JP3565846B2 - 適応音響システム及び音再生システム - Google Patents
適応音響システム及び音再生システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP3565846B2 JP3565846B2 JP50309394A JP50309394A JP3565846B2 JP 3565846 B2 JP3565846 B2 JP 3565846B2 JP 50309394 A JP50309394 A JP 50309394A JP 50309394 A JP50309394 A JP 50309394A JP 3565846 B2 JP3565846 B2 JP 3565846B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter
- sound
- signal
- reproduction system
- loudspeakers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H21/00—Adaptive networks
- H03H21/0012—Digital adaptive filters
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04S—STEREOPHONIC SYSTEMS
- H04S1/00—Two-channel systems
- H04S1/002—Non-adaptive circuits, e.g. manually adjustable or static, for enhancing the sound image or the spatial distribution
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04S—STEREOPHONIC SYSTEMS
- H04S7/00—Indicating arrangements; Control arrangements, e.g. balance control
- H04S7/30—Control circuits for electronic adaptation of the sound field
- H04S7/302—Electronic adaptation of stereophonic sound system to listener position or orientation
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R2205/00—Details of stereophonic arrangements covered by H04R5/00 but not provided for in any of its subgroups
- H04R2205/024—Positioning of loudspeaker enclosures for spatial sound reproduction
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Stereophonic System (AREA)
- Signal Processing Not Specific To The Method Of Recording And Reproducing (AREA)
- Image Processing (AREA)
- Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
- Stereo-Broadcasting Methods (AREA)
Description
発明の要約
広義にいうと、本発明の最初の三つの局面は、音場の再生に使用されている実際のラウドスピーカーの位置以外の位置で、音の「仮想音源位置」を生じさせるための音再生システムに関する。
本発明の第一局面による音再生システムは、聴取者の位置に対して非対称的に設けられている複数のラウドスピーカーを備えている。ラウドスピーカーはフィルタ手段を通して複数の録音チャンネルによって駆動される。フィルタ手段のフィルタ特性は、局部的音場を、聴取者の位置に生じさせるように選択される。局部的音場は、フィルタなしで駆動され、聴取者の位置に対して実質上対称的に位置している仮想音源位置に設けられている複数のラウドスピーカーを通して録音を再生することから生じるであろう局部的音場に実質上等しい。
このように聴取者の位置に対してラウドスピーカーが非対称的に設けられていることを補償するようにフィルタ手段が設けられている。
例えば、図1に示されているように、電気音響伝達関数の伝達関数マトリックスC(z)は、ラウドスピーカーの入力から、音場において聴取者の耳の位置に設けられているマイクロホンの出力までを表現する。音場に設けられているマイクロホンでマトリックスA(z)によって指定されているように、所望の効果を生じさせるために、逆デジタルフィルタのマトリックスH(z)を使用して、ラウドスピーカーで伝送する前に、従来の二チャンネルステレオ録音信号が処理可能である。マトリックスA(z)は、伝達関数マトリックスであり、録音信号をマイクロホン位置で再生されるべき所望の信号に関連させる。本発明の第一局面によるマトリックスA(z)は、上述した特定仮想音源位置を仮定することによって、選択される。
本発明の第二局面による音再生システムは、少なくとも二つのラウドスピーカーを備えている。ラウドスピーカーはフィルタ手段を通して少なくとも二つの録音チャンネルによって駆動される。フィルタ手段のフィルタ特性は、局部的音場を、聴取者の位置に生じさせるように選択される。局部的音場は、フィルタなしで駆動されラウドスピーカーの実際の間隔よりも互いに広い間隔があけられている仮想音源位置に設けられているラウドスピーカーを通して録音を再生することから生じるであろう局部的音場に実質上等しい。
このように、フィルタ手段が設けられることによって、聴取者の位置で、ラウドスピーカーの間隔が実際よりも広いような印象が与えられる。
本発明の第三局面による音再生システムは、間隔をあけて設けられ音場を生じさせる四つのラウドスピーカーを備える。音場内には第一及び第二所定聴取者位置が設けられる。ラウドスピーカーはフィルタ手段を通して二つの録音チャンネルによって駆動される。フィルタ特性は、音場の各局部を、第一及び第二聴取者位置の両方に生じさせるように選択される。音場の各局部は、各位置に対して対称的に設けられている一対のラウドスピーカーを通してフィルタされていないチャンネルの録音を再生することから各位置で生じるであろう音場部分と実質上同じである。
本発明の第四局面は、適応音響システム及びシステムの適応フィルタのフィルタ係数を更新させる方法に関する。
本発明の第四局面による適応音響システムは、複数の可変フィルタ係数を有する適応フィルタと、アルゴリズムを行う処理装置とを備える。アルゴリズムによって、フィルタを使用するフィルタ処理とフィルタ係数を更新させるためのフィルタ更新処理とが周期的に交互に行なわれる。サイクルにおいてアルゴリズムは、フィルタ処理が行なわれる前に、限られた数のフィルタ係数のみを(必要な場合)調整するように、なされる。
このような局面の本発明によると、比較的多数の係数を有するフィルタが使用可能である一方、高いサンプル率が容易に得られる。
各サイクルにおいて単一のフィルタ係数が調整されることが好ましい。
アルゴリズムは、LMSアルゴリズム[2]又はフィルタードxLMSアルゴリズム[3]であることが好ましい。後者である場合、フィルタされた使用参照信号は単一タップベースで計算可能である。
本発明の第四局面による散在更新実行方法によれば、処理数がLMSアルゴリズムの場合は2倍のオーダー、フィルタードxLMSアルゴリズムの場合は3倍のオーダーで、減少する。さらに重要なことは、行われるべき計算処理の大部分は主に実際のフィルタ処理に関している。これらの計算は計算メイン処理装置の外側に専用に設けられているフィルタ装置によって行われ、大部分の処理時間がフィルタの更新に使用可能である。このような技術の適用範囲を容易に拡張させることによって、任意の長さを有する多くの適応フィルタに基づいてシステムを複雑にすることができる。これは、本発明の第一、第二又は第三局面のように、マルチチャンネルを適用する場合にはかなり望ましい能力である。
