JPH0428723B2 - - Google Patents

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JPH0428723B2
JPH0428723B2 JP57205488A JP20548882A JPH0428723B2 JP H0428723 B2 JPH0428723 B2 JP H0428723B2 JP 57205488 A JP57205488 A JP 57205488A JP 20548882 A JP20548882 A JP 20548882A JP H0428723 B2 JPH0428723 B2 JP H0428723B2
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JP
Japan
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polymerization
vinyl chloride
pvc
average degree
molecular weight
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JP57205488A
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Katsuo Mitani
Takashi Maehara
Kikuo Yamamoto
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication of JPH0428723B2 publication Critical patent/JPH0428723B2/ja
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【発明の詳細な説明】
本発明は、ポリ塩化ビニル組成物(以下、単に
PVCともいう)の製造方法に関するものである。
更に詳しくは、成形加工法が著しく改善された
PVCの製造方法に関するものである。 本発明におけるPVCの「数平均重合度」,「重
量平均重合度」,「Z+1平均重合度」及び「分子
量分布」は次式で定義される。 数平均重合度 Po=〓niPi/〓ni 重量平均重合度 Pω=〓niPi2/〓niPi Z+1平均重合度 PZ+1=〓niPi4/〓niPi3 分子量分布 Q=Pω/Po ただし、ここでPiはPVCを構成するi番目のポ
リマーの重合度で、niはi番目のポリマーの分子
数である。 本発明における塩化ビニル重合体,ポリ塩化ビ
ニル,ポリ塩化ビニル組成物あるいはPVCとい
う語は、塩化ビニルの単独重合体及び塩化ビニル
単量体と共重合可能な他の単量体との混合物を重
合して得られる塩化ビニルの共重合体を総称して
用いられる。 ポリ塩化ビニルは、他の樹脂に比較して価格が
安く、かつ、これから得られる各種成形品は種々
の物性に優れるため、汎用性の高い樹脂として広
く使用されているが、その成形加工性と機械的強
度は充分に満足できるものではない。特にポリ塩
化ビニルの成形加工性は、他の汎用樹脂と比べて
著しく劣つている。一般にポリ塩化ビニルは重合
平均重合度が600〜1500である樹脂がよく利用さ
れている。ポリ塩化ビニルは、重量平均重合度が
増加すると成形品の剛性,靫性及び耐熱性が増加
するという利点がある反面、ゲル化性及び溶融流
動性等の成形加工性が著しく劣るという欠点があ
る。ポリ塩化ビニルの重合平均重合度が1000を超
えると上記の性質が特に著しく、機械的強度及び
熱安定性に優れているにもかかわらず、成形加工
性が劣るために満足に使用されていない。 ポリ塩化ビニルの成形加工性を改良する手段と
して、分子量分布を広げる方法が報告されてい
る。例えば、B.P.−1279502には、まず1段目を
低温で重合し、次いで2段目において1段目より
