JPH0427163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、一軸で可変コンデンサの容量値変化
と、可変抵抗器の抵抗値変化とを行なうことがで
きる可変コンデンサと可変抵抗器とが一体的に配
設された可変抵抗器付可変コンデンサに関する。

〔従来の技術〕

可変コンデンサがよく用いられる製品としては
例えば、ラジオ受信機やラジオ付カセツトテープ
レコーダー等の音響製品がある。これらの音響製
品は、小型化が促進され、製品に用いられる各部
品の高密度化に対する要望が非常に大きくなつて
きている。そのため、可変コンデンサに可変抵抗
器を組み込むことによつて一体化するという発想
から、可変コンデンサのローターシヤフトに可変
抵抗器の摺動子受を軸着しローターシヤフトの突
出側に突出した端子に可変抵抗器を圧入する構造
がとられている。以下、従来例を図面に基づいて
説明する。

第５図及び第６図は、従来例に係る、可変抵抗
器付可変コンデンサ（以下VR付バリコンと略称
する）を示す図で、第５図は、分解斜視図、第６
図は、要部断面図である。

第５図において、VR付バリコンは誘電体とし
てフイルム（図示せず）を用いた小型の可変コン
デンサ１と可変抵抗器２とから構成され、可変抵
抗器２は、基板３と、抵抗層４ａおよび集電層４
ｂが形成されたエレメント４と、前記抵抗層４
ａ、集電層４ｂにそれぞれ接触し、両者を導通す
る摺動子５ａ，５ｂが形成された摺動子受５とか
らなつている。

可変コンデンサ１の前部基板１ａの第５図にお
いて、上面側には、可変コンデンサ１内のロータ
ープレート（図示せず）を回動するためのロータ
ーシヤフト１ｂと、ステータープレート（図示せ
ず）を支持するための支柱を構成し、各ステータ
ープレートと導通する複数の端子１ｃが突出され
ている。

第５図に示した可変抵抗器２の、エレメント４
を収納・保持するための基板３には、エレメント
４が嵌挿可能な取付部３ａと可変コンデンサ１の
ローターシヤフト１ｂが遊挿可能なシヤフト挿入
孔３ｂと、前記端子１ｃが貫通可能な複数個の端
子挿入孔３ｃとが形成されている。シヤフト挿入
孔３ｂと端子挿入孔３ｃとは、可変コンデンサ１
のローターシヤフト１ｂと端子１ｃとのそれぞれ
に対応した位置に設けられており、シヤフト挿入
孔３ｂは基板３もしくは、取付部３ａの中央部に
１個所、端子挿入孔３ｃは、基板３の周縁部に４
個所設けられている。端子挿入孔３ｃは、端子１
ｃが圧入可能な大きさに形成され、装着時に端子
１ｃと、端子挿入孔３ｃ間の摩擦力によつて、保
持・固定されるように設定されている。

エレメント４の摺動面には、外側に抵抗層４ａ
が、内側に集電層４ｂがそれぞれ形成されてい
る。また端子４ｄが３個配置されたエレメント４
では集電層４ｂの内側のベースにはローターシヤ
フト１ｂが遊挿可能なシヤフト挿入孔４ｃが、前
記基板３のシヤフト挿入孔３ｂと同心状に形成さ
れている。また、第５図において、下面側に摺動
子５ａ，５ｂを備えた摺動子受５の中央部にもロ
ーターシヤフト１ｂが挿入されるシヤフト挿入孔
５ｃが形成されているが、このシヤフト挿入孔５
ｃは、ローターシヤフト１ｂの先端に形成された
図示しないダイヤルが係合する係合部１ｄに同じ
く係合できるよな形状に形成されている。このた
め、摺動子受５は、可変コンデンサ１のローター
シヤフト１ｂに係合するダイヤルの回動に同調し
て回動可能である。

