JPH04295728A - 音響伝達特性模擬方法 - Google Patents

音響伝達特性模擬方法

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JPH04295728A
JPH04295728A JP3060538A JP6053891A JPH04295728A JP H04295728 A JPH04295728 A JP H04295728A JP 3060538 A JP3060538 A JP 3060538A JP 6053891 A JP6053891 A JP 6053891A JP H04295728 A JPH04295728 A JP H04295728A
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Yoichi Haneda
陽一 羽田
Shoji Makino
昭二 牧野
Yutaka Kaneda
豊 金田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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    • H04S2420/01Enhancing the perception of the sound image or of the spatial distribution using head related transfer functions [HRTF's] or equivalents thereof, e.g. interaural time difference [ITD] or interaural level difference [ILD]
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、音響エコーキャンセ
ラ(反響消去装置)、音像シミュレータ、残響除去、騒
音能動制御などの、音響伝達特性の模擬を必要とする音
響装置、音響信号処理方式に用いられ、音源から受音器
に至る音響伝達特性を模擬する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】音響伝達特性模擬方法とは、対象とする
音響系(たとえば室内音場)内に置かれた音源から受音
器に至る音響伝達特性を模擬する方法を意味する。この
明細書では、対象とする音響系の伝達特性を真の音響伝
達特性H(z)で表し、音響伝達特性模擬方法によって
模擬される伝達特性を模擬伝達特性H’(z)と呼ぶ。 また、信号は離散信号であると仮定して以降の説明を行
なうが、信号が連続信号である場合にも全く同様の議論
が成立する。離散信号において、信号の時間表現は、時
間を表す整数パラメータtで例えばx(t)と表現され
、またその周波数表現はz変換を用いてX(z)と表さ
れる。
【0003】図1Aは、室内に於ける真の音響伝達特性
H(z)について説明する図である。室内空間11内に
音源(例えばスピーカ)と受音器(例えばマイクロホン
)13とを配し、入力端14に信号X(z)を入力して
音源12から前記信号X(z)を出力すれば、前記信号
X(z)は室内空間11内の真の音響伝達特性H(z)
の影響を受けて受音器13に達する。受音器13におい
て受音された信号Y(z)は出力端15から出力される
。真の音響伝達特性H(z)は入力端14に入力される
入力信号X(z)に対する出力端15における出力信号
Y(z)の入出力関係を記述するものであり、    
  H(z)=Y(z)/X(z)         
                 (1)と表現され
る。このH(z)は、同一室内空間内においても音源1
3と受音器14との空間的配置が異なればその特性が異
なる。
【0004】音響伝達特性の模擬とは、前記信号の入出
力関係である真の音響伝達特性H(z)を電気的フィル
タなどを用いて模擬することである。図5Bはこれを説
明する図である。フィルタ16の伝達特性は模擬伝達特
性H’(z)であり、模擬伝達特性H’(z)が図5A
の真の音響伝達特性H(z)と等しいとき、図5Aの入
力端14の信号X(z)と同じ信号をフィルタ16の入
力端17に入力すれば、模擬伝達特性H’(z)を持つ
フィルタ16を通って出力端18に出力される出力信号
Y’(z)は図5Aの出力端15の信号Y(z)と等し
くなる。
【0005】従来最も広く利用されている音響伝達特性
模擬方法は、真の音響伝達特性H(z)をMA(Mov
ing  Average)モデル、または全零モデル
と呼ばれるモデルであると仮定して模擬する方法である
。 MAモデルを利用する場合には、模擬伝達特性H’MA
(z)は、
【0006】
【数1】 と表現される。(2)式で表される伝達特性をフィルタ
として実現したものを以降MAフィルタと呼ぶ。また、
(2)式におけるh’n はMA係数と呼ばれ、NはM
Aフィルタ次数と呼ぶことにする。MAフィルタは、具
体的には、FIRフィルタを利用して実現することが可
能である。
【0007】MAフィルタを用いた場合の時間領域にお
ける入出力関係は、入力信号をx(t)、出力信号をy
’(t)とすると、MA係数h’n を用いて、
【00
08】
【数2】 と表されることが知られている。図5Cは、MAフィル
タを利用した音響伝達特性模擬方法を説明する図である
。MAフィルタ19はフィルタ係数としてh’n を持
つ。真の音響伝達特性H(z)のインパルス応答をh(