高温で重合して得られたポリ塩化ビニルは、分子
量分布が従来のポリ塩化ビニルに比べて広がるこ
とが記載されている。かくして得られたポリ塩化
ビニルは加工性に優れ、成形物の機械的強度も良
好に維持されるという特徴を有する。ただし、こ
の発明で得られるポリ塩化ビニルは、1段目の重
合で得られる高重合度のポリ塩化ビニルの重量組
成が15重量%を超えず、Pω/Po(重量平均重合度
と数平均重合度との比で表わされる分子量分布)
が3.2以下で、かつ、PZ+1/Pω(Z+1平均重合
度と重量平均重合度との比で表わされる分子量分
布)が5.0以上である特性値を有するポリ塩化ビ
ニルである。 また、U.S.P.−3956251にはB.P.−1279502の発
明と同様の重合法、すなわち35℃から55℃の範囲
の重合温度でまず1段目の重合を行い、次いで60
℃から80℃の範囲の重合温度で重合を完了させる
方法を採用すれば、加工流動性の良いポリ塩化ビ
ニルが得られることが述べられている。ただし、
この場合、最終的に得られるポリ塩化ビニルの重
量平均重合度は1000以下である。 しかし、これらの方法を採用しても、重量平均
重合度が1000を超えるポリ塩化ビニルにおいて
は、加工特性向上の効果が期待できないばかり
か、機械的強度,熱安定性等が低下する欠点のあ
ることが明らかとなつた。 本発明者らは、重量平均重合度が1000を超える
ポリ塩化ビニルの機械的強度及び熱安定性に優れ
ているという利点を維持したまま、その欠点とさ
れている成形加工性を改良し、広範な成形加工分
野で適用可能な優れた成形加工性を有するポリ塩
化ビニルを得る方法について研究を重ねた結果、
本発明を完成させるに至つた。 すなわち、本発明は、塩化ビニル単量体または
塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との
混合物を重合開始剤の存在下に複数回に分けて重
合を行い、各回の重合で得られる塩化ビニル重合
体からなるポリ塩化ビニル組成物の製造方法にお
いて、第2回目以降の重合は、前回の重合で得ら
れた塩化ビニル重合体の存在下に、第1回目の重
合で得られた塩化ビニル重合体より重量平均重合
度が小さくなるように残存する塩化ビニル単量体
またはその混合物の重合を行い、かつ、ポリ塩化
ビニル組成物の重量平均重合度をPω、分子量分
布をQ、第1回目の重合で得られる塩化ビニル重
合体のポリ塩化ビニル組成物中に占める割合を
ω1とするとき、 Pω>1000,Q<2.8 かつ、 65重量%≧ ω1 ≦90重量% となるように行うことを特徴とするポリ塩化ビニ
ル組成物の製造方法である。 本発明において、使用される塩化ビニル単量体
と共重合し得る他の単量体としては、特に限定さ
れず公知のものが使用出来る。一般には、エチレ
ン性不飽和基を有するもの、例えばエチレン,プ
ロピオン等のオレフイン化合物;酢酸ビニル,プ
ロピレン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリ
ル酸及びα−アルキルアクリル酸等の不飽和モノ
カルボン酸及びそのアルキルエステル類,アミド
類,すなわちアクリル酸,メタアクリル酸,アク
リル酸エチル,メタアクリル酸メチル,アクリル
酸アミド,メタアクリル酸アミド;アクリロニト
リル等の不飽和ニトリル類;マレイン酸,フマー
ル酸等の不飽和ジカルボン酸類,そのアルキルエ
ステル類,及びその無水物;ビニルメチルエーテ
ル,ビニルエチルエーテル等のビニルアルキルエ
ーテル類;その他の種々の公知の共重合性単量体
が好適に使用される。 本発明において、塩化ビニル単量体または塩化
ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との混合
物の重合は複数回に分けて行われる。通常は2回
に分けて重合されるが、3回以上に分けて重合し
ても良い。第2回目以降の重合においては、前回
