JPH04274914A - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

Info

Publication number
JPH04274914A
JPH04274914A JP3445691A JP3445691A JPH04274914A JP H04274914 A JPH04274914 A JP H04274914A JP 3445691 A JP3445691 A JP 3445691A JP 3445691 A JP3445691 A JP 3445691A JP H04274914 A JPH04274914 A JP H04274914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
pressure
drive
slip
wheels
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3445691A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2913860B2 (ja
Inventor
Kensuke Fukuyama
福山 研輔
Naoto Fukushima
直人 福島
Yosuke Akatsu
赤津 洋介
Itaru Fujimura
藤村 至
Masaharu Sato
佐藤 正晴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP3445691A priority Critical patent/JP2913860B2/ja
Publication of JPH04274914A publication Critical patent/JPH04274914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2913860B2 publication Critical patent/JP2913860B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、能動型サスペンション
に係り、特に、左右駆動輪のうち車輪速が大きい方の駆
動輪を検出し、この大車輪速側の輪荷重を増加させるこ
とにより、路面摩擦係数にかかわらず安定した走行を行
うことが可能な能動型サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型サスペンションとしては、
例えば本出願人が先に提案した実開昭62−19151
1号公報(以下、第1従来例と称す)に記載されている
ものがある。
【0003】この第1従来例は、左右の駆動輪の回転速
度をそれぞれ検出する一対の回転速度検出手段と、該回
転速度検出手段の回転速度検出値を受けて、回転速度が
早い側の駆動輪を検出する高速側駆動輪検出手段と、該
高速側駆動輪検出手段の検出結果に基づき、前記高速側
駆動輪に対する縦荷重を増加させるように流体制御弁を
制御する制御部とを備えた車両用サスペンション装置で
あり、この構成によって高速側駆動輪即ちスリップを生
じている駆動輪の縦荷重(輪荷重)を増加させて駆動力
を増加させ、雪路等の低摩擦係数路面の走行特性を向上
させるようにしている。
【0004】また、車両加速時における駆動輪のスリッ
プを制御して車輪の駆動力を確保して車両の走行安定性
、加速性等を向上させる車両の加速スリップ制御装置と
しては例えば特開昭61−85249号公報(以下、第
2従来例と称す)に記載されているものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1従来例にあっては、スリップの発生した駆動輪の輪荷
重を増加させることによってのみスリップを抑制する構
成となっていたため、雪路、凍結路等の低摩擦係数路な
どで最大駆動力を越える駆動トルクが入力された場合、
輪荷重変更だけではスリップの抑制に限界があることか
らスリップ率が大きくなり、駆動輪の横力が減少すると
いう未解決の課題があった。
【0006】この未解決の課題を解決するために、第1
従来例の能動型サスペンションと第2従来例の加速スリ
ップ制御装置とを組み合わせることが考えられるが、こ
の場合には、例えば車両が乾燥路等の高摩擦係数路面と
、雪路,凍結路等の低摩擦係数路面とが進行方向に対し
て直交する方向に隣接している所謂スプリット路を走行
しているものとすると、高摩擦係数路側駆動輪及び低摩
擦係数路側駆動輪のスリップ率Sに対する横力Sf 及
び駆動力Df の関係は図11(a) 及び(b) で
実線図示のよう、高摩擦係数路側駆動輪の横力Sf 及
び駆動力Df は、低摩擦係数路側駆動輪の横力Sf 
及び駆動力Df に対して大きな値となる。
【0007】ここで、駆動輪で左右の荷重移動が生ぜず
、加速スリップ制御装置のみが作動状態となっている場
合には、低摩擦係数路側駆動輪のスリップ率は図11に
示すように目標スリップ率S0 に維持され、高摩擦係
数路側駆動輪のスリップ率は図11に示すように目標ス
リップ率S0 より小さいスリップ率S1 となり、総
駆動力は2×Df1となると共に、横力はSf1+Sf
2となる。 この状態では、左右駆動輪に車輪速差を生じているため
、制御部で高速側即ち低摩擦係数路側の駆動輪の輪荷重
が増加されると共に、低速側即ち高摩擦係数路側の駆動
輪の輪荷重が減少されて、両駆動輪の車輪速差が無くな
ってスリップ率が等しくなるように輪荷重が調節される
。このため、図11(a) 及び(b) で鎖線図示の
ように、高摩擦係数路側駆動輪のスリップ率に対する駆
動力Df 及び横力Sf が夫々低下し、且つ低摩擦係
数路側駆動輪のスリップ率に対す駆動力Df 及び横力
Sf が夫々増加して目標スリップ率S0 を越えるス
リップ率では両者が略一致することになる。
【0008】このため、総駆動力は図11(a) に示
すように2×Df′となって荷重移動を行う前の総駆動
力2×Df に対して増加することになるが、横力は図
11(b) に示すようにSf1′+Sf2′となって
減少することになる。この結果、能動型サスペンション
と加速スリップ制御装置とを単に組み合わせた場合には
、駆動力は増加するが安定性は低下することになる。