序文
録音信号をラウドスピーカーから伝送する前に、録音信号を処理するためにデジタルフィルタを使用することができ、これらの信号の再生が改善される。最も単純な場合、逆フィルタは、ラウドスピーカー/室内周波数応答における不足を補うようになされることができる。このようなフィルタはフィルタ入力と音場の地点での音圧との間に伝達関数を生じさせるように設計することが可能である。音場は「平担」振幅応答及び直線位相応答を有する。時間領域条件において、入力に加えられたインパルスを「ほぼ完全に」(少し時間的に遅れて)出力で再生することができる。しかしながら、ここで述べる目的は、マルチチャンネルの場合にこの原理の適用範囲が拡張可能であることを立証することと、音再生においてマルチチャンネル逆フィルタを使用することの可能性を例証することである。セクション1では、フィルタ設計問題の背景を簡単に述べた後、マルチチャンネル問題の解決策を述べる。当然、フィルタ設計問題は最小二乗の枠組に帰着する。しかしながら、最小二乗の目的で設計されたフィルタは究極的には最大の心理音響学上の利点を提供できないであろう。フィルタ設計技術の基本は、再生信号を再生すべき所望の信号と比較するために再生音場において、測定可能であるということである。従って、事実上、フィルタは適応させて設計可能であるため、特定の聴取空間の要件に応じて個々のフィルタを作る可能性が広がる。しかしながら、聴取室内の音響効果を変更するために、必ずしもフィルタを適応または修正させる必要はない。例えば、車内演奏システムでステレオ音響イメージの位置を修正させるために固定フィルタを設定する場合にも、設計工程で使用してよい。後にセクション2において、コンピュータシミュレーションに関して述べ、興味深い様々な場合を説明する。特に、逆フィルタのマトリックスを使用することによって、実際のラウドスピーカー以外の位置に「仮想音源」位置を設けることができる場合を述べる。さらに、複数の「理想的な聴取位置」が与えられる可能性を検討する。即ち、適切に設計されたフィルタマトリックスを使用することによって、再生場における二対の地点で密に信号を再生させるために、ステレオ音響録音の二つのチャンネルに関して処理を行う場合を説明する。当然、最後にこれらの可能性を心理音響学的に検討する。しかしながら、最初は問題の物理的な局面を主に述べる。
1.最小二乗の定式化を用いるマルチチャンネル逆フィルタ
1.1 最小二乗フィルタ設計の背景
単一チャンネル等化のためのデジタルフィルタは、従来の「最小二乗」法によって容易に設計される。この技術の基礎は、フィルタのインパルス応答が、因果となるように拘束され、フィルタ出力と「所望の」フィルタ出力との間の時間平均二乗誤差を最小にするためになされた、ヴィエナー[1]による古典的な方法にある。最適な設計を確かにするために満たされなければならない制御等式は、(連続時間よりもむしろ)離散時間で処理される場合、取扱い易いので、最小二乗法はデジタルフィルタ設計において標準技術となった。さらに、ヴィドロウ及びホッフ[2)のLMSアルゴリズムによって、FIRデジタルフィルタの係数を急速に適応させ、インパルス応答を最適にするための効率的な数値技術が提供された。音響学において、このアルゴリズムは、さらに修正された後、使用することができる。ラウドスピーカーの等化問題において、例えば、設計されるフィルタからの出力は、ラウドスピーカー入力と等化が行われる地点との間の電気音響経路を通過する。LMSアルゴリズムを使用した場合、この付加的な伝達関数を考慮に入れなければならない。適切に修正されたアルゴリズムは、ヴィドロウ及びスターンズ[3]によって記載されているように[フィルタードx」LMSアルゴリズムとして周知となった。アルゴリズムは、最初にモルガン[4]に提案され、ヴィドロウ[5]によるフィードフォワード制御及びバーゲス[6]による音響の能動制御に個々に使用された。音響及び振動の能動制御を含む多くの問題において、しばしば複数の入力を使用する必要がある。また、多数の地点で適当な誤差測度を確実に最小にするために制御フィルタが確実に設計されなければならない[7]。このような必要からエリオット及びネルソン[8]は多数の誤差を処理するためにフィルタードxLMSアルゴリズムを概括的に論じた。結果として生じたアルゴリズムはマルチプルエラーLMSアルゴリズム[9]として周知となり、音響及び振動の能動制御を含む多様な用途に広範囲に使用された(ネルソン及びエリオット[10]の全体を参照)。
マルチプルエラーLMSアルゴリズムは、ネルソン等「11、12]によってさらに概括的に論じられ、特に音響システム等化における問題に適用された。この著書において、問題の公式化が多数の入力信号も含む概括的に論じられた。これは例えばステレオ音再生にみられ、アルゴリズムの適用はかなり成功した[13]。最小二乗フィルタ設計問題の一般的な公式化をここで再び述べた後、音再生の適用可能な技術に関してさらに述べる。
1.2 マルチチャンネル問題の解決
マルチチャンネル問題は図1のブロック図として示されている。離散時間で処理され、K個の録音信号xk(n)がベクトルx(n)からなる。これらの信号はM個のラウドスピーカチャンネルから伝送される。この入力は、ベクトルy(n)の要素であるym(n)によって与えられる。その結果、信号は、電気音響伝達関数のマトリックスC(z)を経由して伝送され、出力がベクトルz(n)の要素であるzL(n)によって与えられるL個のマイクロホンで検出される。M個のラウドスピーカーによって伝送される前にK個の録音信号を処理するFIRデジタルフィルタのKXMマトリックスH(z)を導入する。マトリックスにおけるフィルタ係数は、誤差信号el(n)の平均二乗値の加重合計を最小にするようになされている。1番目の誤差信号は所望信号dl(n)と再生信号zl(n)との違いとして定義される。所望信号dl(n)(ベクトルd(n)からなる)は次に、録音信号xk(n)をフィルタのKXLマトリックスA(z)に通過させることによって特定される。従ってフィルタマトリックスA(z)によって所望信号が特定される。これは所望信号を特定する最も一般的な方法であるが、一方、A(z)の要素は一般的に、所望信号がある意味で録音信号の遅延版であるように、適切な「モデル遅延」を含む。このことは、C(z)の要素が非最小位相にある時に平均二乗誤差の減少が得られる場合、明らかに必要である。A(z)を特定する方法は次のセクションでより明らかに述べる。
次に、H(z)にフィルタの最適係数を見つける問題を扱う。フィルタードxLMSアルゴリズムを開発した単一チャンネルの場合のように、伝達関数H(z)及びC(z)の演算を効果的に逆に行うことが大いに分析の助けとなる。この結果、k番目に録音された信号をマトリックスC(z)のl、m番目の要素に通過させることによって生成される信号である「フィルタ参照信号」rlmk(n)が定義される。従って信号zl(n)は下記のように表すことができる。
等式においてhmk(i)は、入力がk番目に録音された信号であり、出力がm番目のラウドスピーカーに入力されるFIRフィルタのi番目の係数である。各フィルタは、サンプル間隔においてlサンプルのインパルス応答を有するものとみされる。ベクトル表記で、等式(1)は下記のように書くことができる。
zl(n)=hT(O)rl(n)+hT(1)rl(n−1)
...hT(l−1)rl(n−l+1) (2)
等式において複合タップ重みベクトル及び参照信号ベクトルを各々下記のように定義した。
hT(i)=[h11(i)h21(i)
..hM1(i)|h12(i)h22(i)
..hM2(i)|h1K(i)HzK(i)
..hMK(i)] (3)
rl T(n)=[rl11(n)rl12(n)..
..rlm1(n)|r12(n)r122(n)..
