JPH0428116B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は音楽の音符の長さや音程等の曲データ
及び音楽演奏の開始や演奏状態等を制御する為の
制御用データが記録された記憶装置と、音楽演奏
制御装置を備えた音楽演奏装置に関するものであ
る。

従来例の構成とその問題点 音楽演奏装置としてはカセツトテープを記録媒
体としたテープレコーダ、或いはレコードデイス
クを記録媒体としたレコードプレーヤが一般的な
ものである。上記テープレコーダやレコードプレ
ーヤでは、記録された多数曲の中から任意の一曲
を瞬時に選択して演奏することは極めて困難であ
り、又ランダムに記録された多数曲を一定の分類
に従つて順次演奏させることも極めて困難なもの
であつた。

また半導体メモリによる情報記録は近年急速に
その使用範囲が拡大されている。一例として磁気
カードに記録された音楽の曲データを読出し用磁
気ヘツドにより読出し、この曲データを半導体メ
モリに記憶させ、これをマイクロコンピユータに
よつて発音源に転送し、音楽を演奏させるものが
ある。然しながら、この場合には演奏を行なう前
に毎回、磁気カードから曲データを半導体メモリ
に読込む必要があり、本発明の意図するような多
数曲の中からの瞬時選択演奏、或いは一定分類に
従つた順次演奏を行なうことは不可能であつた。

発明の目的 本発明の上記のカセツトテープ、或いはレコー
ドデイスクにおいては実現が困難であつた記憶さ
れた多数曲の中から任意の一曲を瞬時選択演奏す
ること、またランダムに記録された多数曲を一定
の分類に従つて順次演奏可能な音楽演奏装置を提
供することを目的とするものである。

発明の構成 本発明は音楽の曲データ及び演奏制御用データ
を記録した記憶装置と、この記憶装置に記録され
た前記のデータにより音楽演奏を制御する制御部
と、この制御部に指令を行なう操作装置と、曲デ
ータにより演奏を行なう発音源を備えた音楽演奏
装置であり、記憶装置に記録された多数の演奏制
御用データのうち希望のものを操作装置により制
御部を介して指定することにより、曲データの中
より指定された曲データ及び演奏制御用データに
基づいて制御部が発音源を制御し、瞬時選択演奏
及び一定分類に従つた順次演奏等を可能ならしめ
るものである。

実施例の説明 第１図は本考案の一実施例における音楽演奏装
置の概観図であり、１は演奏制御用データを指定
する各種操作キーを有する操作部である。１ａは
数字入力キーで、例えば記憶された曲につけられ
た番号（曲番号）指令の際に使用するキーであ
る。１ｂは曲番号記憶のための入力キーで以下
「ENTER」キーと言う。１ｃはジヤンル指定キ
ーであり、多数の曲データの中において例えば音
楽のジヤンル（童謡、歌謡曲、民謡等）を指定す
る際に使用する。１ｄは演奏開始・停止の指令キ
ーである。２は曲番号等の表示を行なう表示部、
３は音量調整ボリユーム、４は再生用のスピーカ
である。

第２図は本考案の一実施例のブロツク構成図で
ある。

５は操作装置で前記操作部１を有し、１ａ等の
キーを押圧すると所定のデイジタルコード信号に
変換して送出するものである。６は前記表示部２
を有する表示装置で、デイジタルコード信号を入
力し７セグメントで３桁の数字等の表示を行な
う。この表示装置６は、数字入力キー等により操
作入力中の曲番号や、演奏開始後の演奏中の曲の
番号等を表示する。７は記憶装置で、メロデイー
や伴奏和音のそれぞれの音程や音符の長さ、リズ
ムのタイミング等いわゆる曲そのものに関するデ
ータ（曲データ）と、各曲の曲データの記憶アド
レス、各曲に付けた曲番号やジヤンル判別符号等
その曲の演奏上特に必要な情報等、いわゆる演奏
状態を制御する演奏制御用データとを後述するフ
オーマツトで記憶している。

８は本装置の動作を制御する制御部である。こ
の制御部８は操作装置５から入力した曲番号等を
記憶する曲番号記憶部８ａ、曲番号記憶部８ａの
内容と記憶装置７から読み出した曲番号等を比較
し確認するための比較部８ｂ、その他記憶装置７
を読み出す駆動部、操作装置５からの入力データ
の受け取りや、表示装置６、後述する音源部９へ
のデータ送出を行なう入出力部、音源部９の動作
制御部などから成つている。本実施例では制御部
８をマイクロコンピユータによつて構成し、記憶
装置７を半導体ROMで構成いた。なお記憶容量
等の制限にもよるが、制御部８のみならず、操作
装置５、表示装置６の一部であるデイジタルコー
ド変換部や記憶装置７を含んで１つのマイクロコ
ンピユータにより構成することも可能であり、ま
たこれら各部を２〜３個のマイクロコンピユータ
で構成することも可能である。