したがつて、前記した如く従来例にあつては、
可変コンデンサ１のローターシヤフト１ｂの突出
側、すなわち端子１ｃに基板３の端子挿入孔３ｃ
が圧入されている側であつて、この基板３上には
エレメント４と、摺動子受５とが装着されて、可
変コンデンサ１と可変抵抗器２とが一体化され
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、かかる従来例においては、前記
可変抵抗器を構成するエレメントの摺動面が可変
コンデンサのローターシヤフトの突出側の前部基
板と反対側、すなわち外側に向くように配置され
ているために、半田付けにともなうフラツクスや
半田クズ、粉じん等が摺動子受に形成された摺動
子の摺動面に付着し、これによつて摺動ノイズや
電圧とびが発生するという欠点があつた。そし
て、これを防止するために単にカバーを追加する
ことは、部品点数が増加し、カバー形成のための
金型等の設備も必要となり製造原価をアツプさせ
るという問題につながつてくる。

したがつて、上記のような構造では、コストが
安く、信頼性の高いVR付バリコンを提供するこ
とはできなかつた。

本考案は、このような従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、その目的は、上記欠点を改善
し、コストが安く信頼性の高い可変抵抗器付可変
コンデンサを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで、本考案においては、前面基板側からロ
ーターシヤフトが突出された可変コンデンサと、
該可変コンデンサのローターシヤフトに挿着され
た摺動子を備えた摺動子受と、該摺動子受の摺動
子が摺接する抵抗層を備えたエレメントと、該エ
レメントが保持される箱体とから成り、前記摺動
子受とエレメントと箱体とによつて可変抵抗器が
構成されるとともに、前記箱体またはエレメント
と可変コンデンサの前面基板との間に摺動子受が
配置されている構成をとることによつて目的を達
成するものである。

〔作用〕

本考案は、摺動子受がエレメント、可変抵抗器
の箱体、可変コンデンサの前面基板のうち２つ以
上によつて形成される空間に内装され、特にカバ
ーなどの新規部品を必要とせずに、半田付にとも
なうフラツクスや半田くず、粉じん等が摺動子受
に固着された摺動子の摺動面に付着することを防
ぐことができるという特徴がある。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図および第２図は、本考案の一実施例に係
るVR付バリコンを示す図で、第１図はVR付バ
リコンの第１の実施例を示す分解斜視図、第２図
は第１図の要部断面図である。

第３図、第４図はそれぞれ第２の実施例、第３
の実施例を示す要部断面図である。

ここで、前述した従来例と同一の構成部材につ
いては、同一の符号を用い詳細な説明は省略す
る。

第１図、第２図において、VR付バリコンは小
型の可変コンデンサ１と、可変抵抗器２とから構
成され、可変抵抗２は、また、箱体３とエレメン
ト４と摺動子受５とからなつている。

可変コンデンサ１の前部基板１ａの上側には、
ローターシヤフト１ｂと、複数の端子１ｃが突出
されている。

可変抵抗器２は、３構成部品からなり、箱体３
はエレメント４が嵌挿可能な凹部状の取付部３ａ
と、可変コンデンサ１のローターシヤフト１ｂが
遊挿可能なシヤフト挿入孔３ｂと、前記複数の端
子１ｃが挿嵌可能な端子挿入孔３ｃと、エレメン
ト４を一定の高さに保持し、又、可変抵抗器２の
外部と内部を遮断する周縁部３ｄとが形成されて
いる。シヤフト挿入孔３ｂは、取付部３ａの略中
央部に１個所、端子挿入孔３ｃは、箱体３の周縁
部３ｄに４個所設けられている。また端子挿入孔
３ｃは、端子１ｃに圧入可能な大きさに形成さ
れ、装着時に端子１ｃと端子挿入孔３ｃ間の摩擦
力によつて箱体３が、可変コンデンサ１に保持・
固定されるように設定されている。

エレメント４の一方の面には、外側に抵抗層４
ａと内側に集電層４ｂとがそれぞれ形成され抵抗
層４ａと集電層４ｂとの端部には、それぞれ端子
４ｄ……が形成されている。また集電層４ｂの内
側には、ローターシヤフト１ｂが遊挿可能なシヤ
フト挿入孔４ｃが前記箱体３のシヤフト挿入孔３
ｂと同心に形成されている。

