェニル−2,2′−プロパン(ビスフェノ
ールA)からの芳香族ポリ炭酸エステル、および脂肪族
2価アルコールとホスゲンとの反応により得られる脂肪
族ポリ炭酸エステルなどが挙げられる。これらのポリオ
ールの分子量は600〜5000程度であることが好ましい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリ(オキシエ
チレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコ
ール、ポリ(テトラメチレン)グリコールなどが挙げら
れる。また、ポリエステル系ポリオールとしては、アジ
ピン酸、グルタル酸あるいはセバシン酸などの酸と、エ
チレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ま
たは2,3−ブタンジオール、2,5−ヘキサンジオールなど
のグリコールとから縮合反応によって得られた分子量60
0〜4000程度のポリエステルが挙げられる。
また、弾性ポリウレタンを得るためのジイソシアネー
トとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリ
レンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート
などが挙げられる。重合原料中の−NCO末端基と−OH末
端基とのモル比(−NCO/−OH)は、1.00〜1.10程度であ
ればよい。
これら重合原料をワンショット法やプレポリマ法など
の通常のポリウレタン重合方法により重合し、あるいは
さらにポリマ混合や添加剤混合を行って、弾性ポリウレ
タンとすればよい。
一方、本発明において使用するポリアミド成分として
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6・10、あるい
はそれらの共重合ポリアミドなどのような溶融紡糸可能
なポリアミドを用いればよく、特に、強伸度や耐摩耗性
などの実用上の物性が良好な複合繊維を得るためには、
融点が200℃以上のポリアミドを用いることが好まし
い。しかし、ポリウレタンと複合紡糸するためにはあま
りにも高融点のポリアミドは好ましくなく、その融点は
高くとも300℃程度であることが実用上好ましい。なか
でも、融点が210℃以上であるポリアミドが好ましく、
特に、実質的にナイロン6またはナイロン66からなるポ
リアミドが好ましい。その重合度は、衣料用繊維に用い
られている程度の粘度を有していればよく、例えば、2.
0〜2.8程度の硫酸相対粘度を有していればよい。このポ
リアミド成分は、耐熱剤・耐光剤・艶消剤などの通常の
添加剤を含有していてもよい。
前記したポリウレタンとポリアミドとは、基本的には
従来のポリアミドとポリウレタンとの溶融複合紡糸と同
様に複合紡出して偏心複合繊維とすればよい。例えば、
通常の溶融複合紡糸機にそれぞれのポリマ(組成物)を
供給して別々に溶融した後、230〜290℃程度に加熱され
た複合紡糸口金を用いて複合紡糸し、その後、通常の方
法で冷却、給油して引取る。この引取られた未延伸糸
は、一旦巻取った後、あるいは巻取ることなく引続い
て、冷延伸あるいは熱延伸され、引続いて、熱処理され
る。
一方、得られる複合繊維および高次製品の均一性、伸
縮特性等からは冷延伸後連続して熱処理することが好ま
しい。一般に延伸糸を巻取った後に熱処理する方法があ
るが、弾性ポリウレタンは延伸後の構造変化が大きく糸
斑を生じ易いことから延伸後連続してハードセグメント
の結晶化を均一に進めることが必要である。また、均一
性を高めるために巻取られた未延伸糸を延伸する時は非
加熱で行うことが好ましい。
延伸後連続して行う熱処理は、弛緩状態あるいは弛緩
しない定長状態で行えばよい。弛緩状態で熱処理する場
合の弛緩率は、複合繊維の延伸後の瞬間回復率および熱
処理による収縮率の範囲内が適しており、一般的には、
弛緩率が15%未満、さらに10%以下が好ましい。15%以
上となると、複合繊維の捲縮が発生し、ストッキング製
品を作る時に編地の目寄り、緯筋等の欠点を生じ易くな
る。熱処理後の複合繊維の強度を向上させるためには、
さらに10%以下とすることが好ましい。また、複合繊維
を延伸後弛緩することなく連続して熱処理することによ
り複合繊維の強伸度特性が向上し、製品ストッキング製
