JP2553149B2 - 塩化ビニル系共重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、継手、OA機器ハウジング等の射出成型品お
よび、窓枠等の異型押出品等の用途に好適に使用しうる
加工流動性に優れた塩化ビニル系共重合体の製造方法に
関するものである。
〔従来技術及び発明が解決しようとする課題〕
硬質塩化ビニルは、該樹脂の持つ優れた機械的性質に
よって汎用されているが、高温になると塩化水素を放出
して分解するため、加工温度を高くすることが難しく、
一般的に、200℃以下の温度で加工が行われている。こ
の理由により、硬質塩化ビニルには比較的低温に於ける
良好な加工流動性が求められている。
塩化ビニルの加工流動性を改良する手段として、
(1)塩化ビニルの重合度をさげる。(2)低分子量の
メタクリル酸エステル−スチレン系モノマー共重合体、
アクリロニトリル−スチレン系モノマー共重合体をブレ
ンドする。(3)塩化ビニルとエチレンあるいはプロピ
レンと共重合する。等が行われている。(1)の場合、
射出成型用に重合度が400〜700の塩化ビニルが使用され
ている。これらの低重合度塩化ビニルは、良好な加工流
動性を有するものの、熱安定性および耐衝撃性が不十分
である。(2)の場合、20重量%以上の多くの改質剤導
入量を必要とし、コストアップにつながっている。さら
に、(3)の場合、加工流動性改良効果が著しいが、柔
軟温度が低下するという問題がある。
従って、良好な加工流動性を有し、熱安定性、耐衝撃
性、柔軟温度等の機械的物性の低下のない硬質塩化ビニ
ルの開発が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意研究
を続けてきた。その結果、特定のポリイソブチレンと塩
化ビニルとを特定の割合で混合後、共重合することによ
り、機械的物性の低下が無く、加工流動性が著しく改良
された塩化ビニル系共重合体が得られることを見い出
し、本発明を完成し提案するに至った。
即ち、本発明は、塩化ビニル100重量部と、末端に二
重結合を有し、数平均分子量が500〜15,000のポリイソ
ブチレン0.2〜100重量部との混合物を共重合することを
特徴とする塩化ビニル系共重合体の製造方法である。
本発明に於いてポリイソブチレンは、末端に二重結合
を有し、数平均分子量が500〜15,000の範囲であるもの
が何ら制限されず使用し得る。末端の二重結合は、塩化
ビニルとの共重合に使用されるために必要てある。ま
た、数平均分子量が500以下の場合、生成した塩化ビニ
ル系共重合体の熱安定性が低下する。一方、15,000以上
の場合、塩化ビニル系共重合体の加工流動性の改良効果
が小さい。
得られる塩化ビニル系共重合体の熱安定性や加工流動
性を勘案すると、数平均分子量は1,000〜10,000の範囲
であることが好ましい。
本発明で使用されるポリイソブチレンは、下記構造式 〔但し、nは7〜265の整数である。〕 で表わされるイソブチレンの単独重合体であることが好
ましいが、イソブチレンと共重合体可能な他の単量体に
基づく単量体単位がポリイソブチレン中に10重量%以下
で含まれる共重合体であっても良い。例えば、ナフサ分
解により生成したイソブチレンを、塩化アルミニウム、
三フッ化ホウ素,四塩化チタンのような重合触媒を用い
て重合したポリイソブチレンは、ナフ分解ガスの精製条
件によっては同ガス中に共存するn−ブテン等に基づく
単量体単位をわずかに有する。このような共重合体も本
発明でいうポリイソブチレンである。
塩化ビニルとポリイソブチレンとの共重合は、バルク
重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合および懸濁重合の
いずれかの重合方法によっても行い得る。好適な重合方
法の一つである懸濁重合について、以下、具体的に述べ
る。
懸濁重合は、水媒体、油溶性重合開始剤の存在下に、
上記したポリイソブチレンと塩化ビニルとのラジカル共
重合体を行う。ポリイソブチレンの量は、塩化ビニル10
0重量部に対し0.2〜100重量部、好ましくは0.3〜20重量
部が良い。0.2重量部以下では、加工流動性の改良効果
が小さく、100重量部以上では、塩化ビニルの重合がお
そくなったり、重合条件によっては架橋反応が進行し、
加工流動性を逆に低下させる場合もある。
水媒体の量は、塩化ビニルとポリイソブチレンとの混
合物の量に対し、容量比で1〜3倍が適当である。
油溶性重合開始剤は、例えば、ラウリルパーオキサイ