摺動子受５には、エレメント４の抵抗層４ａお
よび集電層４ｂにそれぞれ接触し、両者を導通す
る摺動子５ａ，５ｂが固着されており、中央部に
はローターシヤフト１ｂが挿入されるシヤフト挿
入孔５ｃが形成されている。

上述の如き構成のVR付バリコンでは可変コン
デンサ１のローターシヤフト１ｂが突出されてい
る側において、まず摺動子受５を摺動子５ａ，５
ｂが上側になるようにしてローターシヤフト１ｂ
に挿入する。次に抵抗層４ａおよび集電層４ｂが
下側になるようにしたエレメントが収納・保持さ
れた箱体３の端子挿入孔３ｃに端子１ｃを圧入し
て可変コンデンサ１と可変抵抗器２とを一体に固
着する。このようにして、組立てることによつて
箱体３の周縁部３ｄと可変コンデンサ１の前面基
板１ａとで囲まれた空間６にエレメント４と摺動
子受５とが内装されるため特にカバーなどの新規
部品を必要とせずに、半田付にともなうフラツク
スや半田くず、および粉じん等が摺動子受５の摺
動子５ａ，５ｂの摺動面に付着することを防ぐこ
とができる。

第３図は第２の実施例を示す要部断面図で、図
において摺動子受５はエレメント４と、箱体３′
の間に内装配置され、その他特に説明しない部分
は、第１の実施例と同様に構成してある。

第４図は第３の実施例を示す要部断面図で、図
において摺動子受５は、エレメント４と周縁部１
ｅが一体に形成された可変コンデンサ１の前面基
板１ａとの間に内装配置され、その他特に説明し
ない部分は、第１の実施例と同様に構成してあ
る。

〔考案の効果〕

上述の如く、可変抵抗器を構成する摺動子受
が、箱体またはエレメントと可変コンデンサの前
面基板とによつて形成される空間に内装配置され
ていることによつて、他のカバーなどの部材を用
いることなく、半田付にともなうフラツクスや半
田くず、粉じん等が摺動子受に固着された摺動子
の摺動面に付着することがなく、よつて安価で安
定した品質のVR付コンデンサを提供するとがで
きるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１の実施例に係るVR付
バリコンを示す分解斜視図、第２図は第１図の要
部断面図、第３図は第２の実施例に係るVR付バ
リコンを示す分解斜視図、第４図は第３の実施例
に係るVR付バリコンを示す分解斜視図、第５
図、第６図は従来例を示す分解斜視図及び要部断
面図である。 １……可変コンデンサ、１ａ……前面基板、１
ｂ……ローターシヤフト、１ｃ……端子、２……
可変抵抗器、３……箱体、３ａ……取付部、３ｂ
……シヤフト挿入孔、３ｃ……端子挿入孔、３ｄ
……周縁部、４……エレメント、４ａ……抵抗
層、４ｂ……集電層、４ｃ……シヤフト挿入孔、
５……摺動子受、５ａ，５ｂ……摺動子、５ｃ…
…シヤフト挿入孔、１ｅ……周縁部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前面基板側からローターシヤフトが突出され
   た可変コンデンサと、該可変コンデンサのロー
   ターシヤフトに挿着される摺動子を備えた摺動
   子受と、該摺動子受の摺動子が摺接する抵抗層
   を備えたエレメントと、該エレメントが保持さ
   れる箱体とから成り、前記摺動子受とエレメン
   トと箱体とによつて、可変抵抗器が構成される
   とともに、前記箱体またはエレメントと可変コ
   ンデンサの前面基板との間に摺動子受が配置さ
   れていることを特徴とする可変抵抗器付可変コ
   ンデンサ。 (2) 前記可変コンデンサの前面基板と可変抵抗器
   の箱体とが一体に形成されていることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の可変
   抵抗器付可変コンデンサ。