造時の編立性を向上し、さらに、ひきつれ、緯筋、編目
の目寄り等の欠点を改善することができる。さらにま
た、製品の着用外観をスムースに美しくするだけでな
く、ソフトで耐久性の高い製品を得ることができる。
また、熱処理の温度は、70〜150℃程度であることが
好ましい。熱処理温度が低過ぎると十分な熱処理効果を
与えることが困難であるので低分子ジオールの結晶化が
不足し、捲縮特性、強伸度及び収縮特性の改善効果が不
十分である。逆に高過ぎると、低分子ジオールの比率を
高めた上記の弾性ポリウレタンを用いても部分融解が生
じて弾性応力特性が悪化し、実用に供せられる製品とす
ることが困難である。
熱処理して得られる複合繊維は、従来のポリウレタン
・ポリアミド系複合繊維に比べ伸長・回復特性に優れ、
機械的特性に優れるばかりでなく、編立性の改善、高次
工程でのひきつれ発生の防止に有効であり、製品の外
観、編目の目寄りおよび緯筋が改善され、ソフトな風合
とフィット性に優れるストッキング製品を得ることがで
きる。
また、特に低分子ジオール成分の緊張あるいは弱緊張
下と結晶化の作用効果が考えられるが、高次加工工程で
の染色、仕上げ熱セット等での風合、強伸度低下の改善
された繊維を得ることができる。
この複合構造は、捲縮発現処理によってコイル状捲縮
を示すことができる潜在捲縮性が得られる偏心複合構造
であればよく、例えば、偏心芯鞘型複合構造、サイドバ
イサイド接合型複合構造が挙げられる。その複合比率
は、その複合構造にも左右されるが、一般に、80/20〜2
0/80程度であればよい。また、繊維外周面を占めるポリ
マはポリアミドであること、あるいはその割合が多いこ
とが好ましい。捲縮発現処理は、糸条の段階で行っても
よいし、また、製編織した製品の段階で行ってもよい。
[作用] 本発明に係る複合繊維は、ポリウレタン成分として18
/82〜25/75の低分子ジオール/ポリオール重量比を有す
る弾性ポリウレタンを用いて溶融紡糸した繊維を、延伸
に続いて熱処理しているので、ハードセグメントを形成
する低分子ジオールが安定なハードセグメント結晶を形
成し、優れた強度および伸長・回復特性を保持すること
ができる。
従って、後加工性が良好であり、しかも、強度および
伸長・回復特性に優れた製品とすることができ、さらに
は、編地外観が美しく、ひきつれ、緯筋、目寄り等が改
善され、かつフィット性に優れた製品を後加工性良く製
造することができる。
例えば、高速で編立しても糸切れが少なく、編立性が
良好であり、プリセット、染色の工程でも斑の発生が改
善され、さらに、仕上げ型板セット等で高い熱を受けて
も安定であり、寸法バラツキの小さい編地製品とするこ
とができる。
これに対し、ポリウレタン成分として低分子ジオール
割合が18%未満の従来のポリウレタン・ポリアミド複合
繊維を熱処理したものは沸水収縮率が低減すると同時に
強度や伸長・回復特性も大幅に低下するので、実用に耐
えられる複合繊維とすることが困難である。
また、本発明に係る複合繊維は、低分子ジオール割合
が高い特定の弾性ポリウレタンを用いた複合繊維を延伸
に連続して加熱処理しているので、捲縮発現させてコイ
ル状巻縮繊維とすると、優れた弾性特性が発揮される。
例えば、従来ポリウレタンによるポリウレタン・ポリア
ミド複合捲縮繊維に比べ、高い伸長回復応力を有し、得
られた編地製品の回復応力や伸長応力は大きく高めら
れ、そのフィット性を大幅に高めることができ、さらに
は機械的強度、耐熱特性に優れた複合繊維を得ることが
できる。
[実施例] ・ 実施例1 数平均分子量がそれぞれ2000のポリ炭酸エステルとポ
リブチレンアジペートとの7:3混合ポリオールを使用
し、鎖伸長剤として1,4−ブチレングリコールを、ま
た、ジイソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシ
アネートを用いて通常のワンショット法により重合して
ポリウレタン重合体を得た。得られた重合体を、粉砕し
た後、エクストルーダにより溶融押出し、ペレタイズし
た。
上記重合の際、重合原料中における−NCO末端基と−O
H末端基とのモル比(−NCO/−OH)は1.04とした。ま
た、1,4−ブチレングリコールと混合ポリオールとのモ
ル比は、4.0、あるいは5.5とし、1,4−ブチレングリコ
ール/混合ポリオールの重量比が14.8/85.2あるいは19.
