JP2690997B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、継手、OA機器ハウジング等の射出成型品お
よび、窓枠等の異型押出品等の用途に好適に使用しうる
加工流動性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物に関するも
のである。
〔従来技術および発明が解決しようとする課題〕 硬質ポリ塩化ビニルは、該樹脂の持つ優れた機械的性
質によって汎用されているが、高温になると塩化水素を
放出して分解するため、加工温度を高くすることが難し
く、一般的に200℃以下の温度で加工が行われている。
この理由により、硬質ポリ塩化ビニルには比較的低温に
おける良好な加工流動性が求められている。
ポリ塩化ビニルの加工流動性を改良する手段として、
(a)重合度を下げる。(b)低分子量のメタクリル酸
エステル−スチレン系モノマー共重合体,アクリロニト
リル−スチレン系モノマー共重合体をブレンドする。
(c)塩化ビニルとエチレンあるいはプロピレンを共重
合する。等が行われている。(a)の場合、射出成型用
に重合度が400〜700のポリ塩化ビニルが使用されてい
る。これらの低重合度ポリ塩化ビニルは、良好な加工流
動性を有するものの、熱安定性および耐衝撃性が不十分
である。(b)の場合、物性的に問題は無いが、一般的
に(c)の共重合体にくらべ、より多くの改質剤導入量
を必要とし、コストアップにつながっている。さらに、
(c)の場合、加工流動性改良効果は著しいが、柔軟温
度が低下するという問題がある。
従って、良好な加工流動性を有し、熱安定性,耐衝撃
性,柔軟温度等の機械的物性の低下のない硬質塩化ビニ
ル系樹脂組成物の開発が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意研究
を続けてきた。その結果、ある特定の重合体を特定の割
合で含有する塩化ビニル系樹脂組成物が、良好な加工流
動性を有し、かつ熱的,機械的物性の低下が無い事を見
出し、更に該樹脂組成物を効率的に製造する手段を研究
した結果本発明を完成し提案するに至った。
即ち、本発明は、塩化ビニル100重量部に対し、0.2〜
100重量部の数平均分子量が500〜15,000で末端に二重結
合を有するポリイソブチレンの存在下に塩化ビニルを重
合することにより、ポリイソブチレンを全組成物に対し
て0.1〜7重量%ポリ塩化ビニルとグラフト共重合させ
ることを特徴とするポリイソブチレン成分を0.1〜9重
量%含有する塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法であ
る。
ポリ塩化ビニルとポリイソブチレンとの組成物につい
ては、先に、ヨーロピアン・ポリマー・ジヤーナル(Eu
r.Polym.J.)21巻2号(1985年)187〜193ページに記述
されているが、このなかには、本発明で見出したごとき
加工流動性の改良効果については、何等、示されておら
ず、また、そのなかで使用されているポリイソブチレン
は、分子量が140万と非常に大きく、ポリ塩化ビニルの
加工流動性の改良効果を示さないものである。
本発明において、ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルの単
独重合体又は塩化ビニルと共重合可能な他の単量体と塩
化ビニルとの共重合体が用いられる。共重合体は、塩化
ビニルに基づく単量体単位が90重量%以上であり、塩化
ビニルと共重合可能な他の単量体に基づく単量体単位が
10重量%以下であることが、ポリ塩化ビニルの熱的及び
機械的性質を低下させないために好ましい。塩化ビニル
と共重合可能な他の単量体としては、塩化ビニルとラジ
カル付加共重合およびブロック,グラフト共重合するも
のであれば公知のものが何等無限無く使用可能である
が、ポリ塩化ビニルの熱的,機械的性質や加工流動性を
低下させないものが好ましい。具体的に例示すれば、N
−フエニルマレイミド,N−シクロヘキシルマレイミド,
アクリロニトリル,塩化ビニリデン,アリルグリシジル
エーテル,ドデシルビニルエーテル,酢酸ビニルおよび
分子末端に二重結合を有するイソブチレン−n−ブテン
コポリマー等が挙げられる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、特に分子末端に
二重結合を有し、数平均分子量が500〜15,000のポリイ