【0009】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、駆動力が必要な発
進から低速域にかけては駆動力を重視し、安定性の必要
な高速域では横力を重視することにより、走行状態に応
じた制御を行って、上記未解決の課題を解決することが
できる能動型サスペンションを提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
、本発明に係る能動型サスペンションは、図1に示すよ
うに、各車輪の輪荷重を個別に調節可能な輪荷重調節手
段と、左右駆動輪の車輪速を個別に検出する駆動輪車輪
速検出手段と、該車輪速検出手段の車輪速検出値に基づ
いて車輪速大側の駆動輪の輪荷重を増加させる輪荷重制
御手段とを有する能動型サスペンションにおいて、駆動
輪のスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、該ス
リップ率演算手段で演算したスリップ率が大きいときに
駆動輪の回転を抑制するスリップ制御手段とを備え、前
記輪荷重制御手段は、左右駆動輪車輪速差に対する荷重
移動量のゲインが低速域では大きく設定され、高速域で
は小さく設定されていることを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明においては、車輪速検出手段で検出した
左右駆動輪の車輪速検出値に基づいて輪荷重制御手段で
車輪速大側即ちスリップを生じている駆動輪の輪荷重を
増加させるが、このときの荷重移動量のゲインが低速域
では大きく設定されているので、駆動力を重視した制御
を行い、高速域ではゲインが小さく設定されることによ
り横力を重視した制御が行われて、車両の走行状態に応
じて最適な制御を行うことができると共に、例えば非駆
動輪の車輪速検出値と駆動輪の車輪速検出値とから駆動
輪のスリップ率を演算し、このスリップ率が大きいとき
には駆動輪の回転を抑制することにより、駆動輪のスリ
ップ率を低下させて、駆動力及び横力を確保する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は本発明の一実施例を示す概略構成図であっ
て、後輪駆動車である場合を示している。図中、10F
L,10FRは非駆動輪となる前左輪,前右輪、10R
L,10RRは駆動輪となる後左輪,後右輪,12は車
輪側部材,14は車体側部材を各々示し、16は能動型
サスペンションを示す。
【0013】能動型サスペンション16は、車体側部材
14と各車輪側部材12との間に各別に装備された流体
シリンダとしての油圧シリンダ18FL〜18RRと、
この油圧シリンダ18FL〜18RRの作動油圧を各々
調整する圧力制御弁20FL〜20RRと、本油圧系の
油圧源22と、この油圧源22及び圧力制御弁20FL
〜20RR間に介挿された蓄圧用のアキュムレータ24
,24と、車体の横方向に作用する横加速度を検出する
横加速度センサ26と、非駆動輪となる前輪10FL及
び10FRの車輪速を検出して車輪速に応じた車輪速検
出信号を出力する非駆動輪車輪速センサ28FL及び2
8FRと、駆動輪となる後輪10RL及び10RRの車
輪速を検出して車輪速に応じた車輪速検出信号を出力す
る駆動輪車輪速センサ28RL及び28RRと、圧力制
御弁20FL〜20RRの出力圧を個別に制御するコン
トローラ30とを備えている。ここで、油圧シリンダ1
8FL〜18RR及び圧力制御弁20FL〜20RRで
輪荷重調節手段が構成されている。
【0014】また、この能動型サスペンション16は、
油圧シリンダ18FL〜18RRに対して車輪側部材1
2及び車体部材14間に個別に並列装備されたコイルス
プリング36,…,36と、油圧シリンダ18FL〜1
8RRの後述する圧力室Lに個別に連通した絞り弁32
及び振動吸収用のアキュムレータ34とを含む。ここで
、各コイルスプリング36は、比較的低いバネ定数であ
って車体の静荷重を支持するようになっている。
【0015】油圧シリンダ18FL〜18RRの各々は
、シリンダチューブ18aを有し、このシリンダチュー
ブ18aには、ピストン18cにより閉塞された上側圧
力室Lが形成されている。そして、シリンダチューブ1
8aの上端が車体側部材14に取付けられ、ピストンロ
ッド18bの下端が車輪側部材12に取付けられている
【0016】また、圧力制御弁20FL〜20RRの各
々は、円筒状の挿通孔内に摺動可能に収容されたスプー
ルを有する弁ハウジングと、この弁ハウジングに一体に
設けられた比例ソレノイドとを有するパイロット操作形
に形成されている。この圧力制御弁20FL〜20RR
の作動油に対する供給ポート及び戻りポートが油圧配管
38,39を介して油圧源22の作動油供給側及び作動
油戻り側に連通され、出力ポートが油圧配管40を介し
て油圧シリンダ18FL〜18RRの圧力室Lの各々に
連通されている。
【0017】このため、比例ソレノイドの励磁コイルに
供給する圧力指令値としての励磁電流Iの値を制御する
ことにより、励磁電流Iに応じた出力圧Pを出力ポート
から油圧シリンダ18FL(〜18RR)の圧力室Lに
供給できる。つまり、制御圧PC は、図3に示す如く
、励磁電流iをその最小値iMIN から最大値iMA
X まで変化させると、これに略比例して最小圧PMI
N から最大圧PMAX (油圧源22のライン圧)ま
で直線的に変化する。
【0018】さらに、横加速度センサ26は、図4に示
すように、直進走行状態で零、直進走行状態から右操舵
したときに横加速度に応じた正の電圧値となり、反対に
左操舵したときに横加速度に応じた負電圧値でなる横加
速度検出値YG を出力する。
【0019】一方、駆動輪となる後輪10RL,10R
Rは図示しないエンジンにより駆動され、エンジンの出
力はスロットルバルブ44により加減される。このスロ
ットルバルブ44は、ステップモータ45によって開閉
動作され、そのステップ数(スロットルバルブ44の開
度)がトラクションコントロール中以外の通常時には運
転者によって踏込み操作されるアクセルペダル46の踏
込量を検出するアクセルセンサ47の踏込量検出値と、
スロットルバルブ44の開度を検出するスロットルセン
