JPH04263668A - 森林浴効果を有する繊維構造物及びその製造方法 - Google Patents

森林浴効果を有する繊維構造物及びその製造方法

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JPH04263668A
JPH04263668A JP4285991A JP4285991A JPH04263668A JP H04263668 A JPH04263668 A JP H04263668A JP 4285991 A JP4285991 A JP 4285991A JP 4285991 A JP4285991 A JP 4285991A JP H04263668 A JPH04263668 A JP H04263668A
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forest bathing
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、森林浴効果を有する繊
維構造物に関し、詳しくは、織編物等にフィトンチッド
封入マイクロカプセルを付着せしめて、耐久性のある森
林浴効果を付与した織編物,衣類及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、森林浴効果を有する衣類等の
繊維構造物については、様々な開発がなされ、市場にも
多く出回っていた。ところが、これらの多くは単に最終
製品に仕上げの時点でフィトンチッドをスプレーし、ま
たはバインダーや糊剤と共に塗布する(特開昭64−5
2886号公報)等、大気開放系で施与するものであっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして得られた衣類は、その森林浴効果の耐久性に
乏しいことは言うまでもなく、たった1回の洗濯で完全
に森林浴効果が消失してしまい、極めて商品価値の低い
ものであった。更に、着用中外気に接触することにより
、すぐにフィトンチッドが蒸発してしまい、着用後僅か
数時間しか森林浴効果を維持することのできないもので
あった。
【0004】そして、耐久性のある森林浴効果を得るこ
とを目的として、フィトンチッドを樹脂で固めたもの等
を衣類等に付着せしめることを試みても、やはり継続的
にフィトンチッドを発散するというものは得られず、逆
に衣類等の風合が固くごわごわした感じになりがちであ
るという欠点が目立った。
【0005】本発明者等は、上述のような実情に鑑み、
耐久性のある森林浴効果を有し、且つ風合の良好な繊維
構造物を得ることを目的に鋭意検討を重ねた結果、フィ
トンチッドを含有するマイクロカプセルを用いることが
繊維構造物の森林浴効果を有する加工に好適であるとの
知見を得た。
【0006】このマイクロカプセルに関しては従来から
様々な製造方法が開発されており、代表的なものとして
は特公昭37−7724号公報に記載された方法が挙げ
られる。
【0007】また、マイクロカプセルを繊維に適用する
ことも特開昭49−19197号公報等で種々提案され
ている。
【0008】然して、本発明は、フィトンチッドをマイ
クロカプセルに封入した閉鎖系において、繊維構造物に
付着せしめることにより森林浴効果の持続性が得られる
こと、即ち着用中の摩擦により加えられる応力によって
少しずつマイクロカプセルが破れて開放系に転換し、継
続的な発散効果を奏することに着目したものである。
【0009】即ち、本発明は繊維構造物の風合を損なう
ことなく、好ましいフィトンチッドの発散による森林浴
効果の持続性を満足しうる森林浴効果を有する繊維構造
物の提供を目的とするものである。更に斯かる森林浴効
果を有する繊維構造物を工業的容易に且つ安価に製造す
る方法の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は次の構成を取る。即ち第1番目の発明は
繊維構造物にフィトンチッド封入マイクロカプセルが樹
脂バインダーにより固着されてなる森林浴効果を有する
繊維構造物を要旨とし、また第2番目の発明は繊維構造