の重合で得られた塩化ビニル重合体の存在下に、
残存する塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量
体と共重合可能な他の単量体との混合物の重合が
行われる。その際、第1回目の重合で得られた塩
化ビニル重合体よりも重量平均重合度が小さくな
るように塩化ビニル重合体の重合が行われなけれ
ばならない。 このようにして各回の重合で塩化ビニル重合体
が得られ、最終的には、上記の塩化ビニル重合体
よりなるポリ塩化ビニル組成物(PVC)が得ら
れる。 上記のような重合方法に従わず、単に高重合度
のポリ塩化ビニルと低重合度のポリ塩化ビニルを
機械的に混合するだけでは、たとえ後述する本発
明の重合度,分子量分布等の条件に合致する場合
でも、得られた製品にブツが生じるので好ましく
ない。 本発明においては、上記重合法で得られる
PVCの分子量分布は、2.8以上でなければならな
い。望ましくは、3.5以上である。PVCの分子量
分布は、重合条件によつて異なるが、一般には
2.0乃至2.5の範囲にある。重量平均重合度が1000
より小さいPVCの分子量分布は、一般に2.0乃至
2.2の範囲にあり、分子量分布を2.5以上にすると
流動性は著しく向上するが、重量平均重合度が
1000を超えるPVCは、分子量分布を2.5程度に広
げても、成形加工性の向上が小さいことが判明し
た。本発明者らは、重量平均重合度が1000を超え
るPVCの分子量分布と成形加工性を系統的に検
討した結果、分子量分布を2.8以上、好ましくは
3.5以上に制御すると加工流動性が著しく増加す
る知見を得た。従つて、重量平均重合度が1000を
超えるPVCの場合、該分子量分布を2.8以上にす
ることが必要である。 これら重量平均重合度が1000を超え、かつ、分
子量分布が2.8以上となるようなPVCを得るため
には、次のような条件が適当である。本発明にお
いて、第1回目の重合で得られる高重合度の塩化
ビニル重合体の重量平均重合度をPω1,第2回以
降の重合で得られる低重合度の塩化ビニル重合体
の重量平均重合度をPω2とするとき、その比
1/Pω2が3.4以上であることが好ましい。換言
すれば、Pω1/Pω2が3.4より小さいと最終的に得
られるPVCの重合度が1000を超える場合、該分
子量分布は2.8以上となり難い。 本発明において、PVCの重量平均重合度が
1000を超え、分子量分布が2.8以上であつても、
重合度が1000を超えるPVCの特長である機械的
強度及び熱安定性を必ずしも維持することはでき
ない。本発明においては、複数回の重合のうち、
第1回目の重合で得られる塩化ビニル重合体の量
がある特定の範囲にあるという条件を満たさなけ
ればならない。すなわち、第1回目の重合で得ら
れる塩化ビニル重合体のPVC中に占める割合を
ω1とするとき、 65重量%≦ω1≦90重量% を満たすように第1回目の重合を行わなければな
らない。ω〓が65重量%より小さい場合は、最終
的に得られるPVCに占める低重合度の塩化ビニ
ル重合体の構成量が多くなり機械的物性及び熱安
定性の観点から好ましくない。一方、ω1が90重
量%を超えると、分子量分布を2.8以上好ましく
は3.5以上に広げるためには、第1回目の重合の
塩化ビニル重合体と第2回目以降の重合の塩化ビ
ニル重合体との重量平均重合度の差が著しくかけ
離れることが必要とされ、成形品の物性が損なわ
れる欠点が生じ好ましくない。 重量平均重合度が1000を超えるPVCで分子量
分布が広く、2.8以上好ましくは3.5以上に広い場
合、その成形加工性は、ある程度粒子構造とも相
関する。3次粒子の状態で混合している場合は、
流動加工性の改善が不充分であるばかりか、軟質
成形品の表面特性が悪くなることがある。従つ
て、少くも2次粒子のオーダーで混合することが
必要で、かつ、低重合度の塩化ビニル重合体が一
種の可塑的作用を示す如く、高重合度の塩化ビニ