サ48の開度検出値とに基づいて後述するようにコント
ローラ30で制御される。
【0020】また、各車輪10FL〜10RRは、ブレ
ーキペダル50の踏力に応じたブレーキマスターシリン
ダ51からの液圧PM により作動されるホイールシリ
ンダ52FL〜52RRを備え、これらホイールシリン
ダの作動により対応車輪が個々に制動される。而して、
駆動輪10RL,10RRのブレーキ液圧系には、夫々
トラクションコントロール用の液圧制御弁54L,54
Rが介挿され、これら液圧制御弁54L,54Rは互い
に同仕様、同構造を有し、スプール55がリターンスプ
リング56により図示の左限位置に押圧され、プランジ
ャ57がリターンスプリング58により図示の左限位置
に押圧された構成を有する。
【0021】液圧制御弁54L,54Rは夫々、図示の
常態でマスターシリンダ側の入口ポート59への液圧P
M をそのままホイールシリンダ側の出口ポート60よ
り対応するホイールシリンダに出力し、スプール55の
右動時プランジャ57によりポート59,60間を遮断
することにより圧力室の容積減少によってホイールシリ
ンダへの液圧を上昇させ、スプール55の右動停止時ホ
イールシリンダの上昇液圧を保持する。
【0022】スプール55の上記右動及びその停止を室
61内の圧力により制御し、この圧力を夫々電磁弁70
L,70Rにより個別に制御する。これら電磁弁も同様
の構成を有し、ソレノイド71のオフ状態で符号(A)
で示すポート間接続位置となって圧力室61をドレン回
路72に連通させると共に、アキュムレータ73から遮
断し、ソレノイド71の小電流によるオン状態で符号(
B)で示すポート間接続位置となって圧力室61をドレ
ン回路72及びアキュムレータ73の双方から遮断し、
ソレノイド71の大電流によるオン状態で符号(C)で
示すポート間接続位置となって圧力室61をドレン回路
72から遮断すると共に、アキュムレータ73に連通す
る。
【0023】電磁弁70L,70Rの(A)位置で圧力
室61は無圧状態となってスプール55を図示位置にし
、電磁弁70L,70Rの(C)位置で室61はアキュ
ムレータ73の一定圧PC が供給されてスプール55
を図中右動させ、電磁弁70L,70Rの(B)位置で
圧力室61は圧力の給排を中止されてスプール55をそ
のときの右動位置に保持する。
【0024】アキュムレータ73には、モータ74で駆
動されるポンプ75からの油圧をチェック弁76を介し
て蓄圧し、アキュムレータ73の蓄圧値が一定圧PC 
にある時、これを検出してオフ状態となる圧力スイッチ
77からの信号を受けて後述するようにコントローラ3
0がモータ74(ポンプ75)を停止させる。電磁弁7
0L,70Rのソレノイド71も同様にコントローラ3
0によって駆動制御される。
【0025】コントローラ30は、図5に示すように、
車輪速センサ28FL〜28RRからの車輪速に応じた
パルス信号PFL〜PRRを電圧に変換する周波数−電
圧変換器81FL〜81RRと、これら変換器81FL
〜81RRの変換出力をディジタル信号に変換するA/
D変換器82FL〜82RRと、横加速度センサ26の
横加速度検出値YG をディジタル値に変換するA/D
変換器83Aと、アクセルセンサ47及びスロットルセ
ンサ48の踏込量検出値A及び開度検出値Tを夫々ディ
ジタル値に変換するA/D変換器83B,83Cと、各
A/D変換器82FL〜82RR、83A〜83Cの変
換出力が入力されるマイクロコンピュータ84と、この
マイクロコンピュータ84から出力される圧力指令値I
FL〜IRRをアナログ値に変換するD/A変換器85
FL〜85RRと、これらD/A変換器の変換出力が入
力され、これらに基づいて各圧力制御弁20FL〜20
RRの比例ソレノイドに対する励磁電流iFL〜iRR
を出力するソレノイド駆動回路86FL〜86RRと、
同様にマイクロコンピュータ45から出力される電磁弁
70L,70Rに対する指令値をアナログ値に変換する
D/A変換器87L,87Rと、これらD/A変換器の
変換出力が入力され、これらに基づいて各電磁弁70L
,70Rのソレノイドに対する励磁電流をiSL, i
SRを出力するソレノイド駆動回路88L,88Rと、
マイクロコンピュータ44から出力されるモータ駆動信
号に応じてステップモータ45及びモータ74を回転駆
動するモータ駆動回路89及び90とを備えている。
【0026】ここで、マイクロコンピュータ84は、少
なくとも入力インタフェース回路84a、出力インタフ
ェース回路84b、演算処理装置84c及び記憶装置8
4dを備え、演算処理装置84cで横加速度検出値YG
 に基づいて車両のロールを抑制する圧力指令値IFL
〜IRRを算出すると共に、駆動輪となる左右後輪10
RL,10RRの車輪速差ΔW(=WRL−WRR)に
応じて高車輪速側の輪荷重を車体に姿勢変化を与えない
ように増加させるように圧力指令値IFL〜IRRを補
正し、このときの輪荷重の増加量を低速域では多くし、
高速域では少なく制御し、且つ駆動輪となる左右の後輪
10RL,10RRのスリップ率SL,SR を算出し
て、これらが小さいときには、スロットルバルブ44の
開度をアクセルセンサ47の踏込量検出値に応じた基準
スロットル開度に制御し、スリップ率が大きいときには
スロットル開度を基準スロットル開度より閉じ側に制御
し、更にスリップ率及びその変化速度に基づいて駆動輪
となる後輪側のホイールシリンダ52RL,52RRの
ブレーキ液圧を制御する。
【0027】記憶装置84dは、演算処理装置84cの
演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶していると
共に、演算処理装置の処理結果を逐次記憶し、且つ演算
処理に必要な車速VとゲインKW との関係を表すゲイ
ン変換マップ、車輪速差ΔWと補正用圧力指令値ΔIと
の関係を表す補正用圧力指令値変換マップ及びスリップ
率SL,SR とその変化率VSL, VSRとから電
磁弁70L,70Rの制御モードを設定する制御モード
変換マップを予め記憶している。
【0028】ここで、ゲイン変換マップは、図6に示す
ように、車速Vが低速側の閾値VTLに達するまでの間
は比較的大きい一定値KWSを維持し、閾値VT 以上
となると車速Vの増加に反比例して減少し、高速側の閾