物の少なくとも一部に、フィトンチッド封入マイクロカ
プセルと、樹脂バインダーとからなる処理液を付与した
後、150℃未満の温度で乾燥して、上記マイクロカプ
セルを繊維表面に固着せしめることを特徴とする森林浴
効果を有する繊維構造物の製造方法を要旨とする。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明でいう繊維構造物とは、糸条,紐類
,織物,編物,不織布,立毛布,皮革,毛皮,これらの
二次製品、例えば、コート,着物スーツ,ユニフォーム
,セーター,スカート,スラックス,カーディガン,ス
ポーツウェア,ドレスシャツ,カジュアルウェア等の外
衣、パジャマ,ショーツ,ランジェリー,ファンデーシ
ョン,ホージャリー等の下着類、ストッキング,ソック
ス等の靴下類、スリッパ等の履物類、布団側地,シーツ
,布団カバー,毛布等の寝装品、手袋,ネクタイ,スカ
ーフ,ショール,メガネ拭き等の小物類、カーテン,カ
ーペット,壁張り布,椅子張り布,室内装飾品,自動車
内装材等を包含する。
【0013】そして、その構成繊維としては、天然繊維
,再生繊維,合成繊維、或いはこれらの混紡,合糸,混
繊等による混合糸のいずれを使用してもよい。
【0014】本発明において用いられるフィトンチッド
封入マイクロカプセルは、適宜の摩擦によって壊れてフ
ィトンチッドを発散するものであればその組成等は特に
限定されないし、マイクロカプセル化法自体は公知であ
る。フィトンチッドの徐放及びマイクロカプセルの機械
的強度の点から、壁材は有機ポリマーであることが好ま
しく、例えばポリウレタン,尿素−ホルマリン樹脂,サ
イクロデキストリン等が挙げられるが、これに限定はさ
れない。ただし、壁材が尿素−ホルマリンまたはメラミ
ン−ホルマリン樹脂のものが好ましく、特に低ホルマリ
ンマイクロカプセルが好ましい。
【0015】マイクロカプセルの大きさは、通常、平均
粒径1〜50μ、好ましくは5〜20μであって、特に
粒径分布の大部分が5〜20μの範囲に入るものが好適
である。そして、壁材が尿素−ホルマリン樹脂の場合に
は、粒子径が2〜50μ好ましくは5〜20μ、壁厚が
0.1〜20μ好ましくは0.5〜4μ程度であって、
また、壁材がメラミン−ホルマリン樹脂の場合は、粒子
径が5〜50μ好ましくは5〜20μ、壁厚が0.2〜
30μ好ましくは0.5〜6μ程度である。
【0016】本発明でいうフィトンチッドとは、天然フ
ィトンチッド,合成フィトンチッドの単品または混合物
であり、天然フィトンチッドとしては、ヒノキ,ヒバ,
松,ユーカリ,柑橘類の樹葉,幹,根等の水蒸気蒸留し
て得られる化合物が挙げられる。また、合成フィトンチ
ッドとしてはα−ピネン,β−ピネン,シネオール,ガ
ンマテルピネン,ヒノキチオール等のモノテルペン,セ
スキテルペン類が挙げられる。このフィトンチッドは、
マイクロカプセル全重量に対して好ましくは5〜99重
量%、特に好ましくは30〜95重量%内包される。
【0017】本発明においてバインダーとして好適に用
いられるシリコン系樹脂バインダーは、コーティング効
果を奏しマイクロカプセルと繊維構造物との間の接着剤
としての役割を果たすものであり、特に水への分散性に
優れ水で容易に希釈可能なシリコン系水性エマルジョン
型例えばオルガノポリシロキサンを主成分とし乳化剤で
乳化したものが好ましい。これは、水の除去により硬化
し、シリコンゴムの特長を有するゴム状皮膜を毛するも
のであり、耐久性のある接着効果を奏するものである。
【0018】このオルガノポリシロキサンのエマルジョ
ンは、更に好ましくは低温反応型のオルガノポリシロキ
サンプレポリマーエマルジョンである。ここでいう低温
反応型オルガノポリシロキサンプレポリマーエマルジョ
ンとしては、例えば1分子中にケイ素原子に結合するヒ
ドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロ
キサン及びその誘導体100重量部に対し、アミノファ
ンクショナルシランまたはその加水分解物と酸無水物と
の反応生成物0.1〜10重量部とコロイダルシリカ1