音源部９は、メロデイー音源９ａ、伴奏音源９
ｂ，リズム音源９ｃからなり、記憶装置７から読
み出された曲データに応じてそれぞれメロデイー
音源９ａ、伴奏音源９ｂ、リズム音源９ｃ別に音
楽の信号を再生し、これをミキシングアンプに入
力し合成させる。このミキシングアンプの出力で
スピーカ４を駆動し音楽を再生する。

第３図は制御部８での処理を示すフローチヤー
トである。

第４図は記憶装置７における曲データと演奏制
御用データの配置の一例である。本実施例では第
１曲目、第２曲目……の各曲の曲データを連続時
に配置し、FD00〜FFFFまでに演奏制御用デー
タを配置している。演奏制御用データは、第１曲
目についてFD00〜FD05の６バイトを使用し、最
初のFD00，FD01の２バイトにその曲のジヤンル
を示すデータを格納する。次のFD02，FD03の２
バイトに第１曲目の曲データのある先頭アドレス
S1を格納し、FD04，FD05の２バイトに第１曲目
の曲データの終了アドレスL1を格納している。
同様に第２曲目、第３曲目……についてそれぞれ
６バイトにジヤンルを示すデータ、曲データの先
頭アドレス、終了アドレスを格納する。

第５図は楽譜の一例で、１６はメロデイー譜、
１７は伴奏譜、１８はリズム譜である。これら各
譜につき、音符の長さと音程、休符の長さ、タイ
ミング等をデータ化したものが曲データである。

次に第３図のフローチヤートを中心として動作
説明を行なう。まず操作部１の操作キーにより制
御部８に対してキー入力を行なう。今記憶装置７
に100曲分の曲データが記録されているとし、第
２番目の曲を１曲だけ演奏する場合について説明
する。ステツプ10のキー入力の受け付けステツプ
で、数字入力キー１ａで「２」を押すと、ステツ
プ11により数字入力処理が行なわれ、再びキー入
力待ちとなる。次に曲番号記憶の「ENTER」キ
ー１ｂを押すと、ステツプ12によりランダム選曲
曲番記憶が行なわれ、先にキー入力された第２番
目の曲であることが曲番号記憶部８ａに記憶され
再びキー入力待ちとなる。

次に演奏開始・停止を指示する「PLAY」キー
１ｄを押すと、演奏開始入力が行なわれ、ステツ
プ15によりPLAY信号（演奏開始信号）が出力さ
れ、再びキー入力待ちとなる。同時にこのPLAY
信号により、曲番号記憶部８ａの記憶内容である
数字の「２」にもとづいて記憶装置７よりアドレ
ステーブルにおける７バイト目から６バイト分の
演奏制御用データを参照し、すなわち第２番目の
曲データを選択して読み出し音源部９にこの曲デ
ータを転送し、第２番目の曲を演奏する。

次にランダム選曲による複数曲の連続演奏は、
上記で１曲だけを曲番号記憶部８ａに記憶したス
テツプで複数曲を記憶させることによつて行な
う。すなわち、記憶された100曲から複数曲を選
び第２番目の曲、第８番目の曲、第99番目の曲、
第１番目の曲……の順で連続演奏する場合には、
上記のように数字入力キー１ａで「２」を押し、
「ENTER」キー１ｂを押して曲番号記憶部８ａ
に「２」を記憶させた後、数字入力キー１ａで
「８」を押し、「ENTER」キー１ｂを押して２番
目の演奏曲が記憶装置７の第８番目に記憶された
曲であることを曲番号記憶部８ａに記憶させる。
以下同様に数字入力キーの「９」「９」，
「ENTER」キー，「１」，「ENTER」キー，……
のようにキーを順次押して連続演奏したい曲の順
にその曲番号を曲番号記憶部８ａに記憶させる。

上述のように複数の曲番号を記憶させた後、
「PLAY」キー１ｄを押すと、まず曲番号記憶部
８ａの記憶内容である「２」により記憶装置７の
アドレステーブルの７（＝６×（２−１）＋１）バ
イト目から６バイト分の演奏制御用データが参照
され、第２番目の曲データを順次読み出して第２
番目の曲が演奏される。この演奏終了後、曲番号
記憶部８ａに記憶された「８」により記憶装置７
のアドレステーブルの43（＝６×（８−１）＋１）
バイト目から６バイト分の演奏制御用データを参
照し、第８番目の曲データを順に読み出して第８
番目の曲を演奏する。以下同様に操作入力した順
に第99番目の曲、第１番目の曲……のように連続
して演奏が行なわれる。

次に記憶されている100曲の中から歌謡曲のジ
ヤンルの曲のみを順次連続演奏する場合を説明す
る。各曲はそれぞれいずれかのジヤンルに分類さ
れ、そのジヤンルデータが第４図のように各曲の
演奏制御用データ６バイトの頭初の２バイトに格
納されている。一方数字入力キー１ａのそれぞれ
はジヤンルとの対応づけがなされ、例えば「１」
は童謡、「２」は民謡、「３」は歌謡曲、……のよ
うに対応する。