t)と表した時、良く知られているように、h’n =
h(n)と定めれば、誤差最小の模擬が実現される。
【0009】ところで、MAフィルタを用いて音響伝達
特性H(z)の模擬を行なう場合、一般に対象となる室
内の残響時間に対応したフィルタ次数を要し、装置規模
が大きくなる欠点を持つ。また、音源と受音器との位置
が変化し、真の音響伝達特性が変動した場合には、全て
のMAフィルタ係数を変更しなければならないという問
題が生じる。この問題は、高速に未知の音響伝達特性を
推定し模擬する必要のある音響エコーキャンセラなどに
おいては、疑似反響路の全ての係数を推定し直すことに
相当し、音響伝達特性変動による反響消去量の低下、全
ての係数適応による遅い収束という深刻な問題となる。
【0010】次に、真の音響伝達特性をARMA(Au
toregressive  Moving  Ave
rage)モデルまたは極零モデル(pole−zer
o  model)と呼ばれるモデルであると仮定して
模擬を行う第2の従来方法について説明する。ARMA
モデルを利用する場合には、模擬伝達特性H’AR(z
)は、
【0011】
【数3】 と表現される。(4)式または(5)式で表される伝達
特性H’AR(z)をフィルタとして実現したものを以
降ARMAフィルタと呼ぶ。さらに、(4)式および(
5)式の分母をA’(z)、分子をB’(z)とそれぞ
れ表した時、B’(z)で表される伝達特性をフィルタ
として実現したものをMAフィルタと呼ぶ。B’(z)
は、前記MAモデルに基づいた(2)式の表現と同一形
式であるので、特に混乱がない限り同一の呼称とする。 また、1/A’(z)で表される伝達特性をフィルタと
して実現したものをARフィルタと呼ぶ。さらにこの明
細書においては、A’(z)の特性、または(1−A’
(z))の特性を実現したフィルタもARフィルタと呼
ぶことにするが、これらはA’(z)型のARフィルタ
、(1−A’(z))型のARフィルタと呼んで区別す
る。また、(4)式におけるa’n はAR係数、b’
n はMA係数と呼び、a’n およびb’n を併せ
てARMA係数と呼ぶ。さらに、PはARフィルタ次数
、QはMAフィルタ次数と呼ぶ。(5)式は(4)式の
分母分子の多項式をそれぞれ因数分解した形で表現した
ものであって、Ze ’ i は伝達特性H’AR(z
)を零とするため零点、Zp ’ i は伝達特性H’
AR(z)を無限大とするため極とそれぞれ呼ばれる。 このARMAフィルタは、具体的に、IIRフィルタを
利用して実現することが可能である。
【0012】(4)式、(5)式の関係から明らかなよ
うに、極はAR係数に、零点はMA係数にそれぞれ一対
一に対応している。ARMAフィルタを用いた場合の時
間領域における入出力関係は、入力信号をx(t)、出
力信号をy’(t)とすると、AR係数a’n とMA
係数b’n を用いて、
【0013】
【数4】 と表せることが知られている。さて、(4)式および(
5)式で表される模擬伝達特性は、H’AR(z)=B
’(z)/A’(z)=B’(z)(1/A’(z))
のように表すことができる。従って、ARMAフィルタ
を用いて音響伝達特性の模擬を行なうときの構成例は図
5Dに示すように表せる。つまり1/A’(z)の特性
を持つARフィルタ21と、B’(z)の特性を持つM
Aフィルタ22とを直列に接続したものとなる(図にお
いて、ARフィルタ21とMAフィルタ22とを入れ替
えても等価に模擬が行なえる)。
【0014】次に、真の音響伝達特性H(z)を良好に
模擬するために必要なARMA係数a’n 、b’n 
を得る方法について説明する。第1の方法として零点と
極との値よりARMA係数を得る方法、また第2の方法
として入出力関係からWiener−Hopfの正規方
程式などを用いてARMA係数を計算する(以降、入出
力関係からARMA係数を計算することをARMAモデ
ル化と呼ぶ。)方法などがある。以下、それぞれの方法
について説明する。
【0015】第1の方法は、零点の数をQ、極の数をP
、零点のz平面上での各位置をZei(i=1,2,3
,…Q)、極の各位置をZpi(i=1,2,3,…P
)とした時に、その各値が音響理論などに基づき知るこ
とが可能な場合に、それらの値を(5)式に値を代入し
、(4)式の形に展開してAR係数a’n とMA係数
b’n とを決定する方法である。しかし、多くの実際
の室内の場合、極と零点の値を知ることは困難である。
【0016】第2の方法は、先ず対象とする音響系内に
置かれた音源と受音器において、音源に与える入力信号
x(t)に対する受音器での出力信号y(t)を観測す
る。ここで、入出力関係は(6)式のように記述される
と仮定する。また、零点の数Qと極の数Pは模擬すべき
伝達特性や必要とされる模擬精度を考慮してあらかじめ
決定する。今、仮定したARMAフィルタの出力信号y
’(t)と真の出力信号y(t)との差がある意味で最
小になれば、ARMAフィルタによる音響伝達特性の良
好な模擬が実現できたと考えられる。ここで、ARMA
フィルタの出力信号y’(t)と真の出力信号y(t)
との差         e(t)=y(t)  −y’(t)
                  (7)の自乗誤
差の期待値が最小になるようなARMA係数を求めるこ
とを考えると、良く知られているWiener−Hop
fの正規方程式を解く方法が適用できる。今、(6)式
を用いて(7)式の自乗誤差の期待値は、期待値をEで
表すと
【0017】