ル重合体の3次粒子内に分布していることが望ま
しい。従つて、まず第1回目の重合で高重合度の
塩化ビニル重合体を重合し、ポーラスな2次粒子
の凝集構造を形成させ、次いで低重合度の塩化ビ
ニル重合体を重合して、高重合度の塩化ビニル重
合体の2次粒子の間隙を低重合度の塩化ビニル重
合体の2次粒子以下のオーダーで埋めることが望
ましい。 本発明において、第1回目の重合条件は特に限
定されず公知の重合条件から選択して実施すれば
良い。例えば、水性媒体中において必要な分散
剤,開始剤を添加し、30℃乃至55℃の範囲の重合
温度下に単量体を重合することによつて、重量平
均重合度が1000より大きいPVCを得ることが出
来る。同様に、第2回目以降の重合は、特に限定
されず公知の重合条件から適宜採用可能である
が、例えば上記第1回目の重合によつて得られた
塩化ビニル重合体を含む水性媒体、すなわち重合
系を60℃乃至80℃の範囲にある温度迄昇温して、
その温度下で重合を更に継続することによつて、
第2回目以降の重合で得られる塩化ビニル重合体
が第1回目の重合で得られた塩化ビニル重合体よ
りも、重合度を小さくすることが可能である。 本発明において、第1回目の重合で高重合度の
塩化ビニル重合体を得る場合、架橋剤を使用して
もよい。また、第2回転目以降の重合で低重合度
の塩化ビニル重合体を重合する場合、連鎖移動剤
を好適に用いることができる。 該架橋剤は公知のものを選択して用いればよい
が、一般には多官能性架橋剤が使用される多官能
性架橋剤を例示すれば、エチレングリコールジア
クリレート,ジエチレングリコールジアクリレー
ト,1,3−プロピレングリコールジメタクリレ
ート,1,4−ブタンジオールジメタクリレート
等のモノ,ポリアルキレングリコールのアクリル
酸またはメタクリル酸エステル類;ジビニルベン
ゼン,ジアリルフタレート,ジアリルマレエー
ト,ジアリルサクシネート,トリルアリルトリア
ジン等のジもしくはトリアリル化合物;アリルメ
タクリレート,アリルアクリレート等のアリル化
合物が挙げられる。架橋剤はPVCの加工性及び
製品の機械的物性,仕上り状態に影響を及ぼすた
め、その使用に際して注意を要する。すなわち、
架橋剤を使用すれば、容易に第1回目の重合で高
重合度の塩化ビニル重合体を得ることができると
共に、架橋した塩化ビニル重合体の存在が機械的
強度を向上させる効果として働くので好ましい
が、架橋剤を多量に使用すると加工時の溶融粘度
が高くなり、成形加工性の低下を招くと同時に、
製品にブツが発生する原因となる場合がある。従
つて、架橋剤の使用量は、重合温度や種類などに
より異なるので必ずしも限定的でないが一般に
は、第1回目の重合の際に塩化ビニル重合体に転
化される単量体に対して、0〜5重量%好ましく
0.01〜1重量%の範囲にあらるのが好ましい。 同様に、該連鎖多動剤は、公知のものから適宜
選択して使用すれば良いが、一般には、例えば四
塩化炭素,トリクロルエチレン等の塩素化炭化水
素類;プロピオンアルデヒド,ブチルアルデヒド
等のアルデヒド類;ドデシルメルカプタン,2−
メルカプトエタノール等の有機メルカプタン類な
どが好適に使用される。また連鎖移動剤の使用量
は、重合温度が種類などにより異なるので、必ず
しも限定的でないが、一般には、第2回目以降の
重合の際に塩化ビニル重合体に転化される単量体
に対して、0〜10重量%好ましくは0.01〜5重量
%の範囲にあれば良い。 本発明における単量体の重合には、一般に使用
される重合開始剤としては、例えばラウロイルパ
ーオキサイド,ターシヤリーブチルパーオキシピ
バレート,ベンゾイルパーオキサイド,イソプロ
ピルジオキシカーボネート,アゾビスイソブチロ
ニトリル,α,α′−アゾビス−4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル等の公知の油溶
性重合開始剤が好適に使用される。好ましくは、