ソブチレンの存在下に塩化ビニルを重合して得た上記ポ
リイソブチレンに基づく成分が0.1〜7重量%の範囲で
含まれている塩化ビニル−イソブチレン・グラフト共重
合体を含有することが重要であり、かかる塩化ビニル系
樹脂組成物は、熱的及び機械的性質の低下なしに優れた
加工流動性が得られる本発明の塩化ビニル系樹脂組成物
は、次の方法によって製造することができる。即ち、塩
化ビニル100重量部と、末端に二重結合を有し、数平均
分子量が500〜15,000のポリイソブチレン0.2〜100重量
部との混合物を共重合する方法である。ポリイソブチレ
ンは、末端に二重結合を有し、数平均分子量が500〜15,
000の範囲であるものが何ら制限されず使用し得る。末
端の二重結合は、塩化ビニルとの共重合に使用されるた
めに必要である。
本発明の方法にあっては、末端に二重結合を有するポ
リイソブチレンの存在下に塩化ビニルを重合させること
によって、ポリ塩化ビニル−ポリイソブチレン・グラフ
ト共重合体と未反応のポリイソブチレンの混合物を得る
ことができ、この混合物がそのまま本発明の塩化ビニル
系樹脂組成物となり得る。勿論過剰に未反応ポリイソブ
チレンが残存する場合には、適当な溶媒でこれを抽出す
るなど公知の手段により除去すればよい。
得られる塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性や加工流
動性を勘案すると、上記のポリイソブチレンの数平均分
子量は1,000〜10,000の範囲であることが好ましい。
本発明で使用されるポリイソブチレンは、下記構造式 〔但し、nは7〜265の整数である。〕で表わされるイ
ソブチレンの単独重合体であることが好ましいが、イソ
ブチレンと共重合可能な他の単量体に基づく単量体単位
がポリイソブチレン中に50重量%未満で含まれる共重合
体であっても良い。例えば、ナフサ分解により生成した
イソブチレンを、塩化アルミニウム,三フッ化ホウ素,
四塩化チタンのような重合触媒を用いて重合したポリイ
ソブチレンは、ナフサ分解ガスの精製条件によっては同
ガス中に共存するn−ブテン等に基づく単量体単位をわ
ずかに有する。このような共重合体も本発明でいうポリ
イソブチレンである。
塩化ビニルとポリイソブチレンとの共重合は、バルク
重合,溶液重合,沈澱重合,乳化重合および懸濁重合の
いずれの重合方法によっても行い得る。好適な重合方法
の一つである懸濁重合について、以下、具体的に述べ
る。
懸濁重合は、水媒体、油溶性重合開始剤の存在下に、
上記したポリイソブチレンと塩化ビニルとのラジカル共
重合を行う。ポリイソブチレンの量は、塩化ビニル100
重量部に対し0.2〜100重量部、好ましくは0.3〜20重量
部が良い。
水媒体の量は、塩化ビニルとポリイソブチレンとの混
合物の量に対し、容量比で1〜3倍が適当である。
油溶性重合開始剤は、例えば、ラウリルパーオキサイ
ド,ベンゾイルパーオキサイド,ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート,ジ−sec−ブチルパーオキシジカ
ーボネート,ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート,ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボ
ネート,ジ−2−メトキシエチルパーオキシジカーボネ
ート,tert−ブチルパーオキシピバレート,tert−ブチル
パーオキシネデカネート,ジ−3−メトキシブチルパー
オキシジカーボネート,ジ−4−tert−ブチルシクロヘ
キシルパーオキシジカーボネート,アゾビスイソブチロ
ニトリル,2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル,2,2′−アゾビス−2,4−ジメトキシバレロニトリ
ル,アセチルシクロヘキシルパーオキシスルホネート等
の公知のラジカル重合開始剤が単独あるいは併用して使
用される。油溶性重合開始剤の使用量は、塩化ビニルと
ポリイソブチレンの混合物100部に対し0.01〜2重量部
が好ましい。分散剤は、部分鹸化ポリ酢酸ビニル,メチ
ルセルロース,メトキシエチルセルロース,ヒドロキシ
エチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロースなど
の公知の分散剤であればよく、これにさらに、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤を併
用して使用してもよい。これらの分散剤および界面活性
剤の使用量は、塩化ビニルとポリイソブチレンの混合物
100部に対し0.01〜3重量部が好ましい。
以上述べた重合反応基質の仕込み順は、とくに制約は
ないが、ポリイソブチレンと塩化ビニルとが重合開始前
に均一に溶合っていることが好ましい。このためには、
重合開始前の予備かくはん、重合開始剤の後添加、ポリ
イソブチレンと塩化ビニルの溶液の別途調製等の方法を
適宜、選択すればよい。
重合温度は、油溶性重合開始剤が、熱的に分解する温
度であればよいが、一般的に30〜80℃が好適である。
更に、上記した重合反応基質の他に、メルカプタン,
ジスルフイド系化合物,トリクロロエチレン等の公知の
連鎖移動剤、ヘキサン,ペンタン,ヘプタン等のポリイ
ソブチレン用溶剤を添加使用しても支障無い。
以上の方法によって前記した塩化ビニル−イソブチレ
ン・グラフト共重合体を得ることができる。
本発明によって得られる塩化ビニル系樹脂組成物は、
勿論ポリ塩化ビニル・ポリイソブチレン・グラフト共重
合体のみからなることも可能であるが、該共重合体の他
に本発明で規定する範囲内において、ポリイソブチレン
が混在する態様もあり得る。この場合に共存するポリイ
ソブチレンも当然数平均分子量が500〜15,000のポリイ
ソブチレンである。該ポリイソブチレンは、前記した塩
化ビニル−イソブチレン・グラフト共重合体の製法で原
料として説明したのと同様のポリイソブチレンを採用す
ることができる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において、ポリ塩化
ビニルとポリイソブチレンとの組成比は、ポリ塩化ビニ
ル100重量部に対してポリイソブチレンが0.1〜10重量
部、即ちポリイソブチレン成分は全塩化ビニル系樹脂組
成物に対して0.1〜9重量%であり、好ましくは0.5〜7
重量部、即ちポリイソブチレン成分は全塩化ビニル系樹
脂組成物に対して0.5〜6.5重量%である。ポリイソブチ
レンの量が0.1重量部未満のときは加工流動性の改良効
果が小さく、逆に10重量部を越えたときは、加工流動性
は改良されるが、熱的および機械的物性の低下が生じる
ために好ましくない。
本発明の目的物である塩化ビニル系樹脂組成物におい
て、ポリ塩化ビニル−ポリイソブチレン・グラフト共重
合により導入される以外のポリイソブチレンの成分の量
は塩化ビニル−イソブチレン・グラフト共重合体中のポ
リイソブチレン成分の量に応じて決定することが好まし
い。即ち、塩化ビニル−イソブチレン・グラフト共重合
体中のポリイソブチレン成分と、配合されるポリイソブ
チレンとの総和が、塩化ビニル−イソブチレン・グラフ
ト共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部、さらには
0.5〜7.0重量部となるようにポリイソブチレンを配合す
ることが好ましい。
ポリ塩化ビニル−ポリイソブチレン・グラフト共重合
体とポリイソブチレンとを単純に混合する方法として
は、一般に公知の混合方法のいずれを用いても良い。例
えば、ヘンシエルミキサーやリボンブレンダーによるド
ライブレンド,オープンロールやバンバリーミキサー,
混練押出機による熱混練が好適に使用される。また、好
ましい一態様として、前述の方法に従ってポリイソブチ
レンの存在下に塩化ビニルを重合させることによって、
塩化ビニル−イソブチレン・グラフト共重合体と、未反
応のポリイソブチレンの混合物を得ることができ、この
混合物がそのまま本発明の塩化ビニル系樹脂組成物とな
り得る。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて安定剤,滑
剤,可塑剤,顔料,紫外線吸収剤,充填材,衝撃改質
剤,耐熱性改良剤などを従来公知の配合割合で任意に添
加しても差支えない。添加できる安定剤としては三塩基
性硫酸鉛,ステアリン酸鉛などの鉛系安定剤、ステアリ
ン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸系安
定剤、オクチルスズメルカプタイド,ジブチルスズマレ
ートなどの有機スズ系安定剤などが挙げられる。
滑剤としては、天然パラフイン,流動パラフイン,ポ
リエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ステアリン酸