【数5】 と表せる。εをa’n (n=1,2,3,…P)、b
’n (n=0,1,2,3,…Q)で偏微分したとき
の全ての導関数が同時に零になるとき、自乗誤差の期待
値は最小となる。しかし、(8)式においてy’(t)
の値はa’n 、b’n の値が決定した後でないと求
められないのでy’(t)を真の出力信号y(t)に置
き換えて自乗誤差期待値の最小化を行なう(この方法は
式誤差最小と呼ばれる一般的な方法である)。(8)式
のa’n 、b’n の導関数は
【0018】
【数6】 となる。これらが同時に零になるよう連立方程式(正規
方程式)を解けばARMA係数a’n 、b’n の値
を求めることができる。以上述べた正規方程式を使用す
る以外にも、逐次推定アルゴリズムであるRLS、LM
S、学習同定法などを用いても自乗誤差最小の模擬を行
うARMA係数の決定を行なうことができる。
【0019】ARMAフィルタを用いて音響伝達特性の
模擬を行なう第2の従来方法はMAフィルタのみを用い
る第1の従来方法に比べて、フィルタ次数が小さくなる
という長所がある。即ち、(2)式におけるNと(4)
式におけるP、Qを用いるとP+Q<Nの関係が一般に
成立し、演算量が削減できるため装置規模が縮小できる
という利点がある。しかし、第2の従来方法においても
第1の従来方法の場合と同様に、音源と受音器の位置の
変化に対し、全てのARMA係数を変更しなければなら
ないという問題点がある。また、AR係数とMA係数の
両方を推定する方法は、MA係数のみの推定に比べてあ
る程度の収束速度を確保しようとすると複雑な推定法が
必要となるということが大きな問題となる。
【0020】図6Aに適応型MAフィルタ(FIRフィ
ルタ)を用いた従来の音響エコーキャンセラ(以下、エ
コーキャンセラと略称する)の構成を示す。拡声通話系
などにおいて、受話信号入力端23からの受話信号がス
ピーカ24から再生されその再生された受話信号がマイ
クロホン25で受音され、送話信号として送話信号出力
端26へ送出されること(音響エコー)を防止するため
にエコーキャンセラが用いられた。そのために、適応型
MAフィルタ27を用いて音響伝達特性模擬回路28を
構成し、スピーカ24からマイクロホン25までの室内
音響伝達特性H(z)を模擬し、その入力端23の受話
信号を音響伝達特性模擬回路28を通して擬似エコーを
作り、これにより信号減算部29においてマイクロホン
25で受音された音響エコーを消去する。この室内音響
伝達特性H(z)はマイクロホン25の移動などによっ
て変化するため、適応型フィルタを用いて逐次推定・模
擬の適応動作を行う必要がある。
【0021】しかし、適応型MAフィルタ27を用いた
エコーキャンセラは、前述したようにフィルタ次数が大
きいため装置規模が大きくなってしまうことや、音響伝
達特性の変動に対し全てのフィルタ係数を適応し直す必
要があるといった欠点を有す。図6Bは直並列型構成の
適応型ARMAフィルタを用いた従来の音響エコーキャ
ンセラの構成を示す。この場合、音響伝達特性模擬回路
28は(1−A’(z))型の適応型ARフィルタ31
と適応型MAフィルタ32とを用いて直並列型構成のA
RMAフィルタとして構成されている。このARMAフ
ィルタは、(6)式右辺のy’(t)をy(t)とした
ときのARMAフィルタの出力を得るための構成として
説明され、ARフィルタ31は(1−A’(z))の特
性を持つARフィルタで構成されている。また、ここで
示した直並列型のARMAフィルタの代わりに、図7A
に示すように1/A’(z)の特性を持つARフィルタ
33とMAフィルタ32との並列型構成として知られる
ARMAフィルタを用いてもエコーキャンセラを構成す
ることが可能である。
【0022】これらの適応型ARMAフィルタを用いた
構成は、適応型MAフィルタ27のみを用いた構成に比
べて、一般に、フィルタの次数が削減でき、演算規模が
低減できるという長所がある。しかし、MA係数とAR
係数とを同時に、実時間で推定するアルゴリズムは複雑
であるため、現時点では、実用的利用はなされていない
【0023】音像シミュレータとは、ヘッドフォン受聴
時において、任意の位置に音像定位を実現する装置であ
る。図7Bおよび図7Cを用いてその原理を説明する。 図7Bにおいて、スピーカ34に信号X(z)を供給す
ると、スピーカ34からの音響信号は、受聴者35の左
右の耳に、スピーカ34から各耳までの音響伝達特性H
R(z,θ)、HL(z,θ)を経て到達する。即ち、
受聴者35は右耳で信号HR(z,θ)X(z)、左耳
で信号HL(z,θ)X(z)を聞くことになる。この
音響伝達特性HR(z,θ)、HL(z,θ)は頭部伝
達関数と呼ばれているもので、左右の聞こえの差、即ち
、HRとHLとの違いは、人間が音源方向を知覚するた
めの重要な要因となっている。
【0024】以上のことより、従来の音像シミュレータ
は図7Cに示すように構成される。信号X(z)を定位
フィルタ36,37をそれぞれ通じて受聴者35の左,
右のヘッドフォン38,39に供給する。音像シミュレ
ータにおいて、定位フィルタ36および37には、それ
ぞれ模擬された頭部伝達関数H’R(z,θ)およびH
’L(z,θ)の特性を与える。この時、受聴者35は
右耳で信号H’R(z,θ)X(z)、左耳で信号H’
L(z,θ)X(z)を聞くことになる。伝達関数の模
擬が十分な精度で行われているとすると、H’R≒HR
、H’L≒HLとなり、この結果は図7Bで説明した受
聴条件と同一となって、ヘッドフォン38,39で受聴