〜50重量部からなる均一分散液をオルガノポリシロキ
サンに対して1〜60重量部及び硬化用触媒を0.01
〜10重量部及びアニオン系乳化剤を0.3〜20重量
部及び水が25〜600重量部からなるシリコンの水性
エマルジョンが挙げられる。
【0019】また、本発明に適用するバインダーとして
は、低温反応性のブロック化イソシアネートプレポリマ
ーのエマルジョンを脂肪酸の金属塩と共に用いることも
できる。この低温反応性ブロック化イソシアネートプレ
ポリマーとしては、重亜硫酸ソーダ,アセチルアセトン
,アセト酢酸エチル,ジエチルマロネート等、イソシア
ネート基に反応して一時的に安定な化合物を作り、後か
ら熱処理することにより熱解離し、イソシアネート基を
再生するブロック化イソシアネート基を分子中に少なく
とも1個以上含有する化合物であり、アクリルまたはメ
タクリル化合物及びシリコン変性,フッソ変性等変性ア
クリルまたはメタクリル化合物を重合して得られるプレ
ポリマーが挙げられる。
【0020】また、脂肪酸の金属塩は、ブロック化イソ
シアネートの解離を促進する触媒であって、オクチル酸
亜鉛,オクチル酸ジルコニウム,ラウリン酸亜鉛,ステ
アリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0021】更に、このバインダーとしては、1個以上
のビニル基を含有するモノマーを乳化重合して得られる
アクリルまたはメタクリル化合物のエマルジョンを用い
ることもできる。かかるエマルジョンは、例えば、アク
リル酸,メタクリル酸,メチルアクリレート,メチルメ
タアクリレート,エチルアクリレート,エチルメタアク
リレート,ブチルアクリレート,ブチルメタアクリレー
ト,アクリロニトリル,アクリルアミド,N−メチロー
ルアクリルアミド,2−ヒドロキシエチルアクリレート
,2−ヒドロキシブチルアクリレート等の乳化重合物の
エマルジョンである。
【0022】更にまた、ポリアルキレンエマルジョン,
多価アルコールと多塩基酸からなるポリエステル樹脂の
エマルジョン、またはジイソシアネートとポリオールか
らなるポリウレタンエマルジョンもバインダーとして適
用可能である。
【0023】このポリアルキレンとしては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレンなどが、また多価アルコールとして
は、エチレングリコール,1,4−ブタンジオール,1
,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリコール,トリ
メチロールプロパンが、多塩基酸としては、フタル酸,
アジピン酸,マレイン酸,トリメット酸,テレフタル酸
等が挙げられる。更に、ジイソシアネートとしては、ヘ
キサメチレンジイソシアネート,キシレンジイソシアネ
ート,トリレンジイソシアネート,4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート,1,5−ナフタレンジイソ
シアネート等が、またポリオールとしては、ポリエチレ
ンアジペート,ポリプロピレンアジペート,ポリブチレ
ンアジペート,ポリエチレンフタレート,ポリエチレン
グリコール,ポリプロピレングリコール,ポリエチレン
プロピレングリコール等が挙げられ、これらよりなるポ
リウレタン樹脂のエマルジョンは、乾燥処理によって水
不溶性の樹脂を形成する。
【0024】また、上記バインダーは圧力緩衝剤を含有
することが望ましい。圧力緩衝剤とは、ポリアクリル酸
またはアクリル酸とアクリレート共重合物等のポリ有機
カルボン酸を含むエマルジョンや、アンモニア,ソーダ
灰等のアルカリ性物質と塩を形成する化合物や、ポリア
クリル酸ソーダ塩,ポリアクリル酸アンモニウム塩,ポ
リアクリル酸アミノ塩等の有機ポリカルボン酸の中和物
またはアクリル酸とアクリレートとの共重合物の中和物
や、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコールや、ポリエチレングリ
コール,ポリプロピレングリコール等のポリアルキレン
グリコールの末端をアルキル基Cn H2n+1(式中
