JPH0427317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、たばこ苗等を植付けるための畝の
整形と整形した畝へのマルチシートの被覆とを連
続して行なう移動農機のマルチシート被覆装置に
関するものである。

従来の技術 従来、畝の整形及びマルチシートの被覆を連続
して行なう四輪車体の移動農機においては、畝の
整形を行なう畝盛作業機と、この畝盛作業機の後
方に位置するマルチシート被覆装置とが設けられ
ており、これらの畝盛作業機とマルチシート被覆
装置とは移動農機の前輪と後輪との間に配置され
ているものが一般的である。また、前輪と後輪と
の間に畝盛作業機を配置し、マルチシート被覆装
置を移動農機の機体後部に連結したものもある。

ここで、マルチシート被覆装置は、ロール状に
巻回されたマルチシートを支持するマルチシート
支持部、このマルチシートを後方に引き出す際に
ガイドするガイドロール、マルチシート支持部か
ら引き出されたマルチシートの端部を畝の裾部に
おいて踏圧する踏圧輪、マルチシートの踏圧輪に
より踏圧された部分に覆土する覆土デイスク等に
より構成されている。

考案が解決しようとする問題点 移動農機の前輪と後輪との間に畝盛作業機とマ
ルチシート被覆装置とを配置した場合には、前輪
と後輪との間隔が大きくなり、圃場端部における
回行半径が大きくなるという欠点がある。また、
回行時等においてマルチシート被覆装置を上下に
回動させて地表に接離させる必要から、この回動
半径内に他の部品を配置することができず、他の
部品の配置位置が上方となつて移動農機の重心位
置が高くなり、傾斜地等におけるバランス性能が
悪くなるという欠点がある。

一方、マルチシート被覆装置を移動農機の機体
後方に連結した場合には、踏圧輪や覆土デイスク
が後輪の後方に大きく延出する状態となり、回行
時等における移動農機の操作性が低下している。

問題点を解決するための手段 四輪車体の移動農機の前輪と後輪との間に畝盛
作業機を配置し、後輪の後方に延出する支持杆を
設けるとともにこの支持杆に後輪に接近して覆土
デイスクを連結する。マルチシート支持部から引
き出されたマルチシートの端部を畝の裾部におい
て踏圧する位置に後輪を配置する。

作 用 前輪と後輪との間には畝盛作業機のみを配置
し、前輪と後輪との間隔を短くする。移動農機の
後輪をマルチシートを踏圧する踏圧輪として用
い、部品点数が減少する。また、後輪から最後尾
に位置する覆土デイスクまでの寸法が短くなり、
圃場端部での回行時等における移動農機の操作性
が向上する。

実施例 この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。まず、地表を走行する四輪車体の移動農機１
のシヤーシ２の後端部にはミツシヨンケース３が
固定され、このミツシヨンケース３の上部にはエ
ンジン４が搭載されている。前記ミツシヨンケー
ス３の下端部には左右方向に延出する車軸５が設
けられ、車軸５の両端部には左右一対の伝動ケー
ス６の上端部が車軸５の軸心回りに回動自在に連
結されている。伝動ケース６の下端部にはスプロ
ケツト及びプーリ（図示せず）を介して前記車軸
５に連結された回転軸７が設けられ、これらの回
転軸７には後輪８が連結されている。なお、この
後輪８の回転軸７への連結は、左右方向位置調節
自在に行なわれている。また、前記シヤーシ２の
前部には操向機構９を介して前輪１０が連結され
ている。

前記シヤーシ２の前端部には上方向きに延出す
るメインタワー１１が固定され、このメインタワ
ー１１には上下一対のステイ１２が固定されてお
り、これらのステイ１２には前後一対の転圧ロー
ラ１３を介して前記メインタワー１１と平行なサ
ブタワー１４が上下方向スライド自在に保持され
ている。サブタワー１４の下端部には後方に延出
するフレーム１５が固定されており、このフレー
ム１５にはロータリミツシヨンケース１６、ロー
タリミツシヨンケース１６の耕耘軸１７に連結さ
れたロータ１８、畝整形器１９等からなる畝盛作
業機２０が連結されている。なお、前記畝整形器
１９はＴ形バー２１を介して上下方向位置調節自
在に設けられている。また、前記メインタワー１
１の上端部と前記シヤーシ２の後方部との間には
サブフレーム２２が連結され、このサブフレーム
２２に固定された取付ステイ２３と前記ロータリ
ミツシヨンケース１６の上端部に固定された取付
ステイ２４との間には伸縮自在な油圧シリンダ２
５が連結されている。