している受聴者35は、θ方向に音源があるものと知覚
する。以上が音像シミュレータの原理である。
【0025】以上説明した頭部伝達関数は当然のことな
がら音源の方向θによって大きく変化する。そこで、い
ろいろな方向に音像を定位させるためには、数多くの方
向に対して頭部伝達関数を測定し蓄積しておく必要があ
り、蓄積すべきデータの量が多いことがこの種装置を使
用していくうえでの問題点となっている。ここで、頭部
伝達関数を決定する物理的要因を考察すると、音源から
各耳までの距離の差に基づく遅延差、頭部による音波の
回折効果、および外耳、外耳道による共振があげられる
。これらのうち、遅延差および回折効果は音源方向によ
って変化するが、共振の効果、即ち、共振特性を決定す
る外耳・外耳道の持つ物理的極の値は基本的には不変で
あると考えられる。従来の音響伝達特性模擬方法で定位
フィルタ36,37を構成すると、音響伝達関数の蓄積
データ量が著しく多くなる問題があった。
【0026】図8Aに従来の残響除去装置を示す。室内
空間11内に配された音源41から放射された信号X(
z)は、それぞれ室内音響伝達特性H1(z)、H2(
z)の影響をうけて、受音器42,43で受音される。 この時、受音信号は、信号H1(z)X(z)、H2(
z)X(z)と表される。このように信号が室内音響伝
達特性の影響を受けることを、通常は、「残響が付加さ
れた」と呼んでおり、残響除去装置の目的は受音された
信号から原信号X(z)を復元することにある。
【0027】従来各種の残響除去装置が提案されている
が、図8Aに示したものは文献(M.Miyoshi 
 and  Y.Kaneda:“Inverse  
filtering  of  room  acou
stics,”IEEE  Trans.on  Ac
oust.,Speech  and  Signal
  Proc.,Vol.ASSP−36,No.2,
pp.145−152(1988))に示された方法に
基づいて構成されたものである。この方法によれば、H
1(z)、H2(z)が計測可能でMAモデルとして表
現できるなら、以下の方程式を満たすMAフィルタG1
(z)、G2(z)が存在する。
【0028】       G1(z)H1(z)+G2(z)H2(
z)=1          (10)従って、上記の
関係を満たすMAフィルタの特性G1(z)、G2(z
)をH1(z)、H2(z)を用いて計算し、これら特
性をそれぞれ残響除去MAフィルタ44,45に与え、
これらMAフィルタ44,45に受音器42,43の出
力をそれぞれ供給し、MAフィルタ44,45の出力を
加算器46で加算するとその加算出力信号Y(z)は   Y(z)=G1(z)H1(z)X(z)+G2(
z)H2(z)X(z)          =(G1
(z)H1(z)+G2(z)H2(z))X(z) 
         =X(z)           
                         
        (11)となって、残響の除去された
原信号X(z)が回復される。
【0029】しかし、この方法の問題点は、H1(z)
、H2(z)を用いてG1(z)、G2(z)を求める
際の演算量が多く、その量はH1(z)およびH2(z
)の次数((2)式のNに対応)の自乗に比例して増加
するという点にある。
【0030】
【課題を解決するための手段】この発明によれば対象と
する音響系内の複数の異なった位置に配置された音源及
び受音器を用いて複数の音響伝達特性を計測し、これら
計測された複数の音響伝達特性を用いて対象とする音響
系の持つ物理的極を推定し、この推定された極を固定量
として持ちながら、その音響系内における音響伝達特性
を模擬する。
【0031】これによりこの発明は、エコーキャンセラ
など音響伝達特性を逐次模擬する装置の演算量低減なら
びに適応推定性能の向上を実現し、また、複数の音響伝
達特性を蓄積する際の蓄積量の削減をはかることができ
る。この発明の音響伝達特性模擬方法は、同一音響系内
における音響伝達特性には、その音響系固有の極(その
音響系の持つ共振周波数とそのQ値に対応している。以
降これを物理的極と呼ぶ)が共通的に含まれているとい
う音響学的知見に基づいている。しかし、実際には、個
々の音響伝達特性においてこの物理的極の寄与量は大き
く異なっており、単一の音響伝達特性のみからこれを観
測・推定することは困難である。そこで、この発明にお
いては、音響伝達特性をARMAモデルであると仮定し
て、複数の音響伝達特性から物理的極を推定し、推定し
た物理的極を固定量として音響伝達特性の模擬を行う。 この発明によれば、複数の模擬音響伝達特性H’j (
z)(j=1,2,…k)は推定した物理的極を持つ特
性A’(z)と、音源と受音器の配置によって異なる特
性B’j (z)とにより、     H’j (z)=B’j (z)/A’(z)
    (j=1,2,…k)と表される。ここで、ま
ず、ARMAモデル化の手法を用いれば複数の音響伝達
特性から物理的極が推定できることを、実験例に基づい
て説明する。実験においては、物理的極が既知である音
響系内の、複数の音響伝達特性Hj (z)(j=1、
2、3、…k)を用意する(ここではk個のシミュレー
トされた音響伝達特性を考える)。次に、各音響伝達特
性Hj (z)の入出力関係からARMA係数a’jn
、b’jnをそれぞれ前述したWiener−Hopf
の正規方程式を用いて計算する。次に、求まったAR係