..rlM2(n)|rl1K(n)rl2K(n)..rlMK(n)] (4)
更に、全てのLXMフィルタの全てのlタップ重みからなる複合タップ重みベクトルがさらに、定義できる。
WT=[hT(O)hT(1)..hT(l−1)] (5)
誤差信号のL番目の位数ベクトルは次のように書ける。
e(n)=R(n)w−d(n) (6)
等式においてフィルタ参照信号のマトリックスR(n)は次によって求められる。
次に、等式(6)によって定義されている誤差信号のベクトルで、二乗誤差信号の合計を最小にする複合タップ重みベクトルwの最適値を決める。二乗誤差の微分重みを考慮し(これは用途によって重要かもしれない)、また最適な解に到達する際の「努力」を不利に課すコスト関数を最小にすることによって、問題を概括的に論じる。後者の解決策は、問題が悪い状態になった場合、即ちフィルタ係数が大きな値でも誤差がわずかに低減されるだけである場合に、有用であろう。従って、コスト関数は次のように定義される。
J=E(eT(n)Wee(n)+wT(n)WWw(n)] (8)
等式においてWe及びWWは(通常、対角であるが)加重マトリックスであり、E[]は期待値演算子を表す。最初に等式(6)によって求められたe(n)と置換し、wに対するJの勾配をゼロに等しくしておくことによって、この二次関数の最小値が求められる。このようにWeを対称的であるとすると、Jは下記のように表される。
J=E(dT(n)Wed(n)−2wTRT(n)Wed(n)
÷WT(RT(n)WeR(n)+WW)w] (9)
wに対する勾配Jも、WWが対称的であるとすると、下記のように表される。
δJ/δw=2E[(RT(n)WeR(n)+WW)w
−RT(n)Wed(n)] (10)
このように確実にδJ/δwがゼロになるような解は最適タップ重みベクトルによって与えられる。
w0={E[RT(n)WeR(n)+WW]}-1
{E[RT(n)Wed(n)]} (11)
相当するJの最小値は次によって求められる。
J0=E[dT(n)Wed(n)]
−E[dT(n)WeR(n)]w0 (12)
最適タップ重みベクトルw0は、存在する唯一の最小値を求めるために正定値でなければならないマトリックスE[RT(n)WeR(n)+WW]を反転させることによって明らかに求められる。We=l(単位行列)及びWW=0である場合、このマトリックスはブロックテープリッツ構造を有し、その逆マトリックス[14]を求めるために有効な数値列が存在する。マルチプルエラーLMSアルゴリズムを使うという方法もある。これは、関数の勾配の負数に比例する量だけ係数ベクトルwを更新させることによって関数の最小値を反復して見つける最急降下法に、その起源がある。最初に、等式(6)を等式(10)に使用することによって、勾配は下記のように表すことができる。
δJ/δw=2E[(RT(n)Wee(n)+WWw] (13)
ヴィドロウ及びホッフ[2]に従って、フィルタ係数は、この勾配の即時推定値だけ更新されるという仮定を設定する。即時推定値は等式(13)において期待値演算子を下落させることによって求められる。従ってタップ重み更新等式は下記のようになる。
w(n+1)=w(n)−αWWw(n)−αRT(n)Wee(n) (14)
等式においてαは収束係数である。等式(14)は、従って、最適係数ベクトルを求めるための解に反復して収束するための単純で容易に実行されるアルゴリズムを特定している。エリオット等[9]に指摘されているように、Wωを加重する「努力」の効果は「漏洩」LMSアルゴリズムに等しく示すことが可能である。この場合、誤差項e(n)がないと、係数ベクトルwはゼロに減少するであろう。アルゴリズムの実行にはマトリックスR(n)の要素からなるフィルタ参照信号rlmk(n)の生成が必要である。これらは、録音信号xk(n)を、伝達関数Clm(z)の推定値を与えるFIRフィルタに通過させることによって生成可能である。これらは引き続いて、フィルタ係数を適応させるためにLMSアルゴリズムを使用し、m番目のラウドスピーカーからl番目のマイクロホンまで通過させた広帯域信号を使用することによって識別可能である。
1.3 正確な逆フィルタを求めるための方法に対する最小二乗法の関係
室内音響効果における逆フィルタへのアプローチは、ミヨシ及びカネダ[15]もマルチプル入力/出力逆フィルタ定理(MINT)を提案している。この著書において、所定の録音信号を特定の地点に伝送するために使用される二台のラウドスピーカーへの入力に使用可能な一対のフィルタが設計できることが立証されている。フィルタは、ラウドスピーカー入力と等化が必要な地点(適当なバルク遅延が減じられた後の位相、ミヨシ及びカネダによる著書[15]からは明かでない点)との間の伝送経路が非最低値位相である場合でさえ、確実に伝送経路が「完全に」等化されるように設計されることが可能である。MINTと上述した最小二乗アプローチとの間の関係は、ネルソン等[16]によって分析された。従って、逆フィルタに使用される係数lの数値とともに、所定の適用において、K、M及びLの値を選択することに何らかの関係があるかもしれな有用な結果が導かれた。
最初は、伝送経路Clm(z)がJ個の係数を有するFIRフィルタによって適切に表すことができると仮定された。K個の録音信号からL=K地点への伝送チャンネルを正確に等化させるためには、逆フィルタにおける係数の数値が次のように表されることが必要である。
I=(J−1){L/(M−L)} (15)
参考文献[16)において、この結果が完全に誘導されている。しかしながら、等式(15)によって求められるIを選択することによって、伝送経路Clm(z)を表すJ個の係数FIRフィルタを正確に等化させることを再び強調すべきである。従って、実の伝送経路を等化させることによって、すべての経路がJ個の係数フィルタによって正確に表されることが考えられる。それにもかかわらず、参考文献[16]に述べられている分析によって、逆フィルタに必要な係数Jの数値が示され、さらに正確に反転させるためには、M>L(即ち等化が行われる地点の数よりも多い数のラウドスピーカーが必要)であることが立証されている。このような結果は、従って、例えばM=2、L=1の場合I=(J−1)であることを示しているミヨシ及びカネダ[15]の著作と一致している。参考文献[16]において、ミヨシ及びカネダによる結果は概括的に論じられ、また逆フィルタの係数を求めるために必要な解を見出すためにマルチプルエラーLMSアルゴリズムが使用可能であることが示唆されている。
【図面の簡単な説明】
図1は音再生におけるマルチチャンネル逆フィルタ問題の分析に関するブロック図である。
図2は仮想音源(V1、V2)から生じていると思われるマイクロホン(M1、M2)での信号を生成させるために本発明において予め出力がフィルタされる実音源(S1、S2)の幾何学的な配置を示している。
図3は、音源S1及びS2の出力を予めフィルタするために使用されるフィルタマトリックスHの導入前(制御=オフ)後(制御=オン)における、図2に示されている二本のマイクロホンへの入力x1(破線)及びx2(実線)からのインパルス応答を示している。インパルスのマイクロホンへの相対的な到達時間は、インパルスが仮想音源V1及びV2からでているかのようである。シミュレーションの間に含まれる6.25msのモデル遅延は、予めフィルタされた応答(下図)から取り除かれた。
図4は図2に示されている音源S1及びS2の出力を予めフィルタするようになされているフィルタマトリックスHの要素のインパルス応答を示している。破線は入力x1を処理するフィルタのインパルス応答を示し、実線は入力x2を処理するフィルタのインパルス応答を示している。
図5は、そのインパルス応答が図3の下図に示されている複合システムH(z)C(z)に関連のある周波数応答関数を示している。時間領域における第一到達に関する位相応答に対する位相応答が計算された。振幅応答における小さな差異即ち位相応答における実質上の差異は、図2に示されている仮想音源位置によって生成されるであろう差異に相当している。
図6は、仮想音源(V1、V2)から生じていると思われるマイクロホン(M1、M2)での信号を生成させるために本発明において予め出力がフィルタされる実音源(S1、S2)の幾何学的な配置をさらに、示している。
図7は、音源S1及びS2の出力を予めフィルタするために使用されるフィルタマトリックスHの導入前(制御=オフ)後(制御=オン)における、図6に示されている二本のマイクロホンへの入力x1(破線)及びx2(実線)からのインパルス応答を示している。仮想音源V1及びV2の位置によって生成されるインパルスの到達間の時間は増加している。