などの脂肪酸系滑剤、エチレングリコールモノステアレ
ートなどのエステル系滑剤、ラウリン酸カルシウムなど
の金属石鹸系滑剤などがあげられる。
可塑剤としては、組成物の物性を大きく変えない範囲
で使用可能であり、フタル酸エステル系可塑剤、ホスフ
エート系可塑剤、エポキシ系可塑剤などが使用できる。
顔料としては、カーボンブラック、酸化チタンなどが
あげられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフエノン系紫外線吸収
剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エ
ステル系紫外線吸収剤などがあげられる。
充填材としては、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸
カルシウム、タルク、マイカ、鉄粉、銅粉などがあげら
れる。
衝撃改質剤としては、アクリロニトリル・ブタジエン
・スチレン三元共重合体、メタクリル酸メチル・ブタジ
エン・スチレン三元共重合体、塩素化ポリエチレン・エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、クロルスルホン化ポリエ
チレン、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリル
ゴム等が挙げられる。
耐熱性改良剤としては、塩素化ポリ塩化ビニル、スチ
レン・無水マレイン酸系共重合体、マレイミド系共重合
体、グルタルイミド共重合体、アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン・α−メチルスチレン共重合体等が挙
げられる。
〔作用と効果〕
以下に、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の改良効果
について説明する。
先ず、最も特徴的な改良点は加工流動性である。例え
ば、実施例で詳細に示すように、ポリイソブチレンを含
有した塩化ビニル系樹脂組成物の流動性は、現在、流動
性と機械的性質,熱的性質の兼合いから、実際に射出成
型用に用いられている重合度700程度(粘度平均分子量
より求めた重合度は850〜950)のポリ塩化ビニルや、エ
チレン−塩化ビニル共重合体より優れている。耐衝撃性
も、同程度の重合度のポリ塩化ビニルに比べ上昇し、低
重合度のポリ塩化ビニルより、はるかに優れている。ま
た、柔軟温度および熱安定性は、同程度の重合度のポリ
塩化ビニルに匹敵し、エチレン−塩化ビニル共重合体や
低重合度のポリ塩化ビニルより優れている。
この様な著しい改良効果の原因は、現在のところ明確
ではないが、ポリイソブチレンがそれ自体流動性に優れ
た高分子であるためポリ塩化ビニルの溶融粘度を低下さ
せ加工流動性を改良している点とポリ塩化ビニルとの相
溶性がなく相分離しているため可塑化作用が無い点にあ
ると考えられる。
以上述べてきたことから、本発明の塩化ビニル系樹脂
組成物が、射出成型部品,押出成型部品等の工業部品を
製作するのに有用な材料であることが明らかである。
〔実施例〕
つぎに、実施例によって、本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
実施例1〜9 容量50のオートクレーブに、表−1に示した量の純
水、分散剤(部分ケン化ポリ酢酸ビニル、日本合成化学
工業製KH−20)、開始剤およびポリイソブチレン(日本
石油化学株式会社製)および塩化ビニルモノマーを仕込
み、表−1に示した条件で重合を行ない、塩化ビニル−
イソブチレン・グラフト共重合体と未反応のポリイソブ
チレンとの混合物を得た。生成物は脱水、乾燥すること
により、いずれも白色粒状として得られた。生成物中の
ポリイソブチレンの含有率は、生成物の元素分析よりも
とめた。また、含有される全ポリイソブチレンの中のポ
リ塩化ビニルと共重合している部分と未反応の部分の確
認は、生成物をn−ヘキサンによりソックスレー抽出
(5時間)し、抽出後の生成物の元素分析の結果より求
めた。さらに、生成物の分子量はテトラヒドロフランを
溶媒として、粘度平均分子量(▲▼)として求め
た。粘度平均分子量を求めるにあたり、以下の計算式を
使用した。重合度は、粘度平均分子量(▲▼)より
求めた。
〔η〕=K▲▼α (ここで、〔η〕は極限粘度、K=16.3×10-5、α=0.