値VTH以上となると零となるように設定されている。 また、補正用圧力指令値変換マップは、図7に示すよう
に、左右駆動輪の車輪速差ΔWが零であるときには、補
正用圧力指令値ΔIも零となり、左輪10RL側の車輪
速WRLが右輪側に比較して増加することにより、車輪
速差ΔWが正方向に増加するときには、これに正比例し
て正方向に増加し、車輪速差ΔWが予め設定した閾値+
ΔWT に達すると飽和し、逆に右輪10RL側の車輪
速WRRが左輪側に比較して増加することにより、車輪
速差ΔWが負方向に増加するときには、これに正比例し
て負方向に増加し、車輪速差ΔWが予め設定した閾値−
ΔWT に達すると飽和するように設定されている。さ
らに、制御モード変換マップは、図8に示すように、ス
リップ率変化速度VSL, VSRとスリップ率SL,
SR とによって、急減圧、緩減圧、保圧、緩増圧及び
急増圧の5つのモードが設定される。
【0029】次に、上記実施例の動作を演算処理装置8
4cの処理手順を示す図9のフローチャートを伴って説
明する。すなわち、図9のフローチャートは、所定のメ
インプログラムに対して所定時間(例えば20msec
)毎に起動されるタイマ割込処理で実行され、先ずステ
ップS1で横加速度センサ26、車輪速センサ28FL
〜28RR、アクセルセンサ47、スロットルセンサ4
8及び圧力スイッチ77の各検出値を読込む。
【0030】次いで、ステップS2に移行して横加速度
検出値YG をもとにして下記(1) 式〜(4) 式
の演算を行って、車体のロールを抑制するためのアンチ
ロールモーメントを発生させる圧力指令値IFL〜IR
Rを算出する。
【0031】 IFL=IN+KF・YG         …………
(1)IFR=IN−KF・YG        ……
……(2)IRL=IN+KR・YG        
 …………(3)IRR=IN−KR・YG     
   …………(4)ここで、IN は車体を中立位置
に保持するための中立圧PCNを発生させるための中立
圧指令値、KF,KR は前輪側及び後輪側のロール抑
制制御ゲインであって、KF +KR =1に設定され
ている。
【0032】次いで、ステップS3に移行して、車輪速
検出値WFL〜WRRをもとに下記(5)式及び(6)
 式の演算を行って駆動輪となる後輪10RL,10R
Rのスリップ率SL,SR を算出する。
【0033】 SL =(WRL−WFL)/WFL    …………
(5)SR =(WRR−WFR)/WFR    …
………(6)次いで、ステップS4に移行して、上記ス
テップS3で算出したスリップ率SL,SR と前回の
タイマ割込処理時に算出したスリップ率SL−1,SR
−1 をもとに下記(7) 式及び(8) 式の演算を
行ってスリップ率変化速度VSL及びVSRを算出する
【0034】 VSL=SL −SL−1             
…………(7)VSR=SR −SR−1      
       …………(8)次いで、ステップS5に
移行して、下記(9) 式に基づいて左右駆動輪10R
L,10RRの車輪速差ΔWを算出する。
【0035】 ΔW=WL −WR               …
………(9)次いで、ステップS6に移行して、非駆動
輪となる前輪10FL,10FRの車輪速検出値WFL
, WFRをもとに下記(10)式の演算を行って車速
Vを算出する。
【0036】 V=(WFL+WFR)/2        …………
(10)次いで、ステップS7に移行して、上記ステッ
プS5で算出した車速Vをもとに図6のゲイン変換マッ
プを参照してゲインKW を算出する。
【0037】次いで、ステップS8に移行して、上記ス
テップS7で算出したゲインKW と車輪速差ΔWとを
もとに下記(11)式の演算を行って補正用圧力指令値
ΔIを算出する。
【0038】 ΔI=KW ・ΔW              ……
……(11)次いで、ステップS9に移行して、補正用
圧力指令値ΔIをもとに下記(12)〜(15)式の演
算を行って圧力指令値IFL〜IRRを補正し、次いで
ステップS10に移行して、補正した圧力指令値IFL
〜IRRをD/A変換器85FL〜85RRに出力して
からステップS11に移行する。
【0039】 IFL=IFL+ΔI              …
………(12)IFR=IFR−ΔI        
      …………(13)IRL=IRL−ΔI 
             …………(14)IRR=
IRR+ΔI              …………(
15)ステップS11では、ステップS3で算出した右
後輪のスリップ率SR が左後輪のスリップ率SL 以
上であるか否かを判定し、SR ≧SL であるときに
はステップS12に移行して、スリップ率SR を判定
用スリップ率Sとして更新記憶してからステップS14
に移行し、SR <SL であるときにはステップS1
3に移行して、スリップ率SL を判定用スリップ率S
として更新記憶してからステップS14に移行する。
【0040】ステップS14では、判定用スリップ率S
が予め設定した閾値S0 より大きいか否かを判定する
。 この判定は、路面摩擦係数に対して不必要に大きい駆動
力を供給することによって車輪がスリップしているもの
でか否かを判定するものであり、S>S0 であるとき
には、雪路、凍結路、降雨路等の低摩擦係数路を走行し
て駆動力過多であるものと判断して、ステップS15に
移行し、スロットルバルブ44を作動させるステップモ
ータ45を逆転即ちスロットルバルブ44を閉じる方向
に駆動する逆転信号をモータ駆動回路89に出力してか
らステップS19に移行し、S≦S0 であるときには
ステップS16に移行する。
【0041】このステップS16では、予め定められた
関数gに基づいてアクセルペダル46の踏込量Aに応じ
たスロットル開度目標値X(=g(A))を算出する。 次いで、ステップS17に移行して、スロットル開度目
標値Xとスロットル開度検出値Tとを比較し、両者が一
致しているか否かを判定する。このとき、X=Tである
ときには、両者が一致しているものと判断してそのまま
ステップS19に移行し、X>Tであるときにはスロッ
トル開度を開ける方向に変更する必要があると判断して