図8は、図6に示されている音源S1及びS2の出力を予めフィルタするようになされているフィルタマトリックスHの要素のインパルス応答を示している。破線は入力x1を処理するフィルタのインパルス応答を示し、実線は入力x2を処理するフィルタのインパルス応答を示している。
図9は、そのインパルス応答が図7の下図に示されている複合システムH(z)C(z)に関連のある周波数応答関数を示している。時間領域における第一到達に関する位相応答に対する位相応答が計算された。振幅応答における小さな差異即ち位相応答における実質上の差異は、図6に示されている仮想音源位置によって生成されるであろう差異に相当している。
図10は、マルチプルステレオイメージの生成のシミュレーションに使用される音源及びマイクロホンの配置を示している。音源S1〜S4から伝送される前に、本発明によって、マトリックスH(z)で、二つの信号x1及びx2がフィルタされる。
図11は、確実にマイクロホンM1及びM3でx1が再生されマイクロホンM2及びM4(図10参照)でx2が再生されるようにH(z)が設計されている場合の、入力x1(実線)及びx2(破線)を求めるための複合システムH(z)C(z)のインパルス応答を示している。
図12は、図11のインパルス応答に相当している周波数応答関数を示している。
図13は、図10において音源S1及びS2から伝送される前に、2×2マトリックスH(z)によって入力x1(実線)及びx2(破線)がフィルタされる場合の複合システムH(z)C(z)のインパルス応答を示している。H(z)は、確実にx1及びx2がM1及びM2で各々再生されるようになされている。M3及びM4で応答の劣化がみられる。
図14は、図13のインパルス応答に相当している周波数応答関数を示している。
図15は、図10において全ての四つの音源から伝送される前に、4×2マトリックスH(z)によって入力x1(実線)及びx2(破線)がフィルタされる場合の複合システムH(z)C(z)のインパルス応答を示している。H(z)は、確実にx1及びx2がM1及びM2で各々再生されるようになされている。
図16は、図15のインパルス応答に相当している周波数応答関数を示している。図14に示されている結果と比較して、M1及びM2でのクロストークキャンセルの改善がみられる。
図17は、(a)で適応システム識別問題のブロック図を示している。フィルタGは、プラントからの出力が所定のターゲットシステムの出力の近似値となるように適応されなければならない。ターゲットシステムは通常、因果となる最適フィルタに存在を確実にするモデル遅延を含む。
図18は、無響室におけるラウドスピーカーの周波数応答関数を示している。等化されていない場合(破線)、及び本発明による散在更新適応アルゴリズムを使用することによって等化されている場合(実線)。
2.音再生システムの改善におけるマルチチャンネル技術の可能性のある適用
2.1単一チャンネル応答等化におけるマルチプルエラーの使用
当然、最も単純な等化問題とは、逆フィルタがラウドスピーカーの入力に導入され、確かに、ある地点で再生された信号を入力信号の遅延版にできる限り近づけるように(最小二乗の意味で)フィルタがなされている場合である。このようなアプローチの単純な例は、クリヤマ及びフルカワ[17]によって提示されている。彼らは単一チャンネルフィルタードxLMSアルゴリズムを使用して三励振器ラウドスピーカーシステム(分割回路を含む)の軸上応答の等化のためにフィルタを設計している。32kHzのサンプル率で処理する512係数FIRフィルタは、200Hzと12kHzとの間で、平坦な振幅を有する直線位相の応答を生成することに成功した。しかしながら、等化が達成された位置以外の空間位置でのシステム応答の測定に関する結果は何も報告されなかった。システムの大域的な性能に関しての等化フィルタの効果は応答等化問題において、きわめて重大である。この問題はウィルソン[18]によってラウドスピーカー等化に関して述べられた。軸上及び軸外の応答の測定から引き出された二乗誤差の加重合計を最小にすることによって、軸上応答の改善を犠牲にしたけれども、軸外応答の改善には成功した。同様のことが室内応答の等化にいえる。フランスワース等[19]は例えば、閉鎖された音場のコンピュータシミュレーションを使用して、室内の一地点への伝送応答を等化させることが、室内のその他の地点での応答に与える影響を調査した。その結果、等化地点を囲む領域外では応答が著しく劣化する可能性があることが予測された。しかしながら、この効果の主観的応答はまだ定量化されていない。エリオット及びネルソン[20]によって「大域的等化」を確かにする試みがなされた。彼らもコンピュータシミュレーションによって車内における低周波音場の等化を調査した。この場合も、多数の誤差が最小にされ、所望の信号が音場の多数の地点で特定された。このような所望の信号は入力信号の遅延版であり、疑似ラウドスピーカー音源から所望の信号が特定される地点までの音の伝搬の遅延に等しい遅延が選択された。この策略によって、「大域的等化」は周波数応答を全ての等化地点で改善するが、当然いかなる地点でも完全というわけではないことが予測された。
2.2ステレオ音響再生における応答の等化
(次にステレオ音響再生システムに使用される)単一チャンネルシステムを完全に大域的に等化するという(実現しえない)目的を達成するというよりも、もっと現実的なアプローチは、最初から十分な等化は限られた空間領域でしか達成できないことを受け入れ、可能出力を最大限に使用する等化システムを設計することかもしれない。また現代的な音再生システムには独占的に録音信号の二チャンネルの伝送が含まれることを受け入れることによって、等化技術はさらに適用される。このように適用されることはネルソン等[13]によって詳細に記載されている。即ちフィルタH(z)の2×2マトリックスを使用して、二台のラウドスピーカーから伝送される前に二つの録音信号を処理することが記載されている。所望の信号は、聴取者の耳の位置に相当する二地点で特定された。これらの所望信号は各々、「左」及び「右」チャンネルの単に遅延された信号として特定された。このように一旦等化フィルタが適応されると、聴取者の左耳は左チャンネルからの録音信号のみ感知し、右耳は右チャンネルからの録音信号のみを感知する。逆フィルタは従って、両方のラウドスピーカーの周波数応答を等化し、さらに左ラウドスピーカーと右耳との間及び右ラウドスピーカーと左耳との間の「クロストーク」をキャンセルする際、有効である。システム自体は、アタル及びシュローダ[21]によって示唆されているシステムのデジタル実行を表している。また、元のアナログ実行の能力はシュローダ[22]によって図式で表されている。このようなシステムは、ダミーヘッドマイクを使用して録音したようなバイノーラルで録音された音場の再生に適している。
しかしながら、近代的な録音にはこのような技術は使用されていない。また、通常の二チャンネルステレオ音響録音は、大いに録音者の主体的な判断に従って、ステレオ音響を最大に錯覚させるために、信号成分を有する左右チャンネルを備えた、個々の信号が注意深く混合された合成物である。このような録音技術がすぐには変化しないことを受け入れると、等化技術の開発は現在の再生システムを改善させることに焦点が合わせられる。本発明において、このような改善は、聴取者に対するラウドスピーカーの位置が実際にはないことを補うような適応フィルタを使用することによって行われる。車内演奏システムの場合、例えば、聴取者に対してラウドスピーカーを対称的に位置させ、録音エンジニアに最初に感知されるステレオ音響の錯覚を生成させることは非常に困難である。同じことが多くの家庭内の聴取環境にもいえる。しかしながら、フィルタを適切に設計することによって、聴取者が最適の位置にすわっているように思われる「仮想位置」にラウドスピーカーを移動させることができる。
本発明の第一局面による、このアプローチのコンピュータシミュレーションに使用される幾何学的配列が図2に示されている。音源S1及びS2から(聴取者の耳の位置に設けられている)マイクロホンM1及びM2への信号出力に関するマトリックスC(z)は下記によって求められる。
等式において、これらの伝達関数は、空間のある地点での音圧を単極音源の体積加速度に関連づける連続時間伝達関数のデジタル関数である。このように遅延Δmlは次のように求められる。
