JPH04297471A - 光学活性フタリドの製造方法 - Google Patents

光学活性フタリドの製造方法

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JPH04297471A
JPH04297471A JP3072016A JP7201691A JPH04297471A JP H04297471 A JPH04297471 A JP H04297471A JP 3072016 A JP3072016 A JP 3072016A JP 7201691 A JP7201691 A JP 7201691A JP H04297471 A JPH04297471 A JP H04297471A
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JP
Japan
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formula
reaction
phthalide
derivative
optically active
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Application number
JP3072016A
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English (en)
Inventor
Masato Watanabe
真人 渡辺
Naoki Araki
修喜 荒木
Yasuo Butsugan
佛願 保男
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キラルなフェロセン誘
導体を触媒とする不斉アルキル化反応を用いる光学活性
フタリドの製造方法に関し、さらに詳細にはキラルなフ
ェロセン誘導体触媒の存在下、o−フタルアルデヒド誘
導体とジアルキル亜鉛とを反応させて3−アルキル−2
−オキサインダン−1−オ−ル誘導体を得、これを酸化
することからなる光学活性フタリドの製造方法に関する
【0002】光学活性フタリドには植物セロリ中の精油
成分を構成する天然物であるものもあり(ジャ−ナルオ
ブケミカルソサイエティ,1963年,1916)、ま
たプロスタグランジンF2α阻害作用を有するものもあ
る(特開平1−199958号公報)ことから医薬、生
理活性物質等に役立つ有用な化合物である。本発明の光
学活性フタリドの製造方法は入手容易なo−フタルアル
デヒド誘導体を直接不斉アルキル化することに基づく方
法である。
【0003】
【従来の技術】従来、光学活性フタリドを製造する方法
としてはキラルなアリ−ルリチウムのアルデヒドへの不
斉付加反応(例えば、ケミストリ−レタ−ズ,1980
年,17等)、有機金属試薬のキラルなアリ−ルアルデ
ヒドへの不斉付加反応(テトラヘドロン,39巻,19
91(1983)等)、および2−バレリル安息香酸メ
チルの不斉修飾水素化リチウムアルミニウムによる還元
反応(例えば、特開平1−199958号公報等)を用
いる方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前者二つの
方法はあらかじめ反応剤あるいは基質を不斉源で修飾し
、反応後不斉源を除去しなければならず煩雑な操作が必
要とされる。また、いずれの方法も高価な不斉源を化学
量論量要することから、これらの製造法は工業的に利用
するのに適したものではなかった。
【0005】そこで本発明の目的は、高価な不斉源を触
媒量用い、基質として入手容易なo−フタルアルデヒド
誘導体の直接不斉アルキル化反応を用いる工業的利用に
適した方法で、高い光学純度を有する光学活性フタリド
を製造することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は式(I)
又は(II)で表されるフェロセン誘導体触媒の存在下
、式(III)で表されるo−フタルアルデヒド誘導体
とジアルキル亜鉛とを反応させて、式(IV)で表され
る3−アルキル−2−オキサインダン−1−オ−ル誘導
体を得、これを酸化することを特徴とする式(V)で表
される光学活性フタリドの製造方法に関する。
【0007】
【化6】
【0008】
【化7】
【0009】
【化8】
【0010】
【化9】
【0011】
【化10】 (式中R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲ
ン、あるいはメトキシ基を示し、R2は炭素数1〜6の
アルキル基を示し、Arは炭素数6〜10のアリ−ル基
を示し、また、C*は不斉炭素を示す。)以下、本発明
を詳細に説明する。
【0012】本発明で触媒として用いられる化合物は、
式(I)又は(II)の構造を有するキラルなフェロセ
ン誘導体である。式(I)及び(II)のArは炭素数
6〜10のアリ−ル基を示す。炭素数6〜10のアリ−
ル基としては、フェニル、2−メチルフェニル、4−メ
チルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2,4−ジ
メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−ブチルフェ
ニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,
4−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、4
−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、4−ニトロフ