前記Ｔ形バー２１の上端部には後方に延出する
支持杆２６が連結され、支持杆２６の後端部には
ロール状に巻回されたマルチシート２７を支持す
るマルチシート支持部２８が設けられている。ま
た、前記ミツシヨンケース３には前記マルチシー
ト支持部２８の方向に向けて延出する支持杆２９
が固定去れ、この支持杆２９の先端部にはマルチ
シート支持部２８から引き出されたマルチシート
２７をガイドするスポンジロール３０が取付けら
れている。

つぎに、前記回転軸７にはこの回転軸７の軸心
回りに上下方向回動自在及び前記後輪８の後方に
延在する左右一対の支持杆３１が連結され、これ
らの支持杆３１には前記マルチシート支持部２８
から引き出されるとともに畝の裾部において前記
後輪８により踏圧されたマルチシート２７の端部
に覆土する覆土デイスク３２が連結されている。

このような構成において、移動農機１を前方
（矢印ａ方向）に進行させると、エンジン４から
の動力がプロペラシヤフト３３を介してロータリ
ミツシヨンケース１６及び耕耘軸１７に伝達さ
れ、ロータ１８が矢印ｂ方向に回転する。この回
転により地表の土が耕耘されるとともにロータリ
ミツシヨンケース１６側の内方に集積され、ロー
タ１８の後方に位置する畝整形器１９により畝の
整形が行なわれる。つぎに、整形された畝を覆う
状態にセツトされて両端部を後輪８により踏圧さ
れたマルチシート２７は、移動農機１の進行に伴
いマルチシート支持部２８から引き出され、整形
された畝を連続的に被覆する。後輪８により踏圧
された畝の裾部におけるマルチシート２７上へは
覆土デイスク３２による覆土が行なわれる。

ここで、前輪１０と後輪８との間には畝盛作業
機２０のみが配置されている。このため、前輪１
０と後輪８との間隔を挟めることができ、移動農
機１の小型化を図ることができ、回行半径が小さ
くなる。そして、圃場端部における枕地の幅が狭
くなり、後から行なう手直し作業の労力が軽減さ
れる。さらに、後輪８がマルチシート２７の端部
を畝の裾部において踏圧する踏圧輪としても用い
られており、別個に踏圧輪を設けることが不要と
なる。このため、部品点数が減少し、コストが低
減される。また、踏圧輪を別個に設けることが不
要となるために覆土デイスク３２を後輪８の後方
に接近して配置することができ、後輪８の後方に
延出する部材の寸法が短縮され、回行時等におけ
る移動農機１の操作性が向上する。

一方、エンジン４からの動力により油圧ポンプ
３４が回転し、油圧レバー（図示せず）の切替操
作により油圧シリンダ２５が伸縮する。そして、
油圧シリンダ２５の伸縮動作に伴い畝盛作業機２
０はフレーム１５及びサブタワー１４と一体的に
垂直方向に上下動する。畝盛作業時には油圧シリ
ンダ２５を伸長して畝盛作業機２０を下方へ移動
させ、ロータ１８を地表に干渉させる。また、畝
盛作業を中断した際や圃場端部における回行時に
は油圧シリンダ２５を縮長して畝盛作業機２０を
上方に移動させ、地表から離反させる。なお、畝
盛作業機２０の上下方向への移動量を調節するこ
とにより整形する畝の高さの調節を行なう。

考案の効果 この考案は、上述のように前輪と後輪との間に
は畝盛作業機のみを設けて覆土デイスク等を後輪
の後方に配置したことにより、前輪と後輪との間
隔を狭めて移動農機の小型化を図り、及び、回行
半径を小さくすることができ、また、後輪をマル
チシートの両端部を踏圧する踏圧輪として用いた
ことにより、別個に踏圧輪を設ける必要がなくな
り、部品点数の削減によるコストの低減を図るこ
とができ、さらに、踏圧輪を別個に設けることが
不要であるために覆土デイスクを後輪の後方に近
接して配置することができ、後輪の後方に延出す
る部材の長さ寸法を短縮して圃場端部での回行時
等における移動農機の操作性を向上させることが
でき、作業能率の向上を図ることができる等の効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図はその平面図である。 １……移動農機、８……後輪、１０……前輪、
２０……畝盛作業機、２７……マルチシート、２
８……マルチシート支持部、３１……支持杆、３
２……覆土デイスク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 四輪車体の移動農機において、前輪と後輪との
   間に畝盛作業機を配置し、前記後輪の後方に延出
   する支持杆を設けるとともにこの支持杆に前記後
   輪に近接して覆土デイスクを連結し、マルチシー
   ト支持部から引き出されたマルチシートの端部を
   畝の裾部において踏圧する位置に前記後輪を配置
   したことを特徴とする移動農機のマルチシート被
   覆装置。