nは1〜25の整数)で置換した化合物や、ポリビニル
ピロリドン等から選択される化合物である。
【0025】前述の如き、フィトンチッド封入マイクロ
カプセルは、前記エマルジョンと好ましくは圧力緩衝剤
とからなる処理液に添加して繊維構造物に付与するが、
この際、処理液のpHを5〜10好ましくはpH6〜9
となるようソーダ灰,重曹,アンモニア等で調整するこ
とが好ましい。
【0026】上記のフィトンチッド封入マイクロカプセ
ルを含有する処理液を付与する方法としてはパッディン
グ法,スプレー法,浸漬脱液法,コーティング法等が挙
げられる。
【0027】いずれにしてもバインダーは、マイクロカ
プセルの0.3〜20倍好ましくは0.5〜15倍(重
量比)与えられ、充分な接着効果を発揮する。これを0
.3倍よりも少なくするとコーティング作用が劣り、一
方これを20倍よりも多く与えてもマイクロカプセルの
付着率はほとんど変わらず、逆に繊維構造物の柔軟な風
合において、或いは樹脂の種類によって異臭の問題が引
き起こされ好ましくない。また、これら両者の付着量は
、通常付着部分の繊維構造物重量の0.3〜12.0%
、好ましくは0.5〜9.0%を占める。即ち、マイク
ロカプセルは、バインダーを上記割合で与えられること
により繊維構造物に充分に付着するものであるから、こ
れら両者の付着量が前記0.3%よりも少ないものであ
れば、森林浴効果及び耐久性共に不充分であり、一方こ
れが12.0%よりも多くなると、繊維構造物としての
風合にかかわり、また一時に発散するフィトンチッドの
香りがきつくなりすぎるという問題も存在し、いずれも
不適である。つまり、好ましいフィトンチッドの発散効
果と共に好適な風合及び柔軟性を有し、且つその効果が
適宜の耐久性を有すると共に異臭に干渉されることがな
いという全ての条件を満たすものは、上記の付着量であ
る。
【0028】このバインダーの付与は、後工程を行なわ
ない衣類等の最終製品に行なうことが好ましく、例えば
フィトンチッド封入マイクロカプセルを含有する処理液
槽に浸漬し、風合を損なわない方法で脱水・乾燥すれば
よい。
【0029】斯くの如く、繊維構造物にフィトンチッド
封入マイクロカプセルを含有する処理液を付与した後は
、150℃未満の温度で乾燥を行ないマイクロカプセル
を繊維表面に固着せしめる。乾燥処理の一例としては、
温度60〜150℃好ましくは80〜130℃にて5秒
〜30分好ましくは10秒〜10分乾燥を行なうか、乾
燥後温度80〜150℃好ましくは100〜130℃に
て5秒〜10分好ましくは10秒〜5分熱処理すること
が挙げられる。
【0030】尚、柔軟剤,風合調整剤,染料フィックス
剤,反応型樹脂,縮合型樹脂,触媒等の通常の仕上剤を
併用しても、本発明の効果に対しては特に問題はなく、
更に、フィトンチッド処理に際し、顔料を10重量%以
下併用しても同じく問題はない。
【0031】以上の如き処理によって、繊維構造物に耐
久性の良好なフィトンチッドを風合を損なうことなく付
与することができる。
【0032】
【作用】本発明は、フィトンチッドをマイクロカプセル
に封入した閉鎖系において繊維構造物に付着せしめてい
るので、着用中の摩擦により加えられる応力によって少
しずつマイクロカプセルが破れて開放系に転換し、継続
的な発散効果を奏するようになる。
【0033】また、フィトンチッド封入マイクロカプセ
ルがバインダーにより繊維構造物に付着せしめられてい
るので、耐久性に優れたものとなる。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき詳細に説明する
【0035】尚、以下に挙げる実施例中の数値の基本と
なる試験方法は次の通りである。
【0036】(1)洗濯試験  JIS  L−021
7  103法  自然乾燥
【0037】(2)香りの感能試験 試験者10人を対称とし、下記に示す基準で点数評価し
た平均値にて示す。 5:加工上り 4:加工上りより少し減少 3:2と4の中間 2:加工上りより大幅に減少 1:少し香りがある 0:全く香りがしない
【0038】(3)神経の鎮静作用試験実施例2,実施