ステップS18に移行し、ステップモータ45を正転さ
せる正転信号をモータ駆動回路89に出力してからステ
ップS19に移行し、X<Tであるときにはスロットル
開度を閉じる方向に変更する必要があると判断して前記
ステップS15に移行する。
【0042】ステップS19では、ステップS3及びS
4で算出したスリップ率SL,SR 及びスリップ率変
化速度VSL, VSRをもとに図8の制御モード変換
マップを参照して液圧制御弁54L,54Rの制御モー
ドを設定し、次いでステップS20に移行して、設定し
た制御態様に対応した指令値を駆動回路88L,88R
に出力してからステップS21に移行する。
【0043】このステップS21では、圧力スイッチ7
7のスイッチ信号がオン状態であるか否かを判定し、オ
ン状態であるときには、アキュムレータ73の蓄圧が設
定値より低下しているものと判断してステップS22に
移行し、モータ74を駆動する例えば論理値“1”の駆
動信号をモータ駆動回路90に出力してからタイマ割込
処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、スイ
ッチ信号がオフ状態であるときには、アキュムレータ7
3の蓄圧が設定値以上であるものと判断してステップS
23に移行し、モータ74を停止させる例えば論理値“
0”の駆動信号をモータ駆動回路90に出力してからタ
イマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰
する。
【0044】ここで、ステップS3の処理がスリップ率
演算手段に対応し、ステップS5〜S10の処理が輪荷
重制御手段に対応し、ステップS11〜S15及びステ
ップS19,S20の処理がスリップ制御手段に対応し
ている。
【0045】したがって、今、車両がエンジンをアイド
リング状態として停車しているものとすると、この状態
では、アクセルペダル46を開放しているので、アクセ
ルセンサ47から出力される踏込量検出値Aは零となっ
ていると共に、車輪速センサ28FL〜28RRの車輪
速検出値WFL〜WRRも零となっており、また車両が
停車中であるので、横加速度センサ26の横加速度検出
値YG も零であるので、ステップS3で算出される圧
力指令値IFL〜IRRの値は全て中立圧指令値IN 
となる。
【0046】一方、各車輪速検出値WFL〜WRRが零
であることから、ステップS5で算出される左右駆動輪
の車輪速差ΔWも零となるので、ステップS8で算出さ
れる補正用圧力指令値ΔIもゲインKW にかかわらず
零となる。
【0047】このため、ステップS9で算出される補正
圧力指令値IFL〜IRRは中立圧指令値IN を維持
し、これがD/A変換器85FL〜85RRに出力され
てアナログ値に変換され、このアナログ値がソレノイド
駆動回路86FL〜86RRに供給されるので、これら
駆動回路86FL〜86RRから中立電流iN となる
励磁電流iFL〜iRRが圧力制御弁20FL〜20R
Rの比例ソレノイドに供給される。この結果、各圧力制
御弁20FL〜20RRの制御圧PC が中立圧PCN
となって各油圧シリンダ18FL〜18RRの内圧が中
立圧PCNとなり、車体を略フラットな状態に保持する
【0048】このとき、駆動輪となる後輪10RL,1
0RRの車輪速検出値WRL, WRRが零であるので
、ステップS3で算出されるスリップ率SL,SR も
零となり、S≦S0 となるので、ステップS14から
ステップS16に移行して、踏込量検出値Aに基づいて
目標スロットル開度Xを算出する。このとき、踏込量A
が零であるので、目標スロットル開度Xも零となる。そ
して、エンジンがアイドリング状態であるので、スロッ
トルバルブ44が閉位置にあり、スロットルセンサ48
のスロットル開度検出値Tが零であるときには、X=T
となるので、直接ステップS21に移行することにより
、ステップモータ45に対する正転信号及び逆転信号は
出力されず、このステップモータ45が停止状態を維持
する。
【0049】さらに、駆動輪となる後輪10RL,10
RRのスリップ率SL,SR が零であり、スリップ率
変化速度VSL,VSRも零であるので、ステップS1
9で図8のマップを参照して緩減圧モードが設定され、
次いでステップS20で小電流値と零とを所定時間毎に
交互に繰り返す電流指令値をD/A変換器87L,87
Rに夫々出力する。これによって、ソレノイド駆動回路
88L,88Rから小電流値と零とを交互に繰り返す励
磁電流が電磁弁70L,70Rのソレノイド71に出力
され、これら電磁弁70L,70Rがその切換位置(A
)及び(B)間に交互に切換えられて液圧制御弁54L
,54Rの圧力室61が所定時間毎にタンクに連通され
て緩減圧状態となる。このとき、圧力室61の圧力が大
気圧であるときには、スプール55が図2に示すように
リターンスプリング56によって左動された状態となり
、ブレーキマスターシリンダ50からの液圧PM を後
輪10RL,10RRのホイールシリンダ52RL,5
2RRに供給可能な状態となり、このときブレーキペダ
ル50を踏込んでいるときには、そのときにブレーキマ
スターシリンダ51で発生するブレーキ液圧PM が後
輪側ホイールシリンダ52RL,52RRに供給されて
制動状態を維持する。
【0050】この停車状態から、ブレーキペダル50の
踏込を解除すると、ブレーキマスターシリンダ51で発
生されるブレーキ液圧PM が略零となることにより、
前輪側及び後輪側のホイールシリンダ52FL〜52R
Rの圧力が略零となって、制動状態が解除され、この状
態でアクセルペダル46を踏込むことにより、その踏込
量がアクセルセンサ47で検出されるので、図9のステ
ップS14からステップS16に移行して、踏込量Aに
応じて開方向側の目標スロットル開度Xが算出される。 このため、X>Tとなるので、ステップS17からステ
ップS18に移行して、ステップモータ45を正転させ
る正転信号がモータ駆動回路89に出力され、これに応
じてモータ駆動回路89からステップモータ45にこれ
を正転させる駆動信号が出力され、ステップモータ45
が正転されてスロットルバルブ44が開方向に回転され
、エンジンへの燃料供給量が増加する。その後、スロッ
トル開度検出値Tがスロットル開度目標値Xと一致する