Δml=round(fsrml/c0) (17)
rmlはm番目の音源とl番目のマイクロホンとの間隔であり、fsはサンプリング周波数であり、c0は音速である。マトリックスA(z)は、録音信号と所望信号との関係を特定し、図2に示されているように「仮想音源」位置V1及びV2があると仮定することによって選択される。従って、所望信号d1(n)及びd2(n)は音源V1及びV2によって生成されるであろう信号である。従って、
等式においてz-Δmodはモデル遅延であり、遅延rmlは次によって求められる。
rml=round(fsuml/c0) (19)
等式においてumlはm番目の仮想音源位置とl番目のマイクロホンとの間隔である。次のすべてのシミュレーションにおいてサンプル率fsは単純にc0=341ms-1及びρ0=1.0kg/m3を備えた8kHzが選択された。フィルタマトリックスH(z)における係数lの数は常に128が選ばれた。またフィルタは疑似乱数列x1(n)及びx2(n)を使用して適応設計された。
図2に示されている例において、例証の目的で、音源S1及びS2はV1及びV2に対して非対称に設けられているだけではなく、V1及びV2に対して逆にもなっている。図3には、一旦、WW=0及びWe=lを備えた等式(14)のアルゴリズムを使用してフィルタマトリックスH(z)が設計されると、結果として生じるシステムのインパルス応答が示されている。相当するフィルタインパルス応答は図4に示されている。図3の結果によれば、S1及びS2への信号入力が一旦H(z)(図において制御=オン)によって予めフィルタされると、システムへのインパルス入力の相対的な到達時間は、仮想音源V1及びV2によって生成されるであろうインパルスに等しくなる。例えば、マイクロホン1ではS2からの信号がS1からの信号の後に到達し、一方マイクロホン2ではS2からの信号はS1からの信号の前に到達する。これはフィルタされていない場合(図において制御=オフ)にみられた状態の逆である。システムの効果はまた、図5に周波数応答によって示されている。これらは、特にマイクロホン1及び2に到達する信号間の相対的位相が、仮想音源と二本のマイクロホンとの間の行程時間において差異をどのように示すかを表している。また、振幅応答は仮想音源とマイクロホンとの距離における差異に一致している。当然、図示が単純であるため、残響はモデルに含まれていないが、実システムの実行においても、このことは説明されるであろう。
本発明の第二局面による技術は、再生ラウドスピーカーが間隔をあまりあけずに設けられる聴取システムにも適用されるであろう。実音源の間隔を効果的に増加させるために仮想音源を位置させることができるであろう。図7、8、9には、図6に示されている実音源及び仮想音源の幾何学的配置とともにアプローチの実行可能性を示すシミュレーションの結果が示されている。図7には、信号x1(n)及びx2(n)からのインパルスの到達時間が、フィルタマトリックスH(z)を存在させることによって、どのように異なるかが示されている。特に、所定のマイクロホンでの到達時間は増加し仮想音源の位置に一致する。これを達成するために必要なインパルス応答は図8に示されている。また、複合システムH(z)C(z)の周波数応答関数が図9に示されている。また、これらの図には特定仮想音源位置に関して振幅及び位相の差異が示されている。
2.3 多数のステレオ音響イメージの生成
本発明の第三局面による別の可能性は、概要を上述した一般的なフィルタ設計哲学から引き出されたが、二つの聴取位置の各々に対して理想的な仮想音源位置を生成させるために従来のステレオ音響録音の二チャンネルに作用することである。しかしながら、このようなアプローチでは少なくとも四台のラウドスピーカーを使用する必要がある。このような方法の例として、図10の音源/マイクロホンの配置が考慮されるコンピュータシミュレーション(オーデュナーバスタマンテ等[23])の結果を提示する。また、例えばM1並びにM2及びM3並びにM4に二つの録音信号x1(n)及びx2(n)を再生させる「クロストークキャンセル」の場合を扱う。この場合、マトリックスC(z)は次のようである。
そして所望信号を定義するマトリックスA(z)は次のように求められる。
等式においてΔmodはモデル遅延である。ここで提示されているシミュレーションにおいて、4×2マトリックスH(z)は、多くの係数l=128を各々有する八個のFIRフィルタから構成されていた。選択されたモデル遅延Δmodは96サンプルであった。
H(z)C(z)からなるシステムから生じるインパルス応答が図11に示され、相当する周波数応答関数が図12に示されている。逆システムの極を十分にモデル化するかが困難である周波数ではシステムはあまり効果的ではないけれども、明らかに十分なクロストークキャンセルが得られる(ネルソン等[13]の全体を参照)。IIRフィルタを使用することによって、この問題の解が得られ、参考文献[24]に予備的な調査が報告されている。単一チャンネルにIIRフィルタを使用することはグリーンフィールド及びホークスフォード[25]も考察した。この問題は、M1及びM2での信号x1(n)及びx2(n)が各々再生される場合に明らかである。このようなシステムを実行した結果は図13及び14に示されている。マイクロホン1及び2で(ある周波数を除いて)クロストークキャンセルが有効に行われる一方、マイクロホン3及び4での信号はシステムを操作することによって予測通り劣化される。最後に、セクション2.3に記載した意味でマイクロホンというよりも音源を使用することにおける利点が図15及び16に提示されている結果によって示されている。この場合、4×2マトリックスH(z)は、マイクロホン1及び2でx1(n)及びx2(n)を確実に再生するようになされた。かなり改善されたクロストークキャンセルの達成がみられる。
オーディオ信号の適応デジタル処理のための散在更新フィルタ
現DSP技術を使用して高サンプル率で適応フィルタを実行させることのできる散在更新策に関して以下に述べる。この技術は、フィルタ更新操作に費やされるサンプル時間当りの処理時間がフィルタの長さと無関係であるという重要な特性を有する。LMS及びフィルタードxLMSアルゴリズムの両方にコードが与えられる。これらをラウドスピーカーの等化に実際に使用する場合について以下に述べる。
序文
単一チャンネルシステム識別問題が図17(a)に示されている。入力信号のL最新サンプルを含むベクトルは次のように定義され、
xn=[xn xn-1...xn-L+1]T
同様に、(非定常)非再帰的デジタルフィルタの係数を含むベクトルが次のように定義される。
gn=[g0(n)g1(n)...gL-1(n)]T
係数ベクトルを備える入力ベクトルの内積によって次の出力が生成される。
これは、下記のように定義される誤差信号の分散を最小にする方法で、所望信号dn(識別システムからの出力)の近似値を見出すために必要である。
en=dn−yn
LMSアルゴリズム[3]によって、L次元における確率的勾配探索が公式に従って行われる。
gn+1=gn+μenxn
適応率が次の条件を満たすように選択されると、問題の正確な最小二乗平均解へ平均して収束可能である。
このアルゴリズムをマイクロプロセッサにて実行する際に、4L算術演算が必要である(2Lはフィルタを行い、2Lはフィルタ更新を行う)。高サンプル率で、非常に厄介で重い制限が係数値に課されなければならないことが証明可能である。
システム等化問題が図17(b)に示されている。この場合、下記の係数を備える新フィルタは
hn=[h0(n)h1(n)...hL-1(n)]T
入力信号に作用し、信号を生成する
システムからの伝送後、出力znが生成され、この出力は次の新しい誤差信号の分散を最小にする。
en=dn−zn
最適フィルタの係数は、フィルタードxLMSアルゴリズム[9]を使用して探索される。
hn+1=hn+μenrn
等式において参照信号の最新サンプルを含むベクトルrn
rn=gTxn
はLMSアルゴリズムにおいて入力信号のベクトルの代わりに使用される。算術演算が増加し新たに2L演算が行われる(両方のフィルタg及びhは同じ長さを有すると仮定する)。算術演算は従って6L演算に増加する。
LMSアルゴリズムの散在更新実行
LMSアルゴリズムを使用してフィルタ係数の更新に必要な演算計数を削減する方法として、アルゴリズムの収束特性を維持させるために必要な演算の絶対最小数を選択する基準を案出する方法がある。これは各処理サイクルnで下記の演算を行うことによって実行される。