これら重合開始剤の中から適宜選択された少なく
とも2種類の重合開始剤の存在下に重合を行うと
よい。その場合、重合開始剤は第1回目の重合に
おいて、一般に全て重合系に投入されるが、好適
には低温活性のものは第1回目の重合時に、高温
活性のものは第2回目以降の重合時に投入する逐
次添加方法が採用される。またた、重合開始剤の
使用量は、使用される単量体に対して該全量が
0.01〜5重量%になるような範囲から選べばよ
い。 本発明の方法は、塩化ビニル単量体または塩化
ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との混合
物の懸濁重合法に好適に採用されるが、重合法は
特に限定的でなく、公知の塊状重合法,乳化重合
法及び気相重合法の中から選ばれた重合法にも採
用される。また本発明を実施するにあたつて、重
合温度,重合圧力及び重合時間等は、従来塩化ビ
ニル単量体を重合する場合に採用されている条件
に準じて定めればよく、これらは特に限定される
ものではない。 本発明を実施して得られるPVCは、前述した
ように、重合平均重合度が1000を超すという重合
度の高いPVCであるが、従来のPVCと比較する
と、著しく成形加工性の改良が達成された樹脂で
ある。この原因として、重合平均重合度が1000を
超すPVCの場合、分子量分布を2.8以上に制御す
ると成形加工時において真のPVCの溶融状態に
到達させることができることと、高重合度の塩化
ビニル重合体の2次粒子の間隙を低重合度の塩化
ビニル重合体が2次粒子以下のオーダーで埋めて
いる一種の2相構造に類似した粒子構造をとつて
いることが考えられる。そして、これら2つの作
用が相剰効果として働いて、著しく優れた成形加
工性が発揮されるものと推定している。この結
果、優れた物性を損なわずに、従来成形加工不可
能だつた重量平均重合度が1000を超えるPVCの
硬質及び軟質の成形加工が著しく容易になるとい
う特徴が得られる。 開始剤を更に詳しく説明するために、以下実施
例及び比較例を挙げて説明するが、本発明は、こ
れらの実施例に限定されるものではない。また、
実施例及び比較例で表示された測定値は、以下の
測定方法によつた。 (1) 重量平均重合度 JIS K−6721により、比粘度を測定して重量平
均重合度として算出した。 (2) 分子量分布 ポリマーの分子量分布を決定する場合に一般に
採用されているゲルパーミエーシヨンクロマトグ
ラフイーによりPω/Poとして算出した。詳細に
は、テトラヒドロフランにPVCを0.1重量%溶解
したサンプルを1×102〜5×107範囲の分子量分
画可能なポリスチレンゲルから構成されるカラム
を通して、分子量分布曲線を得、次いで較正曲線
を用いて分子量分布Pω/Poを計算した。なお、
PVCの較正曲線にはポリスチレン標準サンプル
を用いて作成した較正曲線をユニバーサルキヤリ
ブレーシヨン法に基づいて補正したものを採用し
た。 (3) 溶融粘度 PVCの流動特性を調べる場合に採用されてい
る高化式フローテスター法を用いて、溶融流動性
を測定し溶融粘度値を算出した。詳細には、錫硬
質配合したPVCを160℃でロール混練し、得られ
た厚さ約1mmのロール成形シートを、測定用サン
プルとして供した。該PVCサンプルを60Kg荷重
下、160℃で10分間予熱した後、3℃/minの昇
温速度下、150Kgの荷重を掛けて各温度における
剪断速度を測定し、溶融粘度値を次式より決定し
た。 溶融粘度(ポイズ)=剪断応力(dyne/cm2
)/任意の温度における剪断速度(1/sec) (4) ゲル化時間 PVCの成形加工性を調べる場合に一般によく
使用されているブラベンダープラスチユコーダー
による測定法に準じた。 (5) 引張試験 成形加工したシートを180℃で10分間予熱、10
分間40Kg/cm2でプレスした厚み1mmのシートを、