とスロットルバルブ44の回転が停止される。
【0051】このため、エンジンの出力が大きくなり、
この出力を駆動力として後輪10RL,10RRに伝達
することにより車両が発進状態となる。このように、車
両が発進状態となると、各車輪10FL〜10RRが回
転を開始し、車輪速センサ28FL〜28RRの車輪速
検出値WFL〜WRRが増加する。このとき、車両が乾
燥路面等の高摩擦係数路で緩発進したときには、駆動輪
となる後輪10FL,10RRにさほどスリップを生じ
ることがなく、ステップS3で算出される駆動輪のスリ
ップ率SL,SR は零近傍の値をとるため、スロット
ル開度はアクセルペダル46の踏込量に応じたスロット
ル開度目標値Xを維持し、且つスリップ率変化速度VS
L, VSRも小さいので、電磁弁70L,70Rも緩
減圧モードを維持して液圧制御弁54L,54Rのスプ
ール55が左動位置に保持される。さらに、駆動輪とな
る後輪10RL,10RRが共に略等しい摩擦係数の路
面を走行している場合には、これら左右輪の車輪速差Δ
Wは略零であり、補正用圧力指令値ΔIも略零の状態を
継続するので、停車時と同様に各油圧シリンダ18FL
〜18RRの内圧は中立圧PCNを維持する。
【0052】また、凍結路、雪路、降雨路等の低摩擦係
数路での緩発進や、乾燥路等の高摩擦係数路での急発進
を行う場合には、駆動輪となる左右後輪10RL,10
RRの車輪速差ΔWが略零を維持するので、上記と同様
に、各油圧シリンダ18FL〜18RRの内圧は中立圧
PCNを維持するが、左右後輪10RL,10RRにス
リップを生じることから、ステップS3で算出される駆
動輪スリップ率SL,SR が正方向に増加し、これが
閾値S0 を越えるとステップS14からステップS1
5に移行するので、ステップモータ45に対する逆転信
号がモータ駆動他回路89に出力され、これによってス
テップモータ45が逆転されてスロットルバルブ44が
閉方向に作動される。このため、エンジンの出力が低下
し、これに応じて左右後輪10RL,10RRに伝達さ
れる駆動力も低下するので、これら後輪10RL,10
RRのスリップ率SL,SR が低下し、これらが予め
設定した閾値S0 に一致するように、トラクションコ
ントロールされる。これと同時に、スリップ率SL,S
R が増加すると共に、スリップ率変化速度VSL,V
SRが正方向に増加することにより、ステップS19で
緩増圧モード(又は急増圧モード)が設定され、これに
応じてステップS20で、電磁弁70L,70Rに対し
て大励磁電流を指示する指令値と零の指令値とが交互に
繰り返し(又は大励磁電流を指示する指令値が連続して
)ソレノイド駆動回路88L,88Rに出力されること
により、これら駆動回路88L,88Rから大励磁電流
が電磁弁70L,70Rに出力されて、これら電磁弁が
(C)位置に切換えられる。このため、アキュムレータ
73の圧力PA が電磁弁70L,70Rを介して液圧
制御弁54L,54Rの圧力室61に供給されるので、
スプール55がリターンスプリング56に抗して右動す
る。そして、スプール55の右端とプランジャ57の左
端とが当接すると、入力ポート59と出力ポート60と
が遮断状態となり、この遮断状態を保ってスプール55
及びプランジャ57が右動することにより、プランジャ
57側の圧力室の圧力が増加し、これが左右後輪10R
L,10RR側のホイールシリンダ52RL,52RR
に伝達されて、後輪10RL,10RRに対して制動力
が作用し、これによっても駆動輪となる後輪10RL,
10RRのスリップ率SL,SR が抑制されて、総駆
動力が向上される。
【0053】ところが、走行路の左半部が例えば乾燥し
た高摩擦路面で、右半部が例えば凍結した低摩擦路面で
ある所謂スプリット路で発進する場合には、左側の駆動
輪10RLの車輪速WRLに対して右側の駆動輪10R
Rの車輪速WRRが大きい値となるため、図9のステッ
プS3で算出される駆動輪のスリップ率SL,SR も
左輪側のスリップ率SL に対して右輪側のスリップ率
SR が大きな値となると共に、ステップS5で算出さ
れる車輪速差ΔWが負方向に増加する。このとき、車速
Vは小さい値なので、ステップS7で設定されるゲイン
KW は比較的大きな値となり、ステップS8で算出さ
れる補正用指令値ΔIは負方向に増加する。したがって
、ステップS9で算出される圧力指令値IFL〜IRR
は駆動輪となる後右輪に対する圧力指令値IRR及び非
駆動輪となる前左輪に対する圧力指令値IFLが補正用
指令値ΔIだけ増加し、逆に駆動輪となる後左輪に対す
る圧力指令値IRL及び非駆動輪となる前右輪に対する
圧力指令値IFRが補正用指令値ΔIだけ減少する。こ
れに応じて後右側の油圧シリンダ18RR及び前左側の
油圧シリンダ18FLの内圧が中立圧PCNより増加し
、後左側の油圧シリンダ18RL及び前右側の油圧シリ
ンダ18FRの内圧が中立圧PCNより減少する。この
ため、後右側のストロークが伸長することにより、高ス
リップ率側の後右輪10RRでの輪荷重が増加して駆動
力が増大し、低スリップ率側の後左輪10RLではスト
ロークが収縮することにより、輪荷重が減少して駆動力
が減少することにより、左右駆動輪の駆動力が略等しい
値に制御され、前述した図11(a)から明らかなよう
に、総駆動力が増加する。このとき、駆動輪となる後輪
側では高スリップ率側の後右車輪10RRのストローク
が伸長し、低スリップ率側の後左車輪10RLのストロ
ークが収縮するため、車体が後ろ側からみて反時計方向
のロールモーメントを発生することになるが、非駆動輪
となる前輪側では前左輪10FLのストロークが伸長し
、前右輪10FRのストロークが収縮することにより、
後輪側とは反対方向となる時計方向のアンチロールモー
メントを発生することにより、車体が剛体であることか
ら、輪荷重調整時のロール変化を確実に防止することが
できる。
【0054】このように、車両の低速走行時には、スロ
ットル開度の減少及び駆動輪に対する制動力の付与によ
るトラクションコントロールに加えて、輪荷重を調整す
るためのゲインKW が大きな値となることにより、補
正用指令値ΔIの絶対値も大きな値となり、高スリップ
率側の駆動輪に対する輪荷重の増加分が大きくなって、