数a’jnを用いて、(4)式の分母多項式を因数分解
することで、(5)式に対応する極Zp ’ ji(j
=1,2,…k)が計算される。
【0032】図8Bに単一の音響伝達特性のみから計算
された極と物理的極とを比較した図を示す。有効帯域は
40Hzから110Hzであり、低域及び高域はフィル
タにより除去されている。図の縦軸は極を
【0033】
【数7】 と複素表示したときのrp であり、横軸は周波数(ω
p /2π)を表す。図において○印は計算された極、
+印は既知の物理的極を表している。この図から、一つ
の伝達特性のみからでは、十分な物理的極の推定が行な
えず、また、物理的極以外の極も誤推定していることが
分かる。
【0034】次に、k=50として、50個の音響伝達
特性それぞれにおいて計算した極を重ね書きした図を図
9Aに示す。この図は図8Bと同様に、縦軸はrp で
、横軸は周波数を表す。さらに、図9Aにおいて計算さ
れた極が数多く集中している点を抜き出して、これを物
理的極の推定結果として、図9Bに○印で表す。図9B
において既知の物理的極を+印で表す。この図9Bから
、両極はほぼ一致しており、複数の音響伝達特性に対し
てARMAモデル化の手法を用いれば、良好な物理的極
の推定が行えることが理解できる。
【0035】
【実施例】図1にこの発明による音響伝達特性模擬方法
を示す。対象となる室内空間、11内には音源51と受
音器52とが配され、これらを用いて音響伝達特性計測
部53で音源51と受音器52との間の音響伝達特性を
計測する。この場合、複数の異なる位置関係に音源51
と受音器52とを配置し、複数の音響伝達特性Hj (
z)(j=1,2,3,…k)を計測する。具体的には
例えばインパルス応答を計測することでこのHj (z
)を得る。次に計測したk個の音響伝達特性Hj (z
)を極推定部54に送り、そのk個の音響伝達特性Hj
 (z)から物理的極を推定する。
【0036】ここで、物理的極を推定する具体的方法に
ついて説明する。第1の方法は、各伝達特性Hj (z
)に対しそれぞれのARMA係数を求め、そのAR係数
を因数分解して極を求め、集中度から物理的極を推定す
るという、図9A,Bで示した方法である。しかし、こ
の方法は、集中の度合を決める基準値を試行錯誤によっ
て求める必要があるため、必ずしも簡便な方法とは言え
ない。
【0037】以下に、物理的極を直接求めるのではなく
、極の情報と等価なAR係数の形で物理的極を推定する
、第2、第3の極推定方法について説明する(極の情報
とAR係数の等価性は先に説明したように、(4)式と
(5)式の比較から理解される)。これらの方法は、複
数の音響伝達特性が共通にもっている極が、複数の伝達
特性に関する平均操作を行うことにより強調されること
を利用した方法である。
【0038】この第2の極推定方法は、各音響伝達特性
Hj (z)に対して計算された各AR係数a’jnに
対し、
【0039】
【数8】 の平均操作を施して、平均AR係数aav’n を求め
、これを極推定量とする方法である。この方法は極推定
のための演算が簡便であることが特徴である。また、第
3の極推定方法は、各音響伝達特性Hj (z)に対し
て計算された各AR係数をMA係数に展開した後、MA
係数として平均操作を行い、その結果を再度AR係数に
戻したものを極推定量とする方法である。この方法によ
り推定されたAR係数の持つ伝達特性Aav’(z)は
、各音響伝達特性Hj (z)の分母項をA’j (z
)と表した時、以下のように関係づけられる。
【0040】
【数9】 この第3の極推定方法は、第2の極推定方法と比較して
、演算量は増加するが、推定誤差が少ないことが期待さ
れる。次に、第4の極推定方法について説明する。この
方法は、複数の音響伝達特性が共通の極(即ちAR係数
)を持つことを仮定して、複数伝達特性の入出力関係か
ら、個々のAR係数を求める事なく、直接的に極推定を
行う方法である。具体的には、k個の模擬伝達特性の入
出力関係を、共通なAR係数ac ’n を用いて、

0041】
【数10】 と表す。模擬出力y’j (t)と真の出力yj (t
)との差が全体として最小となるように正規方程式や逐
次推定アルゴリズムを用いて共通なAR係数ac ’n
 を推定する。ただし、問題の簡略化を図るために(1
4)式右辺のy’j (t)としては真の出力yj (
t)を使用する。今、真の各音響伝達特性Hj (z)
の計測により各インパルス応答hj (t)が既知であ
る場合を考える。 この時、入力信号x(t)はデルタ関数δ(t)で表さ
れ、真の出力yj (t)はhj (t)と表される。 そして、模擬伝達特性の出力y’j (t)が真の出力
hj (t)と一致しているとすると、
【0042】
【数11】 と書ける。これを行列表現すると、
【0043】
【数12】 となる。但し、Lは計算されたインパルス応答長を表す
。(16)式は不能方程式であるので、(16)式を満
足するac ’n 、b’jnは存在しないが、(16
)式を             hm =Hm θm    
                         
        (17)と表した時、次式により最小
自乗解を得ることができる。
【0044】             θm ={(Hm )T H
m }−1(Hm )T hm           
(18)第4の極推定方法は(18)式によって求めら
れたAR係数ac ’n を推定値として用いる方法で
ある。この方法は推定に使用する音響伝達特性の数が多
