JPH0427486B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車の如き車両において、走行開
始前に予め電子装置により表わされる地図に基づ
いて走行経路を設定しておくことにより、走行
中、設定された走行経路の情報に基づいて適切な
タイミングで走行経路についての指示が運転者に
与えられるようにした車両用走行経路誘導装置に
関するものである。

車両用走行経路誘導装置とは自動車の如き車両
に設けられ、車両の走行経路を逐一運転者に指示
して目的地に到達せしめるという装置である。近
年、不案内地域等における車両運転の便宜を図る
ため走行中車両の現在位置を確認することのでき
る装置が開発されたが、斯かる装置は電子技術的
には走行距離、走行方位等を検出する各種検出器
からの出力信号に基づきコンピユータで所定の演
算を行い、これによりCRTデイスプレイの如き
表示装置の画面に実際の車両の走行に伴いそれに
対応する軌跡を輝点で表示せしめるものであり、
一方、この表示装置の画面に予め位置合せを行つ
て地図が印刷された透明シートをセツトすればそ
の地図を利用して走行中の車両の現在位置及び現
在位置までの走行経路等を知ることが可能とな
る。ところが当該装置を用いて上記走行経路誘導
装置を構成しようとする場合、即ち反対に走行前
に走行経路を予め設定して所定の目的地まで運転
を行おうとする場合、セツトされた地図に係る透
明シートに所定の筆記具で目的地や右折等をする
交差点に所要のマークを付し、而して運転者は地
図上のこれらのマーク等を走行中に確認しながら
運転しなければならないことになり、運転上極め
て不便なものとなる。

その後道路地図をもデイジタル情報として記憶
し、上記車両の現在位置に係るマーク等と併せて
表示装置の画面に直接表示させ得る車両の走行位
置表示装置が本出願人により提案された。そこで
斯かる走行位置表示装置を技術的ベースとすれ
ば、これを更に発展させることにより、簡単な操
作で走行経路の予約設定を行うことができ、且つ
走行中運転者に対して運転に支障を生じさせるこ
となく適切な指示で走行経路の誘導を行い得る予
約型の走行経路誘導装置を開発することが可能と
なつた。

本発明者は上記技術課題に鑑み、これを有効に
解決すべく本発明を成したものである。

本発明の第１の目的は、車両で不案内な地域を
走行して或る目的地に到達しようとする場合に、
その目的地に到る経路を、運転者に対し運転中に
必要に応じて適切なタイミングで逐一指示するよ
うにし、これにより不案内地域を走行する車両運
転者の運転に係る精神的負担を軽減し、車両運転
を快適なものとし、車両運転における便宜を図る
ようにした車両用走行経路誘導装置を提供するこ
とにある。

本発明の第２の目的は、上記作用を生じさせる
にあたり上記装置に対し走行開始前に所要の準備
を行うが、斯かる準備を簡単に行えるようにする
と共に、運転中に上記指示が行われる時に運転に
支障が生じることなく当該指示が明確に行われ運
転者に指示内容が確実に伝達されるようにした車
両用走行経路誘導装置を提供することにある。

本発明は上記目的を実現すべく、走行前に表示
画面に表わされた移動自在の一対のカーソル線等
を用いて表示画面上の地図にて直接走行経路を設
定し、且つ走行中は予め設定された走行経路に基
づいて音声メツセージ等によつて適切に経路につ
いての指示が行われるようにした車両用走行経路
誘導装置を提供することを目的とする。

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は本発明に係る車両用走行経路誘導装置
の全体的構成をブロツク図で示したもので、その
概要を説明すると、該車両用走行経路誘導装置１
は、その中央部にコンピユータによつて形成され
る信号処理装置２を設け、信号処理装置２の入力
側の装置として距離検出器３と方位検出器４と操
作装置５とを備え、その出力側の装置として表示
装置６と音声出力発生装置７とを備え、更に外部
装置として道路地図に係る情報を記憶したデイジ
タル情報記憶媒体を着脱自在に装着するデイジタ
ル情報記憶媒体再生装置８を備えて構成されるも
のである。

上記距離検出器３は、例えば車輪の回転数に比
例したパルス信号を出力する光電式等のセンサか
ら成り、車両の走行距離に応じた信号を発生し、
又方位検出器４は、例えば車両の方向転換時の角
速度を検出するレート式のジヤイロスコープ等か
ら成り、車両の進行方向の変化に応じその方位変
化量等に比例した信号を出力する。操作装置５は
操作スイツチを複数設けて成り、該操作スイツチ
によつて信号処理装置２に対し各種指令を送り、
信号処理装置２の機能を介して表示装置６に表示
される各種の画像に関する表示形態の適宜な変更
等を行わせ且つ音声出力発生回路７に所定の動作
を行わせることのできるものである。一方表示装
置６は、例えばCRTデイスプレイの如きもので
あつて地図画像や実動車の現在位置等の輝点マー
クを同じ画面にて表示させ、又再生装置８は、予
め道路地図をラスタモードにて画素単位で情報化
したものを記録したデイジタル情報記憶媒体８ａ
の当該画像情報を読み出し信号処理装置２に送出
する機能を有する。