駆動力を重視した制御となる。このため、低速走行時に
トラクションコントロール及び輪荷重制御を行う本発明
では、図10(a)及び(b)で夫々破線図示の特性線
L1 で示すように、駆動輪の左右の駆動力が等しいの
で、ヨーレートが略零となると共に、発進時の加速性能
を向上させることができる。因みに、トラクションコン
トロールのみを採用する場合には、駆動力を低下するこ
とになるので、図10(a)及び(b)で夫々実線図示
の特性線L2 で示すように、ヨーレートは略零の状態
を維持するが、加速性能が低下し、また輪荷重制御のみ
を採用する場合には、図10(a)及び(b)で夫々一
点鎖線図示の特性線L3 で示すように、加速性能はあ
る程度向上させることができるが、ヨーレートの変化が
大きくなり安定性が低下するという問題がある。
【0055】その後、車両が加速することにより、車速
Vが増加すると、これに応じてゲインKW が徐々に小
さい値となるので、車輪速差ΔWを生じたときの補正用
指令値ΔIも小さい値となって、高スリップ率側の駆動
輪に対する輪荷重の増加分が減少する。このため、前述
した図11(a)で表されるように駆動力の向上は抑制
されるが、図11(b)で実線図示の状態となるので、
横力の低下が抑制されることになり、駆動力の確保より
は横力を重視して安定性を確保する制御となる。
【0056】そして、高速走行状態で、右(又は左)旋
回状態となると、車体に横加速度が発生することにより
、横加速度センサ26の横加速度検出値YGが正(又は
負)方向に増加し、これによってステップS2で算出さ
れる左輪(又は右輪)側の圧力指令値IFL,IRL(
又はIFR,IRR)が中立圧指令値IN より増加し
、右輪(又は左輪)側の圧力指令値IFR,IRR(又
はIFL,IRL)が中立圧指令値IN より低下する
。このため、左輪(又は右輪)側の油圧シリンダ18F
L,18RL(又は18FR,18RR)の推力が増加
すると共に、右輪(又は左輪)側の油圧シリンダ18F
R,18RR(又は18FL,18RL)の推力が低下
して、アンチロールモーメントを発生させて車体を略フ
ラットな状態に維持することができる。
【0057】なお、上記実施例においては、コントロー
ラ30としてマイクロコンピュータを適用した場合につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、関数
発生器、演算回路等の電子回路を組み合わせて構成する
こともできる。
【0058】また、上記実施例においては、制御弁とし
て圧力制御弁を適用して圧力制御を行う場合について説
明したが、これに限らず流量制御弁を適用して流量制御
を行うようにしてもよい。
【0059】さらに、上記実施例においては、車両の横
加速度を検出してアンチロール制御を行う能動型サスペ
ンションについて説明したが、これに限定されるもので
はなく、車体の前後加速度を使用するアンチピッチ制御
、上下加速度を使用するアンチバウンス制御等を単独又
は互いに組み合わせるようにしてもよい。
【0060】さらにまた、上記実施例においては、トラ
クションコントロールとして、スロットル開度及び駆動
輪の制動力の双方を制御する場合について説明したが、
これに限らず何れか一方を省略するようにしてもよい。
【0061】なおさらに、上記実施例においては、スリ
ップ率演算手段で、非駆動輪の車輪速検出値と駆動輪の
車輪速検出値とからスリップ率を算出する場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、例えばア
ンチスキッド制御装置に使用する擬似車速演算手段を適
用して擬似車速を算出し、この擬似車速を車輪速に変換
して非駆動輪の車輪速として使用するようにしてもよい
【0062】また、上記実施例においては、作動流体と
して作動油を適用した場合について説明したが、これに
限定されるものではなく、他の圧縮性の低い流体を適用
することができる。
【0063】さらに、上記各実施例においては、輪荷重
調節手段を構成するアクチュエータとして油圧シリンダ
を適用した場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、空気圧シリンダ等の他のアクチュエータ
を適用することもできる。
【0064】またさらに、上記実施例においては、後輪
駆動車にこの発明を適用した場合について説明したが、
前輪駆動車や四輪駆動車にもこの発明を適用することが
できる。但し、四輪駆動車の場合には、非駆動輪が存在
しないので、前述したようにアンチスキッド制御装置に
使用する擬似車速演算手段を適用するようにすればよい
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る能動
型サスペンションによれば、輪荷重制御手段で、車輪速
大側の駆動輪の輪荷重を増加させると共に、スリップ制
御手段で駆動輪のスリップ率演算手段で算出したスリッ
プ率が大きいときに駆動輪の回転を抑制するようにし、
さらに輪荷重制御手段を左右駆動輪車輪速差に対する輪
荷重のゲインを低速域では大きく、高速域では小さくな
るように設定した構成としたので、スリップ制御手段に
よるトラクション制御を必要とする低速域ではトラクシ
ョン制御と輪荷重制御との両制御を行って駆動力即ち加
速性能を重視した制御を行い、高速域では輪荷重制御に
よる横力の低下を抑制して安定性を重視した制御を行う
ことができ、走行状態に応じた最適な制御を行うことが
できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示す基本構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図3】上記実施例に適用し得る圧力制御弁の出力特性
線図である。
【図4】上記実施例に適用し得る加速度センサの出力特
性線図である。
【図5】上記実施例に適用し得るコントローラの一例を
示すブロック図である。
【図6】上記実施例に適用し得る車速とゲインとの関係
を示すゲイン変換マップを示す説明図である。
【図7】上記実施例に適用し得る車輪速差と補正用圧力
指令値との関係を示す補正用圧力指令値変換マップを示
す説明図である。
【図8】上記実施例に適用し得るスリップ率とスリップ