gk(n)=gk(n)+μenxn-k(フィルタタップの更新)
k=(k+1)modL(タップ計数の増加)
等式においてkは最初k=0と設定されていたカウンターであり、フィルタ係数のベクトルに沿って巡回する。n及びkはサイクル毎に(kが包まれてゼロになる以外は)常に1増加するので、更新xk-nに使用される入力サンプルは、フィルタ全体に沿って一度通過するLサイクルの間に、正確に同じになる。従って、次の代案、正確には等しいのであるが、LMSアルゴリズムの散在更新版が導かれる。
k=0であるとα=μxn(入力サンプルを記憶し予め乗算する)
gk(n)=gk(n)+αen(現フィルタタップの更新)
k=(k+1)modL(タップ計数の増加)
これらの手順に従うことによって、フィルタ全体を更新させるにはL処理サイクルが必要である。しかしながら、演算計数は2Lに低減される(基本的には実際のフィルタに含まれる)。
フィルタードxLMSアルゴリズムの散在更新実行
フィルタードxLMSアルゴリズムの散在更新を実行することは、さらに、フィルタ計数の分散更新に対して矛盾のない方法で、フィルタされた参照信号を計算しなければならない。興味深いことには、フィルタ参照信号の計算も次のように単一タップベースで行うことができる。
k=0であるとr=0(フィルタードx累算器のクリア)
r=r+gL-k-1xn(現在の積を累積する)
k=L−1であるとα=μr(この時、フィルタードxを記憶)
k=(k+1)modL(タップ計数の増加)
hk(n)=hk(n)+αen(現フィルタタップの更新)
フィルタされた参照信号の次のサンプルの計算のLサイクルが先に行われる。このために、示されているように、参照フィルタgの係数が逆にアクセスされ、フィルタによって最新入力サンプルがサイクル毎に使用される(言わば、時間がたつと、それ自身古くなる)。LMSアルゴリズムの散在更新実行と同じように、演算計数は再び低下し、2Lをやや上回る。
散在更新適応フィルタを用いたラウドスピーカー等化
図18には、平担振幅応答及び直線位相応答を得るために等化された無響室におけるラウドスピーカーの周波数応答関数が示されている。テキサスインストルメンツTMS320C30プロセッサを使用した浮動小数点演算で処理を行った。サンプル周波数はf=32kHzに設定され、フィルタの長さはL=48に設定された。システムのインパルス応答関数は最初、LMSアルゴリズムの散在更新版によって識別された。システムはその後、フィルタードxLMSアルゴリズムの散在更新実行によって等化された(完全な更新はf=16kHzまたはL=24でのみ可能であるだろう)。
参考文献
1.ヴィーナー、エヌ.(1949)
定常時間列の外挿、内挿及び平滑
ニューヨーク州 ジョン ウィリー
2.ウィドロー、ビー.及びホッフ、エム.(1960)
適応スイッチ回路
IRE WESCONコンベンション レコード会報 第4部 セッション16 96〜104頁
3.ウィドロー、ビー.及びスターンズ、エス.ディ.(1985)
適応信号処理
ニュージャージ州 エングルウッド クリフス プレンチスホール
4.モルガン ディ.アール.(1980)
補助経路においてフィルタを備える多数の相関キャンセルループの分析
音響、音声及び信号処理に関する電気及び電子エンジニア研究所会報 ASSP−28、454〜467
5.ウィドロー、ビー.、シャー ディ.、及びシャファ、エス.(1981) 適応逆制御に関して
回路、システム及びコンピュータに関する第15回ASILOMAR会議事録 185〜195頁
6.バーゲス、ジェイ.シー.(1981)
ダクトにおける能動適応音制御:コンピュータシミュレーション
米国音響協会議事録70、715〜7626
7.ネルソン、ピー.エー.、カーチス、エー.アール.ディ.、及びエリオット、エス.ジェイ.(1985)
自由音場及び閉鎖音場の能動制御における二次最適化問題
音響協会会報7、45〜53
8.エリオット、エス.ジェイ.及びネルソン、ピー.エー.(1985a)
マルチチャンネルLMS適応フィルタのアルゴリズム
電子工学論文21、979〜981
9.エリオット、エス.ジェイ.、ストーサーズ、アイ.エム.及びネルソン、ピー.エー.(1987a)
マルチプルエラーLMSアルゴリズム及び音及び振動の能動制御へのアルゴリズムの適用
音響、音声及び信号処理に関する電気及び電子エンジニア研究所会報 ASSP−35、1423〜1434
10.ネルソン、ピー.エー.及びエリオット、エス.ジェイ.(1992)
音の能動制御
ロンドン、アカデミック プレス
11.ネルソン、ピー.エー.及びエリオット、エス.ジェイ.及びストーサーズ、アイ.エム.(1988)
音再生システムにおける又は音再生システムに関する改善
国際特許出願番号PCT/GB89/00773
12.ネルソン、ピー.エー.及びエリオット、エス.ジェイ.(1988)
正確な多地点音再生に対する最小二乗近似法
音響学研究所会報10、151〜168
13.ネルソン、ピー.エー.、ハマダ エイチ.及びエリオット、エス.ジェイ.(1992)
ステレオ音響再生のための適応逆フィルタ
信号処理に関する電気及び電子エンジニア研究所会報 第40巻第7号
14.ロビンソン、イー.エー.(1978)
デジタルコンピュータプログラムを備えたマルチチャンネル時間列分析
サンフランシスコ ホルデン デイ
15.ミヨシ、エム.及びカネダ、ワイ.(1988a)
室内音響の逆フィルタ
音響、音声及び信号処理に関する電気及び電子エンジニア研究所会報 ASSP−36、145〜152
16.ネルソン、ピー.エー.、ハマダ エイチ.及びエリオット、エス.ジェイ.(1991a)
マルチチャンネル音再生
日本電子学協会に提出された論文、情報及び通信エンジニア、1991年4月、東京電気大学
17.クリヤマ、ジェイ.及びフルカワ ワイ.(1988)
適応スピーカシステム
オーディオエンジニアリング協会第85回大会で提出された論文、ロサンジェルス
18.ウィルソン、アール.(1989)
軸上応答及び軸外応答を考慮しているラウドスピーカー駆動装置の等化
オーディオエンジニアリング協会第86回大会で提出された論文、ハンブルグ
19.ファーンズワース、ケー.ディ.、ネルソン、ピー.エー.、及びエリオット、エス.ジェイ.(1985)
応答が散在している室内音響の等化
音響学協会秋季大会議事録 再生された音、ウィンダミア
20.エリオット、エス.ジェイ.及びネルソン、ピー.エー.(1988)
適応デジタルフィルタを使用している室内の多地点最小二乗等化
オーディオエンジニアリング協会会報37、899〜907
21.アタル、ビー.エス.及びシュローダ、エム.アール.(1962)
表面的な音源トランスレーター
米国特許番号3、236、949
22.シュローダ、エム.アール.(1975)
聴取のモデル
IEEE議事録、63 1332〜1352
23.オーデュナーバスタマンテ、エフ.、ネルソン、ピー.エー.、ハマダ、エイチ.及びウト、エス.(1992)
適応クロストークキャンセルを備えたステレオ音再生システムのコンピュータシミュレーション
動作及び振動制御に関する第一回国際会議議事録
日本国横浜
24.ナカジ、ワイ.及びネルソン、ピー.エー.(1992)
単一チャンネル応答等化のための等式エラー適応IIRフィルタ
ISVR技術覚書 第713号
25.グリーンフィールド、アール.及びホークスフォード、エム.オー.(1991)
ラウドスピーカー等化のための有効なフィルタデザイン
オーディオエンジニアリング協会会報39、739〜751
Claims (10)
- 聴取者位置(M1、M2)から間隔をあけた位置に設けられている複数のラウドスピーカー(S1、S2)と、複数の録音(x)チャンネルに応答してラウドスピーカー(S1、S2)を駆動させるためのラウドスピーカー駆動手段とを備え、ラウドスピーカー駆動手段はフィルタ手段(H)を含み、録音(x)が聴取者位置に対して通常対称的に位置している複数のラウドスピーカーからの再生に適している音再生システムであって、フィルタ手段がデジタルフィルタ手段からなり、デジタルフィルタ手段(H)の特性が、再生システムの使用において、聴取者位置(M1、M2)で局部的音場を生成するように選択され、局部的音場信号(Z)は実質上、仮想音源位置(V1、V2)に位置した複数のラウドスピーカーを通して録音(x)を前記フィルタ手段(H)なしで再生することから生じるであろう局部的音場信号に等しく、仮想音源位置(V1、V2)の少なくとも一方が、対応のラウドスピーカーの実際の位置(S1、S2)から実質上変位しており、デジタルフィルタ手段(H)が、所望信号(d)と録音信号(x)とを関係付けるのに用いられたフィルタマトリックス(A)の使用によって特定される所望信号(d)を音場で最適に再生するよう設計され、デジタルフィルタ手段(H)のフィルタ係数が、所望信号(d)と聴取者位置(M1、M2)で再生された信号(z)間の時間平均二乗誤差を含むコスト関数の最小化によって推定され、当該信号(Z)が、フィルタ参照信号のマトリックス(R)を用いて表現されたことを特徴とする音再生システム。
