JPH0429741A - 酸素吸収用組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は水分、酸素、酸性物質等の吸収機能を有して、
金属類、金属製品、乾燥食品、医薬品、写真フィルム、
古文書、絵画、押し花等の保存に好適に用いられる酸素
吸収用組成物に関する。

（従来の技術） 酸素吸収剤として特公昭６２−０４０８８０においてカ
テコール、アスコルビン酸、金属粉を主成分とした酸素
吸収剤を用いる方法が提案されていた。しかし、これら
の酸素吸収剤は酸素を吸収するのに水分を必要とし、酸
素吸収剤と共存すると水分の蒸散で金属表面に錆が発生
したり、保存対象物が湿気たりする欠点を持っていた。

この水分の蒸散を防ぐ方法として酸素吸収剤と乾燥剤を
併用する方法が特開昭５６−１５３７８において提案さ
れていた。

しかし、この方法は酸素吸収剤から乾燥剤に水分が移行
し、酸素吸収が途中で停止したり、乾燥剤の乾燥機能が
低下した。この酸素吸収の停止と対象物を包装している
包装フィルムから透過してくる酸素により、系内酸素濃
度が増加して保存効果が消滅する問題を持っていた。

こうした酸素吸収剤の欠点を改良した方法として、酸素
吸収に水分を必要としない酸素吸収剤として特開昭５６
−１５５６４１　、特開昭６３−１９８９６２　、特開
平１−６７２５２、特開昭６１−２８５９７３において
不飽和脂肪酸化合物を主剤にした酸素吸収剤が提案され
ていた。しかし、これらは酸素吸収速度と酸素吸収量が
小さいため酸素吸収組成物の使用量が多くなるとか、長
期間の保存に使用すると被保存物とともに密封した容器
内の酸素濃度が容器内にわずかに浸透してくる酸素と水
分により徐々に増してくるといったことのため対象物の
保存効果に限界を持っていた。

（発明が解決する問題点） 本発明は酸素吸収組成物を用いた物品の保存方法におい
て、この酸素吸収組成物の酸素吸収速度と酸素吸収量の
増大により保存対象物の保存効果を向上することを目的
とする。

（発明の手段） 本発明は不飽和脂肪族炭化水素および／または不飽和脂
肪族化合物を主剤とし、かつ酸素吸収を促進する物質を
含んでいることを特徴とする酸素吸収用組成物に関する
。

本発明の酸素吸収用組成物は酸素、水分、酸性物質を吸
収することで保存効果を発揮させるものである。この組
成物は酸素を吸収するための主剤と酸素吸収を促進する
物質とから構成される。主剤は不飽和脂肪族炭化水素お
よび／または不飽和脂肪族化合物であり、酸素吸収を促
進する物質としては触媒、吸着剤、塩基性物質あるいは
担持体などである。なお、吸着剤は担持体をも兼ねるこ
ともある。

すなわち本発明の組成物は不飽和脂肪族炭化水素および
／または不飽和脂肪族化合物（Ａ）に、塩基性物質（Ｂ
）、吸着剤（Ｃ）、触媒（Ｄ）、担持体（Ｅ）、あるい
は発熱防止剤（Ｆ）のうちの二種以上を加えた組成物で
ある。

本発明の不飽和脂肪族炭化水素および／または不飽和脂
肪族化合物（Ａ）は酸素を吸収する主剤であり、不飽和
結合を持った炭素数７以上の不飽和脂肪族炭化水素化合
物である。不飽和脂肪族炭化水素として具体的にはイソ
プレンあるいはブタジェンの重合物、アセチレンの重合
物、あるいはスクアレンなどが挙げられ、不飽和脂肪族
化合物としては鎖状部分に不飽和二重結合を有したアル
コール類、アルデヒド類、カルボン酸類、エーテル類、
ケトン類あるいはアミン類等であるが、特にこれらに限
定するものではない。これらの不飽和脂肪族炭化水素お
よび／または不飽和脂肪族化合物は一種または二種以上
の混合物として用いられる。特に不飽和脂肪族炭化水素
と不飽和脂肪酸化合物とからなる主剤が酸素吸収速度と
酸素吸収量が増大して好ましい。この不飽和脂肪酸化合
物は具体的にオレイン酸、リルン酸、リノール酸、トウ
ハク酸等の不飽和脂肪酸およびこれら不飽和脂肪酸のト
リグリセライドである動物油、植物油、さらにこれらの
遷移金属塩などの不飽和脂肪酸化合物である。この不飽
和脂肪酸遷移金属塩は触媒としても用いることができる
。

これらの不飽和脂肪族炭化水素あるいは不飽和脂肪族化
合物中に飽和脂肪族化合物が混入しても何ら支障がない
。

塩基性物質（Ｂ）は不飽和脂肪族炭化水素あるいは不飽
和脂肪族化合物が酸素を吸収することにより生成した酸
性物質とか、系内にある酸性物質を吸着したり、水分を
吸収する物質等である。具体的にはアルカリ金属、アル
カリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩あ
るいはアミン化合物が挙げられる。好ましくはアルカリ
土類金属の酸化物が挙げられ、特に好ましくは酸性物質
と同時に水分も吸収する酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウムである。