例3,4で得られた製品より布団カバーを作成し、試験
者10人を対象とし、該カバーを着用して睡眠8時間後
下記に示す基準で評価した。 ◎:非常によく眠れた ○:よく眠れた △:普通
【0039】(4)抗菌性(菌数測定法)試験に用いる
細菌 staphylococcus aureus FDA
 209P (IFO12732)■  前培養 ブイヨン培地中、37℃×18〜24時間培養。 ■  試験菌懸濁液の調製 菌数108 個/ml以上で対数増殖期にあるものを希
釈して106 個/mlとする。 ■  試料(試験布)の滅菌 試験布0.2gをオートクレープ(121℃×20分)
滅菌。 ■  培養試験 a.オートクレープ(121℃×20分)滅菌した試験
布0.2gに106 個/mlの菌数0.2mlを吸収
させ37℃で18〜24時間培養する。 b.培養後、生理食塩水20mlを加えて生菌を分散さ
せる。 c.この分散菌液を生理食塩水液で順次希釈して、10
倍希釈列をつくる。 d.この希釈列から1mlをそれぞれのシャーレ(普通
寒天培地)に加えて均一に広げて37℃で18〜24時
間培養し、生育したコロニー数を計測し、その希釈倍率
を乗じて試料中の生菌数を算出する。 生菌数=コロニー数×20×希釈倍率 ■  菌数測定法の増減値差の計算 無加工試料 〔A〕接種直後分散回収したもの(3検体)     
   平均値A 〔B〕18時間培養後分散回収したもの(3検体)  
平均値B 加工試料 〔C〕18時間培養後分散回収したもの(3検体)  
平均値C 増減値差=log(B/A)−log(C/A)log
(B/A)>2で、この試験は有効log(B/A)≦
2で、再試験
【0040】(5)消臭試験 試料1gの入った密閉ビンに、トリメチルアミン0.1
mlを注入し、注入直後と24時間に、ビン中の空気1
mlを抜き取りアラバスター消臭試験器にて測定した。
【0041】実施例1 通常公知の方法にて編立て,精練・晒,染色,フィック
ス処理を行なった下記に示すパンティストッキングを試
供品とした。 パンティストッキング(サポート・タイプ)レッグ部 
 (20×13×13DCY)×13d/3f生糸 パンティ部(20×30POY)×30d/8fウーリ
ー糸 トウ部    13d/3f生糸×30d/8fウーリ
ー糸×70d/18ウーリー糸
【0042】該パンティストッキングを下記に示す組成
の処理液に浸漬して40℃にて20分間処理を行なった
。 バインダー:水性シリコンバインダー 信越シリコンKM2002T (信越化学工業(株)製,固形分40%)pH調整剤:
ウルトラMT(御幣島化学工業(株)製)柔軟剤   
 :吸水柔軟剤  サンソフナータフA(三洋化成工業
(株)製) マイクロカプセル:壁剤  尿素−ホルマリン樹脂内包
剤  フィトンチッド(フィトンα,(株)ヘルタスイ
ンターナショナル製) 内包率  40% 平均粒子径  10μ
【0043】その後脱水を行ない、120℃にて10秒
乾燥を行なった後、115℃で10秒足型に入れセット
を行ない、実施例1の製品を得た。
【0044】比較例1 実施例1と同様の処理において、フィトンチッドのマイ
クロカプセルを添加せず、内包剤がジャスミン系合成香
料のマイクロカプセルを添加した他は実施例1と同様の
処理を行ない、比較例1の製品を得た。
【0045】比較例2 実施例1と同様の処理において、フィトンチッドのマイ
クロカプセルを添加せず、代わりに相当する量のフィト
ンチッドの精油(フィトンα)を添加した他は実施例1
と同様の処理を行ない、比較例2の製品を得た。
【0046】実施例1,比較例1〜2で得られた製品の
香りの耐久性を表1に、また抗菌性を表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表1,表2から明らかなように、実施例で
得られた製品は香りの耐久性があり、抗菌性に優れてい
ることがわかる。
【0050】実施例2 通常公知の方法で、糊抜,精練・晒,シルケット,染色
した経糸40番手,緯糸40番手単糸,経糸密度126
本/吋,緯糸密度96本/吋,目付105g/m2 の
綿平織物を供試品とした。
【0051】この平織物を下記に示す処理液に浸漬し、