ェニル、4−アセチルフェニル、2−メトキシフェニル
、4−メトキシフェニル等を挙げることができる。
【0013】上述の化合物は、例えば、以下のような方
法によって製造することができる。即ち、式(VI)又
は(VII)で示されるキラルなフェロセンのヨウ化物
と有機リチウム化合物とを反応させてリチオ化し、次い
でリチオ化物をベンゾフェノン誘導体と反応させること
により得られる。
【0014】
【化11】
【0015】
【化12】 上記リチオ化に用いる有機リチウム化合物としては、n
−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウム及びメチルリチウムを例示することができる
。これら有機リチウム化合物の使用量はフェロセンのヨ
ウ化物(VI)又は(VII)に対して0.1〜2.0
当量、好ましくは0.7〜1.5当量とすることが適当
である。また、これらの有機リチウム化合物はヘキサン
あるいはエ−テルの5〜30%溶液として使用すること
が好ましい。さらにリチオ化反応は、エチルエ−テル、
テトラヒドロフラン等のエ−テル類、及びベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水
素類の存在下で行うことが適当である。
【0016】この際の反応温度としては、−30〜50
℃、好ましくは−10〜30℃、反応時間としては、0
.1〜5時間、反応圧力としては、常圧から加圧、好ま
しくは1〜3気圧にて、窒素又はアルゴン雰囲気下で行
うことが望ましい。
【0017】次にリチオ化物とベンゾフェノン誘導体と
の反応は、好ましくはベンゾフェノン誘導体のエ−テル
溶液を反応系に添加することにより行なう。ベンゾフェ
ノン誘導体の使用量は、リチオ化に用いたフェロセンの
ヨウ化物(VI)又は(VII)に対して、0.1〜2
.0当量、好ましくは0.7〜1.5当量とすることが
適当である。
【0018】ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフ
ェノン、4,4´−ジメチルベンゾフェノン、2−メチ
ルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、3,4
−ジメチルベンゾフェノン、2,4−ジメチルベンゾフ
ェノン、4−エチルベンゾフェノン、4−ブチルベンゾ
フェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベン
ゾフェノン、3,4−ジクロロベンゾフェノン、2,4
−ジクロロベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾ
フェノン、4,4´−ジブロモベンゾフェノン、2−ニ
トロベンゾフェノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,
4´−ジニトロベンゾフェノン、2−アセチルベンゾフ
ェノン、4−アセチルベンゾフェノン、4,4´−ジア
セチルベンゾフェノン、2−メトキシベンゾフェノン、
4−メトキシベンゾフェノン、4,4´−ジメトキシベ
ンゾフェノン等があげられる。
【0019】この際、反応温度としては、−40〜70
℃、好ましくは−20〜40℃、反応時間としては、1
〜3時間、反応圧力としては、常圧から加圧、好ましく
は1〜3気圧にて窒素又はアルゴン雰囲気下で行うこと
が望ましい。
【0020】反応の終了は、反応系にリン酸水溶液等を
添加して行い、その後、エ−テル洗浄し、水相をアルカ
リ性とした後エ−テル抽出し、カラムクロマトグラフィ
−により目的生成物である式(I)又は(II)の化合
物を分取することができる。上記反応の原料化合物のう
ちベンゾフェノン誘導体は市販品を入手することもでき
る。一方、式(VI)又は(VII)で示されるキラル
なフェロセンのヨウ化物は特開平2−235896号公
報等に従って製造することができる。本発明において不
斉アルキル化されるカルボニル化合物としては式(II
I)で示されるo−フタルアルデヒド誘導体である。置
換基R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン
、あるいはメトキシ基を示し、ハロゲンとしては塩素、
臭素が好ましい。また、炭素数1〜6のアルキル基とし
ては例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プ
ロピル、n−ブチル、n−ヘキシル等を挙げることがで
きる。
【0021】o−フタルアルデヒド誘導体としては例え
ば、o−フタルアルデヒド、3−メチル−o−フタルア
ルデヒド、3−クロロ−o−フタルアルデヒド、3−メ
トキシ−o−フタルアルデヒド、4−メトキシ−o−フ
タルアルデヒドを挙げることができる。
【0022】本発明の製造方法に用いられるジアルキル
亜鉛としては炭素数1〜6のアルキル基を有するもので
ある。具体的には、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ(
n−プロピル)亜鉛、ジ(iso−プロピル)亜鉛、ジ
(n−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛等が用い
られる。これらジアルキル亜鉛はヘキサンあるいはトル
エンの0.5〜3.0M溶液として使用することが好ま
しい。
【0023】本発明の製造方法においては溶媒を用いる
ことが好ましい。該溶媒は反応に対し不活性なものであ
り、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水