吸着剤（Ｃ）は不飽和脂肪族炭化水素あるいは不飽和脂
肪族化合物が酸素を吸収したことによって生成する分解
物質、または水分の吸着と、酸素吸収速度の増大または
組成物の製造を容易にする物質である。具体的にはシリ
カゲル、活性白土ゼオライト、活性炭、パーライト等で
ある。

また１１湿荊として用いる平衡湿度が７０ＲＨ％以下の
グリセリンなどの液状有機物質も挙げられる（以下水分
を吸着する物質を乾燥剤と称する）。

触媒（Ｄ）は主剤の酸素吸収速度を増大させるものであ
り、遷移金属および／またはその化合物である。具体的
には鉄、コバルト、クロム、銅、ニッケル等の遷移金属
類およびこれらの化合物としては硫酸塩、塩化物、硝酸
塩等の無機塩、脂肪酸塩等の有機酸塩、アミン化合物と
の錯化合物等が挙げられる。

担持体（Ｅ）は主剤を担持し、組成物の形状を維持する
一方、酸素との接触面積を増大させて酸素吸収速度を増
大させるものである。具体的にはパルプからなる紙、ポ
リエチレン等のオレフィン系樹脂からなる不織布であり
、あるいはシリカゲル、活性白土、ゼオライト、活性炭
、パーライト等の粒状物であり、この担持体に本発明の
酸素吸収組成物の主剤を含浸させたり、混合したりして
用いる。

発熱防止剤（Ｆ）とは大量の包装体が大気に暴露した時
に発熱し、自然発火するのを防止するために添加する物
であり、摂氏１０度以上５０度以下で固体であり、摂氏
５０度から２３０度までのいずれかの温度において液状
となり流動性を示す物質である。

この酸素吸収用組成物は不飽和脂肪族炭化水素および／
または不飽和脂肪族化合物を含む組成物であれば特に限
定するものではないが、（Ａ）と（Ｂ）と（Ｃ）と（Ｄ
）からなる組成物−１、（Ａ）と（Ｂ）と（Ｃ）と（Ｄ
）と（Ｆ）からなる組成物−２、（Ａ）とＣＢ）と（Ｃ
）と（Ｄ）と（Ｅ）からなる組成物−３、（Ａ）と（Ｃ
）と（Ｄ）からなる組成物−４、（Ａ）と（Ｂ）と（Ｄ
）とからなる組成物−５、等であり、特に顆粒状の原末
である組成物−１は酸素吸収性能の点から好ましい。又
シート状になる組成物−３はダストの発生がなく好まし
い。

又組成物−１或いは組成物−２をプレスして錠剤状に成
形することもできる。

これらの組成物の製造は特に限定するものではないが、
（Ａ）に（Ｄ）を添加後、これを（Ｃ）に担持し、その
表面に（Ｂ）および／または（Ｆ）をまぶして製造する
方法、あるいは（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）、（Ｆ
）それぞれの互いの各組合せからなる複数の混合物をさ
らに均一に混合しながら造粒する造粒法、あるいは（Ａ
）に（Ｄ）を添加後、これを（Ｅ）に含浸したシート（
Ｉ）と、液状有機物および／またはアミン化合物を　（
Ｅ）に含浸したシート（Ｉ［）を重ねてシート状とする
製造方法が挙げられる。

この組成物の組成比は（Ａ）の１００重量部に対して（
Ｂ）が０．　１〜１０００重量部、（Ｃ）が５０〜２０
００重量部、（Ｄ）が０．０１〜７５部、（Ｅ）が１０
０〜５０００重量部、（Ｆ）が０．５〜１００重量部で
ある。

これらの組成物は通気性包材に包装され、包装体として
、保存対象物と共に密封して使用される。

（発明の効果） 本発明は不飽和脂肪族炭化水素および／または不飽和脂
肪族化合物を主剤とする組成物を提供するものであり、
これを用いることにより酸素吸収速度、酸素吸収量が増
大し、保存対象物の保存効果を著しく向上させた。

以下実施例によって本発明の酸素吸収組成物の効果を具
体的に説明する。

実施例１〜７　（顆粒状組成物の製造）各種の不飽和脂
肪族炭化水素またはこれに不飽和脂肪酸化合物を加えた
混合物１．０ｇに、触媒０．２ｇを熔かしあるいは縣濁
させ、これらを粒状吸着剤５ｇに含浸した後、消石灰０
．５ｇを粒状吸着剤の表面にまぶして、顆粒状組成物を
製造した。これらの組成物の組成および酸素０．１χに
到達するまでの時間、最大酸素吸収量、系内酸素濃度の
経時変化を表−１に示す。