ピックアップ率80%にてマングルにて絞り、120℃
で2分間乾燥を行ない、実施例2の製品を得た。 バインダー:ポリウレタンエマルジョンスーパーフレッ
クスE2000 (第一工業製薬(株)製,固形分40%)柔軟剤   
 :ポリエチレン系柔軟剤ヨドゾールPE400 (カネボウエヌ・エス・シー(株)製)マイクロカプセ
ル:実施例1と同様
【0052】比較例3 実施例2と同様の処理において、フィトンチッドのマイ
クロカプセルを添加せず、ラベンダー系合成香料のマイ
クロカプセルを添加した他は実施例2と同様の処理を行
ない、比較例3の製品を得た。
【0053】比較例4 実施例2と同様の処理において、フィトンチッドのマイ
クロカプセルを添加せず、フィトンチッドの精油(フィ
トンα)を相当する量添加した他は実施例2と同様の処
理を行ない、比較例4の製品を得た。
【0054】実施例2,比較例3〜4で得られた製品の
香りの耐久性,神経の鎮静作用を表3に、抗菌性を表4
に、また消臭率を表5に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】表3〜表5から明らかなように、実施例で
得られた製品は香りの耐久性及び神経の鎮静作用の耐久
性があり、抗菌性及び消臭効果に優れていることがわか
る。
【0059】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた構成により、次
のような効果を奏する。
【0060】まず、繊維構造物、例えば衣類にフィトン
チッドマイクロカプセルを付着せしめているため、着用
中或いは意図的な摩擦により少しずつカプセルが破れて
好適なフィトンチッドを発散する。従って、そのフィト
ンチッドは一気に発散されて消失してしまうものではな
く、充分な持続性を有するものである。
【0061】また、マイクロカプセルに対して適宜の割
合で樹脂バインダーを与えることにより、接着力及び付
着性を著しく向上させて目的とする付着量及び良好なフ
ィトンチッドの耐久性を獲得している。
【0062】そして、神経の鎮静作用,抗菌性,消臭性
等の機能を発揮するフィトンチッドが常時発散されるの
で、日常生活をしながら終日森林浴をしているのと同じ
効果が得られ頗る有用である。しかも、合成の抗菌剤ま
たは消臭剤に比較し、マイルドな効果を示し、安定性に
も優れている。
【0063】そして、その製造方法は、煩雑な加工工程
を必要とせず、マイクロカプセルと樹脂バインダーとを
適宜の割合で混合した処理剤を付与し、加熱処理を行な
うことにより、織編物や衣類等の繊維構造物に本来の風
合を損なうことなく耐久性のあるフィトンチッドを付与
することができるものである。
【0064】即ち、マイクロカプセル,バインダー,圧
力緩衝剤,処理温度などを本発明の如く選択することに
より、加工工程ではマイクロカプセルの破壊が少なく、
繊維構造物の使用時(着用時)に始めてマイクロカプセ
ルが破壊されフィトンチッドが充分に発散するものとな
る。特にシリコン系のバインダーを使用すると、バイン
ダーの異臭による芳香干渉の問題は発生しない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  繊維構造物にフィトンチッド封入マイ
    クロカプセルが樹脂バインダーにより固着されてなる森
    林浴効果を有する繊維構造物。
  2. 【請求項2】  繊維構造物の少なくとも一部に、フィ
    トンチッド封入マイクロカプセルと、樹脂バインダーと
    からなる処理液を付与した後、150℃未満の温度で乾
    燥して、上記マイクロカプセルを繊維表面に固着せしめ
    ることを特徴とする森林浴効果を有する繊維構造物の製
    造方法。
JP3042859A 1991-02-14 1991-02-14 森林浴効果を有する繊維構造物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2582738B2 (ja)

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