766、25℃) 以上の分析結果は、表−1に併記した。
次に上記で得られた生成物の物性評価を下記に従い実
施した。
(1) 熱ロールによるシートの作製 生成物100部に、ブチルスズマレート系安定剤(日東
化成製TVS−N−2000E)4部を加え、これを160℃の熱
ロールによって5分間混練し、厚さ1.1mmのロールシー
トを作製した。
(2) (1)のロールシートを約3mm角のペレット状
に切り、高化式フローテスターを用いて、定温法(180
℃)で流動性を評価した。
(3) (1)のロールシートを4×2cm角に切り、オ
ープンを用いて、JIS−K7212に基づき、190℃で熱安定
性を評価した。
(4) (1)のロールシートを4枚重ねて、熱プレス
(180℃、200Kg/cm3)で7分間プレスして、厚さ4mmの
プレスシートを作製した。このプレスシートから、JIS
−K7111に基づきシヤルピー衝撃試験片を作製して耐衝
撃性を評価した。
(5) (4)で作製した厚さ4mmのプレスシートから
1.5cm角の試験片を作製して、JIS−K7206に準じて測定
を行い、1Kg加重、0.1mm侵入時の温度で、柔軟温度を評
価した。
上記(2)から(5)で測定した結果は、表−2に示
した。
比較例1〜3 ポリイソブチレンを添加しない点以外は、前記実施例
と同様にして重合を行い、塩化ビニル単独重合体を製造
した。得られた塩化ビニル単独重合体は、前記実施例と
同様の方法で、重合度をもとめ、結果は表−1に併記し
た。また、得られた塩化ビニル単独重合体の流動性,熱
安定性,耐衝撃性,柔軟温度についても前記実施例と同
様の方法で評価し、結果は表−2に併記した。
比較例 4 エチレン−塩化ビニル共重合体(重合度1050、エチレ
ン含量4%)100部に、ブチルスズマレート系安定剤
(日東化成製TVS−N−2000E)4部を加え、これを160
℃の熱ロールによって5分間混練し、厚さ1.1mmのロー
ルシートを作製した。次に前記実施例1〜9中の
(2),(3)及び(5)に従い流動性,熱安定性,柔
軟温度について同様の方法で評価した。結果は以下の通
りである。
流動性 加重300Kg時の容積流量 2.95×10-3cm2/S ギアオーブンによる黒化時間 4時間 柔軟温度 70℃

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル100重量部に対して、0.2〜100
    重量部の数平均分子量が500〜15,000で末端に二重結合
    を有するポリイソブチレンの存在下に塩化ビニルを重合
    することにより、ポリイソブチレンを全組成物に対して
    0.1〜7重量%ポリ塩化ビニルとグラフト共重合させる
    ことを特徴とするポリイソブチレン成分を0.1〜9重量
    %含有する塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
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