尚、信号処理装置２の内部には走行軌跡記憶装
置が設けられ、この装置は信号処理装置２の演算
によつて求められた刻々と変化する２次元座標上
の車両位置のデータを順次格納し、車両の現在位
置に到るまでの有限の連続情報として保持するも
のであるが、又この装置は外部装置として設ける
こともできる。

上記の如き各構成装置を備えた信号処理装置２
の車両の走行位置を表示する装置としての動作を
先ず最初に説明する。上記装置は自動車等の適宜
箇所に装着され、特に表示装置６と操作装置５が
車両の運転席部に配設される。

先ず、車両の走行を開始する前に操作装置５を
操作し、車両の現在位置付近の地図の画像情報を
デイジタル情報記憶媒体８ａから読み出し、その
画像情報を信号処理装置８の内部の記憶部に記憶
保持しつつ表示装置６に表示させ、表示された当
該地図に対応させ予め位置合せして車両の現在位
置等を表わすマークを表示装置６に表示された地
図画像の上に重ねて表示せしめる。

その後に車両の走行が開始されると、距離検出
器３から単位走行距離ごとにパルス信号が信号処
理装置２に送られ、信号処理装置でパルス数のカ
ウントを行うことにより走行距離が計測されると
共に、方位検出器４の出力が信号処理装置２に送
られそこで刻々における車両の進行方向が判定さ
れる。信号処理装置２では、検出された車両の走
行距離及び方位の変化に基づき、予め設定された
地図の縮尺率に応じたＸ−Ｙ座標上における現在
位置ｘ，ｙを刻々と演算によつて求め、その演算
結果が表示装置６へ逐次送られると共に、走行軌
跡記憶装置に送られて記憶保持される。走行軌跡
記憶装置に記憶された内容は読み出されて表示装
置６に送出されると同時に、又信号処理装置２か
ら表示装置６へ現在位置における車両の進行方向
に係る信号が送られ、上記各信号に基づいて所定
の表示が表示装置６の画面にて行われる。

以上のような動作に基づいて表示装置６の画面
６ａでは、例えば第２図に示されるように道路地
図に係る画像が表示され、その画像上に更に車両
の現在位置を表わす現在位置表示マーク９、車両
の進行方向を表わす方向表示マーク１０、現在の
位置までの走行軌跡を表わす走行軌跡表示マーク
１１等が表示され、これらのマークが車両の実際
の走行に追従して地図上を移動し、これを視認す
る運転者は地図上にて車両の現在走行中の位置等
を知得することになる。この場合においてマーク
９からマーク１０に向う方向が車両の進行方向を
意味するものとする。

本発明では上記の如き車両の走行位置を表示す
る装置において、その信号処理装置２、操作装置
５に対して次のような機能を付加することによつ
て更に車両用走行経路誘導装置として構成せしめ
るものである。又前記音声出力発生装置７はスピ
ーカ７ａ、音声合成回路７ｂ等から構成されるも
のであり、特に該誘導装置として走行経路に係る
メツセージを音声で運転者に知らせる装置として
使用されるものである。

次に車両用走行経路誘導装置について説明す
る。

先ず操作装置５の操作スイツチ群の中に、「直
進」、「左折」、「右折」という車両の進路を表示画
面の地図上にて指定することのできるスイツチが
３個設けられ、且つ表示装置６の画面にＸ方向、
Ｙ方向の直交する２本のカーソル線を生じさせ、
このカーソル線を自在に移動させることのできる
操作部材が設けられる。

一方、信号処理装置の内部には上記カーソル線
の交点として画面地図上に指定された走行経路途
中の所定位置の座標と、その座標に係る地点にお
ける車両の進行方向、即ち「直進」、「左折」、「右
折」のいずれかの指示する命令案内情報を記号化
したものを併せて記憶し得る記憶部を設けるよう
構成される。

次に第３図に基づいて車両の走行を開始する前
に行われる操作及びその操作に基づく装置動作を
述べる。表示装置６の画面６ａ上には先に述べた
如くして道路地図に係る画像１２と走行開始前の
車両の位置マーク９等が表示されているものと
し、今仮に地図中のマーク１３の地点が車両の到
達すべき目的地点とする。そこで、次に画面１２
にカーソル線１４，１５を発生させ、このカーソ
ル線１４，１５及び前記の「直進」、「左折」、「右
折に係る上記操作部材及び３個の操作スイツチを
使用して現在位置から目的地までの走行経路を設
定する。