率変化速度とによって制御モードを設定する制御モード
変換マップを示す説明図である。
【図9】コントローラに適用し得るマイクロコンピュー
タの制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】上記実施例の動作の説明に供する時間に対す
るヨーレート及び速度の関係を示す特性線図である。
【図11】従来例におけるスリップ率に対する駆動力及
び横力の関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
10FL,10FR    前輪(非駆動輪)10RL
,10RR    後輪(駆動輪)16    能動型
サスペンション 18FL〜18RR    油圧シリンダ20FL〜2
0RR    圧力制御弁26    横加速度センサ 28FL〜28RR    車輪速センサ30    
コントローラ 44    スロットルバルブ 45    ステップモータ 46    アクセルペダル 47    アクセルセンサ 48    スロットルセンサ 51    ブレーキマスターシリンダ52FL〜52
RR    ホイールシリンダ54L,54R    
液圧制御弁 70L,70R    電磁弁 84    マイクロコンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  各車輪の輪荷重を個別に調節可能な輪
    荷重調節手段と、左右駆動輪の車輪速を個別に検出する
    駆動輪車輪速検出手段と、該車輪速検出手段の車輪速検
    出値に基づいて車輪速大側の駆動輪の輪荷重を増加させ
    る輪荷重制御手段とを有する能動型サスペンションにお
    いて、駆動輪のスリップ率を演算するスリップ率演算手
    段と、該スリップ率演算手段で演算したスリップ率が大
    きいときに駆動輪の回転を抑制するスリップ制御手段と
    を備え、前記輪荷重制御手段は、左右駆動輪車輪速差に
    対する荷重移動量のゲインが低速域では大きく設定され
    、高速域では小さく設定されていることを特徴とする能
    動型サスペンション。
JP3445691A 1991-02-28 1991-02-28 能動型サスペンション Expired - Lifetime JP2913860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3445691A JP2913860B2 (ja) 1991-02-28 1991-02-28 能動型サスペンション

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3445691A JP2913860B2 (ja) 1991-02-28 1991-02-28 能動型サスペンション

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04274914A true JPH04274914A (ja) 1992-09-30
JP2913860B2 JP2913860B2 (ja) 1999-06-28

Family

ID=12414753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3445691A Expired - Lifetime JP2913860B2 (ja) 1991-02-28 1991-02-28 能動型サスペンション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2913860B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011108083A1 (ja) * 2010-03-02 2011-09-09 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011108083A1 (ja) * 2010-03-02 2011-09-09 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2913860B2 (ja) 1999-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5224765A (en) Control system for distributing braking forces applied to left and right wheels in automotive vehicles
US7613557B2 (en) Vehicle control system
JP2768015B2 (ja) 能動型サスペンション
JPH0780410B2 (ja) 車両用サスペンシヨン
JPH023511A (ja) 能動型サスペンション
JP2757579B2 (ja) 能動型サスペンション
JP2945705B2 (ja) サスペンションと駆動力の総合制御装置
KR960005853B1 (ko) 차량의 후륜조타제어방법
JPH04274914A (ja) 能動型サスペンション
JPH08207542A (ja) 車両の旋回運動制御装置
JP2913748B2 (ja) 制駆動力と輪荷重配分の総合制御装置
JP3132145B2 (ja) 車両用サスペンション制御装置
JPH06107156A (ja) アンチスキッド制御装置
JP3008739B2 (ja) 車両用サスペンション制御装置
JP3169683B2 (ja) 4輪駆動車の走行制御装置
JPH04321414A (ja) 能動型サスペンション
JP2903755B2 (ja) 能動型サスペンション
JP2954606B2 (ja) 車両の総合制御装置
JP5125669B2 (ja) 四輪駆動車の車体速推定装置
JPH05169948A (ja) 能動型サスペンション
JPH04310414A (ja) 能動型サスペンション
JPH0672124A (ja) 電子制御サスペンション装置
JP2998356B2 (ja) 能動型サスペンション
JPH04169310A (ja) 能動型サスペンション
JPH02216310A (ja) 車両の制御装置