素類、エチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テ
ル類が挙げられる。これらの溶媒はo−フタルアルデヒ
ド誘導体1重量部に対し、通常1〜100重量部、好ま
しくは5〜80重量部存在させる。
【0024】o−フタルアルデヒド誘導体とジアルキル
亜鉛とを反応させる際、o−フタルアルデヒド誘導体に
対しジアルキル亜鉛は0.5〜3.0当量、好ましくは
0.7〜1.8当量とすることが適当である。
【0025】光学活性な触媒である式(I)または(I
I)で表されるフェロセン誘導体の使用量はo−フタル
アルデヒド誘導体に対し通常0.5〜30モル%、より
好ましくは1〜20モル%である。
【0026】反応温度は通常、−10℃〜60℃、より
好ましくは0℃〜40℃である。
【0027】反応時間は0.1〜24時間が適当である
。反応圧力は常圧から加圧のいずれでもよいが、好まし
くは1〜3気圧下で行われる。また反応は窒素あるいは
アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
【0028】反応の進行状況は薄層クロマトグラフィ−
により判定することができる。反応を停止する際には、
希薄な酸性水溶液を添加し、抽出し、分取用薄層クロマ
トグラフィ−あるいはカラムクロマトグラフィ−により
目的生成物を分取することができる。生成物である3−
アルキル−2−オキサインダン−1−オ−ル誘導体の光
学純度はさらに水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元し
、得られた光学活性1−(2−ヒドロキシメチルフェニ
ル)アルカノ−ルのキラルカラムを用いた高速液体クロ
マトグラフィ−(HPLC)分析によって決定すること
ができる。一方、反応に用いた触媒は目的生成物の抽出
後の酸性液をアルカリ性とし、抽出により回収すること
ができる。
【0029】次に、この不斉アルキル化生成物である式
(IV)の化合物を酸化する。なお、式(IV)及び(
V)におけるR2はジアルキル亜鉛由来のものであり、
炭素数1〜6のアルキル基としては例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、n
−ヘキシル等を挙げることができる。該酸化反応は酸化
銀を酸化剤とする公知の技術(ヘルベチカヒミカアクタ
,55巻,249(1972))に従っても実施するこ
とができる。使用する他の酸化剤としてピリジニウムク
ロロクロメ−トおよび二酸化マンガン等が挙げられる。
【0030】本酸化反応の溶媒としては水、メタノ−ル
、エタノ−ル等を好適に使用することができる。これら
の溶媒は一種または二種の混合溶媒として用いることが
できる。
【0031】反応温度は通常0℃から80℃であり、好
ましくは20℃から70℃である。
【0032】反応終了後はクロマトグラフィ−および蒸
留等の一般的な精製手法により式(V)で表される化合
物を得ることができる。
【0033】この様にして本発明の方法により製造され
る光学活性なフタリド類としては、例えば(S)−3−
メチルフタリド、(S)−3−エチルフタリド、(S)
−3−(n−プロピル)フタリド、(S)−3−(is
o−プロピル)フタリド、(S)−3−(n−ブチル)
フタリド、(S)−3−(n−ヘキシル)フタリド、(
R)−3−エチルフタリド、(R)−3−(n−ブチル
)フタリド、(R)−3−(n−ブチル)−4−メトキ
シフタリド、(S)−3−(n−ブチル)−4−メトキ
シフタリド、(R)−3−(n−ブチル)−4−クロロ
フタリド等を好適なものとして挙げることができる。
【0034】
【実施例】以下本発明を参考例及び実施例によりさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0035】参考例1 アルゴン雰囲気下、撹はん機を有するガラス製常圧反応
装置に(R)−1−[(S)−2−ヨ−ドフェロセニル
]−1−ピペリジノエタン2.12g(5.01mmo
l)を加え、エチルエ−テル12mlに溶解させた。 氷冷後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液3.13m
l(1.60M,5.01mmol)を滴下した。5分
後、ベンゾフェノン911mg(5.00mmol)の
エチルエ−テル溶液15mlを加えた。室温下で1時間
反応させた後、8%リン酸水溶液を加えて反応を停止さ
せた。エチルエ−テルで酸性液を洗浄し、濃アルカリ水
溶液を加えてアルカリ性とした後、エチルエ−テルで抽
出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後残渣をア
ルミナカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:AcOE
t)により精製し、(R)−1−[(S)−2−(ジフ
ェニルヒドロキシメチル)フェロセニル]−1−ピペリ
ジノエタンを1.80g(3.75mmol,収率75
%)得た。
【0036】
【化13】 ・mp  62−69℃ ・[α]D22  −209.9°(c  0.490
,EtOH) ・1H  NMR(CDCl3)  δ  0.29−
1.70(m,6H),1.24(d,J=6.3Hz
,3H),2.25(t,J=5.7Hz,4H),3
.82(s,5H),3.89−4.01(m,1H)
,4.03−4.20(m,1H),4.20−4.3
7(m,1H),4.40(q,J=6.9Hz,1H
),6.98−7.45(m,8H),7.50−7.