2号形成試験片に打ち抜いた後、JIS K−7113の
方法に準じて23℃の温度で10mm/minの引張速度
で測定した。 (6) 熱安定性試験 黒化時間を次のようにして測定した。 鉛硬質配合処法(実施例1,第B表記載の配
合)による混合試料をミキシングロールで175℃,
5分間混練し、厚さ1mmのシートを作成した。次
いで、このシートをギアオーブン中180℃で熱劣
化試験を行い、黒化時間を測定した。 実施例 1 撹拌機付30のオートクレーブに部分ケン化ポ
リビニルアルコール8gと、メチルセルロース3
gを溶解したイオン交換水12Kgに重合開始剤とし
てイソブチリルパーオキサイド6gを仕込み、オ
ートクレーブを脱気後塩化ビニル単量体8Kgを仕
込んで第1表の第1回目の重合条件に記載したた
所定温度,所定時間で重合した。次いで、重合開
始剤としてターシヤリーブチルパーオキシピバレ
ート4gと第2表に示した2−メルカプトエタノ
ールを該重合系に仕込み、約10分間で所定の温度
迄昇温して、第1表に示した第2回目の重合条件
下で重合を行つた。得られたPVCは40℃下で一
昼夜減圧乾燥した。かくして得られたPVCの溶
融粘度,ゲル化時間及び引張強度を測定した。こ
れらの結果を第1表に示した。なお、上記溶融粘
度は180℃の測定値であり、ゲル化時間は、第A
表の錫硬質配合処法で混合したものについて165
℃で測定した結果である。また引張強度は、第B
表の鉛硬質配合処法に準じる混合試料を、ミキシ
ングロールを用いて180℃で5分間混練りし、こ
のロール成形シートを前述の引張試験法に基づい
て測定した。その結果を第1表に示した。なお、
比較例として第1表No.1′〜3′を示した。
【表】
【表】 そのうち、比較例No.3′は第1回目の重合だけを
実施したPVCの結果である。
【表】 実施例 2 撹拌機付30のオートクレーブに部分ゲン化ポ
リビニルアルコール8gと、メチルセルロース3
gを溶解したイオン交換水12Kgに、重合開始剤と
してイソブチリルパーオキサイド6gを仕込み、
オートクレーブを脱気後塩化ビニル単量体8Kgを
仕込んで、第2表の第1回目の重合条件に記載し
た所定温度,所定時間重合した。次いで、重合開
始剤のターシヤリーブチルパーオキシピバレート
4gと第2表に示した2−メルカプトエタノール
を、該重合系に添加し、約10分間で所定の重合温
度迄昇温して第2表記載の第2回目の重合条件下
で重合した。得られたPVCは、40℃下で一昼夜
減圧乾燥した。かくして得られたPVCを、実施
例1と同様の方法で溶融粘度,ゲル化時間,引張
強度及び黒化時間を測定した。その結果を第2表
に示した。なお、比較例として、第2表No.4′〜
9′に示した。そのうち、比較例No.8′は、第1回目
の重合だけを実施したPVCの効果である。また、
比較例No.9′は実施例No.5に基づいて得られる第1
回目の高重合度の塩化ビニル重合体と、第2回目
の低重合度の塩化ビニル重合体を別個に重合し、
かくして得られたPVC同士をブレンドして得ら
れたPVCの結果である。
【表】 実施例 3 撹拌機付2ステンレス製オートクレーブに部
分ケン化ポリビニルアルコール1.6gとメチルセ
ルロース0.7gを溶解したたイオン交換水1Kg,
架橋剤のエチレングリコールジアクリレート1.8
g,及びイソブチレンパーオキサイド0.4gを仕
込んだ後、オートクレーブを脱気して塩化ビニル
単量体350gを仕込み、47℃で5時間重合した。
次いで、開始剤のターシヤリーブチルパーオキシ
ピバレートを0.3g該重合系に添加し、温度を78
℃に昇温して続けて1.2時間重合を行つた。得ら
れたPVCの重合度は2300,分子量分布は5.0及び
1/Pω2=8.2,ω1=67wt%となつた。かくし
て得られたPVCを実施例1と同様の方法で物性
を測定した結果溶融粘度は3.6×104ポイズ,ゲル
化時間は15.7分であつた。 実施例 4 撹機付2ステンレス製オートクレーブに部分