- 前記仮想音源位置の各々が対応のラウドスピーカーの実際位置(S1、S2)から変位していることを特徴とする請求項1記載の音再生システム。
- ラウドスピーカーの実際位置(S1、S2)が、音再生システムを使用している間、聴取者位置(M1、M2)に対して非対称的である所定位置である一方、デジタルフィルタ手段(H)によって作られた前記仮想音源位置(V1、V2)が実質上、聴取者位置(M1、M2)に対して対称的に位置していることを特徴とする請求項1又は2記載の音再生システム。
- ラウドスピーカーの実際位置(S1、S2)は、音再生システムを使用している間、デジタルフィルタ手段(H)によって作られる仮想音源(V1、V2)の間隔よりも互いの間隔が狭い所定位置であることを特徴とする請求項2記載の音再生システム。
- 音場をつくるのに間隔をあけた位置に設けられた四台のラウドスピーカー(S1、S2、S3、S4)を備え、該音場内に第一及び第二所定聴取者位置(M1、M2)(M3、M4)が設けられており、ラウドスピーカーが、各位置に対して対称的に位置する一対のラウドスピーカーを通じた二つのチャンネル(x1、x2)によってデジタルフィルタ手段(H)を通して駆動されることを特徴とする、請求項1記載の音再生システム。
- 前記デジタルフィルタ手段(H)が、複数の変更可能なフィルタ係数を有する適応フィルタ手段と、周期的に引き続いてフィルタを使用してフィルタ操作を行ない、フィルタ係数を更新させるためのフィルタ更新操作を行うアルゴリズムを実行するプロセッサとを備え、アルゴリズムがその一つの周期に配置され、フィルタ操作を行う前に限られた数のフィルタ係数のみを(必要な場合)調整することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の音再生システム。
- フィルタの一つの係数のみがサイクル毎に調整されることを特徴とする請求項6記載の音再生システム。
- アルゴリズムがLMSアルゴリズムである請求項6又は7記載の音再生システム。
- アルゴリズムがフィルタードxLMSアルゴリズムであることを特徴とする請求項6又は7記載の音再生システム。
- フィルタされた使用参照信号が単一タップベースで計算されることを特徴とする請求項9記載の音再生システム。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
GB929214340A GB9214340D0 (en) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | Sound reproduction systems incorporating multi-channel signal processing techniques |
GB9214340.3 | 1992-07-06 | ||
GB9308570.2 | 1993-04-26 | ||
GB939308570A GB9308570D0 (en) | 1992-07-06 | 1993-04-26 | Adaptive audio systems and sound reproduction systems |
PCT/GB1993/001402 WO1994001981A2 (en) | 1992-07-06 | 1993-07-05 | Adaptive audio systems and sound reproduction systems |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07508625A JPH07508625A (ja) | 1995-09-21 |
JP3565846B2 true JP3565846B2 (ja) | 2004-09-15 |
Family
ID=26301210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50309394A Expired - Fee Related JP3565846B2 (ja) | 1992-07-06 | 1993-07-05 | 適応音響システム及び音再生システム |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0649589B1 (ja) |
JP (1) | JP3565846B2 (ja) |
AT (1) | ATE180376T1 (ja) |
DE (1) | DE69325025T2 (ja) |
GB (1) | GB2284130B (ja) |
WO (1) | WO1994001981A2 (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9417185D0 (en) * | 1994-08-25 | 1994-10-12 | Adaptive Audio Ltd | Sounds recording and reproduction systems |
NL9401860A (nl) * | 1994-11-08 | 1996-06-03 | Duran Bv | Luidsprekersysteem met bestuurde richtinggevoeligheid. |
GB9603236D0 (en) | 1996-02-16 | 1996-04-17 | Adaptive Audio Ltd | Sound recording and reproduction systems |
US5862228A (en) * | 1997-02-21 | 1999-01-19 | Dolby Laboratories Licensing Corporation | Audio matrix encoding |
US6449368B1 (en) | 1997-03-14 | 2002-09-10 | Dolby Laboratories Licensing Corporation | Multidirectional audio decoding |
US7113609B1 (en) | 1999-06-04 | 2006-09-26 | Zoran Corporation | Virtual multichannel speaker system |
US7433483B2 (en) | 2001-02-09 | 2008-10-07 | Thx Ltd. | Narrow profile speaker configurations and systems |
US7457425B2 (en) | 2001-02-09 | 2008-11-25 | Thx Ltd. | Vehicle sound system |
US7254239B2 (en) | 2001-02-09 | 2007-08-07 | Thx Ltd. | Sound system and method of sound reproduction |
EP1562403B1 (en) * | 2002-11-15 | 2012-06-13 | Sony Corporation | Audio signal processing method and processing device |
GB2459512B (en) * | 2008-04-25 | 2012-02-15 | Tannoy Ltd | Control system for a transducer array |
GB201318802D0 (en) * | 2013-10-24 | 2013-12-11 | Linn Prod Ltd | Linn Exakt |