75(m,2H),8.72(br  s,1H).・
IR(KBr)  3460,3100,3070,2
950,2840,1600,1444,1104,1
002,820,762,753,703cm−1参考
例2 (R)−1−[(S)−2−ヨ−ドフェロセニル]−1
−ピペリジノエタンの代わりに(S)−1−[(R)−
2−ヨ−ドフェロセニル]−1−ピペリジノエタンを用
い、さらにベンゾフェノンの代わりに4,4’−ジクロ
ロベンゾフェノンを用いた以外は参考例1と同様な操作
を繰り返して(S)−1−[(R)−2−{ジ(4−ク
ロロフェニル)ヒドロキシメチル}フェロセニル]−1
−ピペリジノエタンを収率83%で得た。
【0037】
【化14】 ・mp  81.0−88.5℃ ・[α]D22  +198.18°(c  0.66
0,EtOH) ・1H  NMR(CDCl3)  δ  0.40−
1.40(m,6H),1.21(d,J=6.9Hz
,3H),2.24(t,J=4.2Hz,4H),3
.83(s,6H),4.07−4.20(m,1H)
,4.20−4.55(m,2H),7.13(s,4
H),7.29,7.38,7.51,7.60(AB
  pattern,J=8.7Hz,4H),8.8
4(s,1H). ・IR(KBr)  3450,3100,2950,
2820,1590,1578,1490,1400,
1380,1095,1018,1000,820cm
−1 参考例3 (R)−1−[(S)−2−ヨ−ドフェロセニル]−1
−ピペリジノエタンの代わりに(S)−1−[(R)−
2−ヨ−ドフェロセニル]−1−ピペリジノエタンを用
い、さらにベンゾフェノンの代わりに4,4’−ジメト
キシベンゾフェノンを用いた以外は参考例1と同様な操
作を繰り返して(S)−1−[(R)−2−{ジ(4−
メトキシフェニル)ヒドロキシメチル}フェロセニル]
−1−ピペリジノエタンを収率50%で得た。
【0038】
【化15】 ・mp  84.0−90.0℃ ・[α]D22  +214.51°(c  0.66
0,EtOH) ・1H  NMR(CDCl3)  δ  0.20−
1.44(m,6H),1.24(d,J=6.9Hz
,3H),2.25(t,J=4.5Hz,4H),3
.71(s,3H),3.80(s,3H),3.83
(s,6H),  4.02−4.17(m,1H),
4.17−4.28(m,1H),4.38(q,J=
6.9Hz,1H),6.60,6.71,7.04,
7.15(AB  pattern,J=9.0Hz,
4H),6.82,6.90,7.45,7.57(A
B  patte  rn,J=9.0Hz,4H),
8.57(s,1H). ・IR(KBr)  3450,3100,2948,
2840,1605,1580,1508,1378,
1360,1250,1170,1107,1035,
1000,820cm−1 実施例1 アルゴン雰囲気下、撹はん機を有するガラス製常圧反応
装置に参考例1で得た(R)−1−[(S)−2−(ジ
フェニルヒドロキシメチル)フェロセニル]−1−ピペ
リジノエタン(230mg,0.48mmol,5mo
l%)、及びo−フタルアルデヒド(1.29g,9.
62mmol)、及びヘキサン40mlを加えた。この
混合物に室温でジエチル亜鉛のヘキサン溶液(12ml
,1M,12mmol)を加え、室温で1時間反応させ
た。氷冷した後、1N塩酸を加えて反応を停止させた。 得られた混合物をエ−テルで抽出し、有機相を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精
製し、収率95%で(3S)−3−エチル−2−オキサ
インダン−1−オ−ル(1.50g,9.14mmol
)を得た。
【0039】一方、エ−テルで抽出したあとの酸性水溶
液は濃水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とし
た後、エ−テルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。濃縮後、残渣をアルミナTLC(ヘキサン:エーテ
ル=4:1)で精製したところ、(R)−1−[(S)
−2−(ジフェニルヒドロキシメチル)フェロセニル]
−1−ピペリジノエタンが90%(210mg)回収さ
れた。
【0040】(3S)−3−エチル−2−オキサインダ
ン−1−オ−ル・mp  60−64℃・[α]D22
  −40.4°(c  1.87,C6H6) ・1H  NMR(CDCl3)  δ  0.92(
t,J=7.3Hz,1.5H)  ,1.00(t,
J=7.1Hz,1.5H),1.46−2.25(m
,2  H),3.36(br  d,J=7.5Hz
,0.5−OH),3.47(b  r  d,J=7
.5Hz,0.5−OH),5.12(t,J=5.0
Hz,  1.5H),5.25−5.52(m,0.
5H),6.28−6.60(m,  1H),7.0
2−7.60(m,4H). ・IR(KBr)  3370,3040,2960,
2940,2880,1610,1460,1360,
990,910,755cm−1 ・Anal.Calcd  for  C10H12O
2:C,73.15;H,7.37. Found:C,73.43;H,7.38.次に、硝
酸銀(2.22g,13.1mmol)を水3mlに溶
解し、水冷下で水酸化ナトリウム(1.03g,25.
8mmol)の水/メタノ−ル(=2/3)溶液5ml
を加えた。50℃に昇温した後、メタノ−ル1mlに溶
解した(3S)−3−エチル−2−オキサインダン−1
−オ−ル(490mg,2.98mmol)を加えた。 50℃で1時間後、反応混合物をガラスフィルタ−で濾
過した。水/メタノ−ル=1/1で洗浄し、濾液に1N
塩酸水溶液を加えて酸性とした後、エ−テルで抽出した
。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を減圧下で蒸留し、収率
81%で(S)−3−エチルフタリド(390mg,2
.40mmol)を得た。 ・bp  160℃(bulb−to−bulb,ov
en)/1mmHg. ・[α]D22  −69.8°(c  1.10,C
HCl3) ・1H  NMR(CDCl3)  δ  1.00(
t,J=7.5Hz,3H),1.55−2.40(m
,2H),5.45(dd,J=4.4Hz,7.5H
z,1H),7.32−8.03(m,4H).・IR
(neat)  3050,2970,1758,16
10,1595,1460,1280,1060,96
0cm−1 なお、(3S)−3−エチル−2−オキサインダン−1
−オ−ルの光学純度(%ee)を決定するために以下の
実験を行った。
【0041】(3S)−3−エチル−2−オキサインダ
ン−1−オ−ル(32mg,0.20mmol)を1m
lのエタノ−ルに溶解し、0℃に冷却した。水素化ホウ
素ナトリウム(20mg,0.53mmol)を加えた
後、室温で10分間反応させた。水を加えて反応を停止
させた後、エ−テル抽出した。有機相を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシ
リカゲル薄層クロマトグラフィ−で精製し、収率93%
で(S)−1−(2−ヒドロキシメチルフェニル)プロ
パノ−ル(32mg,0.19mmol)を得た。 ・mp  53−56℃ ・[α]D22  −16.1°(c  0.875,
CHCl3) ・1H  NMR(CDCl3)  δ  0.94(
t,J=7.5Hz,3H),1.58−2.05(m
,2H),3.24(br  s,2H),4.63(
d,J=2Hz,2H),4.76(t,J=7.0H
z,1H),7.07−7.55(m,4H).・IR
(KBr)  3350,3060,2960,294
0,1600,1450,1380,1005,903
,758cm−1 光学純度:  93%ee HPLC分析条件 ・カラム:  CHIRALCEL  OB,(4.6
×250mm) ・移動相:  ヘキサン/2−プロパノ−ル=94/6
・流  速:  0.20ml/min・検  出: 
 UV  254nm ・保持時間:  S体,33.0分;  R体,40.
9分実施例2 ジエチル亜鉛のかわりにジ(n−ブチル)亜鉛を用いた
以外は実施例1と同様な操作を繰り返して(3S)−3
−(n−ブチル)−2−オキサインダン−1−オ−ルを
収率50%で得た。 ・[α]D22  −37.6°(c  1.13,C
6H6) ・1H  NMR(CC14)  δ  0.91(b
r  s,3H),1.08−2.00(m,6H),
3.70(br  s,OH),5.02(t,J=4
.5Hz,0.5H),5.10−5.40(m,0.
5H),6.12−6.43(m,1H),6.90−
7.048(m,4H)・IR(neat)  337
0,3030,2930,2860,1600,146
0,1350,1180,1110,990,750c
m−1 次に、実施例1と同様に、(3S)−3−(n−ブチル
)−2−オキサインダン−1−オ−ルを酸化し、収率8
0%で(S)−3−(n−ブチル)フタリドを得た。 ・bp  180℃(bulb−to−bulb,ov
en)/1mmHg. ・[α]D22  −61.4°(c  1.97,C
HCl3) ・1H  NMR(CDCl3)  δ  0.91(
t,J=7.3Hz,3H),1.10−2.30(m
,6H),5.48(dd,J=4.2Hz,6.9H
z,1H),7.30−8.10(m,4H).・IR
(neat)  3080,2960,1760,16
10,1595,1463,1282,1208,10
60,720,695cm−1(3S)−3−(n−ブ
チル)−2−オキサインダン−1−オ−ル(21mg,
0.11mmol)と水素化ホウ素ナトリウム(18m
g,0.48mmol)から収率94%で(S)−1−
(2−ヒドロキシメチルフェニル)ペンタノ−ル(20
mg,0.10mmol)を得た。 ・mp  68−72℃ ・[α]D22  −21.7°(c  0.608,
CHCl3) ・1H  NMR(CDCl3)  δ  0.90(
t,J=6.4Hz,3H),1.03−2.08(m
,6H),3.09(br  s,2H),4.65(
d,J=2Hz,2H),4.85(t,J=6.8H
z,1H)7.10−7.65(m,4H).・IR(
KBr)  3340,3080,2950,2860
,1600,1450,1380,1040,1010
,760cm−1 ・光学純度:  90%ee ・移動相(HPLC):  ヘキサン/2−プロパノ−
ル=96/4 ・保持時間:  S体,46.8分;  R体,56.
0分実施例3〜6 不斉触媒、触媒量、及びジアルキル亜鉛を表1に示した
化合物及び値とした以外は実施例1と同様な操作を繰り
返して(3R)−3−アルキル−2−オキサインダン−
1−オ−ルを得た。結果を表1に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、式(I)又は(II)
で表されるキラルなフェロセン誘導体を触媒として用い
ることにより、高い光学純度を有する光学活性フタリド
の両対掌体を効率よく得ることができる。さらに本発明
では高価な不斉源が触媒量で済むのみならず、不斉アル
キル化反応を室温付近の極めておだやかな条件下におい
て高立体選択性をもって達成することができる。従って
、その工業的価値は高い。
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)又は(II)で表されるフェロセ
    ン誘導体触媒の存在下、式(III)で表されるo−フ
    タルアルデヒド誘導体とジアルキル亜鉛とを反応させて
    、式(IV)で表される3−アルキル−2−オキサイン
    ダン−1−オ−ル誘導体を得、これを酸化することを特
    徴とする式(V)で表される光学活性フタリドの製造方
    法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (式中R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲ
    ン、あるいはメトキシ基を示し、R2は炭素数1〜6の
    アルキル基を示し、Arは炭素数6〜10のアリ−ル基
    を示し、また、C*は不斉炭素を示す。)
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