5/80.5と異なる2種類の弾性ポリウレタンを得た。
得られたそれぞれの弾性ポリウレタンのショア硬度お
よび伸度を通常の方法で測定し、その結果を第1表に示
した。
これら弾性ポリウレタンと98%硫酸相対粘度が2.40の
ポリカプラミドとをそれぞれ230℃および260℃で別々に
溶融して複合紡糸機に供給し、250℃に加熱した複合口
金部で複合割合50/50の偏心芯鞘状に複合して紡出し、
通常の方法により冷却、給油して600m/分で巻取った 得られた未延伸糸を3.9倍に加熱することなく延伸
後、連続して常温〜160℃に設定した熱板上を定長状態
で接触走行させ、熱処理した20デニール、2フィラメン
トの潜在捲縮性複合フィラメント糸を得た。得られたフ
ィラメント糸の糸特性および製品ストッキング特性を測
定し、その結果を第1表に示した。
上記物性の測定は、それぞれ次の方法によった。
ストッキングの捲縮特性:定伸長型引張試験機TOM−100
E型(新興通信工業(株)製)を用い、ストッキング試
料に2kgの荷重を掛けて伸長した時の試料長をLlとし、
このストッキング試料を2つ折りにして引張り試験機に
かけ、このLl/2の75%まで伸長させ直ちに回復させた応
力歪のヒステリシス曲線を描かせる。このヒステリシス
曲線からLl/2の75%伸長した時点の応力値(g)を、ま
た、その回復時曲線からLl/2の60%伸長の長さに回復し
た時点の応力値(g)とを読取り、それらを1/2にした
値を、それぞれ、75%伸長応力、60%回復応力と値のし
て表した。これらの値は、ストッキングのフィット性を
示す指標であり、高いほどフィット性は優れている。な
お、フィット性は、着用試験によって得られた相対評価
結果であり、◎:極めて良好、○:良好、△:やや不
良、の基準でもって示した。
第1表の結果から明らかなように、ポリウレタン成分
を18/82〜25/75の低分子ジオール/ポリオール重量比で
ある弾性ポリウレタンよりなる複合繊維を熱処理するこ
とにより、優れた強度および伸長・回復特性を有する複
合繊維とすることができた。従って、良好な編立性で、
強度および伸長・回復特性に優れ、さらには編地外観に
優れ、編地欠点のない優れたストッキング製品とするこ
とができた。また、耐熱性に優れているので、ストッキ
ング編成し捲縮発現させても、着用時の耐久性も良好で
あった。
これに対し、低分子ジオール/ポリオール重量比が本
発明外の弾性ポリウレタンを用いた複合繊維および熱処
理した複合繊維では、ストッキングの伸長回復特性が不
足し、さらに熱処理により機械的特性が低下し、編地外
観を含め良好なストッキング製品とすることができなか
った。さらに、比較例2Aでは耐熱性が不足し、熱処理繊
維を得ることができなかった。
[発明の効果] 本発明法によると、ポリウレタン成分として特定の低
分子ジオール/ポリオール重量比を有する弾性ポリウレ
タンを用いた複合繊維を熱処理することにより強固なハ
ードセグメント結晶部を形成しているので優れた強伸度
特性および伸長・回復特性を有するとともに、編立性に
も優れた複合繊維を得ることができる。従って、高速編
立しても編立性良好であり、プリセット、染色工程でも
斑の発生が抑制され、さらに仕上げ型板セット等で高い
熱を受けても安定であり、製品編地の寸法バラツキが抑
制され、しかも、優れた強度特性および伸長・回復特性
を有する優れた伸縮編地製品とすることができる。
本発明に係る複合繊維は高いフィット性が要求される
繊維製品に広く使用できるが、特に、ストッキング用や
伸縮性トリコット製品用として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−156314(JP,A) 特公 昭55−36725(JP,B2) 特公 昭55−22570(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 8/12,8/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタン成分とポリアミド成分とを溶
    融複合紡糸した後に延伸することによりポリウレタン・
    ポリアミド系偏心複合繊維を製造する方法において、前
    記ポリウレタン成分が、低分子ジオール/ポリオールの
    重量比が18/82〜25/75の弾性ポリウレタンであること、
    および、前記延伸の後連続的に熱処理することを特徴と
    するポリウレタン・ポリアミド系複合繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】前記熱処理が、70〜160℃の熱処理温度で
    行われることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン
    ・ポリアミド系複合繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】前記熱処理が、前記延伸の後、弛緩するこ
    となく行われることを特徴とする請求項1記載のポリウ
    レタン・ポリアミド系複合繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】前記熱処理が、前記延伸の後、弛緩率15%
    未満の弛緩状態で行われることを特徴とする請求項1記
    載のポリウレタン・ポリアミド系複合繊維の製造方法。
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