い場合には、第2、第3の方法に比べて演算量が多くな
るが、固定量としてAR係数ac ’n を用いた場合
に、最小誤差で音響伝達特性を模擬するためのMA係数
も同時に計算できるという利点を持つ。この事は、前述
した音像シミュレータのように、複数の既知の音響伝達
特性を蓄積し模擬使用するような応用に対しては大変有
効である。
【0045】以上、4つの極推定方法の例について説明
を行った。各方法にはそれぞれ長所、短所があり、実際
の応用にあたってはそれに適した極推定方法を選択する
必要がある。また、上記以外の極推定方法を用いてもよ
い。加えて、どのような極推定方法を用いたとしても、
その結果として推定誤差(例えば極の推定値の誤差や、
近接した値の複数の極を一つの代表的な極として推定す
る誤差)は発生するものであり、実効的にこの発明の効
果を達成する極推定方法であれば、推定結果と物理的極
が一致している必要はない。
【0046】さて、図1の極推定部54においてあらか
じめ推定された極は、固定ARフィルタ55に供給され
る。この固定ARフィルタ55およびその前段または後
段に設置された可変MAフィルタ56により実際の音響
伝達特性の模擬動作は達成される(図では可変MAフィ
ルタを後段に設置した例を示す)。音響伝達特性模擬装
置の使用形態は、その適用例に応じて、次の2つの使用
形態に大別できる。第1の使用形態は未知の音響伝達特
性を推定し模擬するという、音響エコーキャンセラなど
における使用形態である。第2の使用形態は、複数の既
知の音響伝達特性を蓄積しておき、これらを必要に応じ
て読み出して模擬を行うという、音像シミュレータなど
における使用形態である。
【0047】第1の使用形態に対しては、可変MAフィ
ルタ56を適応フィルタとして音響伝達特性の推定を行
いながら模擬を実行する。第2の使用形態に対しては、
まず、固定AR係数を求めた後、各伝達特性Hj (z
)に対して誤差最小で模擬を行うMA係数を各々計算し
、蓄積しておく。具体的計算方法は、例えば、各伝達特
性Hj (z)に対し(8)式においてAR係数を既知
量として誤差最小のMA係数を各々計算すれば良い。あ
るいは、前述した第4の固定AR係数推定法を用いた場
合は、各MA係数は固定AR係数と同時に求まるので、
それを蓄積しておけば良い。そして、各音響伝達特性に
対応するMA係数を必要に応じて呼び出して、可変MA
フィルタ56に供給し、音響伝達特性の模擬を実行する
【0048】以上述べたこの発明により、未知の音響伝
達特性の推定・模擬を行う場合においては、あらかじめ
固定ARフィルタ55の係数を求めておけば、MAモデ
ルの可変量のみを推定すればよいことによる装置の縮小
化、及び推定効率の向上が期待できる。また、音響伝達
特性の蓄積・模擬を目的とした装置においては、一種類
の固定AR係数を求めておけば複数の音響伝達特性に対
してはMA係数のみを蓄積すれば良く、装置の経済化が
なされる。
【0049】図6Bに示した直並列型構成のARMAフ
ィルタを用いたエコーキャンセラの音響伝達特性模擬回
路28に、この発明を適用したエコーキャンセラの構成
例を図2に示す。図2において図6Bと対応する部分に
同一符号を付けてあり、適応型ARフィルタ31の代り
に(1−A’(z))型の固定ARフィルタ55が、適
応型MAフィルタ32の代りに適応型MAフィルタ56
が用いられる。固定ARフィルタ55には、音響伝達特
性計測用スピーカ51、音響伝達特性計測用マイクロホ
ン52、音響伝達特性計測部53、極推定部54を用い
て、前述した方法により推定された極がAR係数として
供給される。
【0050】図2に示したこの発明を適用した直並列型
のエコーキャンセラと図6Bに示した従来の直並列型構
成の適応型ARMAフィルタを用いたエコーキャンセラ
とを比べた場合、この発明を用いた構成においては、適
応型ARフィルタ31が固定ARフィルタ55となって
いる事が大きな相違点である。その結果、この発明を用
いた構成では、MA係数の推定のみを行えば良いため、
学習同定法などの簡便なアルゴリズムの適用が可能であ
り、また、推定のための演算量も削減できる。また、こ
の発明は、図7Aに示した並列型のARMAフィルタを
用いたエコーキャンセラにも適用可能であり、同様の効
果が得られる。
【0051】一方、図6Aに示した従来の適応型MAフ
ィルタのみを用いたエコーキャンセラと比べた場合、こ
の発明を用いたエコーキャンセラは、適応すべきフィル
タ次数の大幅な削減が実現できる利点を持つ。次に、こ
のことを実験により確認した結果を示す。実験には、こ
の発明を用いたエコーキャンセラとして、図2に示した
直並列型構成のエコーキャンセラを用いた。
【0052】実験は、室内音場(寸法6.7×4.3×
3.1m:残響時間0.6秒)にて実測した60〜80
0Hz帯域の室内音響伝達特性(インパルス応答)を用
いたシミュレーションにより行った。受話信号には白色
信号を用いた。この発明を用いたエコーキャンセラにお
ける固定ARフィルタ55の係数は、まずスピーカ51
とマイクロホン52の位置を変化させて10箇所の音響
伝達特性を計測し、それぞれの伝達特性に対して求めた
AR係数の平均値をとるという、前述した第2の物理的
極推定方法により求めた。シミュレーションを行う際に
は固定フィルタ係数を求める際使用した10個の音響伝
達特性とは異なった音響伝達特性を使用した。適応アル
ゴリズムは学習同定法を用いた。
【0053】この発明を用いたエコーキャンセラにおけ