TWI695630B (zh) * | 2018-09-19 | 2020-06-01 | 國立清華大學 | 主動式管路噪音控制系統及其方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3236949A (en) * | 1962-11-19 | 1966-02-22 | Bell Telephone Labor Inc | Apparent sound source translator |
JPS5645360B2 (ja) * | 1973-12-27 | 1981-10-26 | ||
JPS53114201U (ja) * | 1977-02-18 | 1978-09-11 | ||
WO1990000851A1 (en) * | 1988-07-08 | 1990-01-25 | Adaptive Control Limited | Improvements in or relating to sound reproduction systems |
BG60225B2 (bg) * | 1988-09-02 | 1993-12-30 | Qsound Ltd. | Метод и устройство за формиране на звукови изображения |
DE4027338C2 (de) * | 1990-08-29 | 1996-10-17 | Drescher Ruediger | Balanceregelung für Stereoanlagen mit wenigstens zwei Lautsprechern |
-
1993
- 1993-07-05 EP EP93914879A patent/EP0649589B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-07-05 JP JP50309394A patent/JP3565846B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1993-07-05 WO PCT/GB1993/001402 patent/WO1994001981A2/en active IP Right Grant
- 1993-07-05 GB GB9426434A patent/GB2284130B/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-07-05 AT AT93914879T patent/ATE180376T1/de active
- 1993-07-05 DE DE69325025T patent/DE69325025T2/de not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
ATE180376T1 (de) | 1999-06-15 |
WO1994001981A2 (en) | 1994-01-20 |
GB9426434D0 (en) | 1995-03-01 |
WO1994001981A3 (en) | 1994-03-17 |
EP0649589A1 (en) | 1995-04-26 |
GB2284130A (en) | 1995-05-24 |
GB2284130B (en) | 1997-01-22 |
JPH07508625A (ja) | 1995-09-21 |
DE69325025T2 (de) | 1999-12-30 |
EP0649589B1 (en) | 1999-05-19 |
DE69325025D1 (de) | 1999-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5949894A (en) | Adaptive audio systems and sound reproduction systems | |
EP0434691B1 (en) | Improvements in or relating to sound reproduction systems | |
Buchner et al. | Wave-domain adaptive filtering: Acoustic echo cancellation for full-duplex systems based on wave-field synthesis | |
US8218774B2 (en) | Apparatus and method for processing continuous wave fields propagated in a room | |
EP0880871B1 (en) | Sound recording and reproduction systems | |
US8194868B2 (en) | Loudspeaker system for virtual sound synthesis | |
JP3565846B2 (ja) | 適応音響システム及び音再生システム | |
Haneda et al. | Multiple-point equalization of room transfer functions by using common acoustical poles | |
CN108141691B (zh) | 自适应混响消除系统 | |
JP5863975B2 (ja) | 波動領域におけるスケーラブルフィルタ処理構造を用いたリスニングルーム等化のための装置および方法 | |
CA2675105A1 (en) | Methods and devices for audio upmixing | |
KR20190106775A (ko) | 대각화 필터 행렬을 이용한 능동 잡음 소거 시스템 | |
Spors et al. | A novel approach to active listening room compensation for wave field synthesis using wave-domain adaptive filtering | |
Mertins et al. | Room impulse response reshaping and crosstalk cancellation using convex optimization | |
CN107995558A (zh) | 音效处理方法及装置 | |
US20080285768A1 (en) | Method and System for Modifying and Audio Signal, and Filter System for Modifying an Electrical Signal | |
US11057706B2 (en) | Speaker driving device | |
JP2558445B2 (ja) | 多チャンネル制御装置 | |
GB2221595A (en) | Improvements in or relating to sound reproduction systems | |
JP6892111B2 (ja) | 多入力多出力系の直接逆同定方法及び装置及びプログラム及び記憶媒体、多入力多出力逆フィルタ装置及び方法 | |
CN110719564B (zh) | 音效处理方法和装置 | |
Buchner et al. | Wave-domain adaptive filtering for acoustic human-machine interfaces based onwavefield analysis and synthesis | |
Hofmann et al. | Higher-order listening room compensation with additive compensation signals | |
JP2007067854A (ja) | 反響消去方法、反響消去装置、プログラム、記録媒体 | |
Spors et al. | Spatio-temporal adaptive inverse filtering in the wave domain |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040203 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040511 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040609 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |