JPH0428990Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、SRC造用柱廻り仮設足場の提供
に係わる。

「従来の技術」 近年複合化工法の採用にともない、多目的作業
に一つの足場を活用する必要性がある。

SRC造のエレクシヨンジヨイント部に於ける
種々の作業、つまり、鉄骨建方、HTB本締、現
場溶接、柱筋配筋、柱筋ジヨイント圧接、梁の先
組配筋等にあつても同様である。

この用途に最も転用可能と思われるのは純Ｓ造
用に開発された既製足場で、例えば第２図ａ，ｂ
に梁用、柱用として示される如きものである。

この梁用足場１、柱用足場２は、個々の作業所
の柱径、梁径に合わせてワンユニツトに製作され
ている。

その他、実開昭49−7721号公報に提案の如き、
梁上端に敷設固定される置足場がある。

「考案が解決しようとする問題点」 しかるに、前記のものでは、いずれも鉄骨梁３
に対してフツク状の掛止部１ａ，２ａを抱かせる
ことで、取り付くものであるが、これではフツク
部が鉄骨梁３上面を横断するのでSRC造での梁
の先組配筋が、その延配用空間が確保され得ず不
可能であり、SRC造においては役し得ない。

また、後記のものにあつても、梁上に足場が載
置されて密着するものであるから、この部の梁の
先組配筋は同じく延配用空間が確保され得ず不可
能である。

「問題点を解決するための手段」 本案は叙上の事情に鑑みてなされたもので、そ
の要旨とするところは、四枚の建枠を相互に着脱
自在のクランプ止めして矩形の囲成枠を構成し、
当該囲成枠の一方の対向下辺間に中央に柱貫通用
の間隙部を残して鋼製布板を着脱自在に敷設し、
さらに、鉄骨梁に取り付く建枠の下辺に梁先付配
筋を考慮したかさ上げを確保したユニツト取付具
を着脱自在に装備するとして、梁上の先組配筋の
可能なSRC造に於ける柱廻りの多目的作業用の
軽量、解体自在、柱、梁径にかかわらず転用可能
な仮設足場を提供する点にある。

「作用」 仮設足場は、中央に柱貫通用の間隙部を残した
態様でもつて鋼製布板を敷設するので、互いに直
交する梁のいずれか一方は、確実にその梁上面を
完全に露呈し、鋼製布板の盛替えにより他の梁上
面も完全に露呈される。

よつて、梁上での種々の作業が存分にとり行な
えることとなる。

また、鋼製布板が敷設されて被覆されている梁
にあつてもユニツト取付具によつて、鋼製布板は
梁先付配筋延配用空間を確保してかさ上げされて
いるので、梁の先組配筋に何んら支障を生じるこ
とはい。

「実施例」 以下、これを図に基づいて詳細に説明する。

第１図ａ〜ｅは本案品の隅部柱４に組み付き態
様の平面図、ａ図中ｂ矢視図、ａ図中ｃ矢視図、
ａ図中ｄ矢視図、中間柱５に組み付き態様図であ
る。

図中６は四枚の建枠７，８，９，１０を相互に
着脱自在なクランプ止め１１，……にて結合させ
合つて構成した矩形の囲成枠で、図示例にあつて
は、梁３が取り合う側の建枠９，１０に於ける内
枠の一部はｂ，ｃ図に示す如くＶ字型及び取りは
ずし式ブレースタイプ１２として、人の出入り、
材料の出し入れがスムーズにできる様にし、かか
る必要はなく、外部転落防止のみが要求される建
枠７，８ではｄ図に示される如きブレース補強の
固定型の安全柵タイプを採用すると良い。

その他現場事情に応じて種々のタイプを採用す
ればよく、その一例を第３図ａ〜ｃに例示する。

１３，１４は囲成枠６のいずれか一方の対向下
辺間にａ，ｅ図に示される如く中央に柱貫通用の
間隙部１５を残して敷設される鋼製布板で、突設
フツクを鋼管に掛け載せする着脱自在の汎用のも
のである。

上記間隙部１５の巾は所定の大きさに設定し、
これ以内の柱巾に使用可とする。

間隙部１５により、互いに直交する鉄骨梁３，
３のうち、ずれか一方は、その上面を完全に露呈
するものとなる。これは、梁上面での種々の自由
な作業を保証することとなり、便利である。

しかして、柱４，５に対して吊り下げ等にて持
ち込み、鉄骨梁３上に載置可能な足場が構成され
るが、このままでは、既述した純Ｓ造用足場等と
同じく梁の先組配筋が不可能となるので、ｂ，ｃ
図にも示される如く、少なくとも鉄骨梁３に取り
付く建枠９，１０については、その下辺には梁先
付配筋を考慮したかさ上げを確保したユニツト取
付具１６を着脱自在に装備して、このスペーサー
体の介在によつて梁の先組配筋を可能としてい
る。

当該ユニツト取付具１６を第４図ａ〜ｃにて詳
述する。

ａ図に示す例は、梁中央の先組配筋を考慮し、
馬蹄型に切欠き１６ａを設け、さらに配筋分
（150mm程）かさ上げ代を確保のプレート１６′，
１６′を建枠下辺並びに鉄骨梁３に夫々配し、両
者はボルト孔１６ｂ，……を介してボルト締めに
て一体化される。

建枠下辺に配されるものは工場溶接により、鉄
骨梁３に配されるものは現場墨出し溶接にて取り
付けされる。

ｂ図に示す例は、建枠下辺に取り付くものをス
ライド管１６ｃを介して組み付きとして位置調整
可能とし、柱型の大きい場合、枠芯からずれる場
合に対応させたものである。

ｃ図に示す例は、既製の足場金物１６″を用い
てとり行なつた場合を示す。

第５図は本安品を重ねて高足場とした例を示
し、建枠には横内棧１７を有する梯子として利用
できるものが採用されている。

「考案の効果」 叙上構成よりなる本案によるならば、足場架・
払し手間・工期の省力化を行い、作業のスピード
アツプ及び安全の向上を計る専用の仮設足場とし
ては別段無い、SRCの柱廻りに於いて、以下列
記の如き諸効果を奏する。

１ 柱廻りの互いに直交する梁のうちいずれか一
方の梁上面が、完全露呈し、あらゆる梁上作業
が可能となる。

２ エレクシヨン・ジヨイント部足場の規格化が
できる。

３ 足場の架・払し手間・工期の省力化ができ
る。

４ ユニツト化できるので安全が向上できる。

５ 解体、盛替えに人力のみ（クレーンが無い場
合）で、できる。

６ 鉄骨建方、HTB本締、現場溶接、柱筋配筋、
柱筋ジヨイント圧接等多目的に利用できる。

７ ワンユニツトの重量が従来型に比べ軽い。

８ 既製の部材を活用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｅは本案品の組立て態様での各平面
と矢視図、第２図ａ，ｂは純Ｓ造用足場の説明
図、第３図ａ〜ｃは建枠のバリエーシヨン説明
図、第４図ａ〜ｃはユニツト取付具の種類説明
図、第５図は本案品の一利用態様説明図である。 １……梁用足場、２……柱用足場、１ａ，２ａ
……掛止部、３……鉄骨梁、４……隅部柱、５…
…中間柱、６……囲成枠、７，８，９，１０……
建枠、１１……クランプ止め、１２……ブレース
タイプ、１３，１４……鋼製布板、１５……間隙
部、１６……ユニツト取付具、１６′……プレー
ト、１６″……足場金具、１６ａ……切欠き、１
６ｂ……ボルト孔、１６ｃ……スライド管、１７
……横内棧。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 四枚の建枠を相互に着脱自在のクランプ止めし
   矩形の囲成枠を構成し、当該囲成枠の一方の対向
   下辺間に中央に柱貫通用の間隙部を残して鋼製布
   板を着脱自在に敷設し、さらに、鉄骨梁に取り付
   く建枠の下辺に梁先付配筋を考慮したかさ上げを
   確保したユニツト取付具を着脱自在に装備した
   SRC造用柱廻り仮設足場。