る固定ARフィルタ55の次数P、適応型MAフィルタ
56の次数Qは、それぞれP=250、Q=450とし
た結果、定常エコー消去量35dBが得られた。次に、
適応型MAフィルタのみを用いた図6Aに示したキャン
セラの次数Nを変化させて定常消去量を測定した。(N
を増加させると定常消去量は増加する)その結果、この
発明を用いた場合と同様に35dBの定常エコー消去量
を得るのに必要なフィルタ次数はN=800であった。
【0054】通常、適応フィルタリングのための演算量
は固定フィルタリングのための演算量の数倍以上は必要
となる。従って、同一の定常エコー消去量、換言すれば
、同一精度の音響伝達関数の模擬を達成するために必要
な適応フィルタの次数が、従来の適応型MAフィルタの
みを用いた場合には800であるのに対して、この発明
を用いた場合には450と削減でき、演算規模の大幅な
削減が実現できることが確認できた。加えて、適応フィ
ルタの次数が削減できればエコーキャンセラの性能上重
要な収束速度の向上も行えることを次に示す。
【0055】図3Aに実験の結果得られたエコー消去収
束特性を示す。図において、縦軸はエコー消去量(ER
LE)、横軸は適応回数(iteration)を表し
、曲線57はこの発明を適用したエコーキャンセラ(P
=250,Q=450)のエコー消去収束特性であり、
曲線58は適応型MAフィルタ(N=800)を使用し
た従来のエコーキャンセラのエコー消去収束特性を示す
。この図より、両者の定常エコー消去量はほぼ同じ35
dBであるが、収束速度(定常消去量に達するまでの速
さ)はこの発明の音響伝達特性模擬方法を用いたエコー
キャンセラの方が約1.5倍向上していることがわかる
【0056】以上の結果より、物理的極を固定ARフィ
ルタ55として持つこの発明の音響伝達特性模擬方法を
適用したエコーキャンセラは、従来の適応型ARMAフ
ィルタを用いた方法と比べて適応部の次数が少なく、ま
た適応アルゴリズムも簡便である。一方、従来の適応型
MAフィルタのみを用いたエコーキャンセラと同一の定
常消去量を得ようとした場合、適応フィルタ次数が大幅
に削減される。その結果、エコーキャンセラにおいて問
題となっている装置規模の削減を改善することができ、
また、エコーキャンセラのもう一つの大きな問題である
適応推定時における収束速度に対しても改善することが
できる。
【0057】次にこの発明を適用した音像シミュレータ
の例を図3Bに示す。図において、図7Cと対応する部
分に同一符号を付けてある。この例では固定定位ARフ
ィルタ55と左,右のヘッドフォン38,39との間に
可変定位フィルタ59,61をそれぞれ挿入し、フィル
タ55及び59を図7Cに示した従来の音像シミュレー
タにおける定位フィルタ36として、フィルタ55及び
61を定位フィルタ37として用いている。この音像シ
ミュレータを動作させるためには、まず、必要な方向の
数だけ頭部伝達関数を測定する。次に、計測された複数
の頭部伝達関数から物理的極を推定し、AR係数として
それを固定定位ARフィルタ55に供給する。次に、固
定AR係数を用いた場合に最適となるMA係数を各々の
方向に対して計算し、これを蓄積しておく。そして、所
望の方向に音像定位を行う場合には、対応する方向のM
A係数を読みだし、それを可変定位MAフィルタ59お
よび61に与えることにより、音像定位が実現される。
【0058】さて、この時、同一の精度で頭部伝達特性
を模擬しようとすると、音響エコーキャンセラにおける
適用例の場合と同様に、図3Bに示したこの発明を適用
した場合の可変定位フィルタ59,61の次数は、図7
Cに示した従来の音像シミュレータにおける可変定位フ
ィルタ36,37の次数にくらべて大幅に削減すること
ができる。従って、蓄積すべき頭部伝達関数のデータ量
も大幅に削減できる。
【0059】このようにこの発明を音像シミュレータに
適用すれば、従来のこの種装置の問題点であった、音響
伝達関数の蓄積データ量の問題を改善できるのみならず
、物理的に固定的な量をシミュレータ内部においても固
定量として取り扱うことで、より自然な音像定位感を与
えることができる。この発明は、これまで説明してきた
適用例のように、直接的に音響伝達特性の模擬を行う装
置のみではなく、模擬された音響伝達特性を加工して利
用するさまざまな音響信号処理手法に適用して、問題点
を改善することができる。次に、そのような適用の例と
して残響除去装置にこの発明を適用した場合について説
明する。つまり図8Aに示した残響除去装置において2
つの音響伝達特性H1(z),H2(z)の共通部分を
抽出することにより、表現される伝達特性の次数を低減
するというこの発明の適用により、従来問題となってい
た演算量が多いことを改善することができる。
【0060】図4に、図8Aの残響除去装置にこの発明
を適用した例を示す。受音器42,43にそれぞれ第1
および第2の残響除去MAフィルタ62,63の入力側
が接続され、これらフィルタ62,63の出力は加算器
64で加算されて第3のA’(z)型の残響除去ARフ
ィルタ65へ供給される。この発明を適用することによ
り、音響伝達特性H1(z)、H2(z)は共通のAR
係数を持つARMAモデルにより       H1(z)=B’1(z)/A’(z) 
                   (21)  
    H2(z)=B’2(z)/A’(z)   
                 (22)として表
現される。それぞれのAR係数およびMA係数は例えば