ケン化ポリビニルアルコール1.5gとメチルセル
ロース0.6gを溶解したイオン交換水1Kg,イソ
ブチリルパーオキサイド0.4g,及び酢酸ビニル
10gを仕込んだ後、オートクレーブを脱気後塩化
ビニル単量体350gを仕込み、40℃で4.7時間重合
し、次いで開始剤のターシヤリーブチルパーオキ
シピバレート0.1gと連鎖移動剤のドデシルメル
カプタン4gを添加し、温度を70℃に昇温して1
時間重合した。得られたPVCの重量平均重合度,
分子量分布及び酢酸ビニル含有量は、各々1580,
3.8及び2.9重量%となつた。なお、このPVCは、
1/Pω2=4.85,ω1=72重量%となつた。かく
して得られたPVCの物性を実施例1と同様の方
法で測定した結果、溶融粘度は2.0×104ポイズ,
ゲル化時間は8.3分であつた。 実施例 5 撹拌機付ガラス製オートクレーブに、ノルマン
ベンタン100ml,塩化ビニル単量体100ml,及び開
始剤のイソブチリルパーオキサイド0.5gとラウ
ロイルパーオキサイド0.5gを仕込んでから37℃
で5時間撹拌重合して、PVCのシートを得た。
次いで、重合温度を75℃に昇温し、7.25℃/cm2
力の気体状に塩化ビニル単量体を連続圧入してオ
ートクレーブを7.25Kg/cm2〜7.45Kg/cm2に保ちな
がら重合を1.5時間行つた。かくして得られた気
相重合法PVCの重量平均重合度,分子量分布,
1/Pω2及びω1は、各々1760,4.3,6.3及び71
重量%であつた。該PVCを実施例1と同様の方
法で物性を調べた結果、溶融粘度は2.4×105ポイ
ズ,ゲル化時間は11.5分であつた。 実施例 6 撹拌機付2ステンレス製オートクレーブに部
分ケン化ポリビニルアルコール1.7gとメチルセ
ルロース0.7gを溶解したイオン交換水1Kg及び
イソブチリルパーオキサイド0.5gを仕込んだ後、
オートクレーブを脱気後塩化ビニル単量体370g
を仕込み、30℃で4.7時間重合し、次いで開始剤
のラウロイルパーオキサイド0.4gを添加し、温
度を71℃に昇温して1.0時間重合した。得られた
PVCの重量平均重合度は2930,分子量分布は4.0,
及びP1/P2=6.9,ω1=66wt%となつた。かくし
て得られたPVCの成形加工性を、第C表の軟質
配合処法で混合したものについて、プラスチユコ
ーダーを用いて180℃でゲル化時間を調べた。そ
の結果、ゲル化時間は4.3分であつた。なお、比
較例として、重合度2960,分子量分布2.7のPVC
を測定した結果、ゲル化時間は6.7分となつた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量体と
    共重合可能な他の単量体との混合物を重合開始剤
    の存在下に複数回に分けて重合を行い各回の重合
    で得られる塩化ビニル重合体からなるポリ塩化ビ
    ニル組成物の製造方法において、第2回目以降の
    重合は、前回の重合で得られた塩化ビニル重合体
    の存在下に、第1回目の重合で得られた塩化ビニ
    ル重合体より重量平均重合度が小さくなるように
    残存する塩化ビニル単量体または混合物の重合を
    行い、かつ、ポリ塩化ビニル組成物の重量平均重
    合度をPω、ポリ塩化ビニル組成物の分子量分布
    をQ、第1回目の重合で得られる塩化ビニル重合
    体のポリ塩化ビニル組成物中に占める割合をω1
    とするとき、 Pω>1000,Q>2.8 かつ、 65重量%≦ω1≦90重量% となるように重合することを特徴とするポリ塩化
    ビニル組成物の製造方法。 2 分子量分布Qが Q≧3.5 となるように重合することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
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