ド,ベンゾイルパーオキサイド,ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート,ジ−sec−ブチルパーオキシジカ
ーボネート,ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート,ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボ
ネート,ジ−2−メトキシエチルパーオキシジカーボネ
ート,tert−ブチルパーオキシピバレート,tert−ブチル
パーオキシネオデカネート,ジ−3−メトキシブチルパ
ーオキシジカーボネート,ジ−4−tert−ブチルシクロ
ヘキシルパーオキシジカーボネート,アゾビスイソブチ
ロニトリル,2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリル,2,2′−アゾビス−2,4−ジメトキシバレロニト
リル,アセチルシクロヘキシルパーオキシスルホネート
等の公知のラジカル重合開始剤であればよく、これら
は、単独あるいは併用して使用される。油溶性重合開始
剤の使用量は、塩化ビニル−ポリイソブチレン混合物10
0部に対し0.001〜2重量部が好ましい。
懸濁重合に際しては、一般に分散剤が使用される。分
散剤は、部分鹸化ポリ酢酸ビニル,メチルセルロース,
メトキシエチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロー
ス,ヒドロキシプロピルセルロースなどの公知の分散剤
であればよく、これにさらに、ポリオキシジエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル等のノニオン系界面活性剤を併用して使用し
てもよい。これらの分散剤および界面活性剤の合計の使
用量は、塩化ビニル−ポリイソブチレン混合物100部に
対し0.01〜3重量部が好ましい。
以上述べた重合反応基質の仕込み順は、とくに制約が
ないが、ポリイソブチレンと塩化ビニルとが重合開始前
に均一に溶け合っていることが好ましい。このために
は、重合開始前の予備かくはん、重合開始剤の後添加、
ポリイソブチレン−塩化ビニル混合溶液の別途調製等の
方法を適宜、選択すればよい。
重合温度は、油溶性重合開始剤が、熱的に分解する温
度であればよいが、一般的に30〜80℃が好適である。
更に、上記した重合反応基質の他に、メルカプタン,
ジスルフイド系化合物,トリクロロエチレン等の公知の
連鎖移動剤、ヘキサン,ペンタン,ヘプタン等のポリイ
ソブチレン用溶剤を添加使用しても支障無い。
重合により生成した共重合体は、乾燥させた後、その
まま実用に供することができるが、重合条件によって共
重合体中に残存する場合がある未反応のポリイソブチレ
ンを除くことが必要な場合、上記したポリイソブチレン
用溶剤を用いて、共重合体を洗浄、抽出等の処理を適宜
行なえばよい。
〔作用および効果〕
以上、述べてきた本発明の製造方法により製造した塩
化ビニル系共重合体の改良効果について次に説明する。
先ず、最も特徴的な改良点は加工流動性である。例え
ば、実施例で詳細に示すように、ポリイソブチレン導入
率4.53%,重合度1040の塩化ビニル系共重合体(実施例
1−3)の流動性は、重合度500の塩化ビニル単独重合
体よりも優れたものである。また、柔軟温度の一つの尺
度となる針入温度は、重合度900の塩化ビニル単独重合
体よりも優れ、更に衝撃強度、熱安定性についても、重
合度900の塩化ビニル単独重合体と同程度か又はそれよ
り優れている。
この様な著しい改良効果の原因は、現在のところ明確
ではないが、コモノマーとしてのポリイソブチレンが、
それ自体流動性に優れた高分子であり、塩化ビニル重合
体との溶解性がないため相分離している点と、このポリ
イソブチレンの相が、共重合によって、塩化ビニル重合
体相と強固に結合している点の複合効果によるものと推
測される。
以上述べてきたことから、本発明の塩化ビニル系共重
合体の製造方法が、射出成型部品、押出成型部品等の工
業部品を製作するのに有用な材料を供給しうることが明
らかである。
つぎに、実施例によって、本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
〔実施例〕
実施例 1 容量5lのオートクレーブに、蒸溜水2l、鹸化度75%の
ポリ酢酸ビニル(ポリビニルアルコール)3g、tert−ブ
チルパーオキシネオデカネート1.3g、表−1に示したポ