第３図に図示される如く、例えば矢印の如く走
行経路を定めるものとすると、運転者は先ずカー
ソル線１４，１５を動かして交差点Ａに交点を作
り、この交差点Ａにて地図中左折するという「左
折」のスイツチを操作する。次には交差点Ｂにお
いて同様にカーソル線の交点を作り、この交差点
Ｂにて地図中右折するという「右折」のスイツチ
を操作する。同様にして以下交差点Ｃ，Ｄ，Ｅ，
Ｆにおいて夫々操作を行う。斯くすれば各交差点
Ａ〜Ｆの位置と各交差点Ａ〜Ｆにおける車両の進
行すべき方向とが上述の如く信号処理装置２の内
部の記憶部に記憶されることになる。

上記のような走行経路の設定の作業が終了した
ならば車両の走行を開始する。車両が走行し始め
ると、車両の実際の走行に伴つて、画面地図上の
マーク９等も移動し始める。そしてマーク９が交
差点Ａに接近してくると、例えばマーク９と交差
点Ａとの距離が実際の距離で100m程度になつて
くると、予め記憶させた交差点Ａについての車両
の進行方向に係る情報に基づいて音声出力発生装
置７が動作され、そのスピーカより例えば
「100m先を左折して下さい」というような音声メ
ツセージが出力されることになる。運転者はこの
音声メツセージに従つて運転を行い、以下各交差
点Ａ〜Ｆについて同様に走行経路についての誘導
が行われ、運転者がその音声メツセージに従つて
運転を行えば目的地１３に到達することができ
る。

上記の如き作用は、信号処理装置２内にて、刻
刻に変化する車両の現在位置に係る座標と各交差
点に係る座標との距離を入力された交差点の順序
で演算して求め、その値が一定値よりも小さくな
つたことを条件として、次第に接近してくる各交
差点での進路を運転者に指示するような制御がな
されることによつて行われるものである。

上記実施例では２本のカーソル線を利用して交
差点を指示し画面上走行経路を設定するようにし
たが、これは例えばライトペンを使う等他の入力
手段を使用することも可能である。

又予め設定された経路を運転者に指示するに際
して音声メツセージの代わりに、或いは音声メツ
セージと共に視覚に訴えるメツセージを画面に表
示させることも可能である。

以上の説明で本発明の内容は明らかにされたが
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
要旨が逸脱されない範囲内において任意に設計変
更し得ることは勿論である。

以上の説明で明らかなように本発明によれば、
全体的に取扱いが簡単で、簡易な操作によつて走
行経路を予約設定することができるようにしたた
め車両用走行経路誘導装置としての利用価値を高
めると共に、走行時に音声等によるメツセージで
予め設定した走行経路をその進路変更毎に適切な
タイミングで運転者に知らしめるようにしたた
め、運転者は主として車両運転に神経を集中する
ことができ、不案内地域等を走行する運転者の運
転に係る精神的負坦を軽減することができる等の
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は走行
経路誘導装置の構成を示すブロツク図、第２図は
表示装置の画面における表示態様の一例を示した
図、第３図は走行経路を設定する方法を説明する
ための図である。 尚、図面中２は信号処理装置、３は距離検出
器、４は方位検出器、５は操作装置、６は表示装
置、７は音声出力発生装置である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 走行距離、進行方向に係る検出器からの検出
   信号処理装置の演算機能によつて車両の位置に係
   る情報を求め、且つ地図に係る画像情報を記録し
   た記録媒体から再生装置を介して所定の地図情報
   を読み差し、上記各情報を信号処理装置内に保ち
   つつ該信号処理装置で表示装置の画面に併せて表
   示し、これによつて運転者が自車の現在位置を知
   り得るようにした装置において、操作装置を設
   け、該操作装置と上記信号処理装置に上記表示装
   置の画面に表示された地図に予定する走行経路を
   設定し得る機能および走行経路途中の所定位置に
   かかる案内情報を記憶し得る機能を設けると共
   に、上記信号処理装置の出力側に前記案内情報を
   報知する通告装置を備え、予め設定された走行経
   路に従つて走行中に、車両の現在位置と前記所定
   位置との距離を算出して該距離が所定値より小さ
   くなつたことを条件として前記通告装置により案
   内情報を報知して走行経路を運転者に教示するよ
   うにしたことを特徴とする車両用走行経路誘導装
   置。