したがつて、キー入力のステツプ10において、
ジヤンル指定キー１ｃを押し、ステツプ13による
ジヤンル入力処理で行なつた後、数字入力キー１
ａの「３」を押すとステツプ11により数字入力処
理が行なわれ、前記ステツプ13と合わせて歌謡曲
のジヤンルが指定される。そして歌謡曲を示すジ
ヤンルデータが曲番号記憶部８ａに記憶される。

つづいて「PLAY」キー１ｄを押すと、制御部
８は記憶装置７を駆動し、記憶装置７のアドレス
テーブル中の各曲のジヤンルデータを順に読み出
し、比較部８ｂにより曲番号記憶部８ａの歌謡曲
を示すジヤンルデータと比較する。上記で読み出
したジヤンルデータのうちまず第５曲目のものが
曲番号記憶部８ａの内容と一致すれば、第５曲目
は歌謡曲であるから、演奏制御用データを参照し
て第５曲目の曲データを読み出し、第５曲目の曲
が演奏される。その曲が終了すれば、上記同様に
次に歌謡曲のジヤンルデータを有する曲を捜して
演奏を行なう。なおこのアドレステーブル中のジ
ヤンルデータを捜す時間は極めて短いものであ
り、連続演奏が途切れた感を与えることはないも
のである。

なお上記のジヤンル別連続演奏では、曲番号記
憶部８ａに操作入力したジヤンルデータを記憶さ
せるようにしたが、これは以下のようなプログラ
ムで実行することもできる。すなわち、ジヤンル
指定キー１ｃを押し、数字入力キー１ａの「３」
（歌謡曲に対応）を押すと、直ちに歌謡曲のジヤ
ンルデータをアドレステーブル中から全て捜し出
し、順にその曲番号を曲番号記憶部８ａに記憶す
る。以下前述のランダム選曲による連続演奏と全
く同様に、「PLAY」キー１ｄを押してPLAY信
号を出力することにより、曲番号記憶部８ａの記
憶内容順に曲を連続演奏すれば、演奏される曲は
全て歌謡曲となる。

さらに上記では100曲にジヤンル別のデータを
付与したが、その他歌手別データ、国別データ等
を同様に付与すれば、ある歌手の曲の連続演奏等
が可能になる。

上記の実施例の構成によれば、多数の曲の曲デ
ータをその演奏制御用データを記憶させた記憶装
置を、操作入力により制御部を介して駆動するこ
とにより、指示した曲を瞬時に演奏開始させるこ
とが可能であり、従来のテープレコーダ、デイス
クプレーヤにおける選曲時間待ちが一切ないと言
う優れた特徴を有する。さらにランダムに選曲し
た複数曲を指示した順に連続演奏することがで
き、この時も次の曲を選曲するために曲間に空白
時間が発生することはない。またあらかじめ記憶
させた各曲に付した分類を指示して、その分類の
みの曲を連続演奏することもできる。

なお上記の実施例では制御部８をマイクロコン
ピユータにより構成したが、同様な機能を持つホ
ストコンピユータや、他の制御回路により実現で
きることは言うまでもない。

発明の効果 本発明は音楽の曲データと演奏制御用データを
記憶した記憶装置と、この記憶装置及び音楽演奏
を制御する制御部を備え、曲目指定の操作により
制御部を介して記憶装置中の指定曲の曲データを
読み出して演奏することにより、選曲のための待
ち時間がなく操作後直ちに希望曲の演奏が行なわ
れる。また多数の曲を希望の順に指定して操作を
行なえば、曲間に空白のない連続演奏が可能であ
る。記憶している曲の分類指定では、好みのジヤ
ンルや好みの歌手の複数の曲を少ないキー操作で
指定でき、また使用者が曲番号と分類とを対応づ
けて覚えておく必要がなく、容易に使用者の希望
する曲のみを選んで連続演奏させることを可能と
するものであり、使用者にとつて極めて使いやす
い音楽演奏装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による音楽演奏装置の一実施例
を示す正面図、第２図は本実施例のブロツク構成
図、第３図は本実施例の動作説明のためのフロー
チヤート、第４図は本実施例の曲データ及び演奏
制御用データの配置例を示すメモリ構成図、第５
図は曲データを説明するための楽譜を示す図であ
る。 １……操作部、５……操作装置、７……記憶装
置、８……制御部、８ａ……曲番号記憶部、８ｂ
……比較部、９……音源部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 音楽の曲データ及び演奏制御用データを記録
   した記憶装置と、 この記憶装置に記録されたデータにより音楽演
   奏を制御する制御部と、 この制御部に指令を行なう操作装置と、 曲データにより演奏を行なう発音源を備え、 記憶装置に記録された複数の演奏制御用データ
   のうち任意のものを操作装置により、前記制御部
   を通じて指定することにより、曲データの中より
   指定された曲データ及び演奏制御用データに基づ
   いて前記制御部が発音源を制御し、指定された曲
   を演奏するように構成し、 演奏制御用データに各曲を分類したデータを含
   め、操作装置より指定した任意の分類のデータと
   記憶装置に記憶された演奏制御用データとの比較
   部を制御部に具備し、指定された分類の複数の曲
   データを制御部により記憶装置から順に読み出し
   て演奏するように構成したことを特徴とする音楽
   演奏装置。