実施例８〜１０ カッターミキサーでイソプレン重合物（分子量５０００
）　０．　５　ｇと大豆油脂肪酸０．５ｇに触媒として
不飽和脂肪酸遷移金属塩を添加した混合液、粉末状塩基
性物質、そして粉末状吸着剤と均一に混合した。この混
合物を２５°Ｃ１１０分間放置すると固い塊状物になり
、これを粉砕機で粉砕して約３ｍｍの顆粒状組成物を製
造した。これらの組成物の組成および酸素０．１χに到
達するまでの時間、最大酸素吸収量、系内酸素濃度の経
時変化を表−２に示す。

実施例１１ ブタジェン重合物０．５ｇとトール油脂肪酸０．５ｇの
混合物にトール油脂肪酸コバル）　０．３ｇを添加し、
坪量１００ｇ／ｒｒｆのクラフトバルブシート５Ｘ５Ｃ
１１１に含浸したシート（１）と、グリセリン（ダイナ
マイト用）０．７ｇとトリエタノールアミン０．１ｇの
混合液を坪量１００ｇ／ｒｒｆのクラフトバルブシート
５Ｘ５Ｃ１１に含浸したシート（ＩＩ）とを製造した。

このシート状組成物の酸素０．１χに到達するまでの時
間、最大酸素吸収量、系内酸素濃度の経時変化を表−２
に示す。

（包装体の製造） 実施例１〜１０で製造した組成物と顆粒状酸化カルシウ
ム２．５ｇをシリコン樹脂をコートした包材７０Ｘ７０
ｍｍの開孔ポリエチレン面を内側にして包装し、周囲を
ヒートシールして包装体を製造した。

実施例１１で製造した組成物シート（■）および（ＩＩ
）の各−枚ずつを重ね、シリコン樹脂をコートした包材
７０Ｘ７０ｍｍに包装した包装体を製造した。

この包装体の製造に用いた包材は５０ｇ／ｎ（の上質紙
にシリコン樹脂子ツマ−（トーレーシリコン（株）製Ｓ
Ｄ７３２　Ｂ、樹脂分３０％トルエン溶液）１００部に
触媒（トーレーシリコン（株）製５ＲＸ２１２）０．６
部と共にトルエン５００部に溶かし、その溶液を紙１部
当たり２０ｇ（樹脂分１ｇ／ボ）をコートし、１４０°
Ｃ，１分間でシリコン樹脂を重合させた。

このシリコン樹脂をコートした紙の反対面に開孔ポリエ
チレン（新日本アルク（株）開孔Ｂタイプ）をラミネー
トし、この面を内側にして１４０°Ｃ１１５ｋｇ／ｒｆ
ｆ、３秒間の熱圧で接着し製造したものである。

（酸素吸収速度） 包装体１個を塩化ビニリデンコート延伸ナイロン／ポリ
エチレン複合フィルム製袋１５×２０ＣＩ１１に空気２
５０Ｉｄと共に密封し、２５°Ｃで保存した。

この袋内の酸素濃度の経時変化を測定し、酸素濃度０．
１％に到達するまでの時間を求め、酸素吸収速度とした
。その結果を表−１，２および３に掲げる。酸素濃度０
．　１％に到達した後、このままで４０°ｃ、ＲＨ１０
０％の雰囲気下で保存し、系内酸素濃度の経時変化を測
定した。その結果を表−１，２および３に示す。

（最大酸素吸収量） 包装体１個を塩化ビニリデンコート延伸ナイロン／ポリ
エチレン複合フィルム製袋２５Ｘ３０Ｃ１１１に空気１
０００ｄと共に密封し、２５°Ｃで保存した。

この袋内の一箇月後の酸素濃度の低下より求めた吸収量
を酸素吸収量とした。その結果を表−１，２および３に
掲げる。

比較例１ ６０メツシユ以下の還元鉄粉１ｇと粉末活性炭１ｇの混
合物に１０％塩化カルシウム水溶液０．２ｇを均一に添
加して、酸素吸収用組成物を製造した。この組成物を実
施例−１〜７と同じ包材および方法で包装し、酸素吸収
組成物包装体を製造した。この包装体の酸素吸収速度と
最大酸素吸収量および系内酸素濃度の経時変化を実施例
１〜７と同じ方法で測定した。その結果を表−３に掲げ
る。

比較例２ 比較例１の包装体と、シリカゲル（Ａ型）３ｇを実施例
１に用いたものと同じ包材で包装したものと一緒にして
、酸素吸収速度と最大酸素吸収量および系内酸素濃度の
経時変化を実施例１と同じ方法で測定した。その結果を
表−３に掲げる。

比較例３ トール油脂肪酸１．０ｇに大豆脂肪酸コバルト０．２ｇ
を溶かし、粒状ゼオライト５ｇに含浸した後、この表面
に消石灰０．５ｇをまぶして、顆粒状組成物を製造した
。この組成物を実施例−１〜７と同じ包材および方法で
包装し、酸素吸収包装体を製造した。この包装体の酸素
吸収速度と最大酸素吸収量および系内酸素濃度の経時変
化を実施例１〜７と同じ方法で測定した。その結果を表
−３に掲げる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 不飽和脂肪族炭化水素および／または不飽和脂肪族化合
   物を主剤とし、かつ酸素吸収を促進する物質を含んでい
   ることを特徴とする酸素吸収用組成物。