前述した第2の極推定法と(8)式により計算する。こ
の時、B’1(z)およびB’2(z)の次数((4)
式のQに対応)は、図8Aに示した従来法によりH1(
z)、H2(z)をMAモデルで表現した場合の次数N
に比べて大幅に低減されている。
【0061】さて、図4において第3の残響除去フィル
タ65は、上記により計算したAR係数a’n の値を
係数として持つA’(z)型のARフィルタであって、
その伝達特性はA’(z)となる。この時、出力Y(z
)は(21),(22)式の関係を用いて、Y(z)=
A’(z){D1(z)H1(z)X(z)     
                         
+D2(z)H2(z)X(z)}        =
{D1(z)B’1(z)+D2(z)B’2(z)}
X(z)                     
                         
                (23)となること
より、     D1(z)B’1(z)+D2(z)B’2(
z)=1        (24)の関係を満たす特性
D1(z),D2(z)のMAフィルタ62,63を求
めればY(z)=X(z)となって原信号が回復される
ことがわかる。このD1(z)、D2(z)は、(24
)式と(10)式が同一の形式であるので、従来法と同
様の方法で計算することができる。 しかし、従来方法と比較したとき、B’1(z)および
B’2(z)の次数は、H1(z)、H2(z)の次数
に比べて大幅に低減されていることから、演算量の大幅
な軽減が達成される。
【0062】以上の説明において、この発明により模擬
された音響伝達特性は、残響除去フィルタの特性を求め
るための計算過程において使用されており、その計算量
削減に効果を発揮している。このように、この発明は、
音響伝達特性を模擬する装置や回路として利用すること
のみらず、この発明に基づいて模擬(表現)された音響
伝達特性を加工利用するさまざまな音響信号処理装置に
適用し、その演算量やデータ蓄積量に関する改善を行う
ことができる。
【0063】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明は、対象とす
る音響系の持つ物理的極を、その音響系内における複数
の音響伝達特性から推定し、これをARフィルタの固定
量として使用することを特徴とする音響伝達特性模擬方
法である。この発明を、未知の音響伝達特性を推定し模
擬する音響エコーキャンセラのような装置に適用すれば
、推定に必要なパラメータ数(フィルタ次数)の削減を
行うことができ、その結果、演算量の低減や推定速度の
向上をはかることができる。また、この発明を、複数の
既知の音響伝達特性を蓄積し模擬する音像シミュレータ
のような装置に適用すれば、蓄積に必要なパラメータ数
の削減を行うことができ、その結果、蓄積すべきデータ
量の削減をはかることができる。さらに、この発明に基
づいて模擬(表現)された音響伝達特性は、これを演算
の過程において使用するさまざまな音響信号処理装置に
適用でき、その演算量やデータ蓄積量に関する改善を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の音響伝達特性模擬方法を説明するブ
ロック図。
【図2】この発明を音響伝達関数模擬回路の構成に適用
した直並列型構成のARMAフィルタを用いた音響エコ
ーキャンセラの構成例を示すブロック図。
【図3】Aは従来の適応型MAフィルタを用いた音響エ
コーキャンセラとこの発明を適用したエコーキャンセラ
とのエコー収束特性を比較した図、Bはこの発明を適用
した音像シミュレータの構成例を示すブロック図である
【図4】この発明を適用した残響除去装置の構成例を示
すブロック図。
【図5】Aは音響伝達特性H(z)を説明する図、Bは
音響伝達特性の模擬を説明する図、CはMAフィルタを
用いた音響伝達特性模擬方法を示す図、DはARMAフ
ィルタを用いた音響伝達特性模擬方法を示す図である。
【図6】Aは従来の適応型MAフィルタを用いた音響エ
コーキャンセラの構成を示すブロック図、Bは従来の直
並列型構成の適応型ARMAフィルタを用いた音響エコ
ーキャンセラの構成を示すブロック図である。
【図7】Aは従来の並列型構成の適用型ARMAフィル
タを用いた音響エコーキャンセラの構成を示すブロック
図、Bは音源と受聴者との関係を示す図、Cは従来の音
像シミュレータを示すブロック図である。
【図8】Aは従来の残響除去装置の構成を示すブロック
図、Bは単一の音響伝達特性から計算した極と物理的極
とを比較した図である。
【図9】Aは50個の音響伝達特性から計算した極を重
ね書きした図、Bは推定した物理的極と理論的に既知の
物理的極とを比較した図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  音源から受音器に至る音響伝達特性を
    模擬する音響伝達特性模擬方法において、対象とする音
    響系内の複数の異なった位置に配置された音源および受
    音器を用いて複数の音響伝達特性を計測し、これら計測
    された複数の音響伝達特性を用いてその音響系の持つ極
    を推定し、その推定された極を固定量として持ちながら
    、その該音響系における音響伝達特性を模擬する、こと
    を特徴とする音響伝達特性模擬方法。
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