リイソブチレン(日本石油化学株式会社)50gおよび塩
化ビニル920gを仕込み、つぎに、これを表−1に示した
条件で共重合を行った。生成物は、ろ過、乾燥すること
により、均一な白色粒状として得られ、さらにヘキサン
を用いてソックスレー抽出処理により精製した。このよ
うにして得られた共重合体は、塩素分析によりポリイソ
ブチレンの導入率を測定し、さらに、テトラヒドロフラ
ンを溶媒として粘度平均分子量を測定し、これより重合
度を求めた。測定結果は、表−1に併記した。
実施例 2 容量5lのオートクレーブに、蒸溜水、鹸化度75%のポ
リ酢酸ビニル(ポリビニルアルコール)、tert−ブチル
パーオキシネオデカネート、数平均分子量3650のポリイ
ソブチレン(日本石油化学株式会社製)および塩化ビニ
ルを、それぞれ表−2に示した量で仕込み、つぎに、こ
れを表−2に示した条件で共重合を行った。生成物は、
ろ過、乾燥後、ヘキサンを用いてソックスレー抽出処理
により精製した。このようにして得られた共重合体は、
白色固体であり、塩素分析によりポリイソブチレンの導
入率を測定した。結果は、表−2に併記した。
実施例 3 容量5lのオートクレーブに、蒸溜水2l、鹸化度75%の
ポリ酢酸ビニル(ポリビニルアルコール)3g、tert−ブ
チルパーオキシネオデカネー1.3g、tert−ブチルパーオ
キシピバレート1.3g、数平均分子量3650のポリイソブチ
レン(日本石油化学株式会社製)を表−3に示した量お
よび塩化ビニル920gを仕込み、つぎに、これを60℃で5
時間、共重合を行った。生成物はろ過、乾燥することに
より、均一な白色粒状として得られ、さらに、ヘキサン
を用いてソックスレー抽出処理により精製した。このよ
うにして得られた共重合体は、塩素分析によりポリイソ
ブチレンの導入率を測定し、さらに、テトラヒドロフラ
ンを溶媒として粘度平均分子量を測定し、これより重合
度を求めた。測定結果は、表−3に併記した。
参考例1〜16,参考比較例1,2 実施例1,2及び3で製造した塩化ビニル系共重合体150
部に、ブチルスズマレート系安定剤(日東化成製 TVS-
#N-2000E)6部を加え、これを、160℃の熱ロールによ
って、厚さ1.1mmのロールシートを作製した。
このロールシートを約3mm角のペレット状に切り、高
化式フローテスターを用いて安温法(160℃および180
℃)で流動性を測定した。
また、ロールシートを熱プレス(180℃,200Kg/cm2
で3分間プレスして、厚さ1mmのプレスシートを作製し
た。このプレスシートから引張り試験片を打抜き、JIS-
K7113に基づいて、伸び、引張り強度、弾性率を測定し
た。
更に、ロールシートを4枚重ねて、熱プレス(180℃/
200Kg/cm2)で7分間プレスし、厚さ4mmのプレスシート
を作製した。
この厚さ4mmのプレスシートから、JIS-K7111にもとづき
シヤルピー衝撃試験片およびJIS−K6742にもとづき針入
温度試験片を作製して、それぞれ耐衝撃性および針入温
度を測定した。結果を表−4に示した。
参考比較例として、塩化ビニル単独重合体I(重合度
500)及び同II(重合度900)を用いて、上記同様のロー
ルシートおよびプレスシートを作製し、それぞれの物性
を測定した。この結果も表−4に併記した。
参考例17〜19,比較参考例3,4 実施例−1で製造した塩化ビニル系共重合体は、重合
乾燥後の粉末のまま熱重量分析装置(セイコー電子工
業、TG/DTA-200)を用いて、加熱に伴なう重量変化を測
定した。測定サンプル約10mgを測定用試料セルに秤りと
り、これを10ml/minの流速の窒素ガス及び空気雰囲気下
で、1分間に10℃ずつ昇温しながら重量変化を観測し
た。分解に伴なう重量減少が起こり始める温度を分解開
始温度として測定した。結果は表−5に示した。
尚、参考比較例として参考比較例1及び2で用いた塩
化ビニル単独重合体I(重合度500)及び同II(重合度9
00)についても同様に測定を行なった。得られた結果は
表−5に併記した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル100重量部と、末端に二重結合
    を有し、数平均分子量が500〜15,000のポリイソブチレ
    ン0.2〜100重量部との混合物を共重合することを特徴と
    する塩化ビニル